※本記事は、株式会社ジェイ・イー・ティ の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年5月29日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ジェイ・イー・ティグループは、半導体製造の前工程で使用される半導体洗浄装置の開発、設計、製造、販売を主な事業としています。連結子会社5社とともに、半導体産業を支える重要な役割を担っています。
単体従業員数は160名、連結従業員数は275名です。セグメントは半導体事業の1つです。
同社グループは、2023年に米国子会社を設立し北米市場での営業活動を開始しました。また、2025年には中国の現地メーカーへ出資、国内では2021年にアグリ事業子会社を設立するなど、事業展開を強化しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社ジェイ・イー・ティは、半導体事業を主軸とする企業として、専門性の高い技術分野で事業を展開しています。同社グループの給与水準や働き方には、安定した環境でキャリアを築きたいと考える方にとって、注目すべき特徴が見られます。人材の定着を重視し、従業員が長期的に活躍できるような制度設計がうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の定着を促す環境が整っている傾向が見られます。平均勤続年数や平均年齢から、一定の経験を積んだ従業員が長く働き続けていることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,980,000円 |
| 平均勤続年数 | 9.9年 |
| 平均年齢 | 43.4歳 |
| 単体従業員数 | 160人 |
| 連結従業員数 | 275人 |
| 単体のグループ内比率 | 58.2% |
退職給付制度については、同社および連結子会社の一部で確定拠出制度を採用しています。確定拠出型は、会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは「企業は人なり」という考えのもと、人材を価値創造の源泉と位置づけ、その育成と活用に注力しています。2017年以降、新卒社員の採用を継続的に行い、中堅社員の採用にも積極的に取り組んできました。
新たな人財教育システムを含む人事制度を導入し、人財の早期戦力化を目指す方針です。人財価値の最大化とWell-being DE&I(多様性・公平性・包括性)を重点課題として掲げ、従業員が働きがいを持って活躍できる職場環境の構築を目指しています。
具体的には、人財育成カリキュラムの新設やe-ラーニングの導入、資格取得費用補助制度の導入を計画しています。また、人事制度の見直しやエンゲージメント調査の実施、タウンホールミーティングによる理念浸透など、多角的な取り組みを進めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 2.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 61.6% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 71.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 41.6% |
多様性・登用
当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 採用した労働者に占める女性労働者の割合 | 50.0% |
育児・介護支援
当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男性の育児休業取得率 | 100% |
健康・安全
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 労働災害発生件数 | 0件/年 |
| 安全衛生講話 | 4回/年 |
| 定期健康診断受診後の再検診率 | 100% |
| 有給休暇取得率 | 38.3% |
人材育成・エンゲージメント
当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 社員一人当たりの教育研修時間数 | 8.9時間 |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
同社グループは、半導体製造装置の開発、製造、販売を主軸に事業を展開しています。半導体産業の根幹を支える技術とサービスを提供することで、収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、半導体製造の前工程で不可欠な半導体洗浄装置の開発、設計、製造、販売を主な事業としています。バッチ式洗浄装置と枚葉式洗浄装置の両方を手掛けており、特にバッチ式洗浄装置では顧客の多様な要求仕様に合わせたカスタマイズが可能な点を強みとしています。
主要な販売先は韓国、中国、台湾の半導体メーカーですが、近年では日本や米国市場での営業活動も積極的に開始しています。半導体洗浄装置の販売に加え、装置の改造、部品販売、顧客工場での保守サービスといったフィールドサービスも提供しており、継続的な収益源となっています。また、同社グループは農産物の生産・販売を行う「その他の事業」も展開しており、国内顧客向けに販売しています。地域別の販売実績を見ると、中国と韓国が同社グループの売上高の大部分を占めており、特定の顧客への収益集中も見られる傾向にあります。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、直近5期間で変動が見られます。売上高は一時的に増加傾向にありましたが、直近の連結会計年度では減少に転じました。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も、直近の連結会計年度では損失を計上する結果となりました。
これは、利益率の低い案件の計上や製品の棚卸評価損、繰延税金資産の取り崩しなどが影響しています。一方で、営業活動によるキャッシュ・フローは直近の連結会計年度で増加しており、棚卸資産の減少が主な要因となっています。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 191億円 | 234億円 | 231億円 | 193億円 | 147億円 |
| 経常利益 | 17.0億円 | 20.2億円 | 15.9億円 | 9.6億円 | △15.8億円 |
| 経常利益率 | 8.9% | 8.6% | 6.9% | 5.0% | △10.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 11.7億円 | 12.2億円 | 11.3億円 | 5.4億円 | △23.4億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 102.86 | 107.63 | 95.59 | 41.19 | △177.97 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期と比較して減少しています。従業員1人あたり営業利益(連結)も、前期の利益から当期は損失に転じています。
これらの変化は、直近の連結会計年度における売上高の減少や利益率の低い案件の計上、棚卸評価損などが影響していると考えられます。従業員一人ひとりの生産性向上は、今後の同社グループの収益体質を強化する上で重要な要素となるでしょう。
| 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 65.9百万円 | 53.3百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 3.7百万円 | △5.4百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの経営状況は、当連結会計年度において営業損失および純損失を計上しています。一方で、キャッシュフローは営業活動およびフリーキャッシュフローともにプラスとなっています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤を見ると、自己資本比率は前期から増加し、プライム市場の製造業平均を上回る水準となっています。ROEは当期にマイナスとなりました。手元資金である現金及び預金は前期から減少しています。これらの財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性を判断する上で重要な要素となります。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 121億円 | 97.2億円 |
| 自己資本比率 | 46.5% | 49.8% |
| ROE(自己資本利益率) | 4.5% | △21.4% |
| 現金及び預金 | 21.7億円 | 20.4億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、当連結会計年度に30.8億円の収入となりました。これは主に棚卸資産の減少によるものです。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得により4.2億円の支出となっています。その結果、フリーキャッシュフローは26.6億円のプラスとなりました。財務活動によるキャッシュフローは、短期借入金の減少により27.8億円の支出となっています。当期は本業で得た資金が投資を上回り、返済に充てられている状況です。この資金の流れは、同社グループの安定した事業運営と財務の健全性を示しており、入社後の雇用や給与の安定性にもつながる要素となります。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △13.9億円 | 30.8億円 |
| 投資CF | 3.0億円 | △4.2億円 |
| 財務CF | 3.9億円 | △27.8億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △10.9億円 | 26.6億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、半導体市場の変動による影響を受けるリスクがあります。半導体市場は急激な技術革新や需給バランスの悪化により、市場規模が一時的に縮小する可能性があります。
また、特定の顧客への取引集中による影響もリスクとして挙げられています。連結売上高に占めるSamsung Electronics Groupへの売上高の割合が増加傾向にあり、同社グループの投資計画の変更や値引き要請が収益に影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、優秀な人材の獲得・維持に関するリスクを認識しています。専門性の高い知識や技術を要する半導体洗浄装置を主な製品としており、優秀な人材の採用・育成、および人材が継続して働く環境整備が重要であるとされています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ジェイ・イー・ティは、半導体洗浄装置の製造・販売を通じて技術革新に挑戦し、お客様第一主義を掲げる企業です。人を大切にし、社会貢献に努めることを企業理念としています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは「お客様第一主義に徹し、強い会社・良い会社づくりに邁進し、人を大切にし、社会貢献に努めてまいります」を企業理念としています。目まぐるしいスピードで進化する技術分野において、「さらなる新技術への挑戦」と「より役立つ製品づくり」を軸に進化し続けることを目指しています。
安定・継続した成長を目指し、中期経営計画「Innovation 2027」を策定しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、従業員が心がけるべき企業の信条として「クレド-未来をつくる6つの約束」を定めています。具体的には、「精神」としてまず一歩踏み出すことからはじめ、夢と情熱とあきらめない姿勢を活力にすることを掲げています。
「人」については、人の力を何よりも大切にし、お互いを思いやり、信頼し合い、きずなを深めながら仕事に取り組むことを重視しています。「顧客」に対しては、顧客第一主義に徹し、常にお客様の立場で考え、感動を与えられるよう全力を尽くすことを約束しています。
また、「挑戦」する姿勢を大切にし、挑戦する力を全員で応援する風土があります。「迅速」に行動するため、常にスピードと効率を意識し、その準備を怠らず、臨機応変な対応と一歩先を読む意識を持って取り組んでいます。さらに、「技術」は未来を創造する源泉であり、常に最新の情報を共有し、技術の継承と育成を進めています。
同社グループは、サステナビリティ経営方針を策定し、サステナビリティ委員会にて各テーマごとに活動グループを構成し、具体的な計画を作成し活動を行っています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、中長期的な経営戦略の実現のため、複数の課題に取り組んでいます。顧客基盤の拡大として、韓国、中国、米国、日本市場での新規顧客開拓と既存顧客との関係強化を進めています。
人材の確保・育成も重要な課題であり、高度な専門技術をもったエンジニア等の人材確保と育成、新入社員採用の継続、インターンシップや海外人材採用の推進に努めています。内部管理体制の強化として、コーポレート・ガバナンスの充実、内部統制及びコンプライアンスの観点からの監査、親会社からの独立した意思決定を推進しています。
新規事業の創出では、アグリ事業への取り組みを通じた安定した経営基盤の構築を目指しています。また、過去の会計不正の再発防止を重要な課題と認識し、特別調査委員会の調査結果を受け止め、再発防止策の策定と実行、内部統制の整備・運用強化に取り組んでいます。
サステナビリティに関するマテリアリティ(重点課題)として、労働安全衛生・健康経営、人財価値の最大化、Well-being(身体的、精神的、社会的に満たされている状態)・DE&I(多様性を受容・包括し、公平な機会提供のもとで尊重し成長できる環境づくり)を掲げ、取り組みを進めています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は、取締役会による業務執行の監督と監査役会による経営監視体制を構築しています。これにより、コンプライアンスの確保、適切なリスク管理、適時の情報開示による経営内容の透明性の確保とともに、効果的かつ効率的経営が確保できると考えています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の筆頭株主はKOREA SECURITIES DEPOSITORY -SAMSUNGです。上位株主には、代表取締役CEOの房野正幸氏をはじめ、代表取締役専務の平井洋行氏、常務取締役の増田隆氏など、同社の役員が複数名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| KOREA SECURITIES DEPOSITORY -SAMSUNG | 66.28% |
| 房野 正幸 | 0.41% |
| 中西 弥重子 | 0.40% |
| 高橋 聡貴 | 0.39% |
| 中西 章夫 | 0.34% |
なお、ZEUS CO.,LTD.は2023年9月25日現在で2,900,000株(保有割合64.59%)を所有している旨が大量保有報告書に記載されています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は10名(男性10名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役CEOは房野正幸氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 房野 正幸 | 代表取締役CEO | 1981年4月 株式会社ボーノ入社。1995年4月 株式会社スガイ入社、2004年6月 同社執行役員。2009年4月 同社設立、同社取締役。2013年3月 同社代表取締役社長。2025年1月 同社代表取締役CEO兼CTO。2026年5月 同社代表取締役CEOより現職。 |
| 平井 洋行 | 代表取締役専務 | 1983年4月 三平興業株式会社入社。1985年4月 株式会社スガイ入社、2004年6月 同社常務執行役員。2009年4月 同社設立、同社取締役。2015年3月 同社専務取締役。2026年5月 同社代表取締役専務より現職。 |
| 増田 隆 | 常務取締役 | 1985年4月 大都商事株式会社入社。1994年1月 三協テクニカ株式会社入社、2001年4月 同社取締役。2010年6月 同社入社。2019年3月 同社常務取締役より現職。 |
| 伊藤 聡 | 取締役 | 1988年3月 三協エンジニアリング株式会社入社。2009年5月 FIT設立 代表取締役就任。2022年4月 同社入社。2025年3月 同社取締役CFO兼CSO。2026年5月 同社取締役より現職。 |
社外取締役は、田渕裕久氏(ライフネット難波代表取締役社長)、奥田哲也氏(奥田法律事務所設立・トマト銀行監査役)、深尾稔氏(元太陽鉄工上席執行役員販売本部長)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会による業務執行の監督と監査役会による経営監視体制を構築しています。取締役7名中3名を社外取締役、監査役3名中2名を社外監査役とすることで、外部からの客観的・中立な経営監視機能を強化しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の取締役の報酬は、基本報酬(固定報酬)と退職慰労金で構成されています。取締役の基本報酬の決定は、指名報酬委員会への諮問と答申を経て、代表取締役CEOに一任されています。監査役の報酬も基本報酬(固定報酬)と退職慰労金で構成され、監査役会の協議により決定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 93百万円 | 18.6百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 8百万円 | 8.0百万円 |
| 社外役員 | 6名 | 19百万円 | 3.2百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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