※本記事は、株式会社ワンキャリア の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ワンキャリアは、「人の数だけ、キャリアをつくる。」をミッションに掲げ、個人と企業が仕事選びに関するあらゆるデータを利用できるキャリアデータプラットフォームを運営しています。就活支援/新卒採用サービス「ワンキャリア」と転職支援/中途採用サービス「ワンキャリア転職」を提供しています。
単体従業員数は294名、連結従業員数は295名です。同社グループのセグメントはキャリアデータプラットフォーム事業の単一です。
主な国内グループ会社は、(連結子会社)ライトローズなどです。
2024年2月にはキャリアアドバイザーによる人材紹介サービス「ワンキャリア新卒紹介」を開始し、2025年10月には株式会社ライトローズを完全子会社化しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ワンキャリアは、キャリアデータプラットフォーム事業を展開しており、成長フェーズにある企業です。従業員の平均年齢が若く、活気のある環境がうかがえます。ワークライフバランスを重視した多様な働き方を支援する制度も導入されています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は平均勤続年数が比較的短く、平均年齢も若年層が中心であることが特徴です。これは、事業の成長に伴う積極的な人材採用や、若手社員が活躍しやすい環境であることを示していると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,743,000円 |
| 平均勤続年数 | 2.3年 |
| 平均年齢 | 30.9歳 |
| 単体従業員数 | 294人 |
| 連結従業員数 | 295人 |
| 単体のグループ内比率 | 99.7% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「人の数だけ、キャリアをつくる。」というミッションの実現のため、多様な人材が能力を最大限に発揮できる環境が不可欠であると考えています。ミッションに共感する優秀な人材を集め、成長を促し、個々の強みを安心して発揮できる職場を提供することで、組織として高いパフォーマンスを継続的に発揮することを目指しています。
具体的には、新卒・中途採用を通じて多様なバックグラウンドを持つ人材を公平公正な観点から採用しています。人事制度としては、高い成長と急速な変化に対応するため、年2回の査定を実施し、半期ごとに社員の成果とコアバリューの体現度を評価する仕組みを導入しています。
キャリア開発においては、入社時にキャリア開発計画を設計し、入社後も上長との定期的な1on1やスキルアップ研修、人事部門による面談を通じてサポートしています。また、所属部署を超えた社員同士の交流を活性化させるため、毎月の全社会議やオフィス共用部での交流会を企画しています。エンゲージメントサーベイツールを導入し、毎月のサーベイで社員個人やチームのエンゲージメントスコアを可視化し、組織の状態を把握してフォローアップを行っています。ワークライフバランスの実現に向けては、フレックスタイム制度やリモートワーク、時短勤務制度、時間単位での有給休暇取得を許容し、男性の育児休業取得も積極的に推奨しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データを示します。連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。労働者の男女の賃金の差異は、主に男女間の管理職比率、雇用形態及び勤続年数の差異によるものです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 35.4% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 75.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 71.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 80.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 101.4% |
多様性・登用
なお、数値につきましては、単体ベースで記載しております。各指標について、具体的な取り組みを行っているものの、本報告書提出日現在においては、当該指標の目標を設定しておりません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 正社員における女性比率 | 42.2% |
育児・介護支援
なお、数値につきましては、単体ベースで記載しております。各指標について、具体的な取り組みを行っているものの、本報告書提出日現在においては、当該指標の目標を設定しておりません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 育児休業取得率(女性) | 100.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
同社グループは、キャリアデータプラットフォーム事業を単一セグメントとして展開しており、個人と企業双方の仕事選びと採用活動を支援しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは「人の数だけ、キャリアをつくる。」をミッションに掲げ、キャリアデータプラットフォーム事業を展開しています。主に就活支援/新卒採用サービス「ワンキャリア」と転職支援/中途採用サービス「ワンキャリア転職」を提供し、個人と企業双方の仕事選びと採用活動を支援しています。求職者からの就職活動体験情報や企業の採用活動情報を集約し、意思決定に必要な情報として提供することで、採用のミスマッチを防ぐことを目指しています。
収益は、求人メディアや採用ソリューションを提供する「採用DX支援サービス」が中心となっています。具体的には、企業が「ワンキャリア」に求人広告を掲載する機能や、採用したい学生に直接アプローチできるスカウトサービス、オンライン企業説明会サービスなどがあります。また、採用コンサルティングや採用計画機能といった採用ソリューションも提供しています。
その他のサービスとして「マーケティングアライアンス」や「中途採用事業」も展開しており、事業の多角化を進めています。同社グループの売上高は、国内の外部顧客からのものが大部分を占めており、特定の主要な顧客への売上集中は見られません。
| セグメント | 売上高(2024年12月期) | 売上高(2025年12月期) |
|---|---|---|
| 採用DX支援サービス | - | 6兆5,965億円 |
| マーケティングアライアンス | - | 5,760億円 |
| その他 | - | 4,044億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループは、第11期連結会計年度より連結財務諸表を作成しており、直近の業績として当連結会計年度の売上高と利益が示されています。新規取引社数の増加や既存顧客との取引継続、取引単価の向上により、売上高は堅調に推移しました。規律ある投資と継続的な費用見直しにより売上原価率を抑え、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益も計上しています。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | - | - | - | 75.8億円 |
| 経常利益 | - | - | - | - | 21.4億円 |
| 経常利益率 | - | - | - | - | 28.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | - | - | 15.0億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | - | - | 83.31 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの生産性を見ると、当連結会計年度における従業員1人あたり売上高は25.7百万円となっています。また、従業員1人あたり営業利益は7.2百万円を計上しており、組織としての収益創出力が示されています。これらの数値は、同社グループが効率的な事業運営を行っていることを示唆しています。
| 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | - | 25.7百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | - | 7.2百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
株式会社ワンキャリアは、強固な財務基盤と安定したキャッシュフローを構築しています。本業で得た資金を効率的に活用し、事業の成長と安定性を両立させている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率とROE(自己資本利益率)によって強固な状態を示しています。自己資本比率はプライム市場平均と比較して高い水準にあり、安定した経営基盤を構築していることがうかがえます。また、手元資金も潤沢に確保されており、事業環境の変化に対する耐性も備わっている状況です。これらの財務状況は、従業員の雇用や給与の安定性にもつながる要素であると考えられます。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 40.4億円 | 55.2億円 |
| 自己資本比率 | - | 69.1% |
| ROE(自己資本利益率) | - | 31.4% |
| 現金及び預金 | 43.1億円 | 61.2億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出し、それを成長投資に充てている状況を示しています。営業活動によるキャッシュフローは22.8億円のプラスとなり、税金等調整前当期純利益や契約負債、未払金の増加などが主な要因です。これは、事業が順調に収益を上げていることを表しています。
投資活動によるキャッシュフローは△4.0億円のマイナスで、無形固定資産や有形固定資産の取得、子会社株式の取得など、将来に向けた積極的な投資を行っていることがうかがえます。財務活動によるキャッシュフローは△0.7億円のマイナスで、配当金の支払いがあった一方で、ストックオプションの行使による収入も発生しています。
結果として、フリーキャッシュフローは18.8億円のプラスとなっており、本業で得た資金が投資を上回る健全な状態です。この安定した資金の流れは、同社グループが持続的な成長を追求しつつ、従業員の雇用や給与の安定性にも配慮できる財務的な余力があることを示しています。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | 22.8億円 |
| 投資CF | - | △4.0億円 |
| 財務CF | - | △0.7億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | 18.8億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、キャリアデータプラットフォーム事業において、大手企業を含む多くの事業者との競合激化のリスクを認識しています。競合サービスとの差別化が十分に図れない場合、事業展開や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、事業が就活支援/新卒採用サービス「ワンキャリア」から派生する特定のサービスに大きく依存している点もリスクとして挙げられています。競合激化により、事業展開や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、事業の継続的な成長のために優秀な人材の確保、育成、定着を経営上の重要な課題と認識しています。必要な人材の採用が想定通りに進まない場合や、育成した従業員が退職した場合には、事業展開や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ワンキャリアは、「人の数だけ、キャリアをつくる。」というミッションを掲げ、キャリアに関するデータを活用して社会に貢献することを目指しています。誰もが自由に働き方を選択できる社会の実現に向け、キャリアデータプラットフォーム事業を展開しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「人の数だけ、キャリアをつくる。」というミッションを掲げています。このミッションのもと、キャリアに関するデータを公開し、誰もが自由に働き方を選択できる社会を目指す「キャリアデータプラットフォーム」事業を運営しています。
国内最大級のキャリアデータプラットフォームを通じて、求職者が最適な仕事と巡り合える機会を創出し、人生をより豊かなものにすることを目指しています。また、企業に対しては、採用活動や人事業務のDXを推進するサービスを提供し、効率的な人材獲得を支援しています。
今後はキャリアデータのさらなる拡充と活用により、求職者の採用支援や企業の採用活動・人事業務のDX推進サービス開発を進める方針です。新卒採用を中心とした若年層採用マーケットを軸足としつつ、対象となる採用マーケットを拡大し、教育や金融、販促といった採用マーケット以外の領域でのキャリアデータ利活用も見据え、事業領域の拡大を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、「人の数だけ、キャリアをつくる。」というミッションの実現に向けて、多様な人材が能力を最大限に発揮できる組織を目指しています。ミッションに共感する優秀な人材を集め、成長を促し、個の強みを安心して発揮できる職場を提供することを重視しています。
社員の評価は、一人ひとりに設定された目標の達成度と、会社が定めるコアバリューの体現度に応じて決定されます。また、サステナビリティを重要な経営課題と捉え、気候変動への配慮、人権の尊重、従業員の健康・労働環境への配慮、公正・適切な処遇、取引先との公正・適正な取引に積極的・能動的に取り組む姿勢を示しています。
特に人的資本においては、すべての個人のキャリアに向き合い、キャリアデータを活用して仕事選びと採用活動をアップデートすることで、誰もが自分らしく働ける持続可能な未来の実現を目指す価値観を大切にしています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、今後の事業拡大に向けて、優秀な人材の確保と育成を重要な課題としています。特にシステムの開発部門や営業部門において、新卒・中途の両面でミッションに共感する人材の積極的な採用を進めています。
採用した人材の定着率向上と活躍を支援するため、オンボーディング施策の強化、研修・教育の強化、組織体制の強化、最適な人員配置に取り組んでいます。また、同社グループブランドの認知度向上とブランド力強化も重点テーマであり、広告宣伝への投資や積極的なPR活動を通じて、キャリアデータのプラットフォーマーとしての確立を目指しています。
さらに、持続的な成長のためには、リスク管理体制の強化と内部管理体制の構築による業務の標準化・効率化が不可欠と認識しています。コーポレート・ガバナンス機能の充実を図り、経営の公正性・透明性の確保に努める方針です。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ワンキャリアは、株主総会、取締役会、監査等委員会を設置する体制を採用しています。経営の健全性・効率性・透明性を確保するため、各機関が相互に連携しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ワンキャリアの筆頭株主は、同社の代表を務める宮下尚之氏です。上位株主には、宮下氏のほか、長澤有紘氏など複数の個人株主が名を連ねています。機関投資家や信託銀行も上位に位置しており、多様な株主によって支えられている資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 宮下 尚之 | 56.07% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 7.35% |
| 長澤 有紘 | 4.59% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 4.46% |
| 倉田 将志 | 3.62% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長執行役員CEOは宮下尚之氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 宮下 尚之 | 代表取締役社長 執行役員CEO | 2010年4月 マース ジャパン リミテッド入社、2010年7月 ㈱トライフ設立、代表取締役、2015年8月 同社設立、代表取締役、2023年7月 同社代表取締役社長 執行役員CEOより現職。 |
| 長澤 有紘 | 取締役副社長 執行役員COO | 2011年4月 ㈱イトクロ入社、2014年11月 ㈱トライフ入社、2015年8月 同社設立、取締役、2023年7月 同社取締役副社長 執行役員COOより現職。 |
| 北野 唯我 | 取締役 執行役員CSO | 2010年4月 ㈱博報堂入社、2015年4月 ボストン コンサルティング グループ入社、2016年6月 同社入社、2023年7月 同社取締役 執行役員CSOより現職。 |
社外取締役は、高木新平氏(ニューピース代表取締役)、野村有季子氏(公認会計士・常勤監査等委員)、美澤臣一氏(コ・クリエーションパートナーズ代表取締役・監査等委員)、高橋治氏(弁護士・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員会が取締役の職務執行を監査する体制です。また、過半数を社外取締役で構成する任意の指名・報酬委員会を設置し、決定プロセスの透明性と客観性を確保しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ワンキャリアの役員報酬は、役員区分によって構成が異なります。監査等委員でない取締役には、固定報酬と中長期インセンティブとしての株式報酬が支給されます。一方、社外取締役および監査等委員である取締役の報酬は、経営に対する監督・助言の立場を考慮し、固定報酬のみで構成されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 1.3億円 | 41.9百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 21百万円 | 5.2百万円 |
役員報酬の総額は146百万円であり、対象となる役員は合計7名です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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