リベルタ 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

リベルタ 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

リベルタは東京証券取引所スタンダード市場に上場し、コスメやトイレタリー等のオリジナル商品を企画・販売するファブレスメーカーです。直近の業績は、売上高が前期比で増収となり100億円を突破した一方で経常利益は微減益となりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は黒字転換を果たしています。


※本記事は、株式会社リベルタの有価証券報告書(第30期、自 2025年1月1日 至 2025年12月31日、2026年3月31日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. リベルタってどんな会社?


多様なジャンルのオリジナル商品を企画し、国内外の販路を通じて提供するファブレスメーカーです。

(1) 会社概要


リベルタは1997年2月に通信会社向け商品企画商社として設立されました。2005年5月にオリジナル商品「ベビーフット」の販売を開始し、2012年10月には医薬部外品および化粧品製造販売業許可を取得しています。2020年12月に東京証券取引所へ上場を果たし、2025年6月には粧和を子会社化しました。

同社グループの従業員数は連結で136名、単体で106名です。大株主の状況としては、筆頭株主が代表取締役社長の資産管理会社であるモアとなっており、第2位は代表取締役社長である佐藤透氏、第3位は個人の石田幸司氏となっています。

氏名 持株比率
モア 30.71%
佐藤 透 10.54%
石田 幸司 2.10%

(2) 経営陣


同社の役員は男性6名、女性1名の計7名で構成され、女性役員比率は14.2%です。代表取締役社長は佐藤透氏が務めており、社外取締役比率は28.6%です。

氏名 役職 主な経歴
佐藤 透 代表取締役社長 1991年5月夢みつけ隊入社。1997年2月リベルタ設立、代表取締役社長就任。2023年5月フジアンドチェリー代表取締役社長就任。2024年2月アフラ代表取締役社長就任。2026年1月より現職。
二田 俊作 専務取締役 1994年9月早乙女信夫税理士事務所入所。2000年12月リベルタ入社。2024年3月LIBERTA USA INC. CFO就任。2025年6月粧和監査役就任。2026年1月より現職。
筒井 安規雄 常務取締役 1995年3月多摩冷機サービス入社。1999年2月リベルタ入社。2022年4月常務取締役就任。2024年3月LIBERTA USA INC. CEO就任。2025年6月粧和代表取締役就任。2026年1月より現職。
山下 耕平 取締役 2011年4月日本エスリード入社。2013年8月3D Remind設立、代表取締役社長就任。2024年3月リベルタ取締役就任。2026年1月より現職。


社外取締役は、島田憲幸氏(元味の素AGF常勤監査役)、山本龍太朗氏(弁護士法人大江橋法律事務所入所)です。

2. 事業内容


同社グループは各種オリジナル商品等の企画販売を行う事業を展開しています。

(1) コスメ


世界60か国以上に展開する削らない角質ケア商品「ベビーフット」や口臭予防ハミガキ「デンティス」など、美と健康に関わるニッチニーズに特化した多様な化粧品、医薬部外品等を展開しています。国内外の消費者をターゲットに商品を企画・販売しています。

一般消費者向けの店頭販売やECを通じた販売代金を主な収益源としています。事業の運営はリベルタ本体のほか、サロン向け化粧品を展開するアフラや、地域密着型の卸売機能を持つ粧和などの子会社も担っています。

(2) トイレタリー・機能衣料


トイレタリー領域では、浴室のカビ取りに特化した「カビトルネード」などの高機能洗剤を展開しています。また機能衣料領域では、猛暑対策に特化した冷感ウェア「FREEZETECH」などを提供し、過酷な環境での人々のライフスタイルを補助しています。

ホームセンターやスポーツ量販店、ECを通じた一般消費者及び法人への販売代金が主な収益源です。事業の運営は主にリベルタが行っており、海外においては米国現地法人のLIBERTA USA INC.が事業展開を積極的に進めています。

(3) 生活雑貨・浄水器・医療機器


スイス製ミリタリーウォッチ「Luminox」や美容家電「La Luna」、安全とおいしさを追求した浄水器「ウォーターワーク」などを展開しています。専門家と研究を重ねた独自のオーラルケア商品など、生活に役立つ多様な商品を提供しています。

小売店や直営店、ECサイトでの商品販売代金を収益源としています。浄水器や医療機器の販売については、全国の生協等と直接取引を持つファミリー・サービス・エイコーが運営を担い、多様な販路を通じて商品を流通させています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


売上高は順調に拡大を続けており、直近では大きく成長しています。一方で経常利益や利益率は低下傾向にあり、利益確保が課題となっています。当期利益は変動が大きく、直近2期は黒字を確保しています。

項目 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上高 50億円 66億円 71億円 86億円 100億円
経常利益 2.7億円 2.0億円 1.6億円 0.5億円 0.5億円
利益率(%) 5.3% 3.0% 2.3% 0.6% 0.5%
当期利益(親会社所有者帰属) 1.8億円 0.5億円 0.3億円 7.5億円 0.5億円

(2) 損益計算書


売上高の増加に伴い売上総利益も順調に拡大しており、売上総利益率も改善しています。営業利益についても増益となっており、本業の収益性が高まっていることが伺えます。

項目 2024年12月期 2025年12月期
売上高 86億円 100億円
売上総利益 33億円 41億円
売上総利益率(%) 38.6% 40.6%
営業利益 0.7億円 1.3億円
営業利益率(%) 0.8% 1.3%


販売費及び一般管理費のうち、給料手当及び賞与が7億円(構成比18.0%)、広告宣伝費が6億円(同15.0%)を占めています。

(3) セグメント収益


コスメが安定した売上を維持する中、トイレタリーと機能衣料が前期から大幅な増収を記録し、全体の成長を牽引しています。生活雑貨・家電他は減収となったものの、他ジャンルの好調がそれを補っています。

区分 売上(2024年12月期) 売上(2025年12月期)
コスメ 41億円 42億円
トイレタリー 15億円 26億円
機能衣料 5億円 10億円
浄水器・医療機器 8億円 9億円
生活雑貨・家電他 19億円 16億円
調整額 -2億円 -3億円
連結(合計) 86億円 100億円

(4) キャッシュ・フローと財務指標


営業キャッシュ・フローと投資キャッシュ・フローがマイナス、財務キャッシュ・フローがプラスとなっており、本業で資金が流出しているものの、将来の成長に向けて借入等による資金調達を行い、投資を継続している勝負型の局面といえます。

項目 2024年12月期 2025年12月期
営業CF -5.8億円 -3.0億円
投資CF -2.0億円 -0.9億円
財務CF 8.9億円 5.7億円


企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は2.9%で市場平均を下回り、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率も20.3%で市場平均を下回っています。

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


経営理念は「喜びを企画して世の中を面白くする」です。人にとって「喜び」こそが万国共通の永遠なるニーズであると考え、商品と出会った時や使った時の喜び、話題への期待、ユーザー同士のコミュニケーションが生まれる喜びなど、「ワクワク!ドキドキ!おっ!わぉ!」といった感覚的な刺激を世界中に届けることを理念としています。

(2) 企業文化


同社は「セルフ販売時代に適した商品企画を得意とするファブレスメーカー」をミッションに掲げています。既成概念や常識にとらわれず、学歴や職歴、国籍、年齢を問わず多様な人材を積極的に雇用し、個を認め合いながら自由な発想と創造力を発揮できる文化を重視しています。ダイバーシティに基づいた価値観を尊重しています。

(3) 経営計画・目標


同社は中長期的な成長を見据え、2030年度をターゲットとした数値目標を設定しています。具体的には、以下の数値を掲げて事業規模の拡大と収益性の向上を目指しています。

・売上高:300億円
・経常利益:20億円

(4) 成長戦略と重点施策


「新商品からヒット商品を出す」を基本戦略とし、既存ブランドのシリーズ強化や新規ブランドの企画開発を進めています。また、以下の5つの成長戦略を推進しています。

・主力ブランドの育成と活性化による原価低減
・ファブレスメーカーとのM&Aを通じた事業領域拡大
・米国現地法人を活用した海外販路の強化
・Amazon等の販売ノウハウを活かしたECおよび直販の強化
・企画プラットフォーム「BUZZMADE(バズメイド)」を活用した新商品の企画開発強化

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


同社は、国内外の豊富な販路を活かした成長を推進するため、営業職の人員増強や人事制度の見直しなど、人材への投資を最重要視しています。理念に共感し高い熱意を持つ人材の採用を強化するとともに、フレックスタイム制度やテレワーク等の導入により働きやすい環境を整備し、従業員のエンゲージメント向上を図っています。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均をやや下回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2025年12月期 36.0歳 5.1年 5,264,000円


※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社および連結子会社は公表義務の対象ではないため、有報には本項の記載がありません。

また、同社は「サステナビリティ」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、新規本社採用における女性比率(約58.0%)、男性育児休業取得率(約40.0%)などです。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 競合商品の台頭による価格競争


資本力があり営業基盤が強固な競合他社が、同社のターゲット層に向けて類似コンセプトの商品を販売強化した場合、競争が激化し販売価格が下落することで、業績に影響を及ぼすリスクがあります。

(2) 製品の品質管理と風評被害


過去に成分表記の誤りによる自主回収が発生した事例があり、万が一類似の問題が生じた場合、回収費用や補償コストが発生する可能性があります。また、直接の欠陥がなくても風評被害によって販売が落ち込むリスクが存在します。

(3) 特定の仕入先への依存


トイレタリーやコスメジャンルの主要商品において、一部の仕入先への依存度が高くなっています。資本関係がないため、仕入先の経営方針の変更や取引の継続性が損なわれた場合、安定した商品供給に支障をきたす恐れがあります。

(4) 為替変動とカントリーリスク


商品の輸出入において外貨建て取引を行っており、急激な為替変動が仕入価格や販売価格に影響を与えます。また、海外市場への展開に伴い、各国の法規制の変更や政治経済の不安定化といったカントリーリスクを抱えています。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。