【平均年収947万円】トヨクモ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

【平均年収947万円】トヨクモ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

トヨクモは、法人向けクラウドサービス事業を展開し、非効率な仕事からの解放をミッションとしています。直近期は売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益がいずれも増加し、増収増益となりました。


目次

※本記事は、トヨクモ株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


トヨクモは、法人向けクラウドサービスの開発・販売を手掛けています。「すべての人を非効率な仕事から解放する」ことをミッションとし、安否確認サービスやkintone連携サービス、NotePMなどを提供しています。

単体従業員数は85名、連結従業員数は116名です。セグメントは法人向けクラウドサービス事業の1つです。

主な国内グループ会社は、(連結子会社)トヨクモクラウドコネクト、プロジェクト・モードなどです。

当連結会計年度において、同社グループは連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得を実施しました。これにより、連結従業員数は前連結会計年度末から42名増加しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


トヨクモは、法人向けクラウドサービス事業を展開しており、従業員の平均年齢が比較的若く、成長フェーズにある企業の特徴が見られます。人材への投資を重視する方針が示されており、従業員の能力開発や報酬向上に積極的に取り組む姿勢がうかがえます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、比較的若い年齢層の従業員が多く、平均勤続年数も短めであることから、活発な組織であることが示されています。従業員数は連結で増加傾向にあり、事業の拡大に伴う人材の確保が進んでいる状況です。

項目 数値
平均年間給与 9,470,000円
平均勤続年数 3.2年
平均年齢 33.2歳
単体従業員数 85人
連結従業員数 116人
単体のグループ内比率 73.3%


退職給付制度に関する記載はありません。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、「情報サービスをとおして、世界の豊かな社会生活の実現に貢献する」という企業理念の実現を目指し、事業活動を通じた社会貢献がサステナビリティに寄与すると考えています。その基盤として人的資本への投資を重要視しており、人材確保及び育成に注力する方針です。

具体的には、優秀で多様な人材を確保し育成するため、継続的な採用活動に加えて、積極的な平均年収の向上に取り組んでいます。また、同社グループが提供するサービスに係る資格取得を支援し、お客様に提供するサービスの質を高めることにも努めています。オープンソースソフトウェア(OSS)開発者への継続的な支援として「Thanks OSS Award」という活動も行っています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社は、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示データは開示されていません。

人材育成・エンゲージメント


同社は、優秀な人材を獲得し能力が発揮できる環境を整えるため、人的資本への投資として平均年収の向上を重要指標としています。また、お客様に長く利用してもらえるサービスを提供するため、従業員の資格取得を継続的に支援する方針です。

指標 数値
2023年12月期 平均年収(千円) 8,523
2024年12月期 平均年収(千円) 8,959
2025年12月期 平均年収(千円) 9,470
防災士 保有者(名) 4
kintone認定アソシエイト 保有者(名) 35

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


トヨクモは、法人向けクラウドサービスの開発と販売を手がけています。お客様の非効率な業務を解消し、豊かな社会生活の実現に貢献することを目指しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、「すべての人を非効率な仕事から解放する」ことをミッションに掲げ、法人向けクラウドサービスの開発・販売を行っています。主なサービスとして、災害時の情報共有を支援する「安否確認サービス」、サイボウズ株式会社のkintoneと連携して利便性を高める「kintone連携サービス」、業務マニュアルやノウハウを一元管理する「NotePM」などを提供しています。

同社グループのビジネスモデルは、顧客がオンラインで申し込みから利用まで完結できるクラウドサービスです。無料の試用期間や電話サポートを通じて、顧客自身が操作を習得できるようなサービス設計にこだわっています。利用期間に応じて料金が発生するストック型ビジネスであり、継続的な収益が積み上がる構造となっています。

同社グループのサービスは流行に左右されにくい性質があり、解約率が低いことも特徴です。販売は、顧客企業への直販と代理店を通じた間接販売の両方で行われています。収益は主に「安否確認サービス」と「kintone連携サービス等」から得られており、特に「kintone連携サービス等」がより大きな割合を占めています。

主要な顧客としては、SB C&S株式会社とダイワボウ情報システム株式会社が挙げられます。同社グループは法人向けクラウドサービス事業の単一セグメントであり、売上高の90%以上が日本国内の外部顧客からのものであるため、海外比率や為替リスクに関する特筆すべき情報はありません。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループは第15期(2024年12月期)より連結財務諸表を作成しており、直近2期の業績が示されています。売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、いずれも増加傾向を示しています。売上高は前期比54.4%増、営業利益は前期比38.1%増、経常利益は前期比38.4%増、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比29.0%増と、大幅な成長を遂げています。

項目 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上高 - - - 31.5億円 48.6億円
経常利益 - - - 11.6億円 16.1億円
経常利益率 - - - 36.9% 33.1%
親会社株主に帰属する当期純利益 - - - 8.4億円 10.8億円
1株当たり当期純利益(円) - - - 77.21 99.36

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


従業員1人あたりの売上高は、前期の42.5百万円から当期は41.9百万円とわずかに減少しています。一方、従業員1人あたりの営業利益も、前期の15.7百万円から当期は13.8百万円へと減少しています。これは、連結従業員数が前期の74名から当期は116名へと大幅に増加したことによる影響が考えられます。従業員数の増加は、事業拡大に向けた積極的な投資を示しており、将来的な生産性向上への期待が持てます。

指標 2024年12月期 2025年12月期
従業員1人あたり売上高(連結) 42.5百万円 41.9百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 15.7百万円 13.8百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


トヨクモは、安定した財務基盤と積極的な事業投資を両立させている企業です。本業で着実に資金を稼ぎながら、将来の成長に向けた投資も活発に行っています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


トヨクモは強固な財務基盤を築いています。自己資本比率はプライム市場の平均と比較しても高い水準を維持しており、事業活動に必要な資金を安定的に確保していることがうかがえます。また、ROE(自己資本利益率)も高い水準で推移しており、効率的な経営によって利益を生み出す力が強いことを示しています。手元資金も潤沢にあり、不測の事態にも対応できる耐性があると考えられます。

指標 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
純資産 30.6億円 40.6億円
自己資本比率 65.3% 61.8%
ROE(自己資本利益率) 27.7% 30.6%
現金及び預金 42.0億円 44.1億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


トヨクモグループは、本業で安定的に資金を獲得し、それを成長投資に充てている状況です。営業活動によるキャッシュフローは増加傾向にあり、事業が順調に資金を生み出していることを示しています。投資活動によるキャッシュフローは、連結子会社の取得など、将来の成長に向けた積極的な投資が行われているため、資金の使用が増加しています。

財務活動によるキャッシュフローは、配当金の支払いと自己株式の取得により資金が減少しています。フリーキャッシュフローはプラスを維持しており、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金がある状態です。この資金の流れは、同社グループが安定した事業運営を基盤としつつ、将来の成長に向けた投資を積極的に行っていることを示しており、事業の持続的な成長と雇用安定性への期待につながるものとなっています。

項目 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
営業CF 13.4億円 20.2億円
投資CF △0.7億円 △13.6億円
財務CF △1.1億円 △4.5億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 12.7億円 6.6億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループのkintone連携サービスは、サイボウズ株式会社が提供する「kintone」に依存しており、当連結会計年度の売上高全体の約6割を占めています。この特定サービスへの依存度が高いことは、競争激化などにより業績に影響を与える可能性があります。また、kintone連携サービスはサイボウズ株式会社とのパートナー契約に基づいており、契約が解除された場合には業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループが事業を拡大していくためには、優れた技術を持ち、新たな価値の創造に挑戦できる人材の確保と育成が重要です。人材の採用や育成が計画通りに進まない場合、同社グループの業績に影響を与える可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


トヨクモは「すべての人を非効率な仕事から解放する」というミッションを掲げ、情報サービスを通じて豊かな社会生活の実現に貢献することを目指しています。IT初心者でも安心して利用できるクラウドサービスの提供を通じて、「ITの大衆化」を推進する企業です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは「すべての人を非効率な仕事から解放する」ことをミッションとしています。このミッションを実現するため、「情報サービスをとおして、世界の豊かな社会生活の実現に貢献する」ことを企業理念に掲げています。

そして、「ITの大衆化」を目指し、お客様に継続的に利用され、企業文化となるようなサービスを開発し提供することを目指しています。簡単な操作、シンプルな機能と分かりやすいデザインで、IT初心者の方でも安心して利用できるサービスを提供し、企業における情報活用の第一歩を支援する方針です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは企業理念の実現のため、事業活動を通じた社会貢献を重視しています。安定したサービスの提供や情報資産の適切な管理・保護に努めており、情報マネジメントシステム(ISO/IEC 27001)の認証取得や安否確認サービスのSLA(サービス品質保証制度)に取り組んでいます。

また、オープンソースソフトウェア(OSS)開発者への継続的な支援として「Thanks OSS Award」という活動を行っています。人的資本への投資を重要視し、優秀で多様な人材の確保・育成に注力しており、継続的な採用活動や積極的な平均年収の向上、サービスに係る資格取得支援を進めています。ガバナンス面では、取締役社長を委員長としたコンプライアンス・リスク管理委員会を設置し、サステナビリティ関連のリスク及び機会の評価・管理を行っています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、持続的な成長と企業価値の向上を実現するため、複数の経営課題に取り組んでいます。法人向けクラウドサービスという軸を継続しつつ、新規事業の創出やM&Aを通じて次なる事業の柱となるサービスの開発・拡大を進める方針です。

また、NotePMの普及を重点テーマとし、マス広告への投資や展示会への出展、機能強化を通じて認知度向上と新規顧客獲得に努めています。同社グループおよびサービスの認知度向上を目指し、ブランディング活動を強化しています。さらに、優れた技術を持ち新たな価値創造に挑戦できる人材の確保・育成のため、労働環境の整備や福利厚生の充実、従業員への教育研修に取り組むとともに、内部管理体制の強化も進めています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


トヨクモは監査役会設置会社であり、取締役会による監督と監査役による適法性監査の二重チェック体制を構築しています。独立性の高い社外監査役が監査役会の全員を占めています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


トヨクモの筆頭株主は、代表取締役である山本裕次氏の資産管理会社であるナノバンクです。これにより、創業家が同社の経営に強い影響力を持つ資本構成となっています。また、サイボウズが上位株主の一角を占めています。

株主名 持株比率
ナノバンク 45.66%
サイボウズ 7.30%
田里 友彦 4.32%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長兼マーケティング本部長は山本裕次氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。

氏名 役職 主な経歴
山本 裕次 代表取締役 社長 兼マーケティング本部長 野村證券、ドレスナー クラインオート ベンソン証券会社を経て、サイボウズに入社。サイボウズネットワークス代表取締役社長、サイボウズ取締役、執行役員を歴任。2010年8月より同社代表取締役社長、2025年7月より現職。
石井 和彦 取締役 経営管理本部長 住友銀行(現三井住友銀行)入行後、サイボウズに入社し執行役員経営管理本部長CFO。三光マーケティングフーズ、日本管理センター(現JPMC)を経て、2015年2月より同社取締役、2017年1月より現職。
木下 正則 取締役 開発本部長 システムズ・デザインに入社後、2016年3月より同社に入社。執行役員開発本部長を経て、2020年3月より現職。


社外取締役は、平野一雄氏(元富士通エフサス取締役執行役員常務)、矢野克尚氏(元大塚商会取締役兼常務執行役員)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会による業務執行の監督と監査役による適法性監査の二重チェック体制を採用しています。独立性の高い社外監査役が監査役全員を占めています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


トヨクモの役員報酬は、企業価値の持続的な向上を目的としたインセンティブとして設計されています。金銭による基本報酬に加え、非金銭報酬として譲渡制限付株式やストックオプションが導入されています。業績連動報酬は設定されていません。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 1.3億円 33.0百万円
社外取締役 2名 12百万円 6.0百万円
社外監査役 3名 17百万円 5.7百万円


なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。