※本記事は、株式会社エスネットワークス の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月19日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
エスネットワークスは、連結子会社8社とともに、主にコンサルティング事業を展開しています。変革フェーズにある企業に対し、CFO機能をワンストップで提供し、経営課題の可視化から解決策の立案、実行までを一貫して支援しています。
同社グループの単体従業員数は155名、連結従業員数は279名です。事業セグメントはコンサルティング事業とその他の2つです。
主な国内グループ会社は、エスコーポレートソリューションズ(コンサルティング事業)、パラダイムシフトグループ(その他)などです。
同社グループは、BPOサービスの展開に向けて、子会社のエスコーポレートソリューションズが給与計算サービス等のペイロール事業を譲受しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
エスネットワークスは、経営者の支援と輩出を通じて日本経済に貢献することをミッションとするコンサルティング企業です。専門性の高いサービスを提供する中で、従業員の成長と多様な働き方を重視する環境が特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、比較的若手が多く活躍している環境であり、平均勤続年数や平均年齢から、キャリア形成の初期段階にある人材が成長機会を得やすい傾向がうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 9,262,000円 |
| 平均勤続年数 | 4.6年 |
| 平均年齢 | 33.2歳 |
| 単体従業員数 | 155人 |
| 連結従業員数 | 279人 |
| 単体のグループ内比率 | 55.6% |
同社は従業員の退職給付に充てるため、確定拠出制度を採用しております。この制度は、会社が拠出した資金を従業員が自ら運用するものです。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「経営者の支援と輩出を通じて日本国経済に貢献する」ことをミッションとし、持続的な事業成長と多様な価値創出のために人的資本の価値向上を重要な経営課題と認識しています。優秀なコンサルタントの採用・育成・定着を事業成長のキードライバーと捉え、人的資本に関連するリスクや機会を評価・管理しています。
人材戦略においては、多様な人材が持つ力を最大限発揮できるよう、新卒採用・中途採用ともに性別・国籍・バックグラウンドにとらわれず積極的に採用を行っています。特に新卒採用に注力し、実体験に基づく魅力訴求や幅広いレイヤーの社員が面接官を務めることで、求職者の会社理解を促進しています。
人材育成では、職種ごとに人事制度を分け、企業変革に必要なスキルをエンパワーメントスキル(ES)とトランスフォーメーションスキル(TS)に定義し、成長段階を明文化しています。ESとTSを伸ばすための環境として、Project Based Learning(PBL)とSubject Based Learning(SBL)が循環する仕組みを整備し、書籍助成制度や資格取得支援制度、全社員に個別のガイド(メンター)を設けるなど、体系的な育成を推進しています。
定着においては、ライフステージの変化に対応しやすい制度および風土づくりを進めており、コアタイムのないスーパーフレックス制度、在宅勤務、短時間勤務制度、働く時間の融通が利きやすいポジション・部署への異動などを導入しています。また、2022年からはWith Baby Programとして、母親・父親とも育児休業取得の推進、不妊治療費の助成、出産支援金の支給、託児施設利用費補助など、子育てしやすい環境整備に力を入れています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社の従業員を対象に算出しており、連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。管理職に占める女性労働者の割合および労働者の男女の賃金の差異は、女性活躍推進法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
多様性・登用
各指標は当社単体の数値を記載しております。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性社員比率 | 21.3% |
| 外国籍社員比率 | 3.9% |
育児・介護支援
各指標は当社単体の数値を記載しております。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 育児休業等取得率(男性) | 100.0% |
| 育児休業等取得率(女性) | 100.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
エスネットワークスは、変革フェーズにある企業に対し、CFO機能をワンストップで提供するコンサルティング事業を主軸としています。経営課題の可視化から解決策の立案、実行までを一貫して支援し、顧客企業が自走できる仕組みの構築を目指しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、株式会社エスネットワークスと連結子会社8社で構成され、主としてコンサルティング事業を展開しています。この事業は、経営支援、再生支援、BPO、海外進出支援の4つのサービスに区分されます。
経営支援コンサルティングサービスでは、M&AやIPOなどで成長フェーズにある企業を対象に、予実管理体制構築や事業計画策定、人事制度構築など、CFO領域全般のコンサルティングを常駐型の実務実行支援として提供しています。再生支援コンサルティングサービスでは、過剰債務などの課題を抱える企業に対し、再生計画の策定から実行までを支援し、事業の再成長をサポートしています。
BPOサービスでは、企業のコーポレート部門における給与計算業務などの定型的業務を受託・代行し、顧客企業が戦略的業務に集中できる体制構築を支援しています。海外進出支援コンサルティングサービスでは、東南アジアへの進出を検討する企業に対し、意思決定サポートや現地での必要手続きを全面的に支援しています。
同社グループの売上高は、主にコンサルティング事業におけるスポット契約とランニング契約から得られています。特にランニング契約が収益の大部分を占める構造となっています。地域別売上高を見ると、日本が大部分を占めるものの、ベトナムやその他の海外地域からも売上高を得ており、海外事業も展開しています。また、当連結会計年度においては、アンドファーマ株式会社と株式会社ツルハホールディングスが主要な顧客となっています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は継続的に増加傾向にあります。経常利益も同様に増加傾向を示しており、本業での収益力を着実に伸ばしていることがうかがえます。
一方で、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に大きく増加したものの、当期は減少となりました。これは、前期に投資有価証券売却益を計上していたことによる反動減が主な要因となっています。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 23.3億円 | 26.5億円 | 27.1億円 | 29.5億円 | 34.2億円 |
| 経常利益 | 1.6億円 | 2.4億円 | 2.5億円 | 2.9億円 | 3.4億円 |
| 経常利益率 | 7.0% | 8.9% | 9.3% | 10.0% | 9.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1.2億円 | 1.4億円 | 1.4億円 | 3.0億円 | 2.2億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 43.97 | 49.41 | 46.43 | 100.25 | 71.78 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期と比較してわずかに減少しました。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から減少する結果となっています。これらの指標は、従業員数が増加する中で、一人ひとりの生産性維持・向上に向けた取り組みが継続的に行われている状況を示しています。
| 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 12.8百万円 | 12.3百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.3百万円 | 1.1百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、事業活動で安定的に資金を生み出し、将来に向けた投資も行いつつ、手元資金を確保している状況です。これにより、経営基盤の安定性が示されています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率と潤沢な手元資金によって強固な状態を示しています。自己資本比率はプライム市場平均と比較して高い水準にあり、ROEも平均を上回っています。これらの指標は、同社グループが安定した経営を維持し、将来の不測の事態にも対応できる財務的な余裕があることを示しています。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 15.7億円 | 18.3億円 |
| 自己資本比率 | 65.8% | 65.1% |
| ROE(自己資本利益率) | 21.3% | 13.4% |
| 現金及び預金 | 12.6億円 | 13.8億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業である営業活動で安定的に資金を生み出している状況です。当期における営業活動によるキャッシュフローは収入となりましたが、前期と比較すると減少しています。これは主に税金等調整前当期純利益の計上や法人税等の支払額によるものです。
投資活動によるキャッシュフローは支出に転じました。これは事業譲受による支出があった一方で、事業譲渡による収入や投資事業組合からの分配による収入も計上されています。財務活動によるキャッシュフローは支出となりましたが、前期と比較して支出額は減少しています。これは長期借入れによる収入があったものの、長期借入金の返済や配当金の支払があったためです。
結果として、フリーキャッシュフローはプラスを維持しており、本業で得た資金を投資に回しつつも、手元に資金を残す優良な状態を示しています。この資金の流れは、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来の成長に向けた投資も行える財務的な基盤があることを示しており、雇用や給与の安定性にもつながるものと考えられます。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 3.7億円 | 2.1億円 |
| 投資CF | 2.2億円 | △72百万円 |
| 財務CF | △4.4億円 | △17百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 5.9億円 | 1.4億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、景気変動による業績への影響をリスクとして認識しています。経営支援コンサルティングは景気悪化で、再生支援コンサルティングは好況時にニーズが減少する傾向があります。また、コンサルティング事業は参入障壁が低く、同業者間での競争が激しくなる可能性もリスクとして挙げられています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、人的リソースに関するリスクを認識しています。知識と専門性を備えた人材の採用・育成が計画通りに進まない場合や、優秀な人材の社外流出によって業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
エスネットワークスは、「経営者の支援と輩出を通じて、日本国経済に貢献する」という明確なミッションを掲げ、挑戦者たちと共に成長し、変革を推進する企業文化を大切にしています。同社グループは、経営に科学と熱量を持ち込み、企業に変革をもたらすことを目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
エスネットワークスグループは、「経営者の支援と輩出を通じて、日本国経済に貢献する」ことをMISSION(ミッション)として掲げています。このミッションを実現するために、「挑戦者たちとパートナーとなり、相互の成長と広がりを実現する場」をVISION(ビジョン)として目指す姿としています。同社グループは、経営に科学と熱量を持ち込み、企業に変革をもたらすことを通じて、企業価値の最大化を図ることを経営の基本方針としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、行動指針であるVALUE(バリュー)として「経営に科学を、組織に熱量を、企業に変革を。」を掲げ、企業価値の最大化を図ることを経営の基本方針としています。人的資本経営においては、多様な人材が持つ力を最大限発揮することで、顧客に提供できる価値を最大化できると考えています。そのため、新卒採用・中途採用ともに性別・国籍・バックグラウンドにとらわれず、多様な人材の採用を積極的に行っています。
社員の成長を支援する役割として、全社員個別にガイドと呼ばれるメンターを設け、ガイドによる1on1を定期的に推進しています。ライフステージが多様化した昨今に対応するため、コアタイムのないスーパーフレックス制度、在宅勤務、短時間勤務制度、育児休業取得の推進、不妊治療費の助成などを導入し、多様な働き方を推進しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、持続的な成長のために最も重要な経営資源は人材であると認識しており、優秀な人材の採用と育成を優先的に対処すべき課題としています。具体的には、人事評価制度や賃金制度の見直し、多様な働き方を支える業務環境や福利厚生の改善、実践型研修の充実、成長支援のための1on1面談の実効性強化といった制度面での対応を積極的に進めています。
また、採用手法の拡充や選考プロセスの見直しを継続的に取り組んでいます。特定の分野に限定されず、管理部門領域全般や企業の変革期に関する幅広く深い知識と経験を有する高度な人材の育成・輩出にも取り組んでいます。社内外問わず人材が流動的に行き来する仕組み(リボルビングドア)を構築するため、ブランディング活動を通じて労働市場に訴求し、優秀な人材を惹きつける正のスパイラルを作り出すことを目指しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
エスネットワークスは監査等委員会設置会社であり、取締役会が経営戦略の決定と執行モニタリングを担い、監督機能の強化を図っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
エスネットワークスの株主構成を見ると、事業会社が上位に名を連ねています。筆頭株主は株式会社58であり、そのほか株式会社須原屋やセキュア・ベース株式会社といった法人が主要な株主となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 株式会社58 | 33.40% |
| 株式会社須原屋 | 16.46% |
| セキュア・ベース株式会社 | 5.69% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性5名・女性1名)で構成され、女性役員比率は16.7%です。代表取締役社長は高畠義紀氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 高畠 義紀 | 代表取締役社長 | 1998年4月インテリジェンス(現パーソルキャリア)入社、2000年6月同社入社。海外子会社のDirectorを歴任し、2019年3月同社取締役、2021年1月より同社代表取締役現職。 |
| 武林 聡 | 取締役 | 1987年4月リクルート入社、1992年9月インテリジェンス入社。複数の企業で代表取締役社長を歴任し、2016年3月より同社取締役現職。 |
社外取締役は、江連裕子氏(セント・フォース所属フリーアナウンサー・監査等委員)、若林義人氏(西村あさひ法律事務所・外国法共同事業パートナー・監査等委員)、竹内在氏(セレンディップ・ホールディングス代表取締役社長兼CEO・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会における議決権を持つ監査等委員である取締役が、取締役会のモニタリング機能の強化を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
エスネットワークスの役員報酬は、固定報酬と業績連動報酬で構成されています。業績連動報酬は、各連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益に対して5%を役位に応じて配分する仕組みです。
監査等委員でない取締役の報酬は報酬委員会で審議された上で取締役会にて決定され、監査等委員である取締役の報酬は監査等委員会での協議により決定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 2名 | 67百万円 | 33.7百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 12百万円 | 12.0百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 18百万円 | 6.0百万円 |
連結報酬等の総額が1億円以上の役員は存在しないため、個人別の開示は行われていません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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