※本記事は、株式会社東京通信グループ の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
東京通信グループは持株会社であり、単体従業員数は23名、グループ連結従業員数は122名です。
同社グループは、連結子会社23社を中心に、スマートフォン向けアプリメディアの企画・開発による広告収益事業、ユーザーとサービス関係者をつなぐプラットフォーム事業を展開しています。また、メタバース事業やデジタルサイネージ事業、ファンクラブビジネス事業、投資事業など多角的な事業に取り組んでいます。
主な国内グループ会社は、TT、ティファレト、パルマ、東京通信キャピタル(投資関連事業・(その他))、Digital VisionIndustriesなどです。
東京通信グループは2023年4月1日付で会社分割を行い、持株会社へ移行しました。これにより、第9期の経営成績はそれ以前と比較して大きく変動しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社東京通信グループは、持株会社としてグループ全体の人材戦略を重視しています。多様な人材の確保と育成、そして働きやすい環境整備に積極的に取り組む方針を示しています。柔軟な働き方や福利厚生の充実を通じて、従業員のモチベーション向上と定着を目指していることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均年齢が40代前半であり、比較的幅広い年齢層の従業員が在籍していることがうかがえます。平均勤続年数は5年未満となっており、組織の新陳代謝が活発である可能性を示しています。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,932,000円 |
| 平均勤続年数 | 4.4年 |
| 平均年齢 | 41.7歳 |
| 単体従業員数 | 23人 |
| 連結従業員数 | 122人 |
| 単体のグループ内比率 | 18.9% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、人的資本経営の重要性を認識し、中長期的な企業価値向上には人材の育成と定着、多様な人材の確保が不可欠であると考えています。この方針に基づき、人材の多様性の確保を含む育成と社内環境整備に積極的に取り組んでいます。
具体的には、人材育成として定期的な役職者向けの階層別研修を実施し、モチベーション向上と能力開発を支援しています。また、社内環境整備においては、スライドワーク制を導入して柔軟な働き方を可能にし、各種福利厚生制度の拡充を通じて、多様な人材が健康でやりがいを持って働ける環境づくりを進めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社及び連結子会社は、女性活躍推進法及び育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示データは記載されていません。
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社東京通信グループは、スマートフォン向けアプリメディア事業とプラットフォーム事業を主軸に展開する持株会社グループです。同社グループは、インターネットを通じて人々の心を豊かにするサービスを創造し続けることを目指しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、主にスマートフォン向けのアプリメディアの企画・開発、およびユーザーとサービス関係者をつなぐプラットフォームの構築を通じて収益を得ています。新規事業への投資方針を見直し、主力事業へ経営資源を集中したことで、収益構造の改善が進んでいます。
メディア事業
メディア事業では、主にスマートフォン向けのアプリメディアを企画・開発し、広告収益を得る事業を展開しています。無料ゲームアプリやポイ活ゲームアプリを手掛けており、アプリ内の一部スペースを広告枠として提供することで広告収益を獲得しています。
当連結会計年度においては、スマートフォンゲームアプリの取り組みが着実に成果を上げ、ヒットタイトル創出における再現性が向上しました。画像メーカーサービス「Picrew(ピクルー)」も前期比で増収増益となっています。
同社グループの売上高の大部分を占める主要な事業であり、前期比で増加しています。
プラットフォーム事業
プラットフォーム事業は、ユーザーとそのニーズを満たすサービス関係者をつなぐプラットフォームを構築し、従量課金や定額課金で収益を得ています。電話占いサービス「電話占いカリス」や「SATORI電話占い」、推し活メッセージアプリ「B4ND」などのエンタメテックサービスを提供しています。
電話占いサービス事業の売上高は概ね計画通りに進捗し、エンタメテック事業は営業利益の黒字を計上しました。プラットフォーム事業全体としては前期比でほぼ横ばいの推移となっています。
その他の事業セグメント
その他の事業セグメントは、報告セグメントに含まれない事業であり、ファンクラブビジネス事業、メタバース事業、デジタルサイネージ事業、投資事業、新規事業開発などに取り組んでいます。
ファンクラブビジネス事業は通期での営業黒字化を達成し、収益性の改善が定着しています。投資事業においては、投資有価証券の売却を複数実施し、営業外収益として計上した売却益が連結業績に大きく寄与しました。
このセグメントは前期比で大きく増加しています。
同社グループの主要な顧客としては、AppLovin CorporationとGoogle Asia Pacific Pte. Ltd.があり、これらはメディア事業に関連しています。また、日本だけでなくシンガポールやアメリカなど海外での売上も一定程度を占めています。
| セグメント | 売上高(2024年12月期) | 売上高(2025年12月期) |
|---|---|---|
| メディア事業 | 33.0億円 | 34.1億円 |
| プラットフォーム事業 | 22.3億円 | 22.2億円 |
| その他の事業セグメント | 3.3億円 | 5.8億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
過去5期間の業績を見ると、売上高は変動しつつも直近で増加に転じています。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、前期の損失から大幅な改善を見せ、黒字に転換しました。
特に当連結会計年度は、新規事業への投資方針を見直し、主力事業へ経営資源を集中したことにより収益構造が改善し、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高を更新しました。営業活動によるキャッシュ・フローは前期から増加し、資金流入を確保しています。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 47.3億円 | 50.7億円 | 62.2億円 | 58.6億円 | 62.2億円 |
| 経常利益 | 4.2億円 | △45百万円 | 3.6億円 | △2.1億円 | 6.7億円 |
| 経常利益率 | 9.0% | △0.9% | 5.7% | △3.6% | 10.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2.0億円 | △2.7億円 | △2.0億円 | △4.1億円 | 2.3億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 20.49 | △26.85 | △20.43 | △41.05 | 22.87 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期から増加しており、生産性が向上している傾向が見られます。従業員1人あたりの営業利益も前期の損失から黒字に転換しており、収益性の改善が進んでいることが示されています。
これらの指標の改善は、同社グループが経営資源を主力事業に集中し、収益構造を改善した結果と考えられます。
| 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 42.5百万円 | 51.0百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | △1.7百万円 | 1.6百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、事業活動を通じて資金を生み出し、投資活動も行いながら、資金繰りの改善に取り組んでいる段階を示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤を見ると、自己資本比率は当期で20.8%となっています。これはプライム市場の非製造業平均24.2%と比較するとやや低い水準です。一方、ROE(自己資本利益率)は当期35.5%と、プライム市場平均9.4%を大きく上回る高い水準を示しています。手元資金である現金及び預金は当期11.4億円と、前期から増加しています。これらの状況は、同社グループの事業活動が雇用や給与の安定性に影響を与える可能性があります。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 7.7億円 | 8.9億円 |
| 自己資本比率 | 14.2% | 20.8% |
| ROE(自己資本利益率) | - | 35.5% |
| 現金及び預金 | 7.7億円 | 11.4億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、当期に3.8億円の資金流入となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上や減価償却費及びのれん償却額があったことによるものです。前期と比較して資金流入額は増加しています。
投資活動によるキャッシュフローは、当期に5.9億円の資金流入となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入があったことによるものです。前期と比較して資金流入額は大きく増加しています。
財務活動によるキャッシュフローは、当期に△6.1億円の資金流出となりました。これは主に投資事業における出資者への分配金の支出や長期借入金の返済による支出があった一方、長期借入による収入や短期借入金の増加があったことによるものです。前期と比較して資金流出の幅は縮小しています。
これらの結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは、当期に9.7億円のプラスとなっています。同社グループは本業で資金を生み出し、投資活動でも資金を確保しつつ、財務活動では資金流出を抑える傾向を示しています。この資金の流れは、同社グループの安定性や将来の成長性を示すものと言えます。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 1.3億円 | 3.8億円 |
| 投資CF | 71百万円 | 5.9億円 |
| 財務CF | △8.7億円 | △6.1億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 2.0億円 | 9.7億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
同社グループは、前期までの新規事業投資の影響により、短期有利子負債と現金及び預金のバランスが十分ではない状況が継続していました。これにより資金繰りに一定の懸念が生じ、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況が存在していました。しかし、主力事業への経営資源集中や財務体質改善の取り組みにより、資金繰りは着実に改善しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断されています。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、インターネット関連市場、スマートフォン関連市場、インターネット広告市場の成長が阻害される状況が生じた場合、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、同様のサービスを提供する企業や新規参入企業との競争激化により、事業及び業績に影響を及ぼすリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、優秀な人材の確保及び育成が継続的なサービス提供に極めて重要であると考えています。しかし、IT業界における人材獲得競争の激化により、必要な人材を適時に確保できない場合や優秀な人材が流出した場合には、今後の事業展開に制約が生じる可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
東京通信グループは、「創造によって世界中のエモーショナルを刺激する」というパーパスを掲げ、「Digital Well-Being」をビジョンとしています。インターネットを通じて人々の心を豊かにするサービスを創造し続けることで、企業価値の持続的な向上を目指している会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「創造によって世界中のエモーショナルを刺激する」というパーパスの実現に向けて、「Digital Well-Being」をビジョンに掲げています。インターネットを通じて人々の心を豊かにするサービスを創造し続けることで、企業価値の持続的な向上を図ることを経営方針としています。
既存事業の拡大とM&Aの戦略的活用を通じて、世界を代表するデジタルビジネス・コングロマリット経営を追求し続けることを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、創造性やM&Aの戦略的活用を重視し、グループ全体のシナジー最大化を目指す価値観を持っています。人的資本経営の重要性を認識しており、人材の育成や定着、多様な人材の確保が中長期的な企業価値向上に必要であると考えています。
柔軟な働き方を可能にするスライドワーク制や各種福利厚生制度の拡充など、多様な人材が健康でモチベーション高く、やりがいをもって働きやすい環境の整備に取り組んでいます。社会環境の変化に対応し、サステナビリティに関連した課題についても取締役会で議論し、対応策を検討する姿勢を示しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、中長期的に成長可能な事業の確立を課題としており、持株会社体制への移行を通じてグループ経営機能の強化とグループシナジーの最大化を図っています。優秀な人材の確保と育成も重要なテーマであり、経営理念に賛同し成長意欲のある人材の確保や社内教育制度の充実に取り組んでいます。
コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の強化、新技術の活用、そしてM&Aへの適切な対応も重点テーマです。特にM&Aにおいては、買収後のガバナンス強化と早期のグループシナジー実現体制の構築を重視しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社グループは監査等委員会設置会社であり、取締役会と監査等委員会が経営の監督と執行を担う体制です。独立性の高い社外取締役が多数を占め、経営の透明性と客観性の確保に努めています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
筆頭株主は株式会社トラストホールディングスであり、同社グループの取締役会長である外川穣氏の資産管理会社です。また、代表取締役社長CEOである古屋佑樹氏の資産管理会社である株式会社monoliceも上位株主として名を連ねています。このように、同社グループは主要な経営陣が関連する企業によって支えられている資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| トラストホールディングス | 21.46% |
| BNP PARIBAS SYDNEY/2S/JASDEC/DIVERSIFIED GLOBAL SHARE TRUST/TAXABLE | 4.97% |
| monolice | 4.53% |
| SBI証券 | 4.01% |
| 古屋 佑樹 | 3.83% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長CEOは古屋佑樹氏が務めています。社外取締役比率は57.1%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 古屋 佑樹 | 代表取締役社長CEO | 2009年シーエー・モバイル入社後、2015年に同社を設立し代表取締役社長に就任。 |
| 外川 穣 | 取締役会長 | 1994年博報堂入社後、サイバーエージェントを経てシーエー・モバイルを設立し代表取締役社長に就任。2015年に同社代表取締役会長、2022年より取締役会長。 |
| 赤堀 政彦 | 取締役CFO | 2009年シーエー・モバイル入社後、セレンディップ・コンサルティングで取締役を務める。2022年に同社取締役、同年7月より取締役CFO。 |
社外取締役は、塚本信二氏(米パーセフォニGlobal Chief Commercial Officer)、芝﨑香琴氏(芝﨑香琴公認会計士事務所代表・監査等委員)、髙橋由人氏(エグゼクティブ・パートナーズ顧問・セレス取締役(監査等委員)・監査等委員)、串田規明氏(法律事務所スタートライン代表・マクアケ取締役(監査等委員)・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、経営の機動性、透明性、客観性及び健全性の確保・向上を目指しています。独立性の高い社外取締役と社外取締役である監査等委員のみで構成される監査等委員会を設置し、経営の監視機能の実効性を図る体制です。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社は、優秀な人材の獲得・保持と中長期的な企業価値・株主価値の向上を重視し、職責と成果に基づく公平かつ公正な報酬を基本方針としています。取締役(監査等委員を除く)の報酬体系には、固定報酬に加えて、2026年12月期以降の業績を対象とした業績連動報酬と譲渡制限付株式の付与のための報酬が導入されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 67百万円 | 22.4百万円 |
| 社外取締役(監査等委員を除く) | 1名 | 2百万円 | 2.4百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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