※本記事は、株式会社eWeLL の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
eWeLLは、「ひとを幸せにする」をミッションに掲げ、在宅療養を支える訪問看護ステーション向けの業務支援SaaSを提供するクラウドソフトウエア事業を展開しています。主要サービスはクラウド型「訪問看護専用電子カルテiBow」であり、サブスクリプション形式で提供しています。
同社の単体従業員数は107名です。セグメントは訪問看護ステーション向けサービス提供事業の単一です。
eWeLLは、訪問看護ステーション向けに業務支援SaaSとしてクラウド型「訪問看護専用電子カルテiBow」をサブスクリプションで提供するクラウドソフトウエア事業を営んでいます。サービス提供方法は「クラウドサービス」と「BPaaS」の2つに区分されています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
eWeLLは、在宅医療分野で事業を展開しており、従業員の働き方やキャリア形成に注力している企業です。同社では、従業員の成長を支援し、多様な働き方を推進する環境づくりに取り組んでいます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
eWeLLの従業員は、比較的若い年齢層で構成されており、平均勤続年数から見ると、新しい人材が継続的に加わりながら組織が成長している傾向がうかがえます。事業拡大に伴い従業員数も増加しており、活気のある職場環境が期待されます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,219,659円 |
| 平均勤続年数 | 3年4ヶ月 |
| 平均年齢 | 36.5歳 |
| 単体従業員数 | 107人 |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
eWeLLは、「安心して自分らしく暮らせる社会の実現と持続可能な医療体制の両立」をサステナビリティ基本方針とし、在宅医療のプラットフォーマーとして医療資源の最適化を図り、業界全体の発展を推進しています。同社は現在、重要な成長段階にあり、今後の事業拡大に向けて性別や国籍を問わず優秀な人材の確保と育成を重視しています。
具体的には、訪問看護知識の習得を目的とした「訪問看護eラーニング」の受講や、DX推進に向けた「ITパスポート試験」の資格取得支援など、研修制度を充実させ人材開発を強化しています。また、男性従業員の育児休業取得の推進や女性管理職の輩出を含め、働きやすい職場環境の整備にも取り組んでいます。社内では、代表取締役社長と従業員のランチ会を毎月開催し、風通しの良い職場づくりを進めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 33.3% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 74.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 74.9% |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 「訪問看護eラーニング」の受講完了者 | 61名 |
| 「ITパスポート試験」の資格取得者 | 30名 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
eWeLLは、訪問看護ステーション向けに業務支援SaaSを提供するクラウドソフトウエア事業を展開しています。在宅医療現場のDX化を推進し、すべての人が安心して暮らせる社会の実現を目指しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、訪問看護ステーションの業務全般を支援するクラウド型「訪問看護専用電子カルテiBow」を主力サービスとして提供しています。このサービスは、訪問看護師が患者宅で記録書類の作成や過去のカルテ確認を容易に行えるようにすることで、本来のケア業務に専念できる環境を整えることを目的としています。
収益モデルはサブスクリプション型を採用しており、一般的な初期費用やID課金ではなく、1ステーションごとの月額基本料金に加え、訪問件数に応じた従量課金で収益を得ています。これにより、顧客である訪問看護ステーションの収入増加が同社の収益増加につながる関係を築いています。
同社の事業は訪問看護ステーション向けサービス提供事業の単一セグメントで構成されています。サービス提供方法は「クラウドサービス」と「BPaaS」の二つに区分されており、クラウドサービスが収益の大部分を占めています。クラウドサービスの中では「iBow」が中心的な役割を担い、その他に「iBow レセプト」や「iBow KINTAI」などのサービスも提供しています。BPaaSでは「iBow事務管理代行サービス」が主な収益源となっています。
同社は日本国内での事業展開に特化しており、海外の外部顧客からの売上高はありません。そのため、為替変動リスクは発生していません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも大きく増加しています。特に売上高は前期から大幅に伸びており、利益もそれに伴い堅調に拡大している状況です。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は、本業で安定した資金を創出しながら、将来に向けた投資も継続している状況です。財務基盤の健全性を維持しつつ、事業の成長を目指していることがうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の自己資本比率は、前期からわずかに上昇し、高い水準を維持しています。これは、財務の安定性を示す指標の一つです。手元資金に関する具体的な数値は開示されていませんが、自己資本比率の高さは、事業運営における安定性につながる要素と考えられます。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | 78.5% | 78.8% |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社は、営業活動により安定的に資金を獲得しています。当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローは12億7,033万円の獲得となり、前事業年度の8億5,679万円から増加しました。これは主に、税引前当期純利益の計上や減価償却費の計上によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産や無形固定資産の取得、敷金の差入などにより、当事業年度は2億1,038万円の使用となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額が主な要因となり、当事業年度は1億6,838万円の使用となっています。本業で得た資金を成長投資に充て、さらに余剰資金を創出していることから、事業の安定性と将来への投資意欲がうかがえる資金の流れとなっています。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 8.6億円 | 12.7億円 |
| 投資CF | △0.8億円 | △2.1億円 |
| 財務CF | △2.3億円 | △1.7億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 7.8億円 | 10.6億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、訪問看護ステーションを中心とする特定の業界に売上が集中しているリスクを認識しています。また、全体の売上高に占める「iBow」の割合が多く、特定のサービスに依存している状況です。これらのリスクに対し、同社は訪問看護業界以外の分野への展開や新規サービスの開発に取り組んでいます。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、事業拡大や新規事業展開に必要な優秀な人材の確保と育成を課題としています。医療保険制度や介護保険制度に関する専門知識、情報システムに関する高度なスキルを持つ人材の確保が困難になった場合、事業および業績に影響を与える可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
eWeLLは、在宅療養分野で新しい価値を創造し、すべての人が安心して暮らせる社会の実現を目指している会社です。その実現のために、挑戦と革新を重んじる企業風土を大切にしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は「ひとを幸せにする」をミッションに掲げ、「私たちは在宅療養に新しい価値の創造を行い、すべての人が安心して暮らせる社会を実現します」というビジョンを持っています。
経営戦略としては、クラウドサービスの市場シェア拡大、および「BPaaS」「けあログっと」の拡大により、訪問看護市場におけるプラットフォーマーとしての地位確立を目指しています。
主力サービスで得られる情報を活用し、PHR(パーソナルヘルスレコード)を活用したデータビジネス(地域包括ケア事業)につなげ、事業領域の拡大と企業価値の向上を図る方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は「Value」として、5つの行動指針を掲げています。具体的には、「Be a challenger(努力と挑戦を続け、成長し続けます)」、「Be innovative(新しいことを追求し、新たな価値を創造し続けます)」、「Be sincere(真心をもって誠実にひとに向き合い、信頼に溢れる豊かな人生を築きます)」、「Be positive(物事を自分事として捉え、何事もチャンスと解釈し、前進させます)」、「Be professional(法と秩序を守り、ひとに安心と感動を与えるプロ集団を目指します)」です。
働きやすい職場環境の整備にも力を入れており、「大阪市女性活躍リーディングカンパニー」および「えるぼし認定」を取得しています。多様な働き方やワークライフバランスを支援し、安心してキャリアを築ける環境を実現しています。
また、毎月1回、代表取締役社長と従業員のランチ会を開催し、風通しのよい職場づくりを行っています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、市場環境および顧客ニーズにタイムリーに対応できる開発体制の強化を重要な課題としています。開発人材の確保と人材教育を継続的に実施し、開発体制の強化に取り組む方針です。
また、業務運営の効率化やコーポレート・ガバナンス、リスクマネジメントのための内部管理体制の強化も進めています。経営の公平性や透明性を確保し、事業基盤の整備を強化する方針です。
顧客に安心してサービスを利用してもらうため、システム信頼性の継続的な維持や品質の向上、設備環境の強化も重点テーマです。セキュリティ・開発・保守管理体制の整備に引き続き投資を行い、システムの安定化と品質向上に取り組む方針です。
さらに、同社の事業そのものがサステナビリティの3つの柱である「環境保護」「社会開発」「経済発展」に該当すると認識しており、ペーパーレス化促進や在宅医療データ活用を通じて推進しています。
人的資本戦略としては、今後の事業拡大に向けて優秀な人材の確保と育成、働きやすい職場環境の整備、人材開発の強化を継続的に進める方針です。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は監査役会設置会社であり、取締役会が経営上の意思決定と監督を担っています。社外役員による経営監視機能の強化も図られています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、代表取締役社長である中野剛人氏が筆頭株主であり、常務取締役の北村亜沙子氏も上位株主として名を連ねています。このように、同社の経営陣が主要な株主として会社を支えていることが特徴です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 中野 剛人 | 39.02% |
| 北村 亜沙子 | 16.24% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 5.77% |
| GOLDMAN SACHS INTERNATIONAL | 4.66% |
| 住友商事 | 4.50% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長は中野剛人氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 中野 剛人 | 代表取締役社長 | 1991年4月サンエース入社。2012年6月同社設立、代表取締役社長就任。2018年10月同社代表取締役社長より現職。 |
| 北村 亜沙子 | 常務取締役 カスタマー本部長 | 1998年1月エンジェルダスト入社。2012年7月同社入社。2012年10月同社常務取締役就任。2023年1月同社カスタマー本部長より現職。 |
| 浦吉 修 | 取締役 プロダクト本部長 | 1984年4月ジュピターミュージックスタジオ入社。2019年3月同社入社。2020年2月同社取締役就任。2023年1月同社プロダクト本部長より現職。 |
社外取締役は、松下智樹氏(Singular Perturbations副社長)です。
同社は監査役会設置会社を採用しており、社外取締役および社外監査役が独立した立場から経営の監視と助言を行うことで、経営監視機能の強化を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、基本報酬、業績連動報酬、非金銭報酬の3つの要素で構成されています。基本報酬は月例の固定報酬であり、業績連動報酬は事業年度ごとの業績向上を目的とした金銭報酬です。非金銭報酬としては、企業価値向上と株主との価値共有を目的とした譲渡制限付株式報酬が導入されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 1.5億円 | 37.4百万円 |
| 社外取締役 | 1名 | 3百万円 | 3.1百万円 |
| 監査役(社外除く) | 4名 | 17百万円 | 4.2百万円 |
| 社外監査役 | 3名 | 7百万円 | 2.4百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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