※本記事は、株式会社サイバーセキュリティクラウド の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
サイバーセキュリティクラウドは、「世界中の人々が安心安全に使えるサイバー空間を創造する」という経営理念を掲げる日本発のセキュリティメーカーです。同社グループは、Webアプリケーションのセキュリティサービスを軸に、脆弱性情報収集・管理ツールやクラウド環境のフルマネージドセキュリティサービスを提供しています。
単体従業員数は134名、連結従業員数は164名です。同社グループのセグメントはサイバーセキュリティ事業の1つです。
主な国内グループ会社は、(連結子会社)ジェネレーティブテクノロジー(受託開発)、(連結子会社)DataSign(製品開発、製品販売)などです。
直近では、2024年10月に株式会社ジェネレーティブテクノロジーを、2025年2月には株式会社DataSignを連結子会社化し、事業領域を拡大しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
サイバーセキュリティクラウドは、サイバーセキュリティという専門性の高い分野で事業を展開しており、従業員の専門性強化と多様な働き方を重視する環境が特徴です。人材育成に力を入れ、柔軟な働き方を推進することで、従業員が長期的に活躍できる基盤づくりに取り組んでいます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均年齢が比較的若く、平均勤続年数も短めであることから、活発な人材の流動性や成長フェーズにある組織の傾向が見られます。専門性の高い分野でキャリアを築きたいと考える方にとって、新しい挑戦の機会が多い環境であると言えます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 8,125,000円 |
| 平均勤続年数 | 2.5年 |
| 平均年齢 | 37.6歳 |
| 単体従業員数 | 134人 |
| 連結従業員数 | 164人 |
| 単体のグループ内比率 | 81.7% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは「世界中の人々が安心安全に使えるサイバー空間を創造する」という経営理念のもと、多様な個性と専門性を持つプロフェッショナル集団として、お客様の事業成功を実現する「Security Agent for Success」をバリューとしています。人的資本戦略の柱として「高度な専門性の育成」と「ダイバーシティの推進(女性の活躍推進)」を掲げ、人材の育成と定着を図っています。
具体的には、変化の激しいサイバーセキュリティ業界で高い付加価値を提供し続けるため、書籍購入補助や各種資格取得支援、社内外のトレーニングプログラムを通じて専門性強化を後押ししています。また、入社後の定着・活躍支援として、ウェルカムランチやメンター制度により人的ネットワーク構築を支援し、多様なバックグラウンドを持つ人材が安心して能力を発揮できる土壌を醸成しています。ダイバーシティ推進では、女性従業員の採用と定着に注力し、ライフイベントを見据えたキャリアプラン構築支援や次世代リーダー候補の育成を通じて、女性管理職の継続的な輩出に取り組んでいます。
社内環境の整備としては、市場水準を上回る処遇の提供に加え、フレックスタイム制度やテレワーク制度を活用した柔軟な働き方を推進しています。男女ともに育児休業取得の促進や復職支援など、仕事と家庭を両立しやすい環境整備を進めており、その結果、女性活躍推進法に基づく「えるぼし認定(2つ星)」を取得しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体のデータを示します。男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異は、公表義務の対象ではないため記載を省略しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 16.7% |
多様性・登用
人材育成・社内環境整備は連結子会社でも行われていますが、人材の大多数が所属する提出会社単体について記載されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 社員に占める女性比率 | 31.1% |
| 管理職に占める女性比率 | 16.7% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
サイバーセキュリティクラウドは、「世界中の人々が安心安全に使えるサイバー空間を創造する」という経営理念のもと、サイバーセキュリティ事業を展開しています。Webアプリケーションのセキュリティサービスを軸に、脆弱性情報収集・管理ツールやクラウド環境のフルマネージドセキュリティサービスを提供しているセキュリティメーカーです。
同社グループの主なサービスには、Webアプリケーションに対するサイバー攻撃を検知・遮断・可視化するクラウド型WAF「攻撃遮断くん」があります。また、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google CloudのWAFをAIとビッグデータで自動運用する「WafCharm」も提供しています。
さらに、AWS WAFのセキュリティルールセットである「AWS WAF Managed Rules」も、米国子会社を通じてAWS Marketplaceで提供しています。脆弱性専門アナリストがコンテンツを作成する脆弱性情報収集・管理ツール「SIDfm」や、Webアプリケーション脆弱性診断などの「脆弱性診断サービス」も手掛けています。
AWS、Azure、Google Cloudに対応したフルマネージドセキュリティサービス「CloudFastener」や、Webサイトにおける外部送信ツールを自動検知し、国内外のプライバシー規制対応を支援する「webtru」も提供し、多角的にサイバーセキュリティの課題解決に貢献しています。
これらのサービスは、主にサブスクリプション(月額課金)型モデルで提供されており、継続的な収益を基盤としています。一部サービスでは従量課金型モデルも組み合わせています。同社グループの売上高は本邦の外部顧客が大部分を占めており、特定の顧客への収益集中は見られません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、過去5期間において売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに一貫して増加傾向を示しています。特に直近の連結会計年度では、売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益がいずれも前期から大きく伸びています。
これは、パブリッククラウドWAF自動運用ツール「WafCharm」やフルマネージドセキュリティサービス「CloudFastener」の受注が堅調に推移したことによるものです。また、連結子会社化した株式会社DataSignの個人情報同意管理ツール「webtru」なども業績に貢献しています。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 18.2億円 | - | 30.6億円 | 38.6億円 | 50.8億円 |
| 経常利益 | 3.0億円 | - | 5.6億円 | 8.3億円 | 10.9億円 |
| 経常利益率 | 16.4% | - | 18.3% | 21.6% | 21.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1.7億円 | - | 4.3億円 | 5.8億円 | 8.2億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 18.17 | - | 45.28 | 62.36 | 81.84 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期から増加しており、生産性が向上している傾向が見られます。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から増加しており、収益性の面でも効率的な事業運営が進んでいることがうかがえます。
これらの指標の改善は、同社グループが事業規模の拡大とともに、従業員一人ひとりの貢献度を高めていることを示唆しています。
| 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 28.4百万円 | 31.0百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 5.7百万円 | 6.7百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、事業活動で安定的に資金を生み出し、強固な財務基盤を構築していることを示しています。これは、入社後の雇用や給与の安定性にも関わる重要な要素です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場平均と比較して高い水準にあり、強固な財務体質を示しています。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を上回っており、効率的な経営が行われていることがうかがえます。手元資金も潤沢に確保されており、事業の安定性や将来の成長投資に向けた余力がある状態です。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 17.1億円 | 44.2億円 |
| 自己資本比率 | 55.3% | 75.6% |
| ROE(自己資本利益率) | 34.5% | 27.1% |
| 現金及び預金 | 16.7億円 | 39.8億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、当期に10.0億円のプラスとなりました。これは税金等調整前当期純利益の計上や株式報酬費用の計上などが主な要因です。投資活動によるキャッシュフローは、無形固定資産の取得や子会社株式の取得による支出などにより、当期は△4.3億円のマイナスとなっています。これは将来の成長に向けた積極的な投資が行われていることを示しています。
財務活動によるキャッシュフローは、新株の発行による収入が大きく、当期は17.1億円のプラスとなりました。その結果、事業活動で得た資金と投資活動で使った資金を合わせたフリーキャッシュフローは、当期に5.8億円のプラスを確保しています。本業で安定的に資金を生み出し、成長投資も行いつつ、資金の余剰がある状態であり、雇用や給与の安定性、そして今後の事業成長への期待が持てます。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 6.3億円 | 10.0億円 |
| 投資CF | △1.8億円 | △4.3億円 |
| 財務CF | △6.0億円 | 17.1億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 4.6億円 | 5.8億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループが属するサイバーセキュリティ市場は成長傾向にあるものの、競合企業の新規参入や、優れた機能が安価で提供された場合に競争力が低下するリスクがあります。また、サイバーセキュリティ事業に特化しているため、需要が低迷した場合には事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。海外展開においては、現地の法令・規制の変更、社会情勢、為替相場の変動、サービスが市場に受け入れられない可能性といったリスクが存在しています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、サービスの開発において従業員の技術力に大きく依存しており、優秀なエンジニアを安定的に確保することが重要であると認識しています。従業員の採用及び教育が計画通りに進まない場合や人材流出が進む場合には、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
サイバーセキュリティクラウドは、サイバー空間の安心安全を追求し、社会に貢献することを目指す企業です。AI時代の到来を成長の追い風と捉え、アプリケーションセキュリティ領域での圧倒的な地位確立を目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
サイバーセキュリティクラウドは、「世界中の人々が安心安全に使えるサイバー空間を創造する」という経営理念を掲げています。同社グループは、前中期経営計画で設定した目標を達成し、現在は次の成長フェーズへと移行しています。AI時代の到来を大きな追い風と捉え、アプリケーションセキュリティ領域において圧倒的なNo.1ポジションの確立を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
サイバーセキュリティクラウドは、「世界中の人々が安心安全に使えるサイバー空間を創造する」というミッションのもとに結集したプロフェッショナル集団です。お客様の事業成功をともに実現する「Security Agent for Success」をバリューとしています。人的資本戦略の柱として「高度な専門性の育成」と「ダイバーシティの推進(女性の活躍推進)」を掲げています。
専門性の強化のため、書籍購入補助や資格取得支援、トレーニングプログラムへの参加機会を提供しています。また、新入社員の定着・活躍支援としてウェルカムランチやメンター制度を導入しています。多様な人材が長期的に活躍できるよう、フレックスタイム制度やテレワーク制度、育児休業取得の促進など、柔軟な働き方を推進しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
サイバーセキュリティクラウドは、中長期的な成長に向けた課題として、人材の確保と育成を重視しています。技術者を中心とした優秀な人材を確保し、育成することが重要であると考えています。従業員が能力を最大限発揮できる体制を構築し、採用と育成を継続的に進めています。
また、内部管理体制の強化も重要な課題です。業務運営の効率化やリスク管理のため、監査役会の設置、社外取締役の選任、内部監査の強化などを通じて、コンプライアンス強化に努めています。同社グループは、内部統制の実効性を高め、コーポレート・ガバナンス体制を一層整備していく方針です。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
サイバーセキュリティクラウドは、取締役会と監査役会を設置する体制で経営を行っています。取締役会は経営上の意思決定と業務執行の監督を担っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
サイバーセキュリティクラウドの株主構成を見ると、投資事業有限責任組合が筆頭株主となっています。その他、信託銀行や事業会社が上位株主として名を連ねており、多様な主体によって支えられている資本構成です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| JICVGIオポチュニティファンド1号投資事業有限責任組合 | 9.17% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 5.69% |
| GMOインターネットグループ | 4.85% |
なお、JICVGIオポチュニティファンド1号投資事業有限責任組合は、2025年3月10日に同社が第三者割当増資のため発行した株式を全て引き受けたことにより、筆頭株主となっています。また、前事業年度末において主要株主であったVECTOR GROUP INTERNATIONAL LIMITEDは、当事業年度末現在では主要株主ではなくなりました。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性9名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長兼CEOは小池敏弘氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 小池 敏弘 | 代表取締役社長兼CEO | 2006年リクルートHRマーケティング関西入社後、AppSocially取締役COO、ALIVAL代表取締役を歴任。2021年1月同社入社、同年3月より代表取締役社長兼CEOに現職。 |
| 渡辺 洋司 | 代表取締役CTO | 1998年アルファシステム入社後、アスケイドを経て2016年同社入社。CTO兼Webセキュリティ事業部長、執行役員、取締役CTOを歴任し、2021年3月より代表取締役CTOに現職。 |
| 倉田 雅史 | 取締役CFO | 2014年太陽ASG有限責任監査法人入所、公認会計士登録。2017年同社入社後、執行役員管理部長、取締役管理部長を歴任。2021年3月より取締役CFOに現職。 |
| 桐山 隼人 | 取締役CSO兼CISO | 2004年東京大学大学院修了後、日本アイ・ビー・エム、シマンテック、アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社を経て、2024年1月同社入社。CSO兼CISO、同年3月より取締役に現職。 |
社外取締役は、伊倉吉宣氏(伊倉総合法律事務所代表弁護士)、栗原博氏(元富士ゼロックス代表取締役社長)です。
同社は監査役会設置会社であり、監査役が取締役の職務執行を監査する体制を採用しています。社外取締役は、経営の透明性・客観性を高め、取締役会の監督機能の強化に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
サイバーセキュリティクラウドの役員報酬は、金銭報酬と株式報酬で構成されています。業務執行取締役には固定報酬と株式報酬が支給され、社外取締役には基本報酬のみが支払われる仕組みです。この報酬体系は、企業価値の持続的な向上へのインセンティブと、株主との価値共有を目的としています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 1.7億円 | 42.1百万円 |
| 社外取締役 | 2名 | 10百万円 | 4.8百万円 |
| 社外監査役 | 3名 | 13百万円 | 4.3百万円 |
同社役員報酬の総額は190.8百万円であり、対象となる役員は合計9名です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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