※本記事は、KIYOラーニング株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
KIYOラーニングは、ITを活用したクラウドサービスを通じて、個人と企業の学習効率化を支援しています。個人向けにはオンライン資格取得講座「スタディング」を中心にキャリア形成支援を、法人向けには社員教育クラウドサービス「エアコース」を提供しています。
単体従業員数は118名です。同社はe-learning・教育事業を主要な事業としており、セグメントは1つです。
KIYOラーニングは、個人向けの「キャリア支援プラットフォーム」と法人向けの「人的資本活用プラットフォーム」を中核として事業を展開しています。個人向けにはオンライン資格取得講座「スタディング」や転職支援サービス「スタディングキャリア」を、法人向けには社員教育クラウドサービス「エアコース」や生成AIサービス「AirCourse AIナレッジ」を提供しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
KIYOラーニングは、e-learning・教育事業を主要な事業とする企業です。事業成長に伴う組織力強化を進めており、人材を最も重要な経営資源と位置付けています。社員のエンゲージメント向上や人材育成に積極的に取り組むことで、働きやすい環境づくりを目指していることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均勤続年数が比較的短く、平均年齢も若めであることから、成長フェーズにある組織であることがうかがえます。事業成長に伴い従業員数が増加している点も、組織の活発な動きを示しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,494,041円 |
| 平均勤続年数 | 3.0年 |
| 平均年齢 | 39.0歳 |
| 単体従業員数 | 118人 |
なお、退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、持続的な成長や企業価値向上を実現する上で、人材を最も重要な経営資源と位置付けています。継続的に優秀な人材の採用を進めるとともに、人材育成にも積極的に取り組んでいます。
具体的には、同社のスタディング活用による学習や資格取得、エアコース活用による学習、各部門での勉強会、マネジメント層への集合研修など、社内教育への投資や人材の登用を行っています。また、コアバリューや行動指針の浸透活動、経営陣からの定期的な情報発信、社長との1on1や対話機会の提供、各種社内コミュニケーション施策などを通して、社員のエンゲージメント向上を図っています。定期的にサーベイを行い、エンゲージメントスコアや社員の声を把握し、改善を図るなど、PDCAによる継続的な取り組みを行っています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体のデータを示します。男女賃金差異は、女性活躍推進法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 20.5% |
| 男性育児休業取得率 | 100.0% |
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 20.5% |
育児・介護支援
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男性育児休業取得率 | 100.0% |
| 育児休業からの復帰率 | 100.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
KIYOラーニングは、ITを活用して個人や企業での学習を効率化するクラウドサービスを展開しています。個人のキャリア形成から企業の人的資本活用まで、幅広いニーズに対応するプラットフォームを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、個人のキャリアを生涯にわたって支援する「キャリア支援プラットフォーム」と、企業の人的資本活用を包括的に支援する「人的資本活用プラットフォーム」を中核とした事業展開を行っています。
キャリア支援プラットフォームでは、オンライン資格取得講座「スタディング」を主要サービスとして提供しています。スマートフォンやタブレット、PC等で受講できる「学びやすく、わかりやすく、続けやすい」学習システムが特徴です。また、資格取得後のキャリア形成を支援するダイレクトリクルーティングサービス「スタディングキャリア」や、出版事業「スタディング出版」も展開しています。収益は、主にオンライン資格講座の受講料から得ています。
人的資本活用プラットフォームでは、法人向けの社員教育クラウドサービス「エアコース」を提供しています。各種の社員教育コースが受け放題で、自社独自の教育コースも簡単に作成・配信できるSaaS形態のサービスです。法人向け生成AIサービス「AirCourse AIナレッジ」や、法人向け「スタディング」も提供し、企業の採用、育成、人材活用を総合的に支援しています。収益は、利用ユーザー数に応じたSaaS利用料から得ています。
同社の強みは、10年以上にわたり蓄積された「ラーニング・テクノロジー」を基盤とした組織能力と資産です。これには、学習システム開発力、学習コンテンツ開発力、WEB集客・販売力、ローコストオペレーション、AI・データ活用力が含まれます。これらの強みを活かし、既存事業の強化や新規事業への展開を通じて成長と競争優位性を生み出しています。
同社はe-learning・教育事業を主要な事業としており、他のセグメントの重要性が乏しいため、事業はe-learning・教育事業に集中している傾向があります。また、本邦の外部顧客への売上高が損益計算書の売上高の90%を超えるため、国内事業が中心となっています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも前年同期に比べて増加しています。特に営業利益、経常利益、当期純利益は大幅な増加となりました。
当事業年度の売上高は5,031,211千円となり、前年同期比で12.6%の増加となりました。営業利益は304,035千円で、前年同期比42.9%の増加です。経常利益は303,829千円となり、前年同期比40.4%の増加を示しています。当期純利益は294,136千円で、前年同期比40.3%の増加となりました。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社の従業員数は、前事業年度末に比べて増加しています。これは事業成長に伴う組織力強化を図ったことによるものです。
| 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | - | - |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は、本業で得た資金を元手に、将来に向けた投資も行いながら財務基盤を維持しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社は、財務基盤の安定性を示す指標として、純資産と現金及び現金同等物の状況を公開しています。当期末の現金及び現金同等物は前期末から増加しており、手元資金の厚みが増していることが示されています。これは、事業運営における安定性や、将来的な成長投資の余力があることを示唆しています。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 13.0億円 | 16.0億円 |
| 自己資本比率 | - | - |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び現金同等物 | 34.8億円 | 40.9億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益や前受金の増加により、前期から増加しています。投資活動によるキャッシュ・フローは、システム開発に伴う無形固定資産の取得による支出があったものの、前期に比べて資金の使用額は減少しています。この結果、本業で得た資金で投資を賄い、余剰資金を生み出すフリーキャッシュ・フローは前期から増加しています。財務活動によるキャッシュ・フローは、ストックオプションの行使による収入があった一方で、リース債務の返済による支出があり、前期から増加しています。これらの状況は、同社が本業で安定的に資金を創出し、事業成長のための投資も行いつつ、健全な資金繰りを維持していることを示しています。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 4.3億円 | 7.3億円 |
| 投資CF | △1.3億円 | △1.2億円 |
| 財務CF | △19百万円 | 0百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 3.0億円 | 6.1億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、個人向け・法人向けeラーニング市場における競争激化を事業リスクとして認識しています。巨大資本による新規参入や、各社の差別化に向けた動きが活発化しており、市場での競争力低下や対応コスト増加が経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、主力資格講座の試験日が下期に集中するため、業績に季節的変動が生じる傾向があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、継続的な事業拡大のために優秀な人材の確保と育成が重要であると認識しています。人員採用計画が順調に進まなかった場合や、人材流出が進んだ場合には、業務運営や事業拡大に支障が生じ、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
KIYOラーニングは、「学び」の革新を通じて個人の可能性を最大限に引き出すことを目指す企業です。テクノロジーを活用し、誰もが成長できる社会の実現に貢献しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は創業以来、「学びを革新し、誰もが持っている無限の力を引き出す」というミッションを掲げています。人間が本来持っている能力を最大限に引き出す支援を自らの使命と考えています。
また、「世界一『学びやすく、わかりやすく、続けやすい』学習手段を提供する」というビジョンのもと、人材育成の新たなスタンダードになるべく事業を展開しています。テクノロジーによって「学び」を革新し、人や組織の成長を支援していく方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は「学びを革新し、誰もが持っている無限の力を引き出す」というミッションに共鳴する優秀な人材の採用と育成を重視しています。持続的な成長を支える人材の育成を強化し、次世代を担うリーダーの育成にも注力しています。
コアバリューや行動指針の浸透活動を通じて、社員のエンゲージメント向上を図っています。経営陣からの定期的な情報発信や社長との1on1、対話機会の提供、各種社内コミュニケーション施策を実施しています。定期的にサーベイを行い、エンゲージメントスコアや社員の声を把握し、改善を図るPDCAサイクルを継続的に回しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、優秀な人材の確保及び育成を優先的に対処すべき課題の一つとしています。ミッションに共鳴する人材を適時採用し、持続的な成長を支える人材の育成を強化する方針です。
また、技術革新への投資も重点テーマです。AIやIT技術を駆使した教育サービスを展開し、最新技術を取り込んだサービスの機能強化やAIによる個別最適化した学習方法の提案など、効率的な学習サービスや機能の開発に投資を行い、競争優位性を高めることで長期的な成長を目指しています。さらに、キャリア支援プラットフォームと人的資本活用プラットフォームの展開により、収益源の多様化を図ることも今後の重点テーマです。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
KIYOラーニングは、取締役会と監査役会を設置する体制を採用しており、社外役員が経営の監督と監査に参画しています。透明性と健全性を重視したコーポレート・ガバナンス体制の構築を目指しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
KIYOラーニングの株主構成を見ると、筆頭株主は代表取締役社長である綾部貴淑氏であり、同氏が同社の経営に強い影響力を持っていることがうかがえます。その他、事業会社や信託銀行などが上位株主として名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 綾部 貴淑 | 40.08% |
| ビジョナル | 5.93% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 5.26% |
| 西村 裕二 | 2.87% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 2.55% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長は綾部貴淑氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 綾部 貴淑 | 代表取締役社長 | 1996年4月日本オラクル㈱入社。2003年1月㈱アイエイエフコンサルティング入社。2010年1月同社設立、代表取締役社長より現職。 |
| 星野 真幸 | 取締役CHRO・コーポレート本部長 | 1997年4月東レ㈱入社。2016年4月ウイングアーク1st㈱入社。2023年6月同社入社、執行役員CHRO兼人財開発本部長。2024年3月同社取締役CHRO兼コーポレート本部長より現職。 |
社外取締役は、植野和宏氏(植野和宏公認会計士事務所所長)、赤松平太氏(第一中央法律事務所弁護士)です。
同社は監査役会設置会社であり、株主総会、取締役会、監査役会、会計監査人の相互連携により、経営の効率性と健全性を確保する体制を採用しています。社外取締役は、会計や法律に関する高い専門性に基づき、業務執行に対する監督や助言を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
KIYOラーニングの役員報酬は、社外取締役以外の取締役に対しては固定報酬である基本報酬と非金銭報酬等としての譲渡制限付株式で構成されています。一方、社外取締役は固定報酬としての基本報酬のみで構成されています。業績連動型の報酬は導入されていません。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 2名 | 41百万円 | 20.3百万円 |
| 社外役員 | 6名 | 30百万円 | 5.0百万円 |
なお、社外役員の対象となる役員の員数には、当期中の退任社外役員1名を含んでいます。また、取締役(社外取締役を除く)に対する非金銭報酬等は、同社の株式(譲渡制限付株式)であり、本株式は3年間の譲渡制限期間が設けられています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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