※本記事は、ポーターズ株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ポーターズは、「テクノロジーで世界の雇用にもっとも貢献する」というビジョンを掲げ、HR-Tech事業とGlobal HR-Tech事業を展開しています。人材マッチングサービス向けのクラウド型総合管理システム「PORTERS」を主軸とし、海外でのオフショア開発や求人媒体の運営も手掛けています。
単体従業員数は77名、連結従業員数は144名です。セグメントはHR-Tech事業、Global HR-Tech事業の2つです。
主な国内グループ会社は、atB(GlobalHR-Tech事業)、KIKAN flex(HR-Tech事業)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ポーターズはHR-Tech事業を展開しており、人材の確保と育成を経営の最重要課題と位置付けています。従業員一人ひとりのキャリア形成を支援し、多様な働き方を尊重する環境整備に力を入れていることが特徴です。柔軟な働き方を支援する制度も導入されており、働きやすい環境づくりへの意欲がうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、比較的若い年齢層の従業員が活躍しており、平均勤続年数も平均的な水準となっています。これは、新しい人材が継続的に加わり、組織が活性化している傾向を示していると言えるでしょう。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,000,000円 |
| 平均勤続年数 | 4.4年 |
| 平均年齢 | 36.0歳 |
| 単体従業員数 | 77人 |
| 連結従業員数 | 144人 |
| 単体のグループ内比率 | 53.5% |
なお、退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、持続的な成長と企業価値向上を実現する上で、人材を競争力の源泉であり最も重要な経営資源と位置付けています。そのため、人材の確保と育成に積極的に取り組んでいます。
社員一人ひとりが自身のキャリアを長期にわたって発展させるための取り組みも行われており、定期的なキャリア目標の設定と、それに基づいた個々の活動計画の作成を支援しています。この活動計画には、新しい技術や業務知識の習得だけでなく、リーダーシップやコミュニケーションなどのソフトスキルの育成も含まれています。
また、従業員の働き方については、ライフステージの変化や多様化する価値観に合わせて、生産性高く働ける仕組みを整備しています。具体的には、時短勤務制度や在宅勤務制度を通じた柔軟な働き方への支援、産前・産後休業を取得した社員の早期職場復帰支援など、多様な人材が活躍し安心して働き続けられる職場環境の整備に努めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職の比率 | 30.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ポーターズは、「Matching, Change your business」をミッションに掲げ、テクノロジーを通じて世界の雇用に貢献することを目指しています。主にHR-Tech事業とGlobal HR-Tech事業の二つのセグメントを展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、人材マッチングに特化したクラウドサービス「PORTERS」を主軸とするHR-Tech事業と、海外拠点を活用したオフショア開発や求人媒体運営を行うGlobal HR-Tech事業を展開しています。人材紹介会社や労働者派遣会社など、雇用創出産業向けのクラウドサービスを通じて、人材と企業の最適なマッチングを支援しています。
HR-Tech事業
HR-Tech事業セグメントは、雇用創出産業および雇用創出ビジネスパーソン向けのクラウドサービスを提供しています。主なサービスであるPORTERSは、人材紹介会社や労働者派遣会社のためのクラウド型マッチング総合管理システムです。このシステムは、人材と企業の情報を一元管理し、マッチングのための情報設計、選考プロセス管理、契約・契約更新管理を最適化する役割を担っています。
収益は、PORTERSのID利用料を主とするリカーリング売上と、導入コンサルティングなどのスポット売上から得ています。PORTERSは1IDから利用可能なサブスクリプションモデルで提供されており、顧客の事業規模やニーズに応じた柔軟な利用が可能です。当連結会計年度においては、マーケティング活動や営業活動の強化により新規顧客の獲得が進み、ID数の伸長に寄与したことで、売上高は前期から増加しています。
Global HR-Tech事業
Global HR-Tech事業セグメントは、同社グループの海外拠点を活用したオフショア開発事業や、海外における求人媒体の開発・運営を通じて雇用に貢献しています。スマートフォンなどのモバイルデバイス向けソフトウェア開発やウェブサイト向けソフトウェア開発の実績を有しています。
収益は、オフショア開発サービスや、バングラデシュ国内で展開する求人媒体「atB JOBS」の有料求人掲載プラン販売などから得ています。当連結会計年度においては、オフショア開発サービスの案件数が減少し、売上高は前期から減少しています。
| セグメント | 売上高(2024年12月期) | 売上高(2025年12月期) |
|---|---|---|
| HR-Tech事業 | 18.9億円 | 21.3億円 |
| Global HR-Tech事業 | 37百万円 | 11百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、直近3期において売上高は継続して増加傾向にあります。一方で、経常利益は前期から減少に転じ、親会社株主に帰属する当期純利益は前期から大きく減少しました。これは、人員確保および定着を目的とした賃上げや人員増加による販売費及び一般管理費の増加、ならびに特別損失の計上が主な要因となっています。営業活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度において収入に転じています。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | - | 15.9億円 | 19.2億円 | 21.4億円 |
| 経常利益 | - | - | 3.8億円 | 3.9億円 | 3.7億円 |
| 経常利益率 | - | - | 23.8% | 20.1% | 17.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | 2.7億円 | 2.7億円 | 1.3億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | 170.39 | 168.28 | 80.18 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期から減少しています。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から減少する結果となりました。これは、売上高が堅調に増加する一方で、人員確保や定着のための賃上げ、人員増加に伴う販売費及び一般管理費の増加が影響していると考えられます。
| 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 17.5百万円 | 14.8百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 3.6百万円 | 2.5百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、本業で得た資金を将来の成長に向けた投資に充てている状況です。財務基盤は堅固であり、事業拡大のための投資を継続しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率が前期からやや低下したものの、引き続き高い水準を維持しています。ROE(自己資本利益率)は前期と比較して低下しましたが、当期においても一定の収益性を示しています。
手元資金である現金及び預金は増加傾向にあり、不測の事態への耐性も確保されている状況です。これらの財務状況は、同社グループの事業運営の安定性を示す要素となっています。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 13.5億円 | 15.9億円 |
| 自己資本比率 | 80.9% | 73.5% |
| ROE(自己資本利益率) | 22.6% | 9.5% |
| 現金及び預金 | 8.2億円 | 9.3億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュ・フローは、前期の支出から当期は収入に転じています。これは税金等調整前当期純利益の計上や減損損失の計上、関係会社株式評価損の計上、法人税等の支払額などが主な要因です。
投資活動によるキャッシュ・フローは、無形固定資産の取得による支出が主な要因となり、継続して支出超過となっています。財務活動によるキャッシュ・フローは、非支配株主からの払込みによる収入が大きく、当期は収入超過となりました。
これらの結果、フリーキャッシュ・フローはマイナスとなっていますが、前期と比較してマイナス幅は縮小しています。同社グループは本業で得た資金を成長のための投資に充てており、事業拡大フェーズにあることがうかがえます。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △0.9億円 | 1.5億円 |
| 投資CF | △2.4億円 | △2.3億円 |
| 財務CF | 1百万円 | 1.7億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △3.3億円 | △0.9億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、HR-Tech事業の主力製品であるPORTERSの売上が大部分を占める特定のサービスに依存するリスクを認識しています。また、人材サービス業界の動向にPORTERSの契約ID数が左右され、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性も指摘されています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、サービスの更なる向上や社内管理体制の強化のため、優秀な人材の確保・育成が不可欠であると認識しています。適格な人材を十分に確保できなかった場合には、事業展開に支障が生じ、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ポーターズは、「Matching, Change your business」というミッションと「テクノロジーで世界の雇用にもっとも貢献する」というビジョンを掲げ、人材マッチングクラウドサービスを通じて社会に貢献することを目指しています。顧客の成功と変化を重視する価値観のもと、事業を展開している会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは「Matching, Change your business」というミッションを掲げ、「テクノロジーで世界の雇用にもっとも貢献する」というビジョンを追求しています。事業領域としては、「企業における人材ニーズ」と「人材」のマッチングプロセスを最適化することを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
企業使命実現に向けた行動指針として、「顧客が目的を達成し、心から満足するサービスを目指す」ことを掲げています。特に以下の5つのCore Valuesを大切にしています。
1. 相手の成果を第一に考えよう
2. 自ら一歩踏み出そう
3. もっと高い山から景色を見よう
4. 変化を楽しもう、変化を起こそう
5. 誠実・素直であろう
同社グループは人材を最も重要な経営資源と位置づけ、社員一人ひとりのキャリア目標設定と、新しい技術や業務知識、リーダーシップ、コミュニケーションなどのソフトスキル育成に取り組んでいます。また、時短勤務制度や在宅勤務制度、産前・産後休業取得者への支援を通じて、多様な人材が活躍できる柔軟な働き方を推進しています。女性や中途採用者の管理職への登用も積極的に進めている状況です。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、サービスの認知度向上と新規顧客の獲得を重要な課題と認識しており、販売網の拡大やデジタルマーケティングの強化に努めています。また、製品開発体制の強化、優秀な人員の確保、開発プロセスの改善により、開発スピードの向上を目指しています。
新規事業の研究開発・育成を通じて企業価値の持続的向上を図るとともに、適切な人員確保、内部統制の実効性向上、コーポレート・ガバナンスの充実により内部管理体制の強化を進めています。さらに、システムの安定稼働を確保するため、サーバー環境の強化や人員確保にも取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ポーターズは、取締役の職務執行の監査等を担う監査等委員を取締役会における議決権を有する構成員とすることで、取締役会の監督機能を強化し、監視体制の充実を図っています。2024年3月26日開催の定時株主総会の決議をもって、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行しました。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社グループの株主構成を見ると、筆頭株主はKAキャピタルであり、代表取締役社長が代表を務める会社です。また、代表取締役社長と取締役副社長が上位株主として名を連ねており、創業家や関連会社が上位を占める資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| KAキャピタル | 45.96% |
| 西森 康二 | 10.06% |
| 御子柴 智美 | 10.06% |
| 光通信KK投資事業有限責任組合 | 6.31% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 4.16% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長は西森康二氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 西森 康二 | 代表取締役社長 | 1988年4月 株式会社リクルート入社、2001年8月 同社設立 代表取締役社長より現職。 |
| 御子柴 智美 | 取締役副社長 | 1997年8月 インターウォーズ株式会社入社、2002年1月 同社取締役、2019年7月 同社取締役副社長より現職。 |
| 三ツ井 健 | 常務取締役 | 2002年4月 株式会社スタッフサービス入社、2022年7月 同社入社、2023年3月 同社常務取締役より現職。 |
| 天野 竜人 | 取締役 | 2007年4月 サミー株式会社入社、2017年9月 同社入社、2018年6月 同社取締役より現職。 |
社外取締役は、中村恒一氏(サイバーエージェント社外取締役・指名・報酬委員会委員長)、清水有滋氏(NECプラットフォームズ常勤監査役・監査等委員)、長尾二郎氏(左門町法律事務所所長・監査等委員)、佃勇吾氏(サクセッション代表取締役・監査等委員・指名・報酬委員会委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役(監査等委員を除く)5名と監査等委員である取締役3名の計8名で取締役会を構成しています。監査等委員である取締役3名全員が社外取締役であり、外部の視点からの経営監督機能が有効に機能している体制です。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社では、取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬は、固定報酬としての基本報酬と、中長期的なインセンティブとしての譲渡制限付株式報酬で構成されています。社外取締役の報酬は固定報酬のみであり、業績連動型の報酬は存在していません。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 4名 | 1.2億円 | 29.8百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 21百万円 | 5.2百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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