※本記事は、株式会社ビーイングホールディングス の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ビーイングホールディングスは持株会社であり、単体従業員数は47名、グループ連結従業員数は1,012名です。
同社グループは、顧客のロジスティクスを企画・提案し、輸送・保管・包装・荷役・流通加工・情報システムの構築を一貫して推進する3PL事業を主軸に、4PL事業も展開しています。連結子会社11社を中心に、生活物資に特化した3温度帯の小口物流に強みを持ち、自社開発の物流システムを活用したオーダーメイドの物流改革を顧客に提供しています。
主な国内グループ会社は、アクティー(物流事業)、ベプロ(その他)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
同社グループは、物流現場を担う人財をサービスの原点と捉え、その育成に力を入れています。多様な人財が能力を最大限に発揮できる職場環境づくりと組織の活性化を通じて、持続的な企業価値向上を目指す方針です。働きがいのある環境整備や公正な評価制度、ワークライフバランスへの配慮を重視しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は平均勤続年数が長く、従業員が安定してキャリアを築いている傾向が見られます。平均年齢も比較的高く、経験豊富な人材が多数在籍していることがうかがえます。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,573,823円 |
| 平均勤続年数 | 12.5年 |
| 平均年齢 | 47.2歳 |
| 単体従業員数 | 47人 |
| 連結従業員数 | 1,012人 |
| 単体のグループ内比率 | 4.6% |
同社グループは、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を導入しています。非積立型の確定給付制度として退職一時金制度があり、給与と勤務期間に基づいた一時金が支給されます。
当連結会計年度における簡便法で計算した退職給付費用は14百万円、確定拠出制度への要拠出額は54百万円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、人財を持続的な企業成長を支える基盤と捉え、従業員一人ひとりの能力開発と成長支援を重要な経営課題と位置付けています。人財の価値を最大限に引き出すべく、社内環境の整備や従業員満足度の向上、組織の活性化を推進する方針です。
人財育成においては「自ら育つことを教える」という考え方を基本とし、社員が成長する機会を惜しまず提供しています。集合研修、オンライン研修、eラーニング等の多様な学習機会を提供し、専門スキルやマネジメント能力の向上に加え、リスク・コンプライアンス等を含む教育プログラムを導入しています。
社内環境整備では、働きがいのある職場環境・風土づくり、公正・適切な評価制度の導入、ワークライフバランスへの配慮、健康経営の推進に取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
同社グループの法定開示データです。男性労働者の育児休業取得率は、対象者1名に対し取得者0名のため0.0%となっています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 8.1% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 0.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 59.6% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 78.4% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 81.0% |
人財育成の成果指標
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 8.1% |
ダイバーシティ及び働きやすさの指標
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 外国籍従業員 | 333名 |
| 男性育児休業取得率 | 0% |
| 女性育児休業取得率 | 100% |
| 有給休暇取得率 | 69.0% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社ビーイングホールディングスは、顧客のロジスティクスを総合的に支援する3PL事業を主軸とし、さらに4PL事業も展開することで、サプライチェーン全体の最適化を推進しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、主に物流センターの運営やコンサルティング業務を行う「物流事業」と、旅客事業、不動産業、システム開発、保険代理業、自動車整備業、燃料販売業等を行う「その他」の事業区分で構成されています。物流事業では、メーカー、卸売、小売間の拠点間配送や在庫管理などを拠点物流センターに集約し、「運ばない物流」を提案・構築・運営することで、顧客の管理コストや配送コストの低減に貢献しています。特に、3温度帯(常温・冷蔵・冷凍)の食品、医薬品、化粧品、日用品の小口物流に強みを持ち、卸売企業やコンビニエンスストア、スーパーマーケット、ドラッグストアの物流センター運営を受託しています。
自社開発のWMS(倉庫管理システム)、TMS(輸配送管理システム)、PMS(生産性管理システム)、DMS(庸車管理システム)などの情報システムと独自の設備・機材を組み合わせ、顧客それぞれの特性に合わせたオリジナルの物流システムを構築できる点が同社グループの最大の強みです。その他事業は、物流事業の補完と事業の多角化を目的として、グループ子会社がタクシー・バスの運行、不動産賃貸、情報システムの保守、保険代理店業務、自動車整備、燃料販売などを手掛けています。同社グループの収益は、主に物流事業から得られており、当連結会計年度の販売実績では物流事業が大部分を占めています。特定の顧客への収益集中が見られ、株式会社クスリのアオキ、三菱食品株式会社及びそのグループ会社が主要な取引先となっています。事業展開は国内に特化しており、海外からの収益はありません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、過去5期にわたり着実に成長を続けています。営業収益は継続的に増加傾向にあり、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も同様に伸長しています。特に直近の連結会計年度では、営業収益が前期から増加し、利益も堅調に推移しました。この成長は、新規拠点の開設や既存業務の拡大が寄与していることがうかがえます。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 営業収益 | 200億円 | 230億円 | 263億円 | 302億円 | 335億円 |
| 経常利益 | 12.1億円 | 13.8億円 | 18.2億円 | 22.6億円 | 22.7億円 |
| 経常利益率 | 6.0% | 6.0% | 6.9% | 7.5% | 6.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 8.5億円 | 8.7億円 | 11.2億円 | 13.7億円 | 14.0億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 37.32 | 37.60 | 47.64 | 57.47 | 58.18 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの営業収益は前期から増加しており、生産性の向上が見られます。一方で、従業員1人あたりの営業利益は前期から横ばいとなっています。これは、事業規模の拡大に伴う収益増加と、人件費や燃料費などのコスト上昇が影響していると考えられます。組織全体の効率化と収益性の維持が、今後の成長において重要な要素となるでしょう。
| 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり営業収益(連結) | 31.6百万円 | 33.1百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 2.3百万円 | 2.3百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ビーイングホールディングスグループの財務状況は、事業活動を通じて安定した資金を創出し、将来に向けた投資も行っている状況を示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の非製造業平均を上回る水準にあり、安定した経営基盤を構築していることがうかがえます。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均と比較して高い水準を示しており、効率的な資本活用ができている状況です。手元資金も一定の厚みがあり、不測の事態への耐性も備えていると考えられます。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 75.0億円 | 86.6億円 |
| 自己資本比率 | 38.9% | 40.1% |
| ROE(自己資本利益率) | 21.1% | 18.3% |
| 現金及び預金 | 49.5億円 | 50.0億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは22.1億円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益や減価償却費の計上、仕入債務の増加などによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が主な要因となり、21.1億円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入による収入があった一方で、長期借入金の返済や短期借入金の純減額、配当金の支払額などにより、2.7億円の支出となっています。
これらの結果、フリーキャッシュ・フローは1.0億円の収入となり、本業で得た資金で投資を賄い、わずかながら余剰資金を生み出している状況です。同社グループは事業活動で安定的に資金を創出し、将来に向けた投資も継続していることが示されています。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 24.7億円 | 22.1億円 |
| 投資CF | △7.7億円 | △21.1億円 |
| 財務CF | △9.7億円 | △2.7億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 17.0億円 | 1.0億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、スーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストアの物流業務を主たる事業としており、特定の取引先への依存度が高い傾向にあります。2025年12月期における営業収益に占める上位2社で47.2%を占めています。
また、物流業界では異業種からの参入や新たな商流、流通スタイルの登場により競合が激化することが予測されています。このような競合先の多様化への対応が遅れた場合には、同社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは労働集約型の事業を展開しているため、事業を拡大していくうえで質の高い人財の確保が必要であると認識しています。適正な人財を確保できない場合や、人財確保に係る費用が大幅に増加する場合には、同社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ビーイングホールディングスは、ロジスティクス事業を通じて社会インフラを支え、持続可能な社会の実現を目指す企業グループです。人財と環境を重視し、社会とともに進化し続けることを経営の根幹に置いています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは「-BEING-存在しつづける」を企業理念に掲げています。「会社をつくる。人間をつくる。社会をつくる。」という経営目的のもと、時代や文明とともに進化するロジスティクス事業を探求しています。
時代に合わせた社会インフラの提供を通じて、企業や社会システムのイノベーションを起こす『リアルロジスティクス』の体現を目指しています。
中長期的には、サプライチェーンの全体デザイン力を拡充する技術・システム開発を推進し、モノに関する様々なデータを収集・管理・分析する『データネットワークセンター』を構築するとしています。これにより、『小売ビジネスの物流プラットフォーマー』となることを目標としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは「雇用は最大の社会貢献」というマネジメントコンセプトを掲げ、誰もが働ける企業グループとして雇用を守り抜くことを命題としています。人財育成においては「自ら育つことを教える」という方針のもと、社員が成長する機会を惜しまず提供するとしています。
マーケティングコンセプトとして「ロジスティクスのプロフェッショナルたれ」「必要を発見し、本質を発見する」「価値あるものしか、価格はつけない」の3つを掲げています。
サステナビリティに関するESG行動指針では、環境面で脱炭素社会の実現や資源の3R、社会面で人権と多様性の尊重、働きがいのある職場環境づくりを重視しています。また、ガバナンス面では法令遵守と公正な取引を掲げています。
社内環境整備方針として、働きがいのある職場環境・風土づくり、公正・適切な評価制度の導入、ワークライフバランスへの配慮、健康経営の推進を進めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、将来的な物流事業者のあり方を見据え、経営資源の選択と集中による効率化・合理化を図っています。優先的に対処すべき課題として、技術革新への対応、人財の育成、持続可能な社会の実現、物流業界の2024年問題への対応を掲げています。
技術革新では、AIやIoT、自動運転等の新しい技術を積極的に導入し、ロジスティクスの新しい価値創造に努めています。人財育成では、多様化する従業員のやりがいに応える取り組みや制度を導入し、現場力や物流品質の向上にプラスに働く仕組みを構築しています。
持続可能な社会の実現に向けては、気候変動問題を重要な経営課題と認識し、2050年のカーボンニュートラル実現を長期目標としています。物流業界の2024年問題に対しては、ドライバーの時間外労働時間規制において、上限時間の段階的引き下げを実施し、労働時間管理体制を強化しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ビーイングホールディングスは、取締役会及び監査役会設置会社として、株主をはじめとする全てのステークホルダーの利益を重視した経営を行っています。経営の健全性、透明性及び効率性を確保するため、コーポレート・ガバナンスの充実・強化を経営上の最重要課題と認識しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ビーイングホールディングスの筆頭株主は株式会社喜多商店であり、同社の創業家が経営に深く関与している資本構成となっています。代表取締役社長である喜多甚一氏も上位株主の一人であり、創業家およびその関連会社が上位に複数名を占めていることから、特定の株主グループが経営に強い影響力を持つ傾向が見られます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 喜多商店 | 47.05% |
| 喜多甚一 | 11.37% |
| SBI証券 | 5.41% |
| 三菱UFJeスマート証券 | 3.26% |
| 日本マスタートラスト信託銀行 | 2.52% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性9名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は喜多甚一氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 喜多 甚一 | 代表取締役社長 | 1986年9月 同社設立 代表取締役社長より現職。 |
| 喜多 和行 | 取締役副社長 営業部管掌 | 1990年12月 同社入社。2021年4月 同社取締役副社長営業部管掌より現職。 |
| 高桑 和浩 | 専務取締役 物流事業本部長・事業開発部管掌 | 1990年2月 同社入社。2024年8月 同社専務取締役物流事業本部長・事業開発部管掌より現職。 |
| 松木 正康 | 常務取締役 総務部・経営管理部・広報部管掌 | 2009年1月 同社入社。2021年4月 同社常務取締役総務部・経営管理部・広報部管掌より現職。 |
社外取締役は、川本剛生氏(川本行政書士事務所代表)、長谷川博和氏(早稲田大学大学院経営管理研究科教授)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役2名、社外監査役2名を選任しています。これにより、取締役会の監督機能および監査役会の監査機能を強化し、コーポレート・ガバナンス体制の実効性確保に努めています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ビーイングホールディングスの役員報酬は全て固定報酬である基本報酬のみで構成されており、業績連動報酬は導入されていません。取締役の報酬額は、株主総会で決定された総額の限度内で、取締役会から委任された任意の報酬委員会において決定されます。
監査役の報酬額は、株主総会で決定された総額の限度内で監査役の協議により決定される仕組みです。報酬委員会は委員の過半数を社外取締役が占める構成となっており、取締役の評価に関して公正性・透明性・客観性を担保する体制となっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 1.9億円 | 48.2百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 12百万円 | 12.0百万円 |
| 社外取締役 | 2名 | 12百万円 | 6.0百万円 |
| 社外監査役 | 2名 | 13百万円 | 6.5百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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