**※本記事は、セカンドサイトアナリティカ株式会社の有価証券報告書(第10期、自 2025年1月1日 至 2025年12月31日、2026年3月24日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。**
1. セカンドサイトアナリティカってどんな会社?
同社は、機械学習を活用して企業のビジネス課題を解決するアナリティクス・AIサービスをワンストップで提供しています。
■(1) 会社概要
2016年に設立され、2017年にAIプロダクト「SkyFox」、2018年に「SXスコア」の提供を開始しました。2021年に現在のセカンドサイトアナリティカに商号変更し、2022年に東京証券取引所グロース市場へ上場しました。直近の2025年にはシステム受託開発を手掛けるBreak'sを子会社化しています。
従業員数は連結で80名、単体で65名です。筆頭株主は事業会社のSBI新生銀行で、第2位にエクシオグループ、第3位にTISが続き、それぞれ資本・業務提携関係にある事業会社が上位を占めています。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| SBI新生銀行 | 19.10% |
| エクシオグループ | 13.40% |
| TIS | 10.70% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性7名、女性1名の計8名で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長事業本部長は高山博和氏が務めています。取締役5名のうち社外取締役は2名(40.0%)です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 高山博和 | 代表取締役社長事業本部長 | アビームコンサルティングなどを経て2016年に同社取締役COO兼CAOに就任。2023年より現職。 |
| 加藤良太郎 | 取締役会長 | アクセンチュア等を経て2012年にグリフィン・ストラテジック・パートナーズを設立。2021年より現職。 |
| 深谷直紀 | 取締役副社長 | 日本総研ソリューションズ等を経て2016年に同社取締役CTOに就任。2023年より現職。 |
社外取締役は、河本尚之(元三井住友銀行常務執行役員)、伊勢康永(元アプラス取締役副社長)です。
2. 事業内容
同社グループは、「アナリティクス・AIサービス事業」を展開しています。
■(1) アナリティクスコンサルティング事業
機械学習モデルを構築・活用したデータ分析により、顧客の特定のビジネス課題を解決するための高度なコンサルティングを提供しています。独自開発の機械学習アルゴリズムや最新の論文等を取り入れた手法で、業務効率や精度の向上に寄与しています。
顧客の個別ニーズに対応するフロー売上を主軸としつつ、モデルのメンテナンスや運用サポートを通じた継続的なストック収入も獲得しています。運営は同社が行っています。
■(2) AIプロダクト事業
コンサルティングを通じて培われたノウハウや自動化プログラムを基に、顧客ニーズに合致した汎用性の高いAI製品を開発・提供しています。大型パッケージ製品から比較的カスタムが不要な拡販型製品まで幅広く展開しています。
初期導入時のフロー収入と保守・運用等のストック収入で構成されるビジネスモデルであり、自社および事業パートナーを通じた協業販売によって拡販を進めています。運営は同社が行っています。
■(3) デジタルソリューション事業
各種デジタル施策の実装支援やシステム開発を行う事業です。アナリティクスコンサルティングおよびAIプロダクト事業と連携し、顧客のデジタル化を実行フェーズまで一貫して支援することで、AIの社会実装を加速させています。
システム受託開発やSES(システムエンジニアリングサービス)を通じた技術者の役務提供などにより収益を獲得しています。運営は主に連結子会社のBreak'sが行っています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
当期より連結決算へ移行し、子会社化によるシステム開発力の強化やデータサイエンス人材の採用強化が寄与しました。その結果、当期の売上高は14.4億円となり、経常利益も1.7億円と安定した収益性を確保しています。
| 項目 | 2025年12月期 |
|---|---|
| 売上高 | 14.4億円 |
| 経常利益 | 1.7億円 |
| 利益率(%) | 11.9% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 1.2億円 |
■(2) 損益計算書
当期の売上総利益率は40.3%となり、高い付加価値を生み出す体制が構築されています。営業利益率も11.9%と、安定した本業の稼ぐ力を維持しています。
| 項目 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | - | 14.4億円 |
| 売上総利益 | 5.4億円 | 5.8億円 |
| 売上総利益率(%) | - | 40.3% |
| 営業利益 | 1.6億円 | 1.7億円 |
| 営業利益率(%) | - | 11.9% |
販売費及び一般管理費のうち、役員報酬が1.2億円(構成比29.2%)、給料及び手当が0.9億円(同22.5%)、支払手数料が0.5億円(同12.5%)を占めています。また、売上原価については、労務費が5.0億円(構成比60.6%)、経費が3.2億円(同39.4%)となっています。
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
営業利益で借入返済を行い、投資も手元資金で賄う優良企業である「健全型」のキャッシュ・フロー状況です。企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は13.7%で市場平均を上回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率も76.3%であり、いずれも市場平均を上回っています。
| 項目 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | - | 0.5億円 |
| 投資CF | - | -0.8億円 |
| 財務CF | - | -1.2億円 |
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
「データから、新たな価値を。」を経営理念に掲げています。データから価値を創造し、顧客企業のビジネスを加速させること、そして日本をデータ活用先進国にしていきたいという思いが込められており、ワンストップでアナリティクス・AIの開発・導入・活用・運用サービスを提供しています。
■(2) 企業文化
データアナリティクス・AI、データエンジニアリング、経営課題解決の3つに三位一体で対応し、アカデミックなアプローチと技術者の視点、ビジネス目線を融合させる姿勢を重視しています。大学教授を技術顧問に迎え、基礎研究からビジネス実践に落とし込むサイクルを高速で回す文化が特徴です。
■(3) 経営計画・目標
安定的な成長を図るため、成長性、収益性および効率性を重視した経営を推進しています。そのための客観的な指標として、売上高、営業利益、従業員数を重要な指標と位置づけ、各種経営課題に取り組む方針を掲げています。
■(4) 成長戦略と重点施策
付加価値の最大化を追求し、ストックビジネス中心のAIプロダクト事業への比率転換を目指しています。また、画像・動画などの非構造化データへの解析範囲の拡大や、非金融業界への横展開によるクロスセルを促進し、サービス提供領域の全方位的な拡大を図る戦略を描いています。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
安定的かつ継続的な事業拡大を図るため、優秀なデータサイエンティストやAIエンジニアの確保・強化を最優先課題としています。性別、国籍、年齢等の属性に制限を設けず能力の高い人材を登用し、優秀な人材が報われる給与・賞与制度や柔軟な働き方を取り入れ、魅力ある就業環境の整備を進めています。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はグロース市場の平均を大きく上回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2025年12月期 | 35.9歳 | 2.8年 | 7,608,000円 |
※平均年間給与は、賞与及び時間外賃金を含みます。
同社および連結子会社は公表義務の対象ではないため、有報には本項の記載がありません。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 顧客ニーズや技術革新への対応
AI関連業界は日進月歩で技術革新が進んでおり、顧客ニーズの変化も非常に速い環境にあります。同社は最新の技術動向の把握や人材確保に努めていますが、急速な変化に迅速に対応できなかった場合、保有技術が陳腐化して競争力が低下し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
■(2) 特定のクラウドサービスへの依存
同社のサービス提供にあたっては、Amazon Web Services(AWS)等のクラウドインフラを主な基盤として利用しています。運営会社による経営方針の変更や価格改定、あるいは通信ネットワークの障害などにより利用が困難になった場合、サービスの安定稼働やコストに影響が生じるリスクがあります。
■(3) 専門人材の確保と技術流出
事業の競争力維持には優秀なデータサイエンティストやエンジニアの確保が不可欠です。しかし、業界内での人材獲得競争は激化しており、計画通りの人材確保が困難になるリスクや、人材とともに同社独自の技術やノウハウが社外へ流出してしまうリスクが存在します。
■(4) パートナー企業との協業関係
同社は資本業務提携先などパートナー企業を通じたAIプロダクトの拡販を推進しており、パートナー企業との協業による売上比率が高い状況にあります。そのため、パートナー企業の事業方針の変更や契約の終了が発生した場合、同社の販売力や業績に影響を及ぼす可能性があります。



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