※本記事は、株式会社雨風太陽 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
雨風太陽は、「都市と地方をかきまぜる」をミッションに掲げ、生産者と消費者を直接つなぐサービスを展開しています。産直アプリ「ポケットマルシェ」を主軸に、旅行事業や自治体支援サービスも手掛けています。
単体従業員数は37名です。セグメントは個人向けサービス、法人向けサービス、全社(共通)の3つです。
同社は、産直アプリ「ポケットマルシェ」の運営をはじめ、サブスクリプションサービス、食材付き情報誌「食べる通信」プラットフォーム、ふるさと納税プラットフォーム「ポケマルふるさと納税」などを直接提供しています。
同社は2025年4月に宿泊予約サイト「STAY JAPAN」を事業譲受し、同年6月には東北食べる通信事業を譲渡しました。また、2024年10月には結婚相談所「ちほ婚!」を開設し、事業領域を拡大しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
雨風太陽は、「都市と地方をかきまぜる」というビジョンを掲げ、地域活性化に貢献する事業を展開しています。同社では、事業の成長フェーズにおいて、個人の裁量や貢献度が重視される働き方が期待できる環境です。給与水準や働き方の詳細は、以下の各項目で確認できます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均年齢が30代後半であり、比較的若い世代が中心となって事業を推進している傾向が見られます。平均勤続年数は3年半程度となっており、新しい人材が加わりながら組織が形成されている状況を示しています。これらのデータは、活気ある組織風土の中でキャリアを築く機会がある環境であることを示しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,421,000円 |
| 平均勤続年数 | 3.5年 |
| 平均年齢 | 38.8歳 |
| 単体従業員数 | 37人 |
| 連結従業員数 | - |
| 単体のグループ内比率 | - |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
雨風太陽は、持続的成長と企業価値向上を実現するために、人材を最も重要な経営資源と位置付けています。同社は、多様性に富んだ優秀な人材を積極的に採用し、事業の成長に貢献できる人材の確保と継続的な雇用の創出に努める方針です。また、採用した社員の可能性を最大限に引き出し、その活力を組織として活かすため、個人と企業が共に成長する環境と風土づくりを推進しています。このような取り組みを通じて、社員一人ひとりが能力を発揮し、企業価値向上に繋がることを目指しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
雨風太陽は、女性活躍推進法および育児介護休業法に基づく公表義務の対象ではないため、法定開示データは記載を省略しています。
雨風太陽は、人材の育成及び社内環境整備に関する具体的な指標及び目標については、現時点において定めていない状況です。今後必要に応じて検討していく方針を示しています。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社雨風太陽は、都市と地方、生産者と消費者の分断をなくし、場所と人をつなぐことをミッションとしています。顔の見える生産者と消費者を直接つなぐプラットフォームの運営を通じて、地域社会の持続可能性に貢献することを目指しています。同社は主に「個人向けサービス」と「法人向けサービス」の2つのセグメントで事業を展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、生産者と消費者が直接コミュニケーションを取りながら食材を売買できる産直アプリ「ポケットマルシェ」を主力サービスとしています。このほか、地方での自然体験を提供する子ども向け企画旅行「ポケマルおやこ地方留学」や、ふるさと納税の仕組みを活用した「ポケマルふるさと納税」なども手掛けています。収益は、商品代金に応じた手数料収入、サブスクリプションサービスの売上、自治体向け支援サービスの委託費、企画旅行の売上など、多岐にわたる源泉から得ています。特定の顧客への収益集中や、海外売上高が全体の90%を超えるような状況はありません。
個人向けサービス
同社は、全国の農家や漁師から直接旬の食べ物を購入できる産直アプリ「ポケットマルシェ」を運営しています。このプラットフォームでは、生産者と消費者が直接コミュニケーションを取りながら取引を進めることができます。また、定期的に旬の食材が届くサブスクリプションサービスや、子ども向けの企画旅行「ポケマルおやこ地方留学」も提供しています。
収益は、産直アプリにおける商品代金に応じた手数料収入や、サブスクリプションサービスの売上、企画旅行の売上などから得ています。このセグメントの売上高は、前期と比較して減少しています。
法人向けサービス
同社は、自治体からの委託事業を中心とした自治体支援サービスを展開しています。関係人口創出や、海業、農泊といった旅行領域での新規案件の受託を増やしています。また、ふるさと納税の仕組みを活用したプラットフォーム「ポケマルふるさと納税」も提供しています。
収益は、自治体向け支援サービスの委託費や、ふるさと納税における自治体・生産者からの手数料収入から得ています。このセグメントの売上高は、前期と比較して増加しています。
| セグメント | 売上高(2024年12月期) | 売上高(2025年12月期) |
|---|---|---|
| 個人向けサービス | 7.5億円 | 7.3億円 |
| 法人向けサービス | 2.7億円 | 3.0億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高が前期からわずかに増加しました。営業損失は大幅に縮小し、経常利益は上場以来初めて黒字に転換しています。しかし、特別損失として計上されたのれんの減損損失により、当期純損失は依然として発生している状況です。本業の収益性は改善傾向にありますが、非現金項目による影響もみられます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は、事業活動や投資活動を通じて資金を使用している状況にあります。財務基盤や資金の流れから、現在の経営状況を把握することができます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤を見ると、自己資本比率は前期から増加し、34.3%となっています。これはプライム市場の非製造業平均(24.2%)と比較して高い水準を示しています。
手元資金である現金及び現金同等物は、前期から減少しましたが、458,160百万円を確保しています。これらの状況は、同社の財務の健全性を示すものであり、雇用や給与の安定性にも影響を与える要素となります。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産合計 | 345,948百万円 | 345,802百万円 |
| 自己資本比率 | 33.2% | 34.3% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び現金同等物 | 543,391百万円 | 458,160百万円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュフローを見ると、当期は営業活動によるキャッシュフローが4百万円の使用となりました。これは主に売上債権の増加や未払金の減少によるものです。
投資活動によるキャッシュフローは45百万円の使用となっており、無形固定資産や有形固定資産の取得に資金を投じています。この結果、フリーキャッシュフローは49百万円のマイナスとなっています。
財務活動によるキャッシュフローも36百万円の使用となり、短期借入金の純減少が主な要因です。これらの資金の流れは、同社が事業活動や投資活動に資金を投じ、財務活動で借入金を減少させている状況を示しており、今後の事業展開や雇用・給与の安定性を検討する上で重要な情報となります。
| 項目 | 2025年12月期(当期) |
|---|---|
| 営業CF | △4百万円 |
| 投資CF | △45百万円 |
| 財務CF | △36百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △49百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、産直アプリ「ポケットマルシェ」の運営を主力サービスとしており、インターネット関連市場の発展が阻害される場合、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、EC事業や旅行事業において有力な競合企業が存在しており、競争が激化した場合には、同社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、今後の事業拡大及び収益基盤の拡充のため、優秀な人材の確保及び育成が不可欠であると認識しています。採用基準を満たす人材を十分に採用できない場合や、育成が不十分な場合には、事業拡大の制約となり、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
雨風太陽は、「都市と地方をかきまぜる」というミッションを掲げ、社会的なインパクトの最大化を目指しています。このミッションのもと、人・モノ・カネのあらゆる側面で都市と地方をつなぐサービスを提供しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
雨風太陽は、「都市と地方をかきまぜる」をミッションに掲げています。このミッションのもと、ヒト・モノ・カネのあらゆる側面で都市と地方をつなぐサービスを提供することで、株主価値、企業価値、そして社会的インパクトの最大化を図っています。同社は、売上高に加え、「『顔の見える取引』にかかる流通総額」「生産者と消費者のコミュニケーション数」「都市と地方を往来して過ごした日数」といったインパクト指標の成長を通じて、企業価値の向上を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は、自社のビジョンに照らして事業運営が適切かを確認するため、社会的インパクト測定とインパクトマネジメントを実施しています。サステナビリティ関連のリスクと機会は、リスク・コンプライアンス委員会で監視・管理され、重要な事項は経営会議や取締役会で審議されています。人材は最も重要な経営資源と捉え、多様性に富んだ優秀な人材の積極的な採用と継続的な雇用の創出に努め、個人と企業が共に成長する環境と風土づくりを推進しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、今後の事業拡大と収益基盤の拡充に向けて、優秀な人材の採用と育成を重要な課題としています。ミッションや事業内容に共感し、高い意欲を持った人材を採用するため、積極的な採用活動と社内環境整備を進めています。また、事業拡大に応じた内部管理体制の強化も重要な課題と認識しており、コーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
雨風太陽は、取締役会と監査役会を設置する監査役会設置会社です。社外取締役と社外監査役が経営の監督機能を担い、指名報酬委員会も設置されています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
雨風太陽の株主構成を見ると、筆頭株主はPNB-INSPiRE Ethical Fund 1 投資事業有限責任組合という機関投資家です。一方で、取締役である小橋正次郎氏や代表取締役社長の高橋博之氏といった経営陣も上位株主として名を連ねています。特に小橋正次郎氏については、同氏が実質的に支配する関連会社が保有する株式数を含めた実質所有株式数が記載されており、経営陣が会社の資本構成において一定の影響力を持っていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| PNB-INSPiRE Ethical Fund 1 投資事業有限責任組合 | 13.09% |
| 小橋 正次郎 | 12.13% |
| 高橋 博之 | 8.11% |
| 大塚 泰造 | 5.53% |
| 丸井グループ | 5.50% |
なお、小橋正次郎氏の所有株式数には、同氏が実質的に支配している小橋工業およびKOBASHI HOLDINGSが保有する株式数を含めた実質所有株式数が記載されています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は13.0%です。代表取締役社長は高橋博之氏が務めています。社外取締役比率は60.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 高橋 博之 | 代表取締役社長 | 2006年3月岩手県議会議員、2013年5月NPO法人東北開墾代表理事、2015年2月同社設立代表取締役を経て、2025年1月より同社代表取締役社長に現職。 |
| 権藤 裕樹 | 代表取締役副社長 | 2017年4月総務省入省、2021年7月同社取締役C2C事業部門部門長を経て、2025年1月より同社代表取締役副社長に現職。 |
社外取締役は、永田暁彦氏(UntroD Capital Japan代表取締役)、小橋正次郎氏(小橋工業代表取締役社長)、小沼大地氏(特定非営利活動法人クロスフィールズ代表理事)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会を設置しています。社外取締役3名と社外監査役3名が、客観的かつ中立的な立場から経営の監督・監査機能を果たしています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
雨風太陽の役員報酬は、企業価値の持続的な向上を促すインセンティブとして設計されています。業務執行取締役に対しては、固定報酬である基本報酬、業績連動報酬、そして新株予約権による非金銭報酬が組み合わされています。一方、監督機能を担う社外取締役には、その職務に鑑みて基本報酬のみが支払われる方針です。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 35百万円 | 7.1百万円 |
| 社外役員 | 6名 | 14百万円 | 2.4百万円 |
役員報酬等に関する株主総会決議により、取締役の報酬限度額は年間240,000千円以内、監査役の報酬限度額は年間30,000千円以内と定められています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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