※本記事は、ニューラルグループ株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月30日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ニューラルグループは、「AIで心躍る未来を」をミッションに掲げ、リアル空間のデジタル化を通じた社会課題の解決を目指しています。同社グループの事業は、AI技術を核としたイノベーション領域とコアサービス領域の2つのドメインで構成されています。
単体従業員数は36名、連結従業員数は204名です。同社グループはAIエンジニアリング事業の単一セグメントです。
同社グループは、2021年に株式会社フォーカスチャネル、2022年に株式会社ネットテンを子会社化し、サイネージ広告事業を強化しました。その後、両社は合併しニューラルマーケティング株式会社となるなど、事業再編を進めています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ニューラルグループは、AI技術を核に社会課題の解決を目指す企業です。多様な人材を競争力の源泉と捉え、働きがいのある環境づくりに注力しています。フレックスタイム制やリモートワーク制度を導入し、柔軟な働き方を支援する姿勢が見られます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、比較的若い年齢層の従業員が多く、平均勤続年数も短めであることから、活発な組織であることがうかがえます。新しい技術や事業に挑戦する機会が多い環境であると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,369,000円 |
| 平均勤続年数 | 3.3年 |
| 平均年齢 | 37.5歳 |
| 単体従業員数 | 36人 |
| 連結従業員数 | 204人 |
| 単体のグループ内比率 | 17.6% |
ニューラルグループでは、確定給付型の退職給付制度を採用しています。この制度は、給与や勤続年数に応じて将来の給付額が決まるものです。
退職給付制度は国内グループ会社に適用されています。退職一時金制度があり、勤務期間に基づいた一時金が支給されます。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「AIで心躍る未来を」というミッションの実現において、多様な人材が不可欠であり、人材こそが競争力の源泉であると考えています。そのため、卓越した人材を引き付け、育て、夢中にさせることを重視しています。
チームメンバーを一体となって夢を実現する仲間と捉え、性別・国籍・年齢等にとらわれない多様なバックグラウンドを持つ人材の採用・育成を図っています。こうした多様な人材がワークライフ・バランスを整えながら働きがいを持って能力を十分に発揮できるよう、フレックスタイム制やリモートワーク制度を導入し、多様なライフスタイルに応じた働き方ができる環境の整備に努めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社は常時雇用する労働者数が100人以下であるため、法定開示項目に関する記載を省略しています。連結子会社も、公表項目としていないため記載を省略しています。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ニューラルグループは、AI技術を核にリアル空間のデジタル化を推進し、社会課題の解決を目指しています。同社グループの事業は、先端技術の研究開発と社会実装を両輪で進める構造となっています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
ニューラルグループは「AIで心躍る未来を」をミッションに掲げ、AIエンジニアリング事業を展開しています。同社グループの事業は、イノベーション領域とコアサービス領域の二つのサービスドメインで構成されています。
イノベーション領域では、AI AgentやLLMなどの先端技術の研究開発を企業と共同で推進し、AIアルゴリズムの研究と売上創出を並行して行っています。具体的には、AI画像解析技術とエッジ処理技術を応用した駐車場サービス「デジパーク」や、観光地での過観光回避や防犯対策に活用される「デジフロー」などを提供しています。また、ハイグレードマンション向けのサイネージ広告事業「フォーカスチャネル」や、独自の画像解析エンジンを用いたファッショントレンド解析サービスも展開しています。
コアサービス領域では、イノベーション領域で開発・獲得した新技術を取り込みながら、成熟したAI技術や関連技術をサービスやプロダクトとして提供し、AIの社会活用を推進しています。この領域では、ソニー株式会社との共同開発による1on1支援ツール「KizunaNavi」や、LEDサイネージの「ニューラルビジョン」「デジルック」などを提供しています。これらのサービスは、全国の中小企業から大企業まで幅広い顧客を対象に、マーケティング支援や人材活用支援を行っています。
同社グループの技術は、独自の深層学習技術ライブラリの開発、端末処理(エッジコンピューティング)による深層学習モデルの優位性、そして軽量・高精度なAIライブラリとエッジコンピューティングの親和性に特徴があります。これにより、低コスト化・省電力化、プライバシー保護に配慮したAIサービスの提供を実現しています。収益は、これらのAI技術を活用したサービスやプロダクトの提供から得られています。
同社グループの売上高は本邦の外部顧客が90%を超えており、国内市場が主な収益源であることが示されています。また、特定の顧客への収益集中は見られません。
| セグメント | 売上高(2024年12月期) | 売上高(2025年12月期) |
|---|---|---|
| コアサービス領域 | 2兆7,744億円 | 2兆7,211億円 |
| イノベーション領域 | 7,685億円 | 5,636億円 |
| その他 | 219億円 | 143億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
ニューラルグループの過去5期間の業績を見ると、売上高は増加傾向にあったものの、直近の当連結会計年度では減少に転じています。経常利益は、過去に損失を計上する期が続いていましたが、前期に黒字に転換し、当期は再び損失となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、継続して損失を計上しています。
当連結会計年度の売上高減少は、コスト最適化施策と不採算案件の整理を含むポートフォリオの最適化を推進したことによる一時的なものと同社グループは説明しています。営業活動によるキャッシュ・フローは直近2期で増加しており、本業によるキャッシュ創出は継続している傾向が見られます。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 10.1億円 | 28.8億円 | 31.8億円 | 35.6億円 | 33.0億円 |
| 経常利益 | 14百万円 | △3.1億円 | △6.9億円 | 12百万円 | △47百万円 |
| 経常利益率 | 1.4% | △10.7% | △21.6% | 0.3% | △1.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 11百万円 | △9.1億円 | △6.5億円 | △61百万円 | △1.2億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 0.79 | △63.32 | △43.65 | △3.97 | △7.29 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
ニューラルグループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から当期にかけてほぼ横ばいの水準で推移しています。従業員1人あたり営業利益(連結)は、前期はプラスでしたが、当期はわずかながらマイナスに転じています。これは、当連結会計年度における売上高の一時的な減少と営業損失の計上が影響していると考えられます。
同社グループはコスト最適化施策やポートフォリオの最適化を進めており、これらの取り組みが今後の生産性向上にどのように寄与するかが注目されます。従業員数の減少も伴っており、組織のスリム化と効率化への意識がうかがえます。
| 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 16.3百万円 | 16.2百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.2百万円 | △0.0百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ニューラルグループは、財務基盤の強化と事業活動による資金創出に注力しています。同社グループの経営状況は、今後の成長に向けた取り組みと資金の流れから読み取ることができます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
ニューラルグループの財務基盤を見ると、自己資本比率は前期から大きく改善し、プライム市場の非製造業平均を上回る水準となっています。手元資金も大幅に増加しており、資金の厚みが増している状況です。一方で、ROEはマイナスとなっており、収益性の改善が今後の課題として挙げられます。これらの財務状況は、同社グループの事業運営における安定性や将来の成長投資の余力に影響を与える要素となります。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 6.1億円 | 18.8億円 |
| 自己資本比率 | 20.0% | 44.1% |
| ROE(自己資本利益率) | - | -9.3% |
| 現金及び預金 | 6.7億円 | 22.2億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
ニューラルグループのキャッシュフローを見ると、当連結会計年度における営業活動によるキャッシュフローはプラスとなっています。これは主にのれん償却額や売上債権の減少などが資金増加要因となった一方で、税金等調整前当期純損失などが減少要因となりました。投資活動によるキャッシュフローは、定期預金の預入による支出が主な要因となりマイナスとなっています。フリーキャッシュフローはプラスであり、本業で生み出した資金で投資活動を賄えている状況です。財務活動によるキャッシュフローは、株式の発行による収入が主な要因となり大幅なプラスとなりました。同社グループはエクイティファイナンスにより資金調達を行い、財務基盤の強化を図りながら事業運営を行っていることがうかがえます。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 1.9億円 | 1.5億円 |
| 投資CF | 48百万円 | △0.3億円 |
| 財務CF | △3.4億円 | 14.0億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 2.0億円 | 1.2億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
ニューラルグループは、AIビジネス市場の成長鈍化や大手企業の新規参入による市場シェアの変化、競合サービスの増加による競争力低下のリスクを認識しています。これらの要因は、同社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
ニューラルグループは、事業拡大のために優秀な人材の確保と育成が不可欠であると認識しています。AIを専門とする高度なエンジニアの獲得競争や、計画通りに人員が確保・育成できない場合、または人材流出が進んだ場合には、同社グループの競争力低下や事業拡大に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ニューラルグループは、「AIで心躍る未来を」というミッションを掲げ、AIエンジニアリング事業を通じて社会課題の解決と持続的な成長を目指しています。リアル空間とデジタル空間を融合させる新たなサービスの創出に注力する会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「AIで心躍る未来を」をミッションとして掲げています。独自開発のAIアルゴリズムによる画像・動画解析技術と、端末処理(エッジコンピューティング)技術を活用したAIエンジニアリング事業を展開しています。
リアル空間とデジタル空間を融合させる新たなサービスの創出に取り組み、研究開発を通じたイノベーション領域の継続的な強化を推進しています。全国規模の顧客基盤を有するコアサービス領域の拡大も図り、収益性と成長性の両立を目指しています。
SDGsの理念に則り、省資源・省エネルギーで運用可能なエッジAI技術の社会実装や、AIを活用した安心・快適な街づくりへの貢献を推進しています。これらの取り組みを通じて、日本国内のみならずグローバル市場においても企業価値の向上を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、高度なAIエンジニアリング力と卓越したビジネス創出力の融合を事業拡大に不可欠と考えています。顧客企業が認識していない潜在市場を自社で掘り起こし、市場自体を作り上げる事業開発を専業としています。
多様な人材を競争力の源泉と捉え、卓越した人材を引き付け、育て、夢中にさせることを行動指針としています。チームメンバーを一体となって夢を実現する仲間と考える文化があります。
性別・国籍・年齢等にとらわれない多様なバックグラウンドを持った人材の採用・育成を図っています。世界各国からAIエンジニアが集まり、英語で自由に開発活動ができる環境が構築されています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、開発体制の強化と優秀な人材の確保を重要な課題と認識しています。深層学習技術に基づく独自のAIライブラリ開発や、エッジコンピューティングに関する技術の継続的な強化に努めています。
国籍を問わず卓越した能力を持つAIエンジニアの採用及び育成に重点的に投資する方針です。さらなる新規事業の創出にも注力し、エッジコンピューティングによるAI解析の優位性を最大限に活用しています。
既存事業で培った独自の成功モデルから得た知見を取り入れ、新たな産業分野での事業化を早期に推進しています。サービスの更なる成熟化を進め、専門知識・技術を要さずに広く販売・提供ができるような製品開発を推進しています。
事業拡大・成長に応じた内部管理体制の強化も重要な課題であり、経営の公正性・透明性確保のためにコーポレート・ガバナンスを強化し、適切な内部統制システムの構築を図っています。戦略投資としてM&Aを中心とした事業領域の拡充も目指しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ニューラルグループは監査等委員会設置会社へ移行しており、業務執行を行う経営陣から独立した社外取締役を複数選任することで、コーポレート・ガバナンスの強化を図っています。取締役会は代表取締役社長が議長を務め、社外取締役を含む6名で構成されています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ニューラルグループの株主構成を見ると、代表取締役社長である重松路威氏が筆頭株主となっており、同氏の資産管理会社が所有する株式を含めて実質的に多くの株式を保有しています。このほか、特定金外信託受託者であるSMBC信託銀行やソニーなどが上位株主として名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 重松 路威 | 50.41% |
| 特定金外信託受託者 SMBC信託銀行 | 4.06% |
| ソニー | 4.01% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性4名・女性2名)で構成され、女性役員比率は33.3%です。代表取締役社長は重松路威氏が務めています。社外取締役比率は66.7%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 重松 路威 | 代表取締役社長 | 2006年4月にマッキンゼー・アンド・カンパニーに入社し、2016年1月に同社パートナーに就任。2018年1月に同社設立とともに代表取締役社長に就任し、2020年11月より社長執行役員も兼任し現職。 |
| 山本 正晃 | 取締役 グループアライアンス事業本部 本部長 | 2004年4月ソニーに入社。2019年4月同社入社後、2020年2月執行役員、同年11月常務執行役員に就任。2022年2月ニューラルマーケティング代表取締役社長兼CEOに就任し、2023年3月より同社取締役に就任し現職。 |
社外取締役は、蓮見麻衣子氏(エバーリッチアセットマネジメント代表取締役)、竹村実穂氏(公認会計士・常勤監査等委員)、若松俊樹氏(弁護士・監査等委員)、山岸洋一氏(公認会計士・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、業務執行を行う経営陣から独立した社外取締役を複数選任することで、コーポレート・ガバナンスの強化を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ニューラルグループの役員報酬は、企業価値の持続的な向上を促すインセンティブとして機能するよう設計されています。報酬体系は、月額の固定報酬である基本報酬に加え、担当事業の業績を踏まえた役員賞与、そして譲渡制限付株式やストック・オプションなどの非金銭報酬で構成されています。監査等委員である取締役の報酬は、常勤・非常勤の別や業務分担を考慮し、監査等委員会の協議により決定されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 37百万円 | 12.5百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 19百万円 | 4.8百万円 |
同社グループの役員報酬等の総額は56,425千円であり、対象となる役員の合計は7名です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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