※本記事は、 セカンドサイトアナリティカ株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
セカンドサイトアナリティカは、「データから、新たな価値を。」を経営理念に掲げ、アナリティクス・AIサービスを提供する企業です。同社グループは、アナリティクスコンサルティング、AIプロダクト、デジタルソリューションの3事業を展開し、データ分析からAIプロダクトの開発・提供までをワンストップで手掛けています。
単体従業員数は65名、連結従業員数は80名です。同社グループのセグメントはアナリティクス・AIサービス事業の単一です。
主な国内グループ会社は、Break'sなどです。
セカンドサイトアナリティカは、2025年10月1日付でBreak's株式会社の全株式を取得し、連結子会社としました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
セカンドサイトアナリティカは、アナリティクス・AIサービス事業を展開する企業です。専門性の高いデータサイエンティストやAIエンジニアの確保・育成を重視しており、社員が能力を最大限に発揮できる環境づくりに力を入れています。ワークライフバランスの充実や定着促進にも取り組んでおり、働きやすい環境を目指していることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、若手から中堅層が中心となって活躍している傾向が見られます。平均年齢は30代半ばであり、平均勤続年数は比較的短めとなっています。これは、専門性の高い分野でキャリアを築く中で、個人の成長や市場価値向上を重視する人材が活躍しやすい環境であると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,608,000円 |
| 平均勤続年数 | 2.8年 |
| 平均年齢 | 35.9歳 |
| 単体従業員数 | 65人 |
| 連結従業員数 | 80人 |
| 単体のグループ内比率 | 81.3% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、安定的かつ継続的な事業拡大のために、高い収益率の維持と質の高いサービス提供が重要であると考えています。特に優秀なデータサイエンティストおよびAIエンジニアの確保・強化を優先的な事業課題としています。この課題に対し、インターンや社員紹介制度の促進、優秀な人材が報われる給与・賞与制度、社内教育制度の充実を図る方針です。
また、性別、国籍、年齢等の属性に制限を設けず、能力や成長余地の高い人材を平等かつ重点的に採用・育成していくことを掲げています。従業員の定着を促進するため、ワークライフ・バランスを充実させながら、高いモチベーションを持って働くことができる環境の整備にも努めています。従業員が安心して長く働けるよう、魅力ある就業環境を整備するなど、多様な施策を実施していく方針です。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
セカンドサイトアナリティカ及び連結子会社は、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示データは記載されていません。
人材育成・エンゲージメント
離職率の分母は、出向者を除いた前連結会計年度末在籍者数とし、分子はそのうちの当連結会計年度退職者数としております。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 従業員の離職率 | 6.7% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
セカンドサイトアナリティカは、「データから、新たな価値を。」を経営理念に掲げ、アナリティクス・AIサービスをワンストップで提供する企業です。データ活用を通じて顧客企業のビジネスを加速させ、日本をデータ活用先進国にすることを目指しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、セカンドサイトアナリティカと子会社1社(Break's株式会社)で構成されており、アナリティクスコンサルティング、AIプロダクト、デジタルソリューションの3つのサービスを展開しています。これらのサービスを通じて、クライアントの多様な経営課題を解決するためのAIサービスを一貫して提供しています。
アナリティクスコンサルティング事業では、顧客の特定のビジネス課題に対し、データ分析と機械学習モデルの構築を支援するコンサルティングを提供しています。構築した機械学習モデルのメンテナンスや運用サポートも継続的に行い、顧客との長期的な関係を築いています。
AIプロダクト事業では、アナリティクスコンサルティングで培ったノウハウと機械学習モデル構築の知見を基に、汎用性の高い製品を開発し、自社および事業パートナーを通じて販売しています。これらの製品には、初期導入時の収入と保守・運用による継続的な収入の両方があります。
デジタルソリューション事業は、データ・AI活用を含む各種デジタル施策の実装支援やシステム開発を行い、アナリティクスコンサルティングやAIプロダクトと連携しながら、顧客のデジタル化を実行フェーズまで支援しています。同社グループは、データアナリティクス・AI、データエンジニアリング、経営課題解決を三位一体で対応し、先端技術と実践的な課題解決支援を融合した独自のポジションを追求しています。
同社グループの売上高は、SBペイメントサービス株式会社、TIS株式会社、株式会社ジェーシービーといった主要な顧客からの収益が一定の割合を占めています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループは当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、連結ベースでの過去の業績推移は開示されていません。当連結会計年度の売上高は14.4億円、経常利益は1.7億円、親会社株主に帰属する当期純利益は1.2億円となりました。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | - | - | - | 14.4億円 |
| 経常利益 | - | - | - | - | 1.7億円 |
| 経常利益率 | - | - | - | - | 11.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | - | - | 1.2億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | - | - | 12.85 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの連結ベースでの従業員1人あたりの収益性および生産性を示す指標は、当連結会計年度のみ開示されています。従業員1人あたり売上高は18.0百万円、従業員1人あたり営業利益は2.1百万円となっています。これらの数値は、同社グループの事業規模と従業員数に対する収益創出能力を示しています。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | - | 18.0百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | - | 2.1百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
セカンドサイトアナリティカは、本業で得た資金を将来の成長に向けた投資に充てている段階にあります。財務基盤の安定性と資金の流れから、同社グループの現在の経営状況を把握できます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
セカンドサイトアナリティカの自己資本比率は76.3%となっており、プライム市場の非製造業平均(24.2%)と比較して高い水準を示しています。これは、同社グループの財務基盤が強固であることを示しています。ROE(自己資本利益率)は13.7%であり、プライム市場平均(9.4%)を上回っています。
手元資金である現金及び預金は3.7億円となっており、前期の5.1億円から減少しています。強固な財務基盤と高い収益性は、事業の安定性や将来的な成長への期待につながる要素です。
| 指標 | - | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 純資産 | 8.1億円 | 9.7億円 |
| 自己資本比率 | - | 76.3% |
| ROE(自己資本利益率) | - | 13.7% |
| 現金及び預金 | 5.1億円 | 3.7億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
セカンドサイトアナリティカの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは50百万円のプラスとなりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上や減価償却費、株式報酬費用の増加があった一方で、売上債権及び契約資産の増加があったことによるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは△76百万円のマイナスとなっており、主に連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出があったことを示しています。
財務活動によるキャッシュ・フローは△120百万円のマイナスであり、長期借入金の返済による支出が主な要因です。結果として、フリーキャッシュ・フローは△25百万円のマイナスとなっています。同社グループは本業で資金を生み出していますが、成長のための投資を積極的に行っている段階であり、資金を外部に依存することなく事業を拡大していく姿勢が見られます。
| 項目 | - | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | - | 50百万円 |
| 投資CF | - | △76百万円 |
| 財務CF | - | △120百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | △25百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループが事業を展開するAI関連業界では、技術革新のスピードが速く、競合企業の増加傾向が見られます。顧客ニーズの変化や技術革新に迅速に対応できない場合、競争力が低下し、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、協業パートナーとの関係性も重要であり、パートナー企業の事業展開や方針変更が業績に影響を及ぼすリスクも認識されています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループの事業の軸となるアナリティクスコンサルティング及びAIプロダクトの展開には、データサイエンティスト及びエンジニアの確保が不可欠です。しかし、これらの人材は市中で供給が不足しており、同業他社との人材獲得競争が激化しています。計画通りの人材確保が困難になったり、人材が流出したりする可能性があり、これが案件受注に制約をかけるリスクとして認識されています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
セカンドサイトアナリティカは、データとAI技術を核に、社会に新たな価値を創造することを目指す企業です。技術力と人材育成を重視し、多様な働き方を推進するカルチャーを築いています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
セカンドサイトアナリティカは、「データから、新たな価値を。」を経営理念としています。同社グループは、機械学習(ディープラーニング含む)を用いて、アナリティクス・AIの開発から導入、活用、運用までをワンストップで提供することを事業展開方針としています。AIベンダーでもビジネスコンサルでもない「アナリティクスを活用したビジネス価値創造企業」として、事業パートナーとの協業を通じて先進的なサービスを確立し、そのノウハウを外部顧客に提供することを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
セカンドサイトアナリティカは、ビジネスコンサルティングとAIベンダーの双方を両立する立ち位置を目指しています。同社グループは、アナリティクス・AI技術の開発と、その技術を活用したビジネス価値の創出を追求し、社会や企業の課題解決に取り組むことを基本戦略としています。アカデミア領域との密な連携を通じて先進技術を獲得し、テクノロジーアドバンテージの確立に努めています。
また、全てのステークホルダーに配慮した経営を行い、コーポレート・ガバナンス体制の構築を通じて企業価値の向上を目指しています。人材育成では、性別、国籍、年齢等の属性に制限を設けず、能力や成長余地の高い人材を平等かつ重点的に採用・育成する方針です。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
セカンドサイトアナリティカは、事業拡大に向けた優先課題として、データサイエンティスト及びAIエンジニアの確保・強化を挙げています。具体的には、知名度向上、インターンや紹介制度の促進、給与・賞与制度、社内教育制度の充実、テレワーク等の柔軟な働き方環境整備を通じて、魅力ある就業環境の整備に取り組んでいます。
また、事業パートナーとの提携戦略の強化も重要なテーマです。技術力強化と顧客基盤拡大のために協業関係の構築に努めています。
さらに、システムの安定性確保、情報管理体制の強化、内部管理体制の強化も重点テーマとしており、設備投資やBCPの見直し、ISMSに基づく情報管理、コーポレート・ガバナンスの強化などを推進しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
セカンドサイトアナリティカは、代表取締役社長が議長を務める取締役会と、常勤監査役を含む監査役会を設置しています。監査役会設置会社として、各監査役が独立した立場から取締役の職務執行を監査する体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
セカンドサイトアナリティカは、金融機関や事業会社、そして創業家メンバーが上位株主として名を連ねる資本構成となっています。筆頭株主はSBI新生銀行ですが、議決権ベースではエクシオグループが最大の議決権を保有しています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| SBI新生銀行 | 19.10% |
| エクシオグループ | 13.40% |
| TIS | 10.70% |
なお、SBI新生銀行は、議決権を有しない甲種類株式1,476,000株を含んでおります。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長事業本部長は高山博和氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 高山 博和 | 代表取締役社長事業本部長 | 2008年4月アビームコンサルティング入社、2013年4月グリフィン・ストラテジック・パートナーズ入社、2016年6月同社設立取締役COO兼CAO就任、2023年4月同社代表取締役社長兼事業本部長より現職。 |
| 深谷 直紀 | 取締役副社長 | 2008年4月日本総研ソリューションズ入社、2011年8月カディット設立取締役、2014年4月グリフィン・ストラテジック・パートナーズ入社、2016年6月同社設立取締役CTO就任、2023年4月同社取締役副社長より現職。 |
| 加藤 良太郎 | 取締役会長 | 2001年4月アクセンチュア入社、2012年4月グリフィン・ストラテジック・パートナーズ設立代表取締役社長、2016年6月同社設立代表取締役CEO就任、2021年12月同社取締役会長より現職。 |
社外取締役は、河本尚之氏(アクセンチュア 金融サービス本部 顧問)、伊勢康永氏(アプラス 取締役)です。社外監査役は、磯野薫氏(元りそなホールディングス 取締役 監査委員会委員長)、品川理絵子氏(神楽坂公認会計士税理士事務所 所長)、福﨑剛志氏(日比谷タックス&ロー弁護士法人 代表弁護士)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役2名と社外監査役3名が独立した立場から経営の監督・監査機能を果たしています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社では、取締役の基本報酬を金銭による月例の固定報酬としており、職責や会社の業績を総合的に考慮して決定しています。業績連動報酬や非金銭報酬は設定されていません。また、取締役に対してはストック・オプションを付与しています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 1.0億円 | 34.8百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 15百万円 | 3.7百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。