※本記事は、ユミルリンク株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
同社グループは、メッセージングソリューション事業を展開し、法人のデジタルコミュニケーションやマーケティング活動をテクノロジーとサービスで支援しています。主力製品は、マーケティング・コミュニケーション活動を支援するメッセージングプラットフォーム「Cuenote(キューノート)」です。
単体従業員数は141名、連結従業員数は163名です。同社グループはメッセージングソリューション事業の単一セグメントで事業を展開しています。
主な国内グループ会社は、(親会社)阪急阪神ホールディングス(持株会社)、(親会社)阪神電気鉄道、(親会社)アイテック阪急阪神(情報・通信事業)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ユミルリンクは、メッセージングソリューション事業を展開する企業です。同社グループでは、従業員の成長支援や働きやすい環境づくりに力を入れています。給与水準や在籍傾向、人材戦略や多様性に関する取り組みを通じて、どのような環境で働くことができるのかを見ていきましょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均年齢が40代前半であり、平均勤続年数も7年を超えています。このことから、経験豊富な人材が長く活躍し、安定してキャリアを築いている傾向がうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,528,520円 |
| 平均勤続年数 | 7.6年 |
| 平均年齢 | 40.3歳 |
| 単体従業員数 | 141人 |
| 連結従業員数 | 163人 |
| 単体のグループ内比率 | 86.4% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、経営理念として「価値の高い情報サービスの創造と提供を通して社会に貢献し、常に期待される企業を目指すこと」を掲げています。技術力に支えられたビジネスを展開しており、高い技術力を持つ優秀な人材の確保と育成を重視しています。人材を最大の資産と位置づけ、従業員一人ひとりのエンゲージメントを高め、個人と組織の成長を通じて価値あるサービスを創造することを目指しています。
人材育成においては、様々な教育・研修の機会を設け、各人の能力開発を進めています。具体的には、資格取得支援制度の対象資格を約100件に拡大するなど、従業員のスキルアップを積極的に支援しています。また、多様な人材の活躍を推進しており、女性従業員比率や女性管理職比率の向上にも取り組んでいます。
働き方に関しても、柔軟な選択肢を提供しています。在宅勤務制度、育児・介護休業制度、時短勤務制度などを整備し、従業員が状況に応じて働き方を選べる環境を構築しています。2023年度末にはみなし残業給制度を廃止するなど、働きやすい環境づくりにも注力しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データを示します。連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、記載を省略しています。男女賃金差異は、女性活躍推進法に基づく公表項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 22.2% |
価値あるサービスの創造
| 指標 | 2025年度実績 | 2026年度目標 |
|---|---|---|
| 管理職向け研修 | 1回 | 年1回以上実施 |
| 情報セキュリティ研修 | 5回 | 年5回以上実施 |
| その他目的に応じた研修 | 5回 | 年5回以上実施 |
| 各研修後の正解率 | 94.5% | 前年より上回る |
顧客ファーストのサービス開発
| 指標 | 2025年度実績 | 2026年度目標 |
|---|---|---|
| 教育 | - | 年1回以上実施 |
| 生成AI活用 | 取り組みを進めています。 | - |
環境意識の高まり
| 指標 | 2025年度実績 | 2026年度目標 |
|---|---|---|
| ペーパーレス化の実績 | 前年比7.7%削減 | 前年から5.0%の印刷物を削減 |
| 女性従業員比率(2025年12月末時点) | 35.5% | 33.0%以上 |
社会との信頼を築くためのガバナンス
| 指標 | 2025年度実績 | 2026年度目標 |
|---|---|---|
| 投資家向け説明会の開催回数 | 3回 | 年3回以上実施 |
| 各委員会の開催回数 | 4回 | 年4回実施 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ユミルリンクは、法人向けのデジタルコミュニケーションとマーケティング活動を支援するメッセージングソリューション事業を展開しています。同社グループは、クラウドサービスとソフトウエア形式の両方で、顧客のエンゲージメント向上に貢献するサービスを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、メッセージングソリューション事業を通じて、法人のデジタルコミュニケーション・マーケティング活動をテクノロジーとサービスで支援しています。主力サービスは、メッセージングプラットフォーム「Cuenote(キューノート)」シリーズです。このシリーズには、メールマガジンやニュース速報を高速配信する「Cuenote FC」、kintoneと連携してメール送信を可能にする「Cuenote Mail for kintone」、即時性と確実性が求められるトランザクションメールに効果的な「Cuenote SR-S」などがあります。
また、SMSによる本人認証や通知、プロモーションを実現する「Cuenote SMS」、WebアンケートやWebフォームを作成できる「Cuenote Survey」、従業員の安否確認を行う「Cuenote 安否確認サービス」など、多岐にわたるサービスを提供しています。これらのサービスは、自社開発のソフトウエアをデータセンターに設置したサービス基盤上で稼働させるSaaS形式と、顧客指定のサーバにソフトウエアを設置する形式で提供されています。
SaaS形式の収益は、初期設定売上と毎月のサービス利用売上から構成されるサブスクリプション型であり、顧客がサービスを利用し続ける限り安定的な収益が見込めるモデルです。同社グループの販売実績では、Cuenoteシリーズが大部分を占めており、SNS関連サービスも展開しています。地域別の売上高は本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えており、特定の主要顧客への売上集中は見られません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの直近2期の業績を見ると、売上高は増加傾向にあります。営業利益および経常利益も増加していますが、親会社株主に帰属する当期純利益は減少しています。この当期純利益の減少は、当連結会計年度に計上されたのれんの減損損失が主な要因となっています。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | - | - | 26.7億円 | 30.5億円 |
| 経常利益 | - | - | - | 6.4億円 | 6.7億円 |
| 経常利益率 | - | - | - | 23.9% | 22.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | - | 4.7億円 | 3.6億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | - | 122.60 | 94.65 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの稼ぐ力を見ると、従業員1人あたり売上高(連結)は前期から増加しています。一方で、従業員1人あたり営業利益(連結)は前期から減少する傾向が見られます。これは、売上高の増加に対して、売上原価や販売費及び一般管理費の増加が影響している可能性があります。
| 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 17.7百万円 | 18.7百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 4.2百万円 | 4.1百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ユミルリンクは、強固な財務基盤と安定したキャッシュフローを維持しており、本業で得た資金を将来の成長投資に充てながらも、手元資金を厚く保っている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は83.9%と、プライム市場の非製造業平均(24.2%)と比較して非常に高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)は12.4%であり、プライム市場平均(9.4%)を上回る水準です。手元資金である現金及び預金は25.8億円と潤沢に確保されており、不測の事態にも対応できる財務的な余裕があることがうかがえます。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 28.5億円 | 30.0億円 |
| 自己資本比率 | 82.9% | 83.9% |
| ROE(自己資本利益率) | 16.5% | 12.4% |
| 現金及び預金 | 25.4億円 | 25.8億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの営業活動によるキャッシュフローは5.0億円の収入となり、本業で安定的に資金を獲得していることが示されています。投資活動によるキャッシュフローは△1.9億円の支出となっており、有形固定資産の取得や無形固定資産の取得に資金を投じている状況です。これにより、フリーキャッシュフローは3.1億円のプラスを維持しており、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金を生み出している優良な状態です。この資金状況は、事業の持続的な成長と安定した雇用環境を支える基盤となっていると考えられます。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 6.0億円 | 5.0億円 |
| 投資CF | △1.5億円 | △1.9億円 |
| 財務CF | - | △2.7億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 4.5億円 | 3.1億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの売上高の過半を主要製品であるメール配信システム「Cuenote FC」が占めており、この製品の売上が大幅に減少した場合、業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。また、ASP・SaaS事業は新規参入の障壁が必ずしも高くないため、資金力やブランド力を持つ競合他社との価格競争が激化した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
国内の労働人口減少や産業構造の変化を背景に、多様な専門技術に精通した人材の確保が困難になるリスクを認識しています。必要な人材の確保が計画通りに進まない場合や人件費が高騰し続けた場合、また在職している技術者の社外流出が大きく生じた場合、事業展開、業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ユミルリンクは、「価値の高い情報サービスの創造と提供を通して社会に貢献し、常に期待される企業を目指す」という理念のもと、技術と情熱で顧客に楽しさと満足を提供するサービスを創造しています。社員一人ひとりの個性を尊重し、成長を支援する公正で透明性の高い経営を重視する会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「価値の高い情報サービスの創造と提供を通して社会に貢献し、常に期待される企業を目指す」ことを経営理念としています。また、「技術と情熱をもってお客様に楽しさと満足を提供するサービスを創造するとともに、社員一人ひとりの個性を尊重し社員の成長を支援する」ことを企業指針としています。メッセージングプラットフォーム「Cuenote(キューノート)」をクラウドサービス(SaaS)形式やソフトウエア形式で提供しています。
「SaaS事業成長」と「顧客価値向上」を通じて健全な事業拡大を図り、企業と消費者の多様なコミュニケーション手段を統合的に管理できる基盤(プラットフォーム)化を進めることを目指しています。メッセージングソリューション事業は継続率の高いストック型ビジネスであり、堅調な事業推進が可能であると考えています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、社員一人ひとりの個性を尊重し、その成長を支援することを企業指針としています。人材を最大の資産と捉え、従業員のエンゲージメントを高め、個人と組織の成長を通じて価値あるサービスを創造する企業風土です。高度な技術力を持つ優秀な人材の確保と、多様な人材による組織活性化を重視しています。
公正で透明性の高い経営を基本的な姿勢とし、コーポレート・ガバナンスの強化を重要な課題としています。ステークホルダーとの良好な関係を築き、企業価値の向上と持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。顧客ニーズをくみ取り、顧客のビジネス進展を最大のテーマとする顧客志向のマインドの浸透と強化を図っています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、事業成長のために優秀な人材の確保を不可欠な課題と認識しており、積極的な採用、研修による人材育成、職場環境の整備に取り組んでいます。競合が存在する中で、機能開発や設備投資を通じてサービスの付加価値向上に努める方針です。
顧客増加や通信量増加を見据えた計画的な設備投資や増強、予防交換により、サービスの安定稼働を維持することも重点テーマです。また、サービス拡販や人材獲得のため、インターネット以外のメディア活用や出稿量増加を通じて、同社グループおよびサービスの認知度向上に努めています。情報管理体制の強化も重要な課題であり、外部認証の取得や役職員への啓発・訓練、物理的・技術的対策への投資を進めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ユミルリンクは監査役会設置会社として、取締役会が業務執行を監督する体制をとっています。持続的な成長と企業価値の向上を目指し、効率性と透明性の高い経営を推進しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ユミルリンクの筆頭株主は事業会社であるアイテック阪急阪神です。同社は発行済株式の過半数を保有しており、同社の経営に強い影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| アイテック阪急阪神 | 51.82% |
| USBK NA JP I&W TS | 12.10% |
| 清水 亘 | 6.81% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は11名(男性10名・女性1名)で構成され、女性役員比率は9.1%です。代表取締役社長は清水亘氏が務めています。社外取締役比率は37.5%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 清水 亘 | 代表取締役 社長 | 1992年4月株式会社仏光堂入社。2002年7月同社入社後、開発本部長などを経て、2008年3月より代表取締役社長に現職。 |
| 小林 幹彦 | 常務取締役 | 1983年4月阪神電気鉄道株式会社入社。阪神不動産株式会社常務取締役などを経て、2019年3月より同社常務取締役コーポレート本部・経理財務本部分掌に現職。 |
| 渡邉 弘一 | 取締役 | 2001年4月株式会社日本テクノ開発入社。2005年7月同社入社後、セールス本部営業企画部シニアマネージャーなどを経て、2025年1月より取締役マーケティング本部・セールス本部分掌に現職。 |
| 高比良 実 | 取締役 | 1995年10月キャリアスタッフ株式会社入社。2012年6月同社入社後、カスタマー本部ネットワーク部シニアマネージャーなどを経て、2024年5月より取締役カスタマー本部・技術本部分掌に現職。 |
| 斎田 誠 | 取締役 | 1993年4月阪神電気鉄道株式会社入社。アイテック阪神株式会社出向などを経て、2014年4月より株式会社アールワークス取締役、2023年3月より同社取締役に現職。 |
社外取締役は、鏑木祥介氏(イノテック常務執行役員)、菊川泰宏氏(元兼松エレクトロニクス代表取締役社長)、伊達有希子氏(弁護士(新千代田総合法律事務所))です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役8名のうち3名が社外取締役です。社外取締役は取締役会を通じて業務執行の監督を行い、客観的かつ中立的な視点から経営監視機能を強化しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ユミルリンクの役員報酬は、役員報酬規程と役員報酬支給基準に関する内規に基づき決定されています。報酬は固定報酬が中心であり、非金銭報酬として譲渡制限付株式が付与される仕組みです。業績連動報酬は採用していません。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 63百万円 | 15.7百万円 |
| 社外取締役 | 3名 | 11百万円 | 3.5百万円 |
| 社外監査役 | 2名 | 13百万円 | 6.7百万円 |
同社グループの役員報酬等の総額は87百万円であり、報酬の支給対象となった役員は合計9名です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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