※本記事は、ビートレンド株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ビートレンドは消費者向けビジネス(B to C)を展開する企業等に対し、顧客管理ツール「betrend」をSaaS型で継続的に提供しています。このプラットフォームは、多様な情報送受信および情報分析手段を有するCRMソフトウェアです。
単体従業員数は61名です。同社はbetrend事業の単一セグメントです。
ビートレンドは、顧客管理ツール「betrend」をSaaS型で提供しており、直販または代理店販売によりサービスを展開しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ビートレンドは、顧客価値創造プラットフォームを提供する企業として、社会貢献を経営理念に掲げています。同社は、従業員一人ひとりの成長と働きがいを重視し、持続的な企業価値向上を目指す人的資本経営を推進しています。このような環境で、どのような給与水準や働き方が実現されているのか、具体的なデータから見ていきましょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
ビートレンドでは、従業員の平均年齢と平均勤続年数から、比較的若手から中堅層が中心となって活躍し、一定の定着傾向が見られる職場環境であることがうかがえます。同社は、顧客価値創造を追求する中で、従業員が長期的にキャリアを築き、専門性を高めていけるような働き方を支援していると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,570,000円 |
| 平均勤続年数 | 6.7年 |
| 平均年齢 | 38.9歳 |
| 単体従業員数 | 61人 |
| 連結従業員数 | - |
| 単体のグループ内比率 | - |
なお、退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ビートレンドは、「私たちは、顧客価値を創造するプラットフォームを提供し続けることで、社会に貢献します。」という経営理念のもと、人的資本経営の拡充を経営の重要な課題と位置付けています。人材が輝くことが競争力強化と持続的な企業価値向上に繋がるとの考えに基づき、成長に向けた組織拡大に取り組んでいます。
具体的には、既存社員の生産性向上と新しいリーダーシップの育成を促進しています。また、給与・評価・働き方・キャリアに関する人事教育制度の再構築を進め、従業員が長期的に活躍できる環境を整備しています。ダイバーシティの促進として外国人や女性の活躍を後押しするとともに、福利厚生や健康経営のさらなる充実にも注力し、多様な人材が働きやすい環境づくりを目指しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
ビートレンドは、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示項目は記載を省略しています。
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
ビートレンドは、現時点でサステナビリティに関する指標および目標、また人材の育成および社内環境整備に関する方針に係る指標および目標について、具体的な数値を設定していません。今後、これらに関して社内で検討を進めていく方針です。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ビートレンドは、消費者向けビジネス(B to C)を展開する企業に対し、顧客管理ツールとしてのCRMソフトウェアプラットフォーム「betrend」をSaaS型で提供しています。多様な情報送受信や情報分析の手段を提供し、顧客ニーズに合わせた周辺サービスも展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は「betrend事業」の単一セグメントで事業を展開しています。主力サービスであるCRMソフトウエアプラットフォーム「betrend」は、月額定額課金に加えて会員数や通信料に応じた従量料金、店舗毎課金を組み合わせた年間契約を基本とする、いわゆるストック型のビジネスモデルで収益を稼得しています。
サービスは大きく「CRMサービス」「カスタマイズサービス」「その他サービス」に区分されます。
CRMサービスは、顧客情報をベースとした機能を提供するもので、「メールマーケティングサービス」と「スマートCRMサービス」の二つに大別されます。スマートCRMサービスは、飲食店や小売店、サービス提供店など多店舗展開する企業を主な顧客とし、会員の属性データや行動履歴、購買履歴などの情報を一元管理できる機能を提供しています。情報送受信の手段もメール配信、アプリ・プッシュ通知、LINE連携など多岐にわたり、モバイルオーダーやテイクアウト・デリバリー機能も備えています。メールマーケティングサービスは、メール配信機能に特化しており、飲食店、小売業、金融機関、学校、自治体など幅広い顧客層に利用されています。CRMサービス全体では、前期から売上高が増加する傾向にあります。
カスタマイズサービスは、導入時に顧客企業の既存システムとの連携や、ニーズに合わせたシステム構築、初期導入費用などで構成されています。新規導入企業や既存導入先からの機能追加開発の需要がある一方で、前期から売上高は減少傾向にあります。
その他サービスは、CRMサービスの周辺サービスとして、DMの印刷・納品、決済紹介手数料、新規事業(GX関連)などで構成されています。このサービスは前期から売上高が増加する傾向にあります。
同社は本邦以外への外部顧客への売上高がないため、海外比率に関する記載はありません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高は前期から増加傾向にあります。一方で、営業利益は前期の利益から損失に転換し、経常利益も前期の利益から損失に転換しました。当期純利益も前期の利益から損失に転換しています。
これは、中長期的な成長に向けた人材・開発、インフラ及びマーケティング関連の成長投資を計画的に実行したことに伴い、売上原価、販売費及び一般管理費がそれぞれ増加した結果となっています。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社の従業員数は61人となっています。従業員1人あたりの売上高や利益に関する具体的な数値は開示されていません。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | - | - |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ビートレンドは、本業で資金を生み出しているものの、積極的な投資活動によりフリーキャッシュフローはマイナスとなっています。これは、将来の成長に向けた投資を優先しているフェーズにあることを示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤を見ると、自己資本比率は高い水準にあります。これは、財務の健全性を示す指標の一つです。また、手元資金は前期から減少しているものの、一定の現金を保有しています。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 883.8億円 | 779.7億円 |
| 自己資本比率 | 88.8% | 85.8% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金 | 597.9億円 | 467.4億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社の当期のキャッシュフローは、営業活動による資金の増加が見られます。これは、税引前当期純損失の計上や減価償却費の計上、売上債権の減少が主な要因です。
一方で、投資活動による資金は減少しています。これは、有形固定資産の取得や無形固定資産の取得が主な要因となっています。財務活動による資金は増加しており、ストック・オプションの行使による収入が主な要因です。
これらの結果、フリーキャッシュフローはマイナスとなっており、本業で得た資金を上回る投資を行っている状況です。これは、将来の成長に向けた積極的な投資フェーズにあることを示しています。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 141百万円 | 17百万円 |
| 投資CF | △96百万円 | △148百万円 |
| 財務CF | △15百万円 | 0百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 45百万円 | △130百万円 |
※フリーCF(フリーキャッシュ・フロー)とは、会社が事業活動と投資活動を通じて自由に使える余剰資金のこと。
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、インターネット・モバイル関連サービス及びスマートフォン上でのサービスを主力事業としています。日進月歩で進化する技術変化や技術革新に時宜に対応できない場合、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、マーケティング分野におけるSaaS事業は競合が激しい状況にあります。新規参入企業による競争激化や価格競争が発生し、十分な差別化が図られなかった場合、事業及び業績に影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、事業拡大や新規事業の展開に伴い、優秀な人材の確保が不可欠であると考えています。求める人材が十分に確保できない場合や人材育成が円滑に進まない場合、事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ビートレンドは、顧客価値創造を核とするプラットフォーム提供を通じて社会貢献を目指す企業です。同社は、変化する社会の中で顧客と共に成長し、より大きな価値を提供することをビジョンとして掲げています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ビートレンドは、「私たちは、顧客価値を創造するプラットフォームを提供し続けることで、社会に貢献します。」を経営理念としています。同社はSaaS型のサービス提供を特長とし、自社で企画・設計・開発・販売・サポートまで一貫した体制を整えています。
消費者が所有するモバイル環境を中心に事業を推進し、BtoBtoC向け(主として実店舗をお持ちの法人向け)に最適な環境を提供することを目指しています。
また、中期経営計画では「変わりゆく社会において顧客と共に成長するため、これまで培ってきた経験と実績にさらに磨きをかけ、より大きなバリューを提供する。」ことをBetrend VISIONと定めています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は、人的資本経営の拡充を経営の重要な課題と認識しており、人材が輝くことで競争力が高まり、持続的な企業価値の向上に寄与すると考えています。既存社員の生産性向上や新しいリーダーシップの育成促進、人事教育制度の再構築に取り組んでいます。
ダイバーシティの促進として外国人や女性の活躍を推進し、福利厚生や健康経営のさらなる充実も図っています。
サステナビリティへの取り組みを推進するため、経営会議や開発戦略会議を中心に協議を行い、取締役会で審議・決定する体制を整備しています。リスクマネジメント委員会を設置し、サステナビリティを含む業務遂行に係るリスク管理を行っています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、内部管理体制の強化として、業務運営の更なる効率化やリスクマネジメント、コーポレートガバナンスの強化を重要な課題と認識しています。
システム信頼性の継続的な維持や品質の向上、設備環境の強化も進めており、24時間365日安心してサービスを利用できる環境を維持するため、セキュリティ・開発・保守管理体制の整備や設備増強、データベースサーバーのOracle Cloudへの移行を進めています。
事業基盤の強化に向けては、ソフトウエア開発・サービス運用の効率的な体制構築、販売活動及び手厚い顧客サポートを可能とする営業・サポート体制の構築が必要です。これに対処するため、技術・営業の人材採用を進めると同時に、既存社員の教育・育成に注力しています。
また、技術革新への対応として、AI分野への効率的かつ戦略的な投資を行い、同社の強みである顧客情報データベースを中核とした機能強化を目指しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ビートレンドは、取締役会、監査役会、会計監査人を設置し、指名委員会および報酬委員会を任意で設けています。業務執行に対するモニタリング体制を整備し、事業活動の透明性と客観性の確保に努めています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、上位に個人株主が複数名を占めていることが特徴です。筆頭株主である永山隆昭氏と第2位の井上英昭氏が、合わせて過半数を超える株式を保有しており、経営に対して強い影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 永山 隆昭 | 47.40% |
| 井上 英昭 | 15.86% |
| SBI証券 | 4.34% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長は井上英昭氏が務めています。社外取締役比率は20.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 井上 英昭 | 代表取締役社長 | 1984年4月 日本ディジタルイクイップメント㈱入社。1994年7月 日本オラクル㈱入社。1999年7月 ネットグラビティ・アジアパシフィック㈱ 日本担当ディレクター。2000年3月 同社設立 代表取締役社長より現職。 |
| 澤田 瑞樹 | 取締役 技術、営業統括 管掌 | 2006年9月 同社入社。2014年1月 同社技術本部長。2016年11月 同社執行役員技術本部長。2017年9月 同社取締役 技術管掌より現職。 |
| 宮下 省吾 | 取締役 企画、営業企画 ・アライアンス管掌 | 2005年10月 同社入社。2010年1月 同社営業本部営業部長。2017年10月 同社執行役員企画本部長。2023年3月 同社取締役より現職。 |
| 永山 隆昭 | 取締役 | 1987年4月 日本アイ・ビー・エム㈱入社。1991年9月 日本オラクル㈱入社。1999年12月 ㈱サンブリッジ設立 取締役投資事業部長。2010年12月 同社取締役より現職。 |
社外取締役は、雨宮雄一氏(フォーセンス・パートナーズ代表取締役パートナー)です。
同社は監査役会設置会社を採用しています。社外取締役は、企業経営に関する豊富な経験と見識に基づき、客観的かつ中立的な助言や監督を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、代表取締役および業務執行取締役に対しては基本報酬と業績連動報酬で構成され、非常勤取締役および社外取締役に対しては基本報酬のみで構成されています。業績連動報酬は、事業年度ごとの業績向上を意識し、業績指標(KPI)を反映した金銭報酬としています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 57百万円 | 11.4百万円 |
| 社外取締役 | 2名 | 4百万円 | 1.8百万円 |
| 社外監査役 | 4名 | 13百万円 | 3.2百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。また、期中に監査役を辞任し取締役に就任した役員については、在任期間に応じてそれぞれの欄に含まれています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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