※本記事は、株式会社グラッドキューブ の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
同社グループは、AIを活用したデータ解析技術とデジタル技術を基盤に、企業のマーケティング活動とテクノロジー活用を支援する事業を展開しています。
単体従業員数は106名、連結従業員数も106名です。セグメントはマーケティングDX事業、テクノロジー事業、全社(共通)の3つです。
同社グループは、グラッドキューブと海外子会社1社(SPAIA, Inc.)で構成されており、データ解析力と開発力を強みとして顧客企業の事業特性に応じたサービスを提供しています。
また、2025年5月には米国デラウェア州に海外子会社SPAIA, Inc.を設立し、米国競馬市場向けAI予想システムの開発に注力しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
グラッドキューブは、従業員の成長と事業成長が密接に連動していると認識し、人材の確保・育成に力を入れています。多様性を尊重し、社員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる環境づくりを目指していることが特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均年齢が30代半ばであり、平均勤続年数も比較的短い傾向にあります。これは、若手社員が多く活躍し、組織全体が活発に変化している状況を示していると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,448,000円 |
| 平均勤続年数 | 4.2年 |
| 平均年齢 | 34.2歳 |
| 単体従業員数 | 106人 |
| 連結従業員数 | 106人 |
| 単体のグループ内比率 | 100.0% |
同社は、2025年1月より企業型の確定拠出年金制度を採用しています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
確定拠出年金制度への要拠出額は、当連結会計年度において10百万円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、持続可能な社会の構築と企業価値の向上を目指し、自社のサービスやプロダクトを通して社会貢献活動に取り組んでいます。人材の成長と事業成長が継続的に連動しているとの認識から、人的資本の重要性を認識しています。
優秀な人材の確保・育成、専門性の高い知識の習得、社員の労働意欲が高まる社内環境・制度の整備・拡充に努めています。人材の多様性を確保するため、透明性の高い独自の評価制度を導入しており、管理職への登用において性別、国籍、採用形態による制約は一切設けていません。ジェンダーによる賃金差も存在せず、採用基準やキャリアパスにおいても公平な機会を提供しています。
ダイバーシティ&インクルージョンを重視し、採用地や性別によらず、あらゆる差別を禁止し人権を尊重する環境づくりに力を入れています。すべての社員が公正な競争と評価により活躍の機会を得られ、さまざまな属性を持つ人材が適材適所で活躍することを推進しています。2022年度には「大阪市女性活躍推進リーディングカンパニー」認証事業において、最高ランクの三つ星認証を取得しました。
人材育成においては、「GC WAY」を行動指針とし、スキルや経験だけでなく、人間やビジネスパーソンとしての成長を促しています。積極的な挑戦による失敗を恐れず、いつでも挽回のチャンスを与え、挑戦と成長を促す文化があります。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男女賃金差異は、女性活躍推進法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 22.8% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 25.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社グラッドキューブは、AIを活用したデータ解析技術とデジタル技術を基盤に、企業のマーケティング活動とテクノロジー活用を支援する事業を展開しています。同社グループは、主に「マーケティングDX事業」と「テクノロジー事業」の二つのセグメントを通じて収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、「世界中の人々に笑顔と喜び(glad)を届ける」ことをビジョンに掲げ、AIを活用したデータ解析技術とデジタル技術を基盤として、企業のマーケティング活動およびテクノロジー活用を支援しています。データ解析力と開発力を強みとし、顧客企業の事業特性や成長段階に応じたサービスを提供しています。
マーケティングDX事業
この事業では、AIを活用したウェブマーケティング支援を中心に、SaaS事業、ネット広告事業、教育・リスキリング事業を展開しています。SaaS事業では、自社開発のウェブ解析ツール「SiTest」を中心に、アクセス解析、ウェブサイトおよび動画改善、コンサルティングを組み合わせた包括的なデジタルマーケティング支援を行っています。ネット広告事業では、インターネット広告の企画提案、運用代行、コンテンツ制作、アクセス解析、広告効果のレポーティングを提供しています。
収益は、SaaSプロダクトの提供、インターネット広告の運用代行、関連するコンサルティングサービスから得ています。運営は、グラッドキューブが行っています。
テクノロジー事業
この事業では、AIおよびデータ解析技術を活用し、DX開発領域とスポーツテック(SPAIA)領域において事業を展開しています。DX開発事業では、企画提案型の受託開発に加え、AI関連プロダクト(AvaTwin)の開発・提供、アリババクラウド請求代行サービスを提供しています。SPAIA事業では、AIによるスポーツデータ解析を活用したメディアプラットフォーム「SPAIA」を運営し、スポーツデータ配信やサブスクリプション型の競馬情報サービスを提供しています。
収益は、AI関連プロダクトの開発・提供、企画提案型の受託開発、スポーツデータ活用メディアの運営、サブスクリプションサービスから得ています。運営は、グラッドキューブおよび海外子会社SPAIA, Inc.が行っています。
同社グループの売上高は、本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えており、海外比率は低い傾向にあります。また、外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先はありません。
| セグメント | 売上高(2024年12月期) | 売上高(2025年12月期) |
|---|---|---|
| マーケティングDX事業 | - | 15.0億円 |
| テクノロジー事業 | - | 2.6億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループは、2025年12月期より連結財務諸表を作成しているため、過去の連結業績との比較は行われていません。直近の2025年12月期は、売上高が17億5,541万円となりました。
経常損失は△3,767万円、親会社株主に帰属する当期純損失は△3,166万円を計上しています。営業活動によるキャッシュ・フローは△2,471万円の使用となりました。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | - | - | - | 17.6億円 |
| 経常利益 | - | - | - | - | △38百万円 |
| 経常利益率 | - | - | - | - | △2.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純損失 | - | - | - | - | △32百万円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | - | - | △3.76 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は16.6百万円、従業員1人あたりの営業利益は△0.3百万円となっています。連結財務諸表が当期から作成されているため、前期との比較はできません。
従業員1人あたりの売上高は、事業活動による収益創出力を示しており、従業員1人あたりの営業利益は、本業での収益性を表す指標となります。
| 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | - | 16.6百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | - | △0.3百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、将来の成長基盤構築に向けた投資を進めていますが、本業での資金創出力の強化と収益性の改善が課題となっています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は33.0%であり、非製造業のプライム市場平均と比較して高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)は△4.4%となっており、プライム市場平均を下回っています。現金及び預金は13.7億円を保有しており、手元資金は確保されています。これらの財務状況は、同社グループが事業運営に必要な資金を確保しつつ、収益性の改善が課題となっている状況を示しています。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 7.5億円 | 7.2億円 |
| 自己資本比率 | - | 33.0% |
| ROE(自己資本利益率) | - | △4.4% |
| 現金及び預金 | 16.6億円 | 13.7億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュフローは、税金等調整前当期純損失の計上などにより、△25百万円の使用となりました。これは本業での資金創出力が一時的に弱まっている状況を示しています。
投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出などにより、△11百万円の使用となりました。これは将来の成長に向けた投資が行われていることを示しています。
その結果、フリーキャッシュフローは△36百万円となり、本業で得た資金で投資を賄いきれていない状況です。財務活動によるキャッシュフローも短期借入金の純減少や長期借入金の返済などにより、△2.6億円の使用となっています。
これらの状況は、同社グループが成長に向けた投資を進める一方で、本業の収益性改善と資金創出力の強化が今後の課題であり、雇用や給与の安定性には事業の成長と収益改善が重要となることを示しています。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | △25百万円 |
| 投資CF | - | △11百万円 |
| 財務CF | - | △2.6億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | △36百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、インターネット広告事業において、グーグル合同会社、Meta Platforms, Inc.、LINEヤフー株式会社が提供する広告媒体に大きく依存しています。これらのメディア運営会社の経営方針や取引条件の変更が生じた場合、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、インターネット広告事業及びSaaS事業では、個人情報保護法やGDPRなどのプライバシー保護を目的とした法規制強化、大手プラットフォーム事業者によるサードパーティCookie利用制限のリスクがあります。これにより、インターネット広告におけるターゲティング精度や効果測定手法に大きな制約が生じ、主要な収益源に重大な影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、事業拡大や新規事業への進出において、人材の採用及び育成を重要な経営課題と捉えています。求める優秀な人材を十分に確保できない場合や、社内における人材育成が計画通りに進まない場合、事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
グラッドキューブは、インターネット広告からSaaS、スポーツメディア運営、受託開発まで多角的な事業を展開するテックカンパニーです。同社グループは、最先端技術とデータ解析力を強みに、顧客や社会に「喜び」を届けることを目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは2025年から新たなステージへ進むべく、ミッション、ビジョン、バリューを一新しました。ミッションは「最先端の技術を追求し、世界で価値創造できる企業にする」ことです。先進的な技術やテクノロジーを用いて、お客様やユーザーに寄り添った人間中心のサービスやプロダクトを開発・展開することを目指しています。
ビジョンは「世界中の人々に笑顔と喜び(glad)を届ける」こととしています。人にやさしいだけでなく、世界に立ち向かえる信念と強さを持ち、ワクワクさせるテックカンパニーを目指すとしています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
バリューとして「変化を愉しみ、新しい技術やアイデアに挑戦する」ことを掲げています。現状に満足せず常に改善を続け、新しい技術を愉しんで学び、アイデアをカタチにしていく挑戦を促しています。社名の由来である「喜びをカタチにする」ため、仕事を通じて社員とその家族、取引先を幸せにする連鎖を生み出すことを目指しています。
その行動指針として、10項目のバリューからなる「GC WAY(グラッドキューブウェイ)」を定めています。GC WAYには、約束の遵守、プロ意識、先手を取る姿勢、緻密な分析、挑戦と成長、本音での対話、諦めない心、日々の発見、仕事の楽しさ、顧客への最高の喜び提供などが含まれています。
同社グループは、創業時からDE&I(ダイバーシティ&インクルージョン)を原理原則とし、採用地や性別によらず人権を尊重し、社員一人ひとりがお互いを認め合う環境づくりに力を入れています。多様な人材が適材適所で活躍することを推進しており、2022年度には「大阪市女性活躍推進リーディングカンパニー」の最高ランク三つ星認証を取得しています。ジェンダーによる賃金差はなく、採用基準や業務、キャリアパスにおいても公平なチャンスが与えられています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、事業拡大や新規事業への進出を進める中で、「優秀な人材の確保」を重要な経営課題と捉え、人材の採用及び育成に関する各種施策を継続的に講じています。また、「情報セキュリティのリスク対応強化」も課題の一つであり、優秀な技術者の確保、職場環境の整備、社内教育による情報セキュリティの強化を図っています。
さらに、「迅速な意思決定を行うための組織体制の強化」として、効率的かつ迅速な経営意思決定のため、主要なKPIや財務数値をタイムリーに把握できる体制・仕組みの構築、役職員への適切な権限付与の整備を進めています。「内部管理体制の強化」も重要な課題であり、経営リスクの適切な把握とコントロール、不正防止、業務の適正性確保のため、内部統制システムの強化に取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
グラッドキューブは監査等委員会設置会社であり、取締役会は業務執行取締役と監査等委員である取締役で構成されています。監査等委員である取締役が取締役会で議決権を行使することで、監督機能の強化が図られています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
グラッドキューブの筆頭株主は、代表取締役CEOである金島弘樹氏が株式を100%保有する資産管理会社、ゴールドアイランドです。また、代表取締役CEOの金島弘樹氏個人も上位株主として名を連ねています。その他、取締役の金島由樹氏や専務取締役CFOの財部友希氏(戸籍名:畝田友希)も上位株主に含まれており、創業家や経営陣が上位を占める資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| ゴールドアイランド | 46.24% |
| 金島 弘樹 | 17.43% |
| MICイノベーション4号投資事業有限責任組合 | 4.47% |
| 山地 智功 | 2.96% |
| 金島 由樹 | 2.25% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性5名・女性2名)で構成され、女性役員比率は28.5%です。代表取締役CEOは金島弘樹氏が務めています。社外取締役比率は28.6%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 金島 弘樹 | 代表取締役CEO | 2002年株式会社エイワ入社。2007年合同会社GLAD CUBE設立取締役就任。2008年同社に組織変更し代表取締役就任。2014年代表取締役CEO就任より現職。2025年SPAIA, Inc.CEO就任より現職。 |
| 財部 友希 | 専務取締役CFO コーポレート本部長 | 2006年イケアジャパン入社。2011年アクセンチュア入社。2012年株式会社Catch設立代表取締役就任。2014年同社入社、取締役COO就任。2025年専務取締役CFO/コーポレート本部長就任より現職。 |
| 金島 由樹 | 取締役COO プロモーション統括 本部長 | 2011年同社入社。2020年プロモーション統括本部執行役員就任。2022年取締役プロモーション統括本部長就任。2023年取締役COO/プロモーション統括本部長就任より現職。 |
| 上杉 辰夫 | 取締役 | 1987年Apple Computer入社。1993年Global Micro Solutions設立代表取締役社長就任。2001年GMS Japan設立代表取締役会長就任。2025年同社取締役就任より現職。 |
社外取締役は、久保田匡美氏(久保田匡美公認会計士事務所開業)、池原浩一氏(池原公認会計士事務所開業・日本セラミック取締役(監査等委員))、樋口宣人氏(株式会社天地人執行役員COO)です。
同社は監査等委員会設置会社です。監査等委員である取締役が取締役会で議決権を行使することで、経営の監督機能の強化が図られています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
グラッドキューブの役員報酬は、業務執行取締役に対しては固定報酬と業績連動報酬で構成されています。業績連動報酬は、事業年度ごとの連結及び個別当期純利益の達成度合いに基づいて決定されます。一方、社外取締役および監査等委員である取締役の報酬は、経営陣からの独立性と監督機能を重視し、固定報酬のみとなっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 社外取締役(監査等委員を除く) | 2名 | 2百万円 | 1.0百万円 |
| 監査役 | 3名 | 7百万円 | 2.3百万円 |
| うち社外監査役 | 3名 | 7百万円 | 2.3百万円 |
同社役員報酬の総額は9百万円であり、報酬の支給対象となった役員は合計5名です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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