※本記事は、株式会社Photosynth の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
Photosynthは、スマートロック等のIoT機器やソフトウェアを活用した空間DX事業を展開しています。法人・住宅向け「Akerun」HESaaS、施設運営BPaaS「Migakun」、顧客管理SaaS「fixU」を提供し、あらゆる空間の無人化・省人化を推進しています。
単体従業員数は147名、連結従業員数は155名です。セグメントは空間DX事業の1つです。
主な国内グループ会社は、MIWA Akerun Technologies(空間DX事業)、Migakun(同)、fixU(同)、D分割準備会社(同)などです。
株式会社fixUは2025年10月に完全子会社化され、同社グループの空間DX事業に加わりました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
Photosynthは、空間DX事業を通じて社会の無人化・省人化を推進するテクノロジー企業です。従業員の給与水準や働き方には、このような事業特性や成長フェーズが反映されていると考えられます。同社グループは、多様な人材が活躍できる柔軟な環境づくりに力を入れています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、比較的若い年齢層の従業員が多く、平均勤続年数も短めであることから、活発な人材の流動性や成長志向の組織文化がうかがえます。新しい技術や事業モデルに挑戦する環境で、キャリアを築きたいと考える方にとって魅力的な環境であると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,555,000円 |
| 平均勤続年数 | 3.0年 |
| 平均年齢 | 35.4歳 |
| 単体従業員数 | 147人 |
| 連結従業員数 | 155人 |
| 単体のグループ内比率 | 94.8% |
なお、退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「つながるモノづくりで感動体験を未来に組み込む」という企業ミッションのもと、持続的成長の実現と社会課題の解決に向けて、多様な人材の確保と育成、社内環境の整備が不可欠であると認識しています。あらゆる空間の無人化・省人化を促進し、新たな無人化・省人化産業を創出することで、社会インフラ企業としてのポジション確立を目指しています。
営業、開発、カスタマーサクセス、経営管理等の主要部門において、年齢、性別、国籍、業界、業種を問わず様々な経験・技能・属性を持った多様な人材が活躍できる事業モデルを実現しています。特に開発業務では、性別や国籍を問わない多様な人材が活躍できるよう、柔軟な勤務環境を整備しています。
全従業員が安心して長く働くことができ、個々の能力を最大限に発揮できる職場環境を目指し、フレックス制度・裁量労働制等の柔軟な勤務制度を導入しています。また、男女育児休暇取得の推進及び復職支援、能力に基づいた人事評価を実施しています。従業員の継続的な成長やスキルアップを目的とした職階別研修の実施や、ジョブローテーションの推進も行っています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社は、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示項目は記載を省略しています。
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
Photosynthは、スマートロック等のIoT機器やソフトウェアを活用し、あらゆる空間の無人化・省人化を促進する空間DX事業を展開しています。法人、住宅、商業施設、教育機関、自治体など幅広い業界でサービスを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
Photosynthグループは、クラウド型認証プラットフォームを中核とした空間DX事業を単一セグメントとして展開しています。主力サービスは、Akerunブランドのクラウド型入退室管理システム、施設運営BPaaS「Migakun」、そして無人化・省人化に特化したクラウド型顧客管理・請求管理・決済システム「fixU」です。これらのサービスを組み合わせることで、オフィスや住宅、商業施設など様々な物理空間の管理・運営をテクノロジーで自動化し、人手不足といった社会課題の解決を目指しています。
同社グループの収益モデルは、サービスや製品の提供を通じて定期的かつ継続的に発生するリカーリング収益の最大化を推進しています。当連結会計年度の外部顧客への売上高は、サブスクリプションサービスが大部分を占め、これにオプション品販売等が加わる構成となっています。海外からの売上高はなく、事業は国内に集中しています。
| セグメント | 売上高(2024年12月期) | 売上高(2025年12月期) |
|---|---|---|
| Akerun | - | 2兆9,193億円 |
| 施設運営代行 | - | 4,367億円 |
| その他 | - | 288億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
Photosynthグループの業績は、直近5年間で売上高が継続的に増加しています。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、過去3期は損失を計上していましたが、直近2期で黒字に転換し、大幅な増益を達成しています。過去の損失は、広告宣伝費や営業体制強化のための人件費、製品機能拡充や品質向上のためのエンジニア人件費、研究開発費への積極的な投資が主な要因となっています。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 16.0億円 | 19.9億円 | 24.9億円 | 29.6億円 | 33.8億円 |
| 経常利益 | △8.7億円 | △6.0億円 | △2.2億円 | 91百万円 | 2.3億円 |
| 経常利益率 | △54.4% | △30.1% | △8.9% | 3.1% | 6.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △8.7億円 | △5.8億円 | △1.8億円 | 1.6億円 | 2.9億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △62.76 | △37.49 | △11.30 | 9.98 | 18.84 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
Photosynthグループの従業員1人あたりの売上高は、前期から当期にかけて増加しています。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から大幅に向上しました。これらの指標の改善は、同社グループが事業規模を拡大しながら、従業員一人ひとりの生産性も高めている傾向を示しています。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 20.7百万円 | 21.8百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.5百万円 | 1.5百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
Photosynthは、本業で安定的に資金を生み出しながら、将来に向けた成長投資を継続しています。財務基盤の健全性を維持しつつ、事業拡大を図っている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
Photosynthの財務基盤は、高い自己資本比率と潤沢な手元資金によって安定していることが示されています。自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較しても高い水準にあり、財務の健全性が保たれています。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を上回っており、効率的な経営が行われていることがうかがえます。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 21.6億円 | 24.8億円 |
| 自己資本比率 | 62.1% | 62.0% |
| ROE(自己資本利益率) | 7.6% | 12.9% |
| 現金及び預金 | 15.6億円 | 16.6億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
Photosynthの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは5.5億円の収入となり、本業で着実に資金を生み出しています。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上や減価償却費、契約負債の増加額によるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは△4.7億円の支出となっており、有形固定資産の取得や連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得など、積極的な成長投資が行われています。
その結果、フリーキャッシュ・フローは84百万円の収入となり、本業で得た資金で投資を賄いつつ、わずかながら余剰資金を生み出している状況です。財務活動によるキャッシュ・フローは25百万円の収入で、非支配株主からの払込みによる収入があった一方で、長期借入金の返済や自己株式の取得による支出も発生しています。これらの資金の流れから、同社グループは事業の成長に向けた投資を継続しながらも、資金繰りは安定していることがうかがえます。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 3.9億円 | 5.5億円 |
| 投資CF | △2.1億円 | △4.7億円 |
| 財務CF | △1.9億円 | 25百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 1.8億円 | 84百万円 |
※フリーCF(フリーキャッシュ・フロー)とは、会社が事業活動と投資活動を通じて自由に使える余剰資金のこと。
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは空間DX事業の単一セグメントであり、対象市場の成長が想定通りに進まない場合や、顧客企業のセキュリティやDXへの投資が抑制された場合には、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、中核サービスであるAkerunのサブスクリプション収益が収益の多くを占めており、市場や顧客ニーズの変化によりサービスが競争力を失った場合や、競合他社の出現により顧客が減少した場合には、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、中核サービスであるAkerunの継続的な成長及び規模拡大、子会社を通じた事業展開に伴い、理念に共感する優秀な人材の確保及び育成、定着が不可欠であると認識しています。人材採用及び育成、定着が計画通りに実現できなかった場合や優秀な人材の流出が進行した場合には、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
Photosynthは、「つながるモノづくりで感動体験を未来に組み込む」という企業ミッションを掲げています。同社グループは、テクノロジーを活用し、あらゆる空間の無人化・省人化を促進する新たな社会モデルの構築を目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
Photosynthは、「つながるモノづくりで感動体験を未来に組み込む」という企業ミッションを掲げています。同社グループは、「人手に依存しない、自律型の物理空間で、社会を自由化する。」というビジョンを新たに策定しました。
少子高齢化に伴う人手不足などの社会課題の解決を目指し、クラウド型認証プラットフォーム「Akerun Access Intelligence」を基盤に、あらゆる空間の無人化・省人化を促進する新たな社会モデルの構築に取り組んでいます。
法人、住宅、商業施設、教育機関、自治体など幅広い業界で空間DX事業を展開し、リカーリング収益の最大化を通じた事業拡大を推進しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
Photosynthは、企業ミッションの推進と新たな社会モデルの創出が持続可能な社会の維持・発展に資すると考え、サステナビリティを重要な経営課題と認識しています。同社グループは、多様な人材の確保と育成、社内環境の整備が不可欠であると考えています。
年齢、性別、国籍、業界、業種を問わず、様々な経験・技能・属性を持った多様な人材が活躍できる事業モデルを実現しています。多様性を尊重する職場環境と文化を推進しており、特に開発業務では性別や国籍を問わない多様な人材が活躍し、柔軟な勤務環境を整備しています。
全従業員が安心して長く働き、個々の能力を最大限に発揮できるよう、フレックス制度や裁量労働制、男女育児休暇取得の推進、能力に基づいた人事評価などの人事施策を実施しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、優先的に対処すべき課題として、規模や業種業態を問わない新規顧客および新規ユーザーの獲得を挙げています。また、技術開発力の継続的な向上も重要なテーマです。
Akerunを起点としたソリューション提案によるサービス提供価値のさらなる向上と新規サービスの拡充にも取り組んでいます。子会社の事業拡大と収益性の強化も重点課題です。
情報セキュリティ体制の強化とガバナンスの強化を通じて、ユーザーや市場からの信頼獲得と企業価値向上を目指しています。優秀な人材の採用、育成、定着も持続的成長に欠かせない課題としています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
Photosynthは、監査役会設置会社としてコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。取締役会が経営の意思決定と業務執行の監督を行い、監査役及び監査役会が独立した監査機能を担う体制です。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
Photosynthの筆頭株主は代表取締役社長である河瀬航大氏です。上位株主には、同氏のほか、UH Partners 2投資事業有限責任組合や光通信KK投資事業有限責任組合といった投資事業有限責任組合が名を連ねています。創業者である河瀬航大氏が筆頭株主として、同社の経営に一定の影響力を持つことがうかがえる株主構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 河瀬 航大 | 15.82% |
| UH Partners 2投資事業有限責任組合 | 7.78% |
| 光通信KK投資事業有限責任組合 | 6.75% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長は河瀬航大氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 河瀬 航大 | 代表取締役社長 | 2011年4月 株式会社ガイアックス入社、2014年9月 同社設立 代表取締役社長より現職。 |
| 渡邉 宏明 | 取締役副社長 | 2011年4月 ソフトバンクテレコム株式会社(現・ソフトバンク株式会社)入社、2014年9月 同社設立 取締役副社長より現職。 |
| 熊谷 悠哉 | 取締役 | 2012年4月 パナソニック株式会社入社、2014年9月 同社入社、2020年3月 同社取締役より現職。 |
社外取締役は、島田和衛氏(元日本航空株式会社法務部副部長)、鈴木敦子氏(神山まるごと高等専門学校副校長)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会が経営の意思決定と業務執行の監督を担い、監査役会が独立した監査機能を通じて経営を牽制する体制です。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
Photosynthの役員報酬は固定報酬を基本としており、業績連動報酬や非金銭報酬は導入していません。取締役の固定報酬は、企業価値の持続的な向上を促すインセンティブとして、会社業績や業務評価、従業員給与とのバランスを考慮して決定されます。監査役の固定報酬は、取締役からの独立性を確保しつつ、職務や責任、実績に応じて監査役間の協議により配分されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 51百万円 | 12.7百万円 |
| 社外役員 | 7名 | 11百万円 | 1.6百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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