※本記事は、ナイル株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
同社グループは、「幸せを、後世に。」をミッションに掲げ、日本のDX課題を解決する「産業DXカンパニー」として事業を展開しています。創業以来培ってきたDXとマーケティングの知見を活かし、自動車産業DX事業とホリゾンタルDX事業を運営しています。
単体従業員数は251名、連結従業員数は268名です。セグメントは自動車産業DX事業、ホリゾンタルDX事業の2つです。
主な国内グループ会社は、(連結子会社)パティオ(自動車産業DX事業)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ナイルは、「幸せを、後世に。」というミッションを掲げ、事業活動を通じて持続可能な社会の実現と企業成長の両立を目指しています。同社グループは、人的資本への投資を重要な経営戦略の一つと位置付け、社員一人ひとりの成長と挑戦を重視する環境です。多様な人材が活躍できる組織づくりや、生成AI活用による生産性向上にも積極的に取り組んでいます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、従業員の平均年齢が比較的若く、勤続年数も短めであることから、活発な組織であることがうかがえます。社員の自律的なキャリア形成を支援する人事制度も導入されており、個人の成長と挑戦を後押しする風土があると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,055,000円 |
| 平均勤続年数 | 3.7年 |
| 平均年齢 | 36.3歳 |
| 単体従業員数 | 251人 |
| 連結従業員数 | 268人 |
| 単体のグループ内比率 | 93.7% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは「幸せを、後世に。」というミッションのもと、人的資本への投資を重要な経営戦略として位置付けています。社員一人ひとりの成長と挑戦を通じて組織能力を高めることが、事業の持続的成長と社会課題解決の両立につながると考えています。
重点的な取り組みとして、挑戦のサイクルを仕組み化し数と質を高めること、マネジメント層の育成強化、多様な人材の活躍推進、そして生成AI活用による全社生産性向上を掲げています。
当期の人事施策では、ウェルビーイングサーベイに基づく個別フォローや、社員希望で異動を実現する人事制度「フミダス」を促進し、自律的なキャリア形成と組織の流動性を高めています。また、マネジメント層の強化のため役員・全管理職対象の集合研修や初級層向けの月次セッションを継続し、目標管理(OKR)の運用方針も見直しました。さらに、女性社員目線での仕事とライフイベントの両立や、中長期で能力を発揮できる組織づくりをテーマとした全社横断プロジェクトも始動しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 14.3% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 71.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 77.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(非正規労働者) | 79.0% |
人材育成・エンゲージメント
人材育成・社内環境整備は連結子会社でも行われていますが、人材の大多数が所属する提出会社単体について記載されています。育児休業には出生時育児休暇も含まれます。当事業年度に出産した従業員数及び配偶者が出産した従業員数に対して、当事業年度に育児休業を取得した従業員数の割合を算出しており、取得率が100%を超えることがあります。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| eNPS | 31.08 |
| 正社員(女性)の平均勤続年数 | 3.7年 |
| 正社員(男性)の平均勤続年数 | 3.8年 |
| 正社員における女性比率 | 44.5% |
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 14.3% |
| 正社員(女性)の育児休業取得率 | 150.0% |
| 正社員(男性)の育児休業取得率 | 100.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ナイルは「幸せを、後世に。」をミッションに掲げ、日本のDX課題を解決する「産業DXカンパニー」として事業を展開しています。インターネットを活用したDXとマーケティングの知見を強みとし、主に「自動車産業DX事業」と「ホリゾンタルDX事業」の二つの柱で収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、創業以来培ってきたDXとマーケティングの技術・ノウハウを基盤に、社会のDX課題解決を目指しています。主力事業は「自動車産業DX事業」と「ホリゾンタルDX事業」の2つです。
自動車産業DX事業
自動車産業DX事業は、非合理が多い車販売市場のDXをオンラインとオフラインの両面から推進し、自動車業界全体のDXを加速させています。車を「買う・乗る・売る」までのカーライフサイクル全体を包括的に支援する体制を構築しています。
収益は、マイカーサブスクリプション「カルモくん」による月額収益、契約時の初期紹介手数料によるスポット収益、契約満了後の車両再リースや買い替えによる追加収益から得ています。オンラインサービスはナイル、オフラインの車販売は連結子会社の株式会社パティオが行っています。同社グループの売上高の大部分を占め、前期から大きく成長しています。
ホリゾンタルDX事業
ホリゾンタルDX事業は、特定の産業に限定せず、広範な業種業態の顧客企業に対し、DXやデジタルマーケティングに関する技術・ノウハウを強みとして、コンサルティングサービスを主軸に展開しています。顧客企業が抱える「戦略の迷走」や「実働人材の不足」といった課題に対し、戦略立案から実行までを一貫して支援しています。
収益は、デジタル戦略コンサルティング、DX&マーケティング実行支援、メディア開発、コンテンツ制作、生成AIによる業務自動化支援、メディア運営、デジタル広告ソリューションなど多岐にわたるサービス提供から得ています。前期から売上高は微減したものの、利益は増加しています。
同社グループの売上高は日本国内が大部分を占めており、海外比率は小さい傾向にあります。また、特定の顧客への売上集中が見られ、当連結会計年度においてはオリックス自動車株式会社への売上高が全体の約3割を占めています。
| セグメント | 売上高(2024年12月期) | 売上高(2025年12月期) |
|---|---|---|
| 自動車産業DX事業 | 31.5億円 | 44.6億円 |
| ホリゾンタルDX事業 | 23.2億円 | 22.7億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は直近の2期で増加傾向にあります。営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失は継続していますが、当期は前期と比較して損失額が大幅に縮小しました。特に営業損失は前期比で大きく改善しており、収益体質の改善が進んでいることがうかがえます。営業活動によるキャッシュ・フローも、前期の大きな減少から当期は減少幅が縮小しています。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | - | - | 54.7億円 | 67.3億円 |
| 経常利益 | - | - | - | △7.0億円 | △1.4億円 |
| 経常利益率 | - | - | - | △12.7% | △2.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | - | △7.0億円 | △1.5億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | - | △82.38 | △17.87 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期から当期にかけて増加しています。これは、同社グループ全体の売上高が伸びる一方で、従業員数の増加が緩やかであったことを示しています。従業員1人あたり営業利益は、前期の大きな損失から当期は損失幅が縮小しており、生産性の改善が見られます。これらの指標は、同社グループの事業効率が向上している傾向を示しています。
| 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 20.9百万円 | 25.1百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | △2.6百万円 | △0.4百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ナイルグループは、営業活動およびフリーキャッシュフローがマイナスで推移しており、現在は成長に向けた投資フェーズにあることがうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率が前期から低下し、プライム市場の非製造業平均と比較して低い水準となっています。ROEもマイナスで推移しており、収益性の改善が課題です。手元資金は前期から減少していますが、一定の現金を保有しています。これらの状況は、今後の事業展開や雇用・給与の安定性を検討する上で注視すべき点です。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 5.9億円 | 4.4億円 |
| 自己資本比率 | 19.9% | 13.6% |
| ROE(自己資本利益率) | - | △29.5% |
| 現金及び預金 | 12.8億円 | 12.3億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュフローは、税金等調整前当期純損失の計上や棚卸資産の増加により、減少幅が大幅に縮小しました。投資活動によるキャッシュフローは、定期積金の預入による支出が主な要因となり、前期の増加から減少に転じています。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入れによる収入が増加に寄与しました。
フリーキャッシュフローはマイナスで推移していますが、減少幅は前期から縮小しています。同社グループは引き続き成長投資を継続しつつ、キャッシュフローの改善に取り組んでいる状況がうかがえます。この資金の流れは、今後の事業成長とそれに伴う雇用・給与の安定性に影響を与える可能性があります。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △10.9億円 | △2.6億円 |
| 投資CF | 40百万円 | △1.1億円 |
| 財務CF | 1.9億円 | 2.3億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △10.5億円 | △3.7億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループが事業展開するDX関連市場は技術革新が急速に進んでおり、市場の変化や成長鈍化が事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、マーケティング関連市場では競合参入による競争激化や技術革新への対応遅れがリスクとして挙げられています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、企業規模拡大やサービス向上に必要な優秀な人材の確保・育成が不可欠であると認識しています。人材獲得競争の激化や市場ニーズの変化により、優秀な人材が十分に獲得できなかった場合、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ナイルは、「幸せを、後世に。」というミッションを掲げ、社会に根付く事業を通じて人々の幸せに貢献することを目指しています。同社グループは「日本を変革する矢」をビジョンとし、日本のDX課題を解決する「産業DXカンパニー」として事業を展開しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ナイルグループは、「幸せを、後世に。」をミッションに掲げ、社会に根付く事業を通じて時代を超えて人々の幸せに貢献することを目指しています。また、豊かで幸せな未来を次の世代に紡ぐため、「日本を変革する矢」をビジョンとし、日本のDX課題を解決する「産業DXカンパニー」として事業を展開しています。絶え間ない自己変革を繰り返し、日本を良くするための事業に挑戦する方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ナイルグループは、社員一人ひとりの成長と挑戦が事業の持続的成長と社会課題解決につながると考えています。挑戦のサイクルを仕組み化し、マネジメント層の育成を強化することで、再現性のある強い組織を目指しています。多様な人材が活躍できるオープンな組織作りを推進し、生成AI活用による全社生産性向上にも取り組んでいます。
人事制度「フミダス」により社員の自律的なキャリア形成と組織の流動性を高め、目標管理(OKR)の運用も見直しています。女性社員の仕事とライフイベントの両立支援にも力を入れています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
ナイルグループは、継続的な事業成長に向けてDXに造詣の深い多様な人材の採用と育成を重要な課題と認識しています。従業員が中長期にわたって活躍できる環境整備、人事制度の構築、カルチャー推進を継続的に進めています。
また、ユーザー企業の機密情報や個人情報保護のため、情報管理体制の強化にも取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ナイルは監査等委員会設置会社であり、社外取締役が取締役会の半数を構成しています。独立性の高い監査等委員会が内部監査担当者や会計監査人と連携し、経営に対する監査・監督機能の強化を図っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社グループの筆頭株主は代表取締役社長である高橋飛翔氏です。これに機関投資家や信託銀行が続き、創業者が経営の基盤を支えつつ、多様な株主によって資本が構成されていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 高橋 飛翔 | 40.22% |
| JICベンチャー・グロース・ファンド1号投資事業有限責任組合 | 14.59% |
| 特定金外信託受託者SMBC信託銀行 | 4.54% |
| SBIAI&Blockchain投資事業有限責任組合 | 2.98% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 2.96% |
発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合は、小数点以下第3位を切り捨てしております。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性6名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は高橋飛翔氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 高橋 飛翔 | 代表取締役社長 | 2007年1月同社設立、代表取締役に就任。2010年3月同社代表取締役社長に就任し、現在に至ります。 |
| 長澤 斉 | 取締役 コーポレート本部本部長 | 2007年3月同社入社。2008年8月同社執行役員、2010年1月同社取締役コーポレート本部本部長に就任し、現在に至ります。 |
| 土居 健太郎 | 取締役 人事本部本部長 | 2009年2月同社入社。2012年8月同社執行役員、2015年3月同社取締役、2019年1月同社取締役人事本部本部長に就任し、現在に至ります。 |
社外取締役は、畠山謙氏(畠山謙人公認会計士事務所代表・監査等委員)、成松淳氏(ノイエルガルテン代表取締役社長・監査等委員)、富田寛之氏(千鳥ヶ淵法律事務所代表・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社です。監査等委員である社外取締役が取締役会の半数を構成しており、独立性の高い監査等委員会が経営の監査・監督機能を強化しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社は、役員の報酬について、職責や役位、業績、業種や規模等を考慮して決定する方針です。金銭報酬に加えて、ストック・オプションとしての新株予約権に関する報酬も導入されており、経営陣のインセンティブ設計に活用されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 4名 | 79百万円 | 19.7百万円 |
| 社外役員 | 6名 | 13百万円 | 2.2百万円 |
役員報酬の総額等が1億円以上である者が存在しないため、個人別報酬の開示はありません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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