※本記事は、ブルーイノベーション株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月30日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ブルーイノベーションは、ドローンやAGVなどの自律移動ロボットを遠隔制御・統合管理するソフトウェアプラットフォーム「Blue Earth Platform(BEP)」を基軸に、人が実施していた設備の点検や物流などの業務を効率化・安全化・省力化するソリューションを提供しています。同社は、点検、ポート、教育、ネクストの4つのソリューションを展開しています。
単体従業員数は68名です。同社の事業はドローン関連事業の単一セグメントです。
ブルーイノベーションは、ドローン関連事業の単一セグメントで事業を展開しており、BEPを軸としたソリューションパッケージの導入コンサルティングから保守メンテナンスまでを一貫して提供しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ブルーイノベーションは、ドローン関連事業を単一セグメントとする専門性の高い企業です。同社での働き方は、事業特性や企業文化が色濃く反映された環境であると考えられます。このセクションでは、同社の給与水準や従業員の在籍傾向、そして人材育成や多様性に関する取り組みについて詳しく見ていきます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均年齢が比較的若く、平均勤続年数も短い傾向にあります。これは、新しい技術分野で事業を展開する企業として、活発な人材の流動性や成長機会の多さを示唆している可能性があります。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,132,000円 |
| 平均勤続年数 | 4.6年 |
| 平均年齢 | 41.4歳 |
| 単体従業員数 | 68人 |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、人材を最も重要な経営資本と位置づけ、経営理念の実現に向けた行動指針として「自律(インテグリティ)」「行動(チャレンジ)」「貢献(ギフト)」を定めています。これらの行動指針を軸に、人材の採用、育成、評価制度の設計を行っています。
また、サステナブルな事業成長のためには「安心、安全な環境」と「ダイバーシティ、グローバル」の考え方を重視しています。あらゆる多様性を認め、誰もが働きがいを持って活躍できる環境を作るため、社内環境整備に関する施策を実施しています。
具体的には、多様性に富んだ優秀な人材、特に外国籍の従業員の積極的な採用を進めています。さらに、あらゆる場所で働けるリモートワークの推進にも取り組んでおり、柔軟な働き方を支援する方針です。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
同社は、女性活躍推進法および育児介護休業法に基づく公表義務の対象ではないため、提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ブルーイノベーションは、ドローンやAGVといった自律移動ロボットを統合管理するためのソフトウェアプラットフォーム「Blue Earth Platform(BEP)」を基軸に、社会インフラの点検や防災など多岐にわたるソリューションを提供する企業です。人が行っていた業務をロボットで代替し、効率化、安全化、省力化を実現することを目指しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社の事業は、ドローン関連事業の単一セグメントで構成されています。その中でも、社会インフラの老朽化に伴う点検需要の増加に対応する「点検ソリューション」が主要な事業分野です。その他に、ドローンが離発着するドローンポートシステムを提供する「ポートソリューション」、ドローンパイロットの育成を行う「教育ソリューション」、そして次なる事業の柱を創造する「ネクストソリューション」を展開しています。
同社の収益モデルは、ソリューションの導入コンサルティングから実証実験、導入講習、本格導入、保守メンテナンスまで一貫して提供するものです。ドローン機体のリース契約や点検サービスの月額課金形態といった継続的な収益モデルも採用しており、安定した収益基盤の構築を目指しています。教育ソリューションでは、業務委託料も収益源となっています。
同社は、屋内施設のようなGPSが利用できない特殊環境下での点検に強みを持っています。また、特定のハードウェアに限定せず、顧客の環境に合わせた最適なドローンとセンサーを選定し、ソフトウェア開発を行うことで、幅広いソリューションを提供できる点が強みです。さらに、JUIDAや官公庁と連携し、全国に広がるパイロットネットワークを構築していることも、同社のユニークなポジショニングにつながっています。
同社の売上高は、本邦の外部顧客への売上高が全体の大部分を占めており、海外比率は低い傾向にあります。また、特定の顧客への販売実績が総販売実績の一定割合を占める傾向が見られます。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の売上高は、直近の事業年度において前期から減少傾向にあります。営業損失、経常損失、当期純損失は前期から拡大しており、特に当期純損失の拡大には固定資産の減損損失計上が影響しています。
営業活動によるキャッシュ・フローは前期に引き続き資金を使用していますが、その使用額は減少しています。一方で、財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行や株式の発行により資金を獲得しており、資金調達を進めている状況です。
ソリューション別の売上高を見ると、点検ソリューションは前期から微増していますが、ポートソリューション、教育ソリューション、ネクストソリューションはいずれも減少しています。ストック型売上も減少しており、ストック型売上比率も低下していますが、これは採算性を重視した提供内容の見直しによる構成変更が要因とされています。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社の従業員1人あたり売上高(連結)および従業員1人あたり当期純利益(連結)については、開示されている情報がありません。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社の財務状況を見ると、現在は成長投資フェーズにあり、資金の流れに特徴が見られます。自己資本と手元資金の状況、そして事業活動による資金の動きから、同社の安定性を確認できます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の自己資本比率は前期から大きく低下し、当期は14.4%となっています。これはプライム市場の非製造業平均(24.2%)と比較して低い水準です。ROE(自己資本利益率)は当期、前期ともにマイナスを示しており、収益性には課題がある状況です。手元資金である現金及び預金は増加しており、一定の流動性を確保しています。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産合計 | 6.3億円 | 2.1億円 |
| 自己資本比率 | 47.2% | 14.4% |
| ROE(自己資本利益率) | △62.3% | △309.6% |
| 現金及び預金 | 6.7億円 | 9.9億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュフローが当期もマイナスで、前期から使用額が減少しています。これは主に税引前当期純損失の計上によるものです。投資活動によるキャッシュフローもマイナスであり、有形固定資産の取得による支出が主な要因です。フリーキャッシュフローは当期もマイナスとなっており、本業の稼ぎだけでは投資を賄えていない状況を示しています。
財務活動によるキャッシュフローは当期にプラスに転じており、社債の発行や株式の発行による収入で資金を調達していることがわかります。同社は先行投資を継続する方針であり、引き続き一定期間は赤字を想定していることから、資金調達による成長投資フェーズにあると言えます。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △4.9億円 | △3.3億円 |
| 投資CF | △0.4億円 | △0.3億円 |
| 財務CF | △0.2億円 | 6.8億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △5.3億円 | △3.6億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、特定の取引先であるJUIDAへの売上高比率が当期で13.1%となっています。また、ソリューション開発には不確実性が伴い、当初想定した成果が得られない場合や、成果が十分に収益に繋がらない場合も想定されます。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、今後さらなる成長を遂げるために、優秀な人材の確保と育成を重要課題の一つと位置づけています。これらの要員を十分に採用できない場合や、育成が十分に進まらなかった場合、あるいは在職中の従業員が退職した場合には、事業拡大の制約となる可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ブルーイノベーションは、ドローンやロボットを活用した社会インフラの構築を目指し、新しい価値創造と持続可能な社会の実現に貢献する企業です。同社は、技術革新を通じて人々の生活を豊かにすることを使命としています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は、「新しい発想(アイデア)・創造・技術革新(イノベーション)によって、世界中の人々に安心、安全、便利、楽しさを提供し、人々の豊かな生活の実現に貢献する。」を経営理念として掲げています。
2030年ビジョンとしては、同社のBEPを自律分散型システムへと拡張し、新しい世界の社会インフラを支えるリーディングカンパニーになることを目指しています。具体的には、ドローン、ロボット、AGV等の新しい自律移動ロボットを繋ぐシステムのインフラとなり、スマートで新しいまちづくりに貢献することを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は、サステナブルな企業価値の向上のためには人材が最も重要な経営資本であると考えています。経営理念の実現に向けた行動指針として、「①自律(インテグリティ)、②行動(チャレンジ)、③貢献(ギフト)」を定めています。これらの行動指針を軸に、人材の採用、育成、評価制度の設計を行っています。
また、同社は「安心、安全な環境」の提供と、多様な思想や個性によって創造される「ダイバーシティ、グローバル」という考え方を重視しています。あらゆる多様性を認め、誰もが働きがいを持って活躍できる環境を作るため、外国籍の従業員の積極的な採用やリモートワークの推進等に取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、事業の拡大局面において持続的かつ効率的に価値を提供できる体制構築を人材面の課題として認識しています。今後は、個別対応を前提とした体制から、標準化及びパッケージ化を軸とした事業モデルへの転換を支える人材の確保及び育成に取り組む方針です。
具体的には、ドローン及びロボットの運用に関する専門人材に加え、システム設計、データ活用、プロジェクト管理等の分野において、事業全体を俯瞰し、標準化されたサービスを効率的に展開できる人材の育成及び配置を進めています。また、多様な人材が能力を発揮できる環境整備にも注力し、教育・研修制度の充実や柔軟な働き方の推進を通じて、人材の定着及び成長を促進しています。
組織体制の整備及び内部管理体制の強化も重点テーマの一つです。事業の成長段階に応じた組織体制の見直し及び強化に継続的に取り組み、標準化及びパッケージ化を前提とした事業運営を効率的に推進できる体制の構築を進めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ブルーイノベーションは監査等委員会設置会社であり、取締役会による監督と監査等委員による監査の二重チェック体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の筆頭株主は代表取締役社長の熊田貴之氏です。創業家である熊田貴之氏と熊田雅之氏が上位株主として名を連ねています。特定の株主グループが経営に強い影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 熊田 貴之 | 37.02% |
| 福田 重男 | 4.47% |
| 熊田 雅之 | 2.81% |
| いであ | 2.00% |
| MSCO CUSTOMER SECURITIES | 1.60% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は5名(男性5名・女性-名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長最高執行役員は熊田貴之氏が務めています。社外取締役比率は60.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 熊田 貴之 | 代表取締役社長 最高執行役員 | 2004年4月株式会社水圏科学コンサルタント入社、2010年4月同社入社COO、2012年6月同社代表取締役社長、2022年6月同社最高執行役員より現職。 |
| 熊田 雅之 | 取締役 副社長執行役員 (ソリューション本部管掌 兼 システム開発本部管掌) | 2002年4月富士ソフト株式会社入社、2011年7月同社入社、2012年6月同社取締役、2022年6月同社副社長執行役員システム開発本部管掌、2026年3月同社副社長執行役員ソリューション本部管掌兼システム開発本部管掌より現職。 |
社外取締役は、古川聖氏(元ディジタルメディアプロフェッショナル常務取締役経理部長兼CFO・常勤監査等委員)、野島威氏(株式会社トイカード相談役・監査等委員)、中川雅博氏(伊藤忠商事理事・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役全員が社外取締役で構成されています。社外取締役は、会社経営や会計財務に関する専門的な知見に基づき、経営監視機能の客観性と中立性を確保する役割を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、固定報酬を基本としています。各取締役の役位、役割、貢献度を考慮して決定されており、業績連動報酬は採用していません。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 4名 | 56百万円 | 13.9百万円 |
| 社外取締役 | 3名 | 16百万円 | 5.2百万円 |
なお、総額には期中に退任した役員の報酬が含まれます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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