※本記事は、株式会社Sharing Innovations の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
Sharing Innovationsは、連結子会社4社とともに、システムソリューション、クラウドインテグレーション、アプリの企画・開発・運営を主たる事業としています。デジタルトランスフォーメーション事業とプラットフォーム事業の2つの事業を展開しており、技術革新に対応したサービスを提供しています。
単体従業員数は193名、連結従業員数は212名です。セグメントはデジタルトランスフォーメーション事業、プラットフォーム事業の2つです。
主な国内グループ会社は、G clef(プラット・フォーム事業)、インタームーブなどです。
同社グループは、当連結会計年度中にコスト最適化のため人員の再配置やグループ外への転籍を進め、新卒採用を見送るなど、事業構造の最適化を図っています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社Sharing Innovationsは、テクノロジーと人の力を通じてイノベーションを追求する企業です。同社グループは、人材の多様性を重視し、従業員一人ひとりの成長と働きやすい環境づくりに力を入れています。専門性を高めながらキャリアを築きたいと考える方にとって、魅力的な環境が期待できるでしょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均年齢が30代半ばであり、比較的若い年齢層で構成されています。平均勤続年数は5年台後半となっており、一定の定着傾向が見られます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,879,000円 |
| 平均勤続年数 | 5.8年 |
| 平均年齢 | 36.6歳 |
| 単体従業員数 | 193人 |
| 連結従業員数 | 212人 |
| 単体のグループ内比率 | 91.0% |
なお、退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは「テクノロジーと人の力を通じて、イノベーションを起こし続ける」ことをミッションとし、その達成において「人」を最重要キーと位置付けています。社会のパラダイムシフトに対応できる優秀な人材を育成・輩出し、活躍できる場・環境を創出することに取り組んでいます。
人材育成方針としては、同社グループが定める「コアバリュー」に基づき、全社的な人事育成施策として階層別・選抜型教育を実施しています。また、事業部門では専門スキル研修のようなキャリア開発も行われています。社内環境整備方針としては、人材の多様性の確保を重視し、国籍、年齢、性別等にとらわれることなく「コアバリュー」の価値観に基づく環境整備や制度構築に取り組んでいます。毎月社員サーベイを実施し、働きやすい社内環境の整備に努めていることも特徴です。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。男女平均年間賃金の差異は、人事制度上の問題ではなく社員の年齢構成および労働時間の差が影響しており、具体的には正規雇用労働者において高年齢層ほど男性社員比率が高く、その結果上位等級に占める男性比率が高くなっていることによります。パート・有期労働者については、女性よりも男性の方が相対的に労働時間が長いため、差異が生じています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 22.2% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 0.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 80.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 81.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 68.3% |
グループ全体(連結)
グループ全体の全従業員に占める外国籍社員の割合につきましては、SHARING INNOVATIONS VIETNAM CO.,LTD.を含めて計算しております。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| グループ全体の全従業員に占める外国籍社員の割合 | 7.1% |
| 年代別(20代) | 42.0% |
| 年代別(30代) | 26.9% |
| 年代別(40代) | 19.8% |
| 年代別(50代) | 9.4% |
| 年代別(60代以上) | 1.9% |
| 男女別(男性) | 65.1% |
| 男女別(女性) | 34.9% |
| 全従業員に占める女性管理職の割合 | 3.8% |
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 22.2% |
| 男性の平均勤続年数に対する女性の平均勤続年数割合 | 87.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異 | 81.2% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
Sharing Innovationsグループは、システムソリューション、クラウドインテグレーション、アプリの企画・開発・運営を主たる事業としています。同社グループは、多様なITニーズに対応し、技術革新を取り入れたサービスを提供することで収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループの事業は、「デジタルトランスフォーメーション事業」と「プラットフォーム事業」の2つの報告セグメントで構成されています。デジタルトランスフォーメーション事業が同社グループの収益の大部分を占めています。
デジタルトランスフォーメーション事業
この事業では、システム開発・アプリ開発を行うシステムソリューションと、クラウドサービスの導入支援を行うクラウドインテグレーション等を提供しています。AI活用など新技術に適時に対応し、新サービスの開発やサービスラインナップの充実を図っています。特にSalesforceを中心としたクラウドインテグレーションと通常のシステム開発を組み合わせた柔軟な開発が強みです。
収益は、請負契約によるシステム開発や、準委任契約による開発工数提供から得ています。運営は、Sharing Innovations、株式会社インタームーブ、Coznet合同会社、SHARING INNOVATIONS VIETNAM CO.,LTD.が行っています。
プラットフォーム事業
この事業では、占いを主要カテゴリーとしたネイティブアプリの企画・開発・運営を中心に行っています。主力サービスは「チャットで話せる占いアプリ-ウラーラ」で、占い師とユーザー間のリアルタイムコミュニケーションによるオンラインチャット占いを提供しています。
収益は、文字数に応じた鑑定料課金、占いコンテンツ販売、電話占い鑑定から得ています。運営は、Sharing Innovations、株式会社G clefが行っています。
同社グループの外部顧客への売上高は、本邦が90%以上を占めています。特定の顧客への収益集中は見られません。
| セグメント | 売上高(2024年12月期) | 売上高(2025年12月期) |
|---|---|---|
| デジタルトランスフォーメーション事業 | 47.5億円 | 40.6億円 |
| プラットフォーム事業 | 4.2億円 | 4.0億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの直近5期間の業績は、売上高が前期から減少に転じ、利益も大幅に減少しています。売上高は前期に比べて減少しました。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も、前期から大きく減少する結果となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローはプラスを維持していますが、前期に比べて減少しています。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 44.8億円 | 51.9億円 | 50.6億円 | 51.7億円 | 44.6億円 |
| 経常利益 | 3.8億円 | 1.7億円 | 1.3億円 | 2.4億円 | 93百万円 |
| 経常利益率 | 8.6% | 3.3% | 2.5% | 4.6% | 2.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2.4億円 | 97百万円 | 34百万円 | 1.4億円 | 24百万円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 65.03 | 25.93 | 9.09 | 36.60 | 6.40 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの収益性と生産性を見ると、前期から変化が見られます。従業員1人あたり売上高は前期に比べて増加しています。一方で、従業員1人あたり営業利益は前期から減少しています。
これは、売上高の増加に対して利益の伸びが追いついていない状況を示しています。これらの指標は、同社グループの収益体質や組織の効率化の傾向を把握する上で参考となります。
| 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 20.1百万円 | 21.0百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.9百万円 | 0.5百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
株式会社Sharing Innovationsは、自己資本比率が高く、手元資金も増加傾向にあります。本業で資金を生み出しつつ、成長に向けた投資も行っている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は、当期で69.0%となっており、前期の64.6%から増加しています。これは、プライム市場の平均と比較しても高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)は当期で1.5%となり、前期の9.0%から低下しました。手元資金である現金及び預金は、当期末に11.8億円となり、前期末の10.9億円から増加しています。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 15.9億円 | 16.1億円 |
| 自己資本比率 | 64.6% | 69.0% |
| ROE(自己資本利益率) | 9.0% | 1.5% |
| 現金及び預金 | 10.9億円 | 11.8億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの営業活動によるキャッシュフローは、当期に115百万円の資金を獲得しました。これは前期の268百万円から減少しています。主な要因としては、税金等調整前当期純利益や売上債権の減少による資金増加があった一方で、法人税等の支払額や仕入債務の減少があったためです。
投資活動によるキャッシュフローは、当期に△43百万円の資金を使用しました。前期の△4百万円と比較して、支出が増加しています。これは主に連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出があったためです。財務活動によるキャッシュフローは、当期に18百万円の資金を獲得し、前期の2百万円から増加しています。これは長期借入れによる収入があった一方で、借入金の返済による支出があったことによるものです。
これらの結果、フリーキャッシュフローは当期に72百万円となり、前期の263百万円から減少しています。本業で資金を稼ぎつつ成長投資を行っている状況ですが、営業活動による資金獲得力が低下しているため、今後の収益性改善が雇用や給与の安定性につながると考えられます。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 268百万円 | 115百万円 |
| 投資CF | △4百万円 | △43百万円 |
| 財務CF | 2百万円 | 18百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 263百万円 | 72百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
デジタルトランスフォーメーション事業においては、同業他社との競争が激しく、価格競争の結果として取引単価が低迷した場合、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、プラットフォーム事業では、ユーザーの嗜好の変化が激しいため、ユーザーニーズの的確な把握や対応が困難となった場合に、事業活動や業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
デジタルトランスフォーメーション事業では、技術的専門性を有した技術者により支えられており、優秀な人材の確保と育成、また定着率が最も重要な課題とされています。採用において計画通りに必要とする人材を確保できない場合や離職により技術者が大幅に減少した場合には、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
Sharing Innovationsは「テクノロジーと人の力を通じて、イノベーションを起こし続ける」ことをミッションとしています。技術革新に対応したサービス提供と企業価値の最大化を目指す企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「テクノロジーと人の力を通じて、イノベーションを起こし続ける」ことをミッションとしています。
加速する技術トレンドを的確に捉え、クラウドインテグレーション、データ分析、AI等に関連するエンジニアの教育・育成、サービスの開発を積極的に行っています。
システムソリューション及びクラウドインテグレーション等の技術革新に対応したサービス提供を通じて、企業価値の最大化を図ることを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、「テクノロジーと人の力を通じて、イノベーションを起こし続ける」というミッション達成のため、「人」を最重要キーと位置づけています。
新しいモノ・コトをいち早くキャッチアップし、社会にShareできる形で提供し続けること、常に高い壁に挑み続け、成長を追い求めることが不可欠であると考えています。
この考えに基づき、採用基準の一つとして「コアバリュー」を定めています。
また、人材の多様性の確保を重視し、国籍、年齢、性別等にとらわれることなく、これらの価値観に基づく環境整備や制度構築に取り組んでいます。
働きやすい社内環境の整備のため、毎月社員サーベイを実施しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、優先的に対処すべき課題として、新技術への対応と優秀な人材の確保に取り組んでいます。
海外市場への対応も重要テーマであり、海外における事業体制の強化を検討しています。
人材確保と人材育成においては、働きがいのある組織風土を醸成するため、従業員研修や人事評価制度の整備・強化、社内コミュニケーションの活性化、採用活動の推進に注力しています。
また、内部管理体制の強化も重点テーマであり、コーポレート・ガバナンスを重視し、リスクマネジメントの強化や内部統制の継続的な改善・強化を推進しています。
ISMS国際規格の認証維持・更新やコンプライアンス研修等を通じ、企業としての強靭化に努めています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
Sharing Innovationsは、取締役会と監査役会を中心としたコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。社外取締役と社外監査役が経営の監督と監査を担う体制です。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
Sharing Innovationsの筆頭株主はOrchestra Holdingsです。同社は事業会社であり、発行済株式の過半数を保有しています。これにより、特定の株主グループが経営に強い影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| Orchestra Holdings | 71.50% |
| SBI証券 | 5.70% |
| 芝井 敬司 | 2.10% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長は信田人氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 信田 人 | 代表取締役社長 | 1999年4月日本電信電話株式会社(現NTT株式会社)入社、2012年2月KDDI株式会社入社、2016年1月KPMGコンサルティング株式会社入社、2022年7月同社執行役員就任、2024年3月同社代表取締役社長就任より現職。 |
| 栁 径太 | 代表取締役会長 | 1992年4月アクセンチュア株式会社入社、2014年6月株式会社デジタルアイデンティティ(現Orchestra Holdings)入社、2017年7月株式会社デジタルアイデンティティ取締役就任、2020年6月同社代表取締役会長就任より現職。 |
| 西田 祐 | 取締役CFO | 2009年4月富士通株式会社入社、2016年11月ハイアス・アンド・カンパニー株式会社(現株式会社くふう住まいコンサルティング)入社、2022年5月同社執行役員コーポレートマネジメント本部長就任、2023年3月同社取締役CFO就任より現職。 |
社外取締役は、上村紀夫氏(エリクシア代表取締役)、水谷健彦氏(JAM代表取締役)です。
Sharing Innovationsは監査役会設置会社です。取締役会には2名の社外取締役が在籍し、客観的かつ中立的な視点から経営を監督しています。また、監査役会は3名の社外監査役で構成され、業務執行に対する独立した監査を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
Sharing Innovationsの役員報酬は、月例の固定報酬を基本としています。役位や職責、在任年数に加え、他社水準や同社グループの業績、従業員給与の水準を総合的に考慮して決定されています。現時点では業績連動報酬や非金銭報酬は設定されていません。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 41百万円 | 13.5百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 19百万円 | 3.8百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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