※本記事は、マーソ株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
マーソは、ヘルスケア・プラットフォーマーの実現を目指し、DXを推進しています。個人・法人・行政・医療施設をつなぎ、予防医療をアップデートする事業を展開しています。
単体従業員数は19名、連結従業員数は25名です。セグメントはヘルステック事業の1つです。
国内においてはマーソが、人間ドック・健診予約サイト「MRSO.jp」の運営や医療施設向けWEB予約システム「MRS」の提供を通じて、予防医療のDXを推進しています。また、医療施設や法人、行政向けのWEB予約システム提供も行っています。
同社グループは、新型コロナウイルスワクチン接種に関するWEB予約システム提供を、国の接種方針変更に伴い2024年第1四半期末をもって実質的に終了しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
マーソはヘルステック事業を展開しており、従業員数は比較的小規模な組織です。このような環境では、個々の貢献が大きく、成長機会に恵まれる可能性があります。給与水準や働き方に関する具体的なデータから、同社グループの職場環境の傾向を把握できます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均年齢が30代後半で、平均勤続年数は5年強となっています。これは、比較的若手から中堅層が中心となって事業を推進している傾向を示しています。従業員の定着状況や年齢構成について、以下の表で詳細を確認できます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,842,000円 |
| 平均勤続年数 | 5.4年 |
| 平均年齢 | 37.5歳 |
| 単体従業員数 | 19人 |
| 連結従業員数 | 25人 |
| 単体のグループ内比率 | 76.0% |
なお、退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、持続的な成長と企業価値向上を実現するため、人材の多様性の確保を含む採用・育成に関する取り組みを経営上重要と位置付けています。多様な人材がワークライフ・バランスを充実させながら、高いモチベーションのもと自己能力を有効に発揮できる職場環境の整備に努めています。
具体的には、定期的な研修を実施することで自己研鑽の機会を設け、従業員の能力を高める業務体制を構築しています。また、年齢・国籍・性別等を区別することなく、意欲と能力のある従業員を平等に育成・登用する方針を掲げています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社は、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律および育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の規定による公表義務の対象ではないため、提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
マーソは、ヘルスケア・プラットフォーマーとしてDXを推進し、個人・法人・行政・医療施設をつなぎ、予防医療をアップデートする事業を展開しています。同社グループは、アナログ業務からデジタル業務への移行を通じて、健康長寿社会の実現を目指しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループの事業は「ヘルステック事業」の単一セグメントですが、「予約」「広告」「DX」「ワクチン」の売上区分に分かれています。
「予約」では、人間ドック・健診予約サイト「MRSO.jp」を通じて医療施設のマーケティング支援や情報提供を行い、受診者が医療施設で受診した場合にサービス利用料を収受する成果報酬型モデルを採用しています。また、医療施設向け人間ドック・健診WEB予約システム「MRS」を提供し、医療施設の業務効率化と受診機会向上に貢献しています。法人予約の本格提供も開始し、今後の成長領域と位置付けています。
「広告」では、「MRSO.jp」の特集ページや企業提携を通じたプロモーションを実施し、予防医療の啓蒙を目指す「人間ドックのミカタ」も運営しています。
「DX」では、医療施設や法人、市町村を中心とする行政向けに業務効率化に資するWEB予約システムを提供しています。健診予約から健康データ管理まで一貫したサービスを展開し、サービス対象領域の拡大を図っています。
「ワクチン」関連サービスは、新型コロナウイルスワクチン接種に関するシステム提供が国の接種方針変更に伴い、実質的に終了しています。同社グループは、本邦以外の外部顧客への売上高はなく、特定の顧客への売上高集中もありません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの直近の業績は、売上高が前期から減少に転じ、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも損失を計上する結果となりました。これは主に、新型コロナウイルスワクチン接種に関するシステム提供の終了や、個人予約における自然流入数の減少が影響しています。一方で、法人予約の基盤拡大や掲載医療施設数の増加など、今後の成長に向けた取り組みも進められています。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | - | - | 13.3億円 | 10.8億円 |
| 経常利益 | - | - | - | 1.6億円 | △33百万円 |
| 経常利益率 | - | - | - | 11.8% | △3.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | - | 1.0億円 | △23百万円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | - | 28.44 | △6.51 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期から減少しており、生産性の面で課題が見られます。従業員1人あたりの営業利益も前期の黒字から損失に転じており、収益性の改善が今後の重要な課題であると言えます。これらの指標は、同社グループが事業構造の変化と収益基盤の再構築に取り組んでいる状況を示しています。
| 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 55.5百万円 | 43.1百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 6.6百万円 | △1.4百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
マーソの財務状況を見ると、同社グループは現在、事業活動や投資活動において資金を使用している状況です。これは、今後の成長に向けた投資や事業再編の過程にあることを示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
マーソの財務基盤を見ると、自己資本比率は92.1%と非常に高く、安定した財務体質を示しています。これはプライム市場の平均と比較しても高い水準です。一方で、ROE(自己資本利益率)は当期にマイナス1.2%となっており、前期の5.0%から低下しています。手元資金である現金及び預金は16.8億円を確保しており、事業運営に必要な流動性を維持しています。これらの財務状況は、同社グループが堅実な経営基盤を持ちつつも、収益性の改善が今後の課題であることを示しています。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 20.2億円 | 19.5億円 |
| 自己資本比率 | 89.6% | 92.1% |
| ROE(自己資本利益率) | 5.0% | -1.2% |
| 現金及び預金 | 18.1億円 | 16.8億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
マーソのキャッシュフローを見ると、当期は営業活動によるキャッシュフローが△25百万円の使用となりました。これは主に税金等調整前当期純損失の計上や法人税等の支払額、仕入債務の減少などが影響しています。前期と比較すると、営業活動による資金の使用額は減少しています。
投資活動によるキャッシュフローは△50百万円の使用となり、主に投資有価証券の取得による支出が要因です。前期と比較して、投資活動による資金の使用額は減少しています。
財務活動によるキャッシュフローは△57百万円の使用となり、前期の資金獲得から一転して資金を使用する状況となりました。これは主に自己株式の取得による支出が影響しています。
これらの結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは△76百万円の使用となっています。同社グループは自己資金でシステム開発投資や広告宣伝投資に対応しており、今後の事業拡大に向けた資金需要は自己資金で対応する方針を示しています。この状況は、事業の成長に向けた投資を継続しつつ、資金の効率的な活用が求められるフェーズにあることを示しており、雇用や給与の安定性には、今後の収益改善とキャッシュフローの動向が重要となります。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △78百万円 | △25百万円 |
| 投資CF | △60百万円 | △50百万円 |
| 財務CF | 23百万円 | △57百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △137百万円 | △76百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、主要市場である人間ドック・健診市場の動向に事業が影響を受ける可能性があります。市場の減退や環境変化が生じた場合、事業及び業績に影響を及ぼすことが考えられます。
また、外部検索エンジンのアルゴリズム変更やAI検索機能の拡充により、同社サイトへの流入が減少するリスクがあります。これにより集客効果が低下し、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、更なる成長のために優秀な人材の確保と育成が不可欠であると認識しています。人員採用計画が想定通りに進まない場合や、既存の人材流出が進んだ場合には、競争力低下やリソース不足により事業計画に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
マーソは、予防医療とヘルスケアDXを通じて、人々の健康寿命延伸と幸せな時間の創造を目指しています。デジタル技術を活用し、医療現場の課題解決と持続可能な医療制度の確立に貢献する企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、予防医療を切り口としたヘルスケアDXを通じて健康寿命の延伸に寄与し、一人一人が健康で幸せに過ごせる時間を創造することを目指しています。
ヘルスケア・プラットフォーマーへ向けてDXを推進し、アナログ業務からデジタル業務へ移行することで、個人・法人・行政・医療施設をつなぎ、予防医療をアップデートする事業を展開しています。
DXの推進により、組織間の垣根を越えて治療偏重から予防医療の強化へのシフトを促し、医療費問題の解決や持続可能な医療制度の確立に貢献することを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、企業経営の健全性及び透明性を図り、株主をはじめとした全てのステークホルダーからの信頼を得ることが不可欠であると考えています。このため、コーポレート・ガバナンス体制の強化に取り組んでいます。
人材の多様性の確保を含む人材の採用・育成に関する取組みは経営上重要であると位置づけています。多様な人材がワークライフ・バランスを充実させながら、高いモチベーションのもと自己能力を有効に発揮できる職場環境の整備に努めています。
年齢・国籍・性別等を区別することなく、意欲と能力のある従業員を平等に育成・登用する方針です。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、持続的な成長を実現するため、人材の確保及び育成を重要な課題としています。エンジニア等の優秀な新規人材採用や既存社員の能力及びスキルの向上に取り組んでいます。
採用方法の多様化を図るとともに、計画的に社員に対して多様かつ有益な研修体制を整備し、公正な評価制度に基づく人事制度の構築を進めています。
また、事業規模の拡大に伴い、業務の効率化や内部管理体制の更なる整備強化も重要な課題です。バックオフィス業務の標準化による効率性の追求や、堅牢な内部統制確立のための人員増強を図ることで、経営の公正性・透明性の確保に取り組んでいます。
海外子会社管理体制の強化とセキュリティ対策も重点テーマです。現地法規制の遵守と円滑な運営体制の構築、データやシステムの保護、セキュリティ対策の強化、財務管理体制の強化を通じて、海外子会社の安定した運営と企業価値の向上を目指しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
マーソは、監査等委員会設置会社として、社外取締役が監査・監督機能を担う体制を構築しています。これにより、経営の透明性を高め、意思決定と執行の迅速化を図っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社は、代表取締役社長CEOである西野恒五郎氏が筆頭株主であり、その関連会社である三和システムも上位株主となっています。また、取締役副社長COOの阿部順一氏や取締役ヘルステック事業本部長の菅生淳一氏も上位に名を連ねています。このように、同社の資本構成は、経営陣およびその関連会社が上位を占める特徴があります。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 西野 恒五郎 | 41.01% |
| 三和システム | 15.04% |
| 神田 有宏 | 8.18% |
| 第一生命ホールディングス | 4.97% |
| SHIFT | 3.78% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性7名・女性2名)で構成され、女性役員比率は22.2%です。代表取締役社長CEOは西野恒五郎氏が務めています。社外取締役比率は0.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 西野 恒五郎 | 代表取締役社長 CEO | 2002年10月クレアティフ・コンサルティング設立取締役副社長、2011年1月三和システム代表取締役、2015年2月同社設立取締役会長を経て、2025年3月より同社代表取締役CEO現職。 |
| 阿部 順一 | 取締役副社長 COO | 2005年6月有限会社Y.I.T.C.設立代表取締役、2015年2月三和システム取締役CTO、2018年11月同社取締役を経て、2025年3月より同社取締役副社長COO現職。 |
| 菅生 淳一 | 取締役ヘルステック 事業本部長 | 2008年4月三和システム入社、2015年2月同社入社、2016年6月同社取締役、2016年12月同社取締役事業推進本部長を経て、2017年8月より同社取締役ヘルステック事業本部長現職。 |
| 井口 聖一朗 | 取締役CFO 管理本部長兼経営企画室長 | 2014年4月SMBC日興証券入社、2016年10月リニューアブル・ジャパン入社、2023年1月アイリス入社を経て、2025年3月より同社取締役経営企画室長CFO、2026年2月より同社取締役経営企画室長兼管理本部長CFO現職。 |
| 吉田 弘 | 取締役 | |
| 菊地 英樹 | 取締役 |
社外取締役は、菊地英樹氏(エナジー代表取締役社長)、西山修平氏(KOTOBUKI会計代表・常勤監査等委員)、堀越充子氏(熊谷綜合法律事務所弁護士・監査等委員)、渡邉孝江氏(渡邉公認会計士事務所代表・監査等委員)です。
同社は2025年3月27日開催の定時株主総会の決議により、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行しました。監査等委員会は委員の過半数が社外取締役で構成され、業務執行の適法性、妥当性の監査・監督を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、取締役(非常勤取締役を含む)については固定報酬と賞与で構成されていますが、賞与の支給は行っていません。固定報酬は、役職や経営上の重要性を基に、報酬委員会の諮問結果に基づき取締役会で決定されます。監査等委員である取締役(非常勤取締役を含む)の報酬は固定報酬のみで構成され、監査等委員である取締役の協議により決定されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 5名 | 94百万円 | 18.8百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 11百万円 | 2.1百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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