※本記事は、アディッシュ株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
同社グループは、ソーシャルメディアやコミュニケーションサービスなどの情報領域で、健全な“居場所”づくりを目指すカスタマーリレーション事業を展開しています。スタートアップの成長を支援するため、カスタマーサクセスコンサルティングやカスタマーサポートなど複合的なサービスを提供しています。
単体従業員数は299名、連結従業員数は439名です。セグメントはカスタマーリレーション事業の1つです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
アディッシュは、インターネット上での「つながり」から生じる課題解決に取り組む企業です。従業員の平均年齢や勤続年数からは、比較的若く活気のある組織でありながら、一定の定着傾向も見られることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、従業員の平均年齢が30代前半であり、平均勤続年数も比較的短い傾向にあります。これは、新しい人材が積極的に加わり、組織が常に変化している状況を示していると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,326,360円 |
| 平均勤続年数 | 4.4年 |
| 平均年齢 | 33.9歳 |
| 単体従業員数 | 299人 |
| 連結従業員数 | 439人 |
| 単体のグループ内比率 | 68.1% |
退職給付制度については、同社及び国内子会社では退職金制度を導入していません。在外子会社は、所在地国の法律に基づく確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)の退職一時金制度を採用しています。
ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、企業活動において人材を最も重要な経営資本と位置付けています。そのため、「DE&I基本方針」を定め、人材の多様性を活かしたキャリア形成を推進し、一人ひとりが新たな価値創造を実現するための環境整備に努めています。
具体的には、有志の従業員が参加する委員会制度を設けています。「働き方検討委員会」では、リモートワーク勤務の制度化や就業環境の整備、情報発信を行っています。また、従業員及び部署全体の状態を把握するため、エンゲージメント調査を月例で実施しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 15.4% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 76.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 81.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 88.8% |
多様性・登用
同社グループは、2027年度までに指導的地位(取締役・執行役員・事業部長・マネジメント)に占める女性の割合を30.0%とすることを目標としています。基準日は2025年12月31日です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 指導的地位に占める女性比率 | 14.7% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
アディッシュは、ソーシャルメディアやコミュニケーションサービスにおける課題解決を通じて、利用者にとって健全で心地よいデジタル空間を創造する「カスタマーリレーション事業」を展開しています。スタートアップ企業の成長支援とデジタルエコノミー特有の課題解決に注力しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは「カスタマーリレーション事業」の単一セグメントで、スタートアップを中心としたインターネット関連産業の課題解決を支援しています。この事業は「グロース支援サービス」と「アダプション支援サービス」の2つのサービスに区分されます。
グロース支援サービスでは、企業が成長する際に必要となるカスタマーに関する課題を解決しています。具体的には、カスタマーサクセスコンサルティングからリソース支援までを総合的に提供し、利用者からのお問い合わせに対応するソーシャルアプリサポートも多言語で展開しています。
アダプション支援サービスでは、デジタルエコノミーに適応する上での課題を解決しています。インターネットモニタリングを通じて不適切な投稿への対応を行い、スクールガーディアンではネットいじめの可能性のある書き込みをモニタリングして生徒指導に活用するコンサルティングを提供しています。また、利用者とのつながりを維持・向上させるフロントサポートや、チャットボット「hitobo」、誹謗中傷投稿AI検知サービス「matte」、SNS炎上対策サービス「Pazu」といったシステムプロダクトも提供しています。
収益は、主に顧客との契約から生じるサービス提供の対価として得ています。当連結会計年度においては、ストライプジャパン株式会社への売上高が同社グループの総販売実績の14.0%を占めています。
| セグメント | 売上高(2024年12月期) | 売上高(2025年12月期) |
|---|---|---|
| グロース支援 | 2兆3,947億円 | 2兆5,522億円 |
| アダプション支援 | 1兆1,763億円 | 1兆1,168億円 |
| その他 | 213億円 | 270億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、直近5期にわたり増加傾向にあります。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、過去には損失を計上した期もありましたが、直近の当期では経常利益が黒字に転換し、親会社株主に帰属する当期純損失は大幅に縮小しました。これは、カスタマーサクセス支援戦略推進に伴う新規顧客獲得による業務拡大や、国内連結子会社における補助金給付などが影響しています。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 29.9億円 | 34.2億円 | 35.2億円 | 35.9億円 | 37.0億円 |
| 経常利益 | 71百万円 | 1.1億円 | △1.7億円 | △1.2億円 | 18百万円 |
| 経常利益率 | 2.4% | 3.2% | △4.9% | △3.3% | 0.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 49百万円 | 77百万円 | △1.9億円 | △1.2億円 | △2百万円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 27.30 | 42.89 | △110.47 | △66.69 | △1.01 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は前期からわずかに減少しましたが、従業員1人あたり営業利益は前期の損失から黒字に転換し、大幅に改善しました。これは、売上高の増加に加え、前期に計上された営業損失が当期には黒字に転じたことが影響しています。従業員数の増加と効率的な事業運営が、生産性の改善に寄与していると考えられます。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 8.7百万円 | 8.4百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | △0.3百万円 | 0.0百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
アディッシュは、本業の稼ぎはプラスに転じたものの、投資活動による支出が上回り、フリーキャッシュフローはマイナスとなっています。将来に向けた投資を継続している状況がうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
アディッシュの財務基盤は、自己資本比率が40.8%となっており、前連結会計年度末の25.8%から増加しています。これはプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準を示しています。
ROE(自己資本利益率)は-0.4%となっており、プライム市場平均を下回る状況です。手元資金である現金及び預金は5.5億円を確保しており、事業運営に必要な流動性を維持していることがうかがえます。
これらの財務状況は、同社グループが事業を継続していく上での安定性を示す指標の一つとなります。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 3.5億円 | 5.4億円 |
| 自己資本比率 | 25.8% | 40.8% |
| ROE(自己資本利益率) | - | -0.4% |
| 現金及び預金 | 5.8億円 | 5.5億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
アディッシュのキャッシュフローを見ると、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュフローは13百万円のプラスとなりました。これは前連結会計年度のマイナスから改善しています。投資活動によるキャッシュフローは26百万円のマイナスとなっており、主に有形固定資産の取得による支出が要因です。
財務活動によるキャッシュフローは20百万円のマイナスで、長期借入金の返済による支出が主な要因となっています。結果として、フリーキャッシュフローは13百万円のマイナスを示しており、本業で得た資金を上回る投資を行っている状況です。
これは将来の成長に向けた投資を継続していることを示しており、今後の事業拡大が雇用や給与の安定性につながる可能性があります。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △186百万円 | 13百万円 |
| 投資CF | △16百万円 | △26百万円 |
| 財務CF | 225百万円 | △20百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △203百万円 | △13百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループはインターネット関連サービス市場を主たる事業領域としており、市場動向の影響を受ける可能性があります。将来的にインターネットに代わる新たなサービスが登場し、利用機会が減少した場合、事業及び業績に影響を及ぼすおそれがあります。
また、カスタマーリレーション事業は今後も成長が期待される市場であるため、新たな競合企業の参入や、低コスト・高品質なサービスの出現、あるいは新技術への対応遅れが、同社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、事業を築いていける人材の確保とその育成を重要な課題と認識しています。しかし、業界での人材獲得競争が激化した場合、人材の流出や確保に支障をきたす可能性があり、事業及び業績に影響を及ぼすおそれがあります。
また、サービス提供の実務を担う臨時従業員の確保が困難になった場合、サービスの提供及び販売活動が阻害される可能性もあります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
アディッシュは、「つながりを常によろこびに」というミッションを掲げ、インターネット社会における健全で心地よい「居場所」の実現を目指している会社です。人とのつながりから生まれる課題を解決し、社会に貢献する企業風土が特徴です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
アディッシュグループは、「つながりを常によろこびに(Delight in Every Connection)」をミッションに掲げています。このミッションのもと、「As In Your Hometown」というビジョンの実現を目指し、サービスの開発と提供を行っています。
ソーシャルメディアなどの発展によって生まれた「つながり」から生じる課題を解決することで、「つながり」が「よろこび」であり続けられる世の中の実現を目指しています。また、インターネットを通じた社会が、利用者にとって健全で心地よい「居場所」となるよう貢献していくことを目標としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
アディッシュグループは、企業活動において最も重要な経営資本は人材であると考えています。そのため、「DE&I基本方針」を定め、人材の多様性を活かしたキャリア形成を推進する企業風土があります。
従業員一人ひとりが新たな価値創造を実現するための環境整備に努めており、有志の従業員が参加する委員会制度を設けています。「働き方検討委員会」では、リモートワーク勤務の制度化など、就業環境の整備や情報発信を行っています。従業員及び部署全体の状態を把握するため、エンゲージメント調査を月例で実施するなど、従業員の声を大切にするカルチャーが根付いています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
アディッシュグループは、持続的な成長を成し遂げるために、いくつかの主要な課題に取り組んでいます。市場環境の変化に対応した価値提供として、ユーザーサポートからカスタマーサクセスへと支援体制を転換し、サービス開発を進めています。
人材の獲得と育成も重要な課題であり、企業理念に共感し高い意欲を持った人材の確保と育成に注力しています。具体的には、社員紹介による採用促進や採用PR活動、タレントマネジメントに取り組むとともに、多様な働き方を選択できる環境整備を進めています。また、SDGsやソーシャルグッドに関する新規サービスの開発にも積極的に取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
アディッシュは監査役会設置会社として、取締役会による迅速な意思決定と、監査役会による独立した監査機能を通じて、経営の健全性と透明性を確保する体制を構築しています。また、執行役員制度を導入し、業務執行の機動性向上を図っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
アディッシュの株主構成を見ると、代表取締役である江戸浩樹氏が筆頭株主として名を連ねています。上位株主には事業会社も含まれており、安定した資本基盤のもとで事業を展開していることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 江戸 浩樹 | 10.84% |
| ガイアックス | 6.90% |
| コロプラ | 5.98% |
なお、前事業年度末において主要株主であったガイアックスは、当事業年度末現在では主要株主ではなくなりました。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役は江戸浩樹氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 江戸 浩樹 | 代表取締役 | 2004年4月株式会社ガイアックス入社、2014年10月同社設立、同代表取締役より現職。 |
| 石川 琢磨 | 取締役 | 2009年1月株式会社クレスコ・コミュニケーションズ入社、2014年10月同社取締役、2022年3月同社取締役より現職。 |
| 久保 芳和 | 取締役執行役員 財務企画本部長 | 1988年4月ジェスコ株式会社入社、2017年7月同社入社、2024年3月同社取締役執行役員 財務企画本部長より現職。 |
社外取締役は、澤博史氏(エステートテクノロジーズ代表取締役・任意の指名・報酬委員会委員長)、高橋理人氏(HBIP代表取締役)です。
アディッシュは監査役会設置会社であり、取締役会は取締役5名(うち社外取締役2名)で構成されています。社外取締役は、企業経営に関する豊富な知識と経験に基づき、経営全般の監督と助言を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
アディッシュの役員報酬は、企業価値の継続的な向上を目指し、各役員の職位、職務内容、責任、業績、貢献度などを総合的に勘案して決定されています。業績連動報酬は含まれておらず、基本報酬と譲渡制限付株式報酬が支給されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 45百万円 | 11.2百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 5百万円 | 5.4百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 12百万円 | 3.0百万円 |
取締役(監査等委員及び社外取締役を除く。)に対する非金銭報酬等の総額の内訳は、譲渡制限付株式報酬10,499千円であります。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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