【平均年収625万円】なとり 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収625万円】なとり 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

なとりは、グループ各社とともに、おつまみを中心とした食品製造販売事業と不動産賃貸事業を展開しています。連結従業員数は815名で、直近の業績は減収減益となりました。


目次

※本記事は、株式会社なとり の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


なとりは、おつまみを中心とした食料品全般にわたる食品製造販売事業と不動産賃貸事業を主な内容として事業活動を展開しています。同社グループは、なとりと5社の子会社で構成されています。

単体従業員数は583名、連結従業員数は815名です。セグメントは食品製造販売事業、不動産賃貸事業の2つです。

主な国内グループ会社は、なとりデリカ(食品製造販売事業)、全珍(同)、名旺フーズ(同)、メイホク食品(同)、函館なとり(同)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


なとりグループは、長年にわたり「おつまみ」という独自のコンセプトを追求し、食品製造販売事業を展開しています。従業員の平均勤続年数や平均年齢から、比較的安定した環境でキャリアを築ける可能性がうかがえます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、従業員が長く働き続けられる環境を提供している傾向が見られます。平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高いことから、経験を積んだ人材が定着していることがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 6,247,215円
平均勤続年数 17.0年
平均年齢 40.4歳
単体従業員数 583人
連結従業員数 815人
単体のグループ内比率 71.5%


【退職給付制度】
同社グループは、従業員の退職給付制度として、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の両方を採用しています。これらの制度は、同社および連結子会社に適用されます。

退職一時金制度も存在します。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、確定給付制度における退職給付債務は6.3億円です。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


なとりグループは、人的資本を持続的成長と企業価値向上に不可欠な経営資源と位置付け、経営戦略と連動した人材の採用、配置、育成、環境整備に取り組んでいます。中期経営計画「Next Value up for 80」では、「すべての人材が活躍でき働きがいのある職場づくり」を重点戦略として掲げています。

給与やその他の給付は、公平性、成果、役割、能力などに応じて決定されます。正規雇用労働者の基本給は資格等級と号俸に基づき、本人の能力や経験、成果を評価して反映され、世間相場を考慮したベースアップも実施されています。賞与は会社の業績と個人の成果に加え、従業員の生活安定も考慮して決定されます。

人材育成においては、階層別研修の実施、通信教育・資格取得報奨金制度の拡充、部門横断型のジョブローテーションなどを通じて、従業員一人ひとりの能力向上を支援しています。また、多様な人材が能力を最大限に発揮できるよう、人事諸制度の見直しや、育児・介護をしながら働く従業員への柔軟な勤務体制の整備、転勤者支援など、社内環境の整備にも積極的に取り組んでいます。具体的には、小学校4年生まで利用できる育児短時間勤務制度や託児施設利用補助、男性育児休業の取得促進のための育児目的休暇の創設などがあります。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。管理職に占める女性労働者の割合は2026年3月31日現在、男性育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異の対象期間は2025年4月1日から2026年3月31日です。男女賃金差異は、同一労働の賃金に差はなく、等級別や転勤の有無などによる社員区分別の人員構成の差によるものです。

指標 数値
女性管理職比率 12.7%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 62.4%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 71.5%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 65.6%

グループ全体(連結)


連結会社全体の法定開示データです。対象子会社は株式会社なとりデリカ、株式会社全珍、株式会社名旺フーズ、メイホク食品株式会社、株式会社函館なとりの計5社です。男女賃金差異は、同一労働の賃金に差はなく、等級別や転勤の有無などによる社員区分別の人員構成の差によるものです。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 12.3%
男性労働者の育児休業取得率 100.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 56.0%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 69.5%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 73.9%

働きやすい職場づくり


男性育児休業取得率は、育児休業等および育児目的休暇の取得割合を算出したものです。

指標 数値
女性管理職比率 12.3%
男性育児休業取得率 100.0%

人材育成


産前産後休業から育児休業を経て復職した従業員の復職率について、2025年3月期および2026年3月期に復職していない従業員は2027年3月期以降に復職予定です。

指標 数値
研修派遣人数(2020年3月期以降累計) 1,553名
通信教育受講及び資格取得件数(2020年3月期以降累計) 1,649件
産前産後休業から育児休業を経て復職した従業員の復職率 0.0%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


なとりグループは、おつまみを中心とした食品製造販売事業と不動産賃貸事業を展開しています。長年にわたり食卓に親しまれる製品を提供し、安定した事業基盤を築いています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


なとりグループは、おつまみを中心とした食料品全般の製造販売と不動産賃貸を主な事業内容としています。同社グループは、子会社5社とともに事業活動を展開しています。収益は主に製品の販売から得ており、顧客に製品の支配が移転した時点で認識しています。

海外への売上高や有形固定資産は本邦以外にないため、国内市場に特化した事業展開となっています。また、特定の顧客への売上集中が見られ、複数の主要な取引先が存在しています。

食品製造販売事業

水産加工製品、畜肉加工製品、酪農加工製品、農産加工製品、ポケット菓子製品、チルド製品、その他製品の製造販売を行っています。おつまみ需要だけでなく、おやつ需要にも対応した新製品の導入にも取り組んでいます。収益は、これらの製品の製造・販売から得ています。

不動産賃貸事業

不動産の賃貸を行っています。収益は、不動産の賃貸収入から得ています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
食品製造販売事業 485億円 482億円
不動産賃貸事業 4.3億円 4.3億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


なとりグループの過去5期間の業績推移を見ると、売上高は概ね増加傾向にありましたが、直近の当連結会計年度ではわずかに減少しました。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益も、前期と比較してわずかな減益となっています。

これは、一部製品の価格改定による販売数量の一時的な落ち込みがあった一方で、主力製品の販売促進や新製品の導入により売上が伸長したためです。利益面では、原材料価格の上昇やエネルギー価格、物流費、人件費の増加が影響しましたが、コストコントロールやプロダクトミックスの改善により、期初予想を上回る成果を上げています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 451億円 451億円 476億円 489億円 486億円
経常利益 23.1億円 6.5億円 21.6億円 20.3億円 19.3億円
経常利益率 5.1% 1.4% 4.5% 4.1% 4.0%
親会社株主に帰属する当期純利益 15.6億円 4.1億円 14.0億円 13.5億円 13.4億円
1株当たり当期純利益(円) 123.78 32.38 111.28 107.45 106.70

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


なとりグループの従業員1人あたりの売上高は、前期からわずかに減少しました。従業員1人あたりの営業利益も、前期と比較してわずかに減少しています。

これは、売上高と営業利益がともに前期から減少したことによるものです。同社グループは、棚卸資産の管理や回転率の向上、営業キャッシュ・フローの確保に注力しており、今後の生産性向上に向けた取り組みが期待されます。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 60.2百万円 59.6百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 2.4百万円 2.3百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


なとりは、安定した財務基盤を築いていることがうかがえます。本業で得た資金を元手に、事業活動を継続しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


なとりの財務基盤は、高い自己資本比率によって強固な状態を示しています。プライム市場の製造業平均と比較しても、その水準は高いです。手元資金である現金及び預金も増加しており、不況時への耐性があることがうかがえます。一方で、ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回る水準となっています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 262億円 277億円
自己資本比率 63.1% 65.0%
ROE(自己資本利益率) 5.3% 5.0%
現金及び預金 45.1億円 46.1億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


なとりグループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出している状況を示しています。当連結会計年度の営業活動によるキャッシュフローは収入となっており、主に税金等調整前当期純利益があったことによるものです。投資活動によるキャッシュフローは支出となっており、工場における生産設備の導入など、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出が主な要因です。この結果、フリーキャッシュフローは収入となっており、本業で得た資金が投資を上回っていることがわかります。財務活動によるキャッシュフローは支出となっており、長期借入金の返済やファイナンス・リース債務の返済による支出が主な要因です。これらの資金の流れから、同社グループは本業で安定した資金を確保しつつ、将来に向けた投資も行い、かつ借入金の返済も進めていることがうかがえます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 3.4億円 16.8億円
投資CF 21百万円 △4.9億円
財務CF △19.3億円 △11.9億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 3.6億円 11.9億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

なとりグループは、お客様の嗜好の多様化や少子高齢化、購買パターンの変化など、市場の変化への迅速な対応を重要な課題として認識しています。おつまみ業界の競争激化に対応するため、新商品開発の強化と既存品のリニューアルに取り組んでいます。また、原材料の約6割を海外に依存しており、その約4割が為替変動の影響を受けるため、為替相場の急激な変動が経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


なとりは、「ひとつまみの幸せ。」を企業メッセージに掲げ、食文化の創造と発展を通じて社会に貢献することを目指しています。おつまみ事業の維持・拡大と収益力強化に努め、社会的に価値ある企業として、関わるすべての人々が誇りを持てる会社を目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


なとりグループは、「自由闊達にして公正で節度ある企業活動により、食文化の創造と発展を通して、顧客満足・株主還元・社会貢献の実現を図り、社会的に価値ある企業として、この会社に係わるすべての人が誇りを持てる会社を目指す」ことを経営理念としています。
「素材の風味を活かし、生産・流通・販売において温度帯にとらわれず、手軽に食べられ、様々な食シーンにマッチする、楽しさの演出に欠かせないおつまみをお客様にお届けします。」をミッションとし、「ひとつまみの幸せ。」を企業メッセージに掲げています。
第80期ビジョンでは、「“もっと”おいしく、楽しく、ワクワクするおつまみをお届けする会社」を目指し、おつまみ事業の維持・拡大と収益力の強化に努めています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


なとりグループは、経営理念として「自由闊達にして公正で節度ある企業活動により、食文化の創造と発展を通して、社会的に価値ある企業を目指す」ことを掲げています。
「”飽くなき食への探究心”に基づいたものづくりへの情熱」を原点とし、挑戦と革新を続けることを重視しています。
同社グループが求める人物像は、「正直、親切、誠実な人」「俊敏に、主体的に、柔軟に行動できる人」「情熱をもって挑戦し、周囲に活力を与え、失敗しても決してあきらめない人」です。
社員が能力を最大限に発揮できる社内環境の整備にも力を入れており、自己申告制度や面接制度を通じて、従業員の希望を尊重したキャリアプランを支援しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


なとりグループは、第6次中期経営計画「Next Value up for 80」において、3つの重点戦略に取り組んでいます。
「すべての人材が活躍でき働きがいのある職場づくり」では、良好なコミュニケーションと人事制度の充実を推進しています。
「SDGsへの取り組みとガバナンスの強化」では、二酸化炭素排出量の削減や社会貢献活動、品質保証体制の徹底などを進めています。
今後の事業環境は物価上昇やエネルギー価格高騰など不透明な状況が想定される中、人材確保のための賃上げを含む前向きな投資も課題としています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


なとりは、取締役会による監督機能と監査役による職務執行監査機能を持つ監査役会設置会社制度を採用しています。経営の透明性・健全性の強化と監督・監査機能の強化に努める体制です。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


なとりの筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(信託口)であり、機関投資家が上位を占める構成となっています。なとり取引先持株会や代表取締役会長兼社長である名取三郎氏も上位株主として名を連ねています。

株主名 持株比率
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 7.37%
なとり取引先持株会 5.20%
名取三郎 3.55%
名取晟一郎 3.54%
有限会社エヌアンドエフ 3.36%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は12名(男性11名・女性1名)で構成され、女性役員比率は8.3%です。代表取締役会長兼社長は名取三郎氏が務めています。社外取締役比率は37.5%です。

氏名 役職 主な経歴
名取三郎 代表取締役会長兼社長 1973年7月 同社入社、1973年7月 取締役、2005年3月 同社代表取締役社長、2012年6月 同社代表取締役会長兼社長より現職。
名取光一郎 取締役専務執行役員営業本部長 2004年4月 同社入社、2018年6月 取締役、2020年4月 同社常務執行役員営業本部長、2024年6月 同社専務執行役員より現職。
山形正 取締役執行役員食品安全推進本部長 1984年4月 同社入社、2004年6月 執行役員、2012年6月 取締役、2026年1月 同社食品安全推進本部長より現職。
阿部覚 取締役執行役員生産本部長 1990年4月 同社入社、2011年6月 執行役員、2019年6月 同社生産本部長、2020年6月 取締役より現職。
安宅茂 取締役執行役員経営企画部長兼経理部長 2003年4月 同社入社、2016年6月 執行役員、2020年6月 取締役、同社経営企画部長兼経理部長より現職。


社外取締役は、中尾誠男氏(元三菱化学エンジニアリング取締役・経営諮問委員会委員)、竹内冨貴子氏(カロニック・ダイエット・スタジオ代表取締役・経営諮問委員会委員)、蒲生邦道氏(元東洋エンジニアリング代表取締役CFO・経営諮問委員会委員長)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会による監督機能と監査役による取締役の職務執行監査機能を持つ体制です。独立性の高い社外取締役3名と社外監査役3名が経営の監督・監視を行っています。また、社外取締役を主体とした経営諮問委員会を設置し、役員指名・報酬や経営全般について諮問を行うことで、経営の透明性・健全性を高めています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


なとりの取締役の報酬は、固定報酬である基本報酬、業績連動報酬である賞与、および退職慰労金で構成されています。業績連動報酬の賞与は、収益力を示す営業利益等を指標基準として支給総額が算定されます。業務執行から独立した立場である社外取締役には賞与は支給されていません。監査役の報酬は、経営に対する独立性・客観性を重視し、固定報酬である基本報酬のみで構成されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 5名 2.0億円 39.4百万円
監査役(社外除く) 1名 6百万円 6.0百万円
社外役員 6名 31百万円 5.2百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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