【平均年収900万円】技術承継機構 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

【平均年収900万円】技術承継機構 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

技術承継機構は、グループ各社とともに、製造業とその関連事業の譲受・経営支援を行う連続買収企業です。連結従業員数は千二百名を超え、直近期は売上高が増加した一方で経常利益は減少しましたが、当期純利益は大幅に増加しました。


目次

※本記事は、株式会社技術承継機構 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月30日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


技術承継機構は、製造業とその関連事業の譲受および経営支援を行う連続買収企業です。日本の中小製造業が抱える後継者不足や人材不足、IT化の課題を解決し、技術・技能を次世代に繋ぐことをミッションとしています。

単体従業員数は8名、連結従業員数は1,208名です。同社グループの事業は製造業関連事業の単一セグメントとなっています。

主な国内グループ会社は、豊島製作所(冷間鍛造、薄膜材料の開発・製造)、東洋マーク(樹脂プリント、樹脂加工)、FAシンカテクノロジー(自動はんだ付装置等の開発製造)、エムエスシー製造などです。

当期には、株式会社ミヤサカ工業、株式会社サンテック産業、株式会社神田鉄工所など7グループを新たに譲受し、事業拡大を推進しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


技術承継機構は、日本の製造業が持つ技術や技能を次世代へ繋ぐことをミッションに掲げ、中小製造業の承継と経営支援に取り組んでいます。同社グループでは、多様な事業会社を通じて、それぞれの専門性を活かした働き方が展開されていると考えられます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


技術承継機構の単体従業員は少数精鋭の構成となっており、平均年齢は40代前半、平均勤続年数は比較的短めです。これは、同社がグループ全体の戦略的な役割を担う組織である可能性を示唆しています。

項目 数値
平均年間給与 9,000,000円
平均勤続年数 2.3年
平均年齢 40.5歳
単体従業員数 8人
連結従業員数 1,208人
単体のグループ内比率 0.7%


同社グループは、従業員の退職給付制度として、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の両方を採用しています。これらの制度は同社および連結子会社に適用されます。退職一時金制度もあり、給与と勤務期間に基づいた一時金が支給されます。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


技術承継機構は、「製造業の技術・技能が失われることを防ぎ、次世代に繋ぐ」というミッションのもと、中小製造業の譲受と経営支援を通じて持続性のある社会の実現を目指しています。同社グループは、既存資源の有効活用を重要な経営課題と位置づけ、中長期的な企業価値向上に取り組んでいます。

譲受する企業はそれぞれ異なる特性を持つため、グループ全体で特定の数値目標を設定することは困難であると認識しています。しかし、中小企業の課題である人材不足の改善に向け、人材育成と社内環境の整備に今後も努めていく方針です。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データは、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、開示されていません。

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ 株式会社豊島製作所

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 6.3%


▼ 株式会社多賀製作所

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 0.0%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


技術承継機構は、製造業とその関連事業の譲受および譲受企業の経営支援を通じて、日本の技術・技能を次世代に繋ぐことをミッションとする企業グループです。中小製造業が抱える後継者不足や営業力不足といった課題を解決し、強固な企業グループの構築を目指しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


技術承継機構は、製造業と製造業に関連する事業の譲受と経営支援を主な活動としています。同社グループの収益源は、譲受けた製造業の事業から生まれる利益となっています。連続的なM&A(譲受)により企業規模を拡大し、譲受した会社のバリューアップを通じて得られたキャッシュ・フローをさらなるM&Aに投じることで、非連続的な成長を追求しています。

同社グループは、創業以来17社の企業を譲受しており、製造業の中でも幅広い分野に事業を分散させることで、特定の業界変動に影響を受けにくい事業構成を構築しています。譲受した企業に対しては、役員の派遣などを通じた包括的な経営支援を提供し、IT活用(DX)推進や積極的な採用活動を通じて、各企業が持つ強みを最大限に引き出すことに取り組んでいます。

同社グループの事業は製造業関連事業の単一セグメントとしています。地域別の売上高を見ると、日本国内からの収益が大部分を占めていますが、アジアやその他の地域からも収益を得ています。特定の顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の10%以上を占めることはありません。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は、過去5期間にわたり増加傾向を示しています。当連結会計年度においては、売上高は前期から大きく増加しました。一方で、営業利益および経常利益は前期から減少しています。

親会社株主に帰属する当期純利益は、当連結会計年度に大幅な増加となりました。これは主に、負ののれん発生益が増加したことによるものです。

項目 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上高 - 68.0億円 93.3億円 111億円 150億円
経常利益 - 5.4億円 9.3億円 15.5億円 14.2億円
経常利益率 - 8.0% 9.9% 14.0% 9.5%
親会社株主に帰属する当期純利益 - 1.5億円 16.1億円 9.0億円 30.9億円
1株当たり当期純利益(円) - 19.03 206.49 114.30 353.82

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から当期にかけて減少しています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から減少する結果となりました。

これは、連結子会社の増加に伴い、連結従業員数が大幅に増加したことが主な要因として考えられます。

指標 2024年12月期 2025年12月期
従業員1人あたり売上高(連結) 19.8百万円 12.4百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 2.7百万円 1.2百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務状況は、事業活動で得た資金を成長投資に積極的に充てている状況を示しています。これにより、将来の事業拡大に向けた基盤を強化していることがうかがえます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率とROEの推移からその健全性を確認できます。手元資金の状況は、不況時における事業継続の耐性を示す指標となります。これらの財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性にも影響を与える要素となります。

同社グループの自己資本比率は、前期から当期にかけて上昇しています。プライム市場の非製造業平均と比較すると高い水準にあります。
ROE(自己資本利益率)は前期から大幅に上昇しており、プライム市場平均を大きく上回る水準を示しています。現金及び預金も増加傾向にあり、事業活動を支える手元資金の厚みを示しています。

指標 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
純資産 40.0億円 92.1億円
自己資本比率 25.3% 29.5%
ROE(自己資本利益率) 26.1% 47.5%
現金及び預金 54.4億円 95.7億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローはプラスとなっています。これは本業で資金を生み出していることを示しています。しかし、前期と比較すると減少しています。

投資活動によるキャッシュ・フローは、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が増加したことにより、大幅なマイナスとなっています。これは、事業拡大に向けた積極的な投資が行われている状況を示しています。
その結果、フリーキャッシュ・フローはマイナスとなっています。財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れや株式の発行による収入が増加したことで、大幅なプラスとなりました。これは、成長投資に必要な資金を外部からの調達で賄っていることを示しています。
これらのキャッシュ・フローの状況は、同社グループが成長フェーズにあり、将来の事業拡大に向けて積極的に投資を行っていることを示しています。このような投資は、事業の成長を促す基盤となります。

項目 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
営業CF 18.9億円 1.5億円
投資CF △1.7億円 △34.5億円
財務CF △6.1億円 65.9億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 17.2億円 △33.0億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、連続的なM&Aと譲受した企業のオーガニックな成長を成長ドライバーとしています。製造業のM&A市場が低迷し、連続的なM&Aが困難となった場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、企業譲受にかかる資金を主に金融機関からの借入により調達しているため、金利上昇となった場合には、支払利息が増加し、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社は小規模な組織であり、内部管理や業務執行についても規模に応じた体制となっています。今後の業務拡大及び業務内容の多様化に対応するため、人員の補強及び内部管理体制や業務執行体制の一層の充実を図っていく方針です。
しかしながら、これらの施策が適切に行われない場合、また現在の経営陣や各部門で重要な役割を担う従業員が退任又は退職した場合は、事業運営及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


技術承継機構は、中小製造業の技術と技能を次世代に繋ぐことをミッションに掲げ、事業承継M&Aと譲受企業の経営支援に取り組んでいます。同社グループは、日本のものづくりを未来へと継承していくことを目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


技術承継機構は「中小製造業の譲受及び譲受企業の経営支援」を事業の基本方針としています。各社の技術・技能が失われることを防ぎ、次世代に繋ぐことをミッションに掲げています。

同社グループは、製造業における連続買収企業(Serial Acquirer)と自社を位置づけており、米国Danaher社などを参考にしています。過度な統合にこだわらず、個社の自主独立性を尊重しつつ、管理と改善を行う体制を敷いています。譲受会社のバリューアップによる成長と新規M&Aによる利益成長の両輪で、中長期的な成長を目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


技術承継機構は、譲受企業の個社独立性を尊重しつつ、管理と改善を徹底する体制を重視しています。業務遂行においては、個人に依存せず誰でも対応できるよう、マニュアル化と情報共有を常に推進しています。

譲受企業の価値向上には、同社独自の「NGTG Growth Program(NGP)」を活用しています。これは150項目以上に及ぶマニュアルで、週次で更新され、効率的かつ効果的な成長支援を提供しています。

グループ内でのベスト・プラクティス共有にも注力し、月次社長会や機能別技術交流などを通じて、各社が学び合い、協力し合う関係を推進しています。同社グループは、譲受企業に対し超長期目線での支援を行い、同時にスピード感を持って施策を実行することを重視しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


技術承継機構グループは、経営戦略を推進するためにいくつかの課題に取り組んでいます。M&A体制の強化として、新規案件パイプラインの拡充と人員補強を進めています。

既存譲受企業のEBITDA向上を目指し、NGTG Growth Program(NGP)の充実とグループ内でのベストプラクティス共有を促進しています。譲受企業の人手不足に対応するため、経営人材から製造人員まで、あらゆる職種の人材確保に向けた採用力強化に取り組んでいます。

具体的には、ウェブサイトでの魅力発信や、多様な採用経路での求人掲載を進めています。また、上場企業グループとして、企業経営の透明性確保と各種法規制遵守のため、内部統制システムの整備・充実を継続的に推進しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


株式会社技術承継機構は、取締役会による監督と監査役による適法性監査の二重のチェック機能を持つ監査役会設置会社として、コーポレート・ガバナンス体制を構築しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


株式会社技術承継機構の筆頭株主は代表取締役社長の新居英一氏であり、同氏が過半数を超える株式を保有しています。上位株主には個人株主のほか、海外の金融機関も名を連ねており、多様な株主によって支えられている資本構成となっています。

株主名 持株比率
新居 英一 65.54%
藤井 陽介 5.77%
INTERACTIVE BROKERS LLC 2.49%
PERSHING-DIV.OF DLJ SECS. CORP 2.36%
BANQUE DE LUXEMBOURG - CLIENT ACCOUNT 2.19%


発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合は、小数点以下第3位を四捨五入しています。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は6名(男性4名・女性2名)で構成され、女性役員比率は33.0%です。代表取締役社長は新居英一氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。

氏名 役職 主な経歴
新居英一 代表取締役社長 2007年4月みずほ証券㈱入社、2009年12月㈱産業革新機構(現、㈱INCJ)入社、2018年7月同社設立 代表取締役社長より現職。
堀江藍子 取締役兼承継支援部長 2007年4月みずほ証券㈱入社、2016年2月㈱みずほ銀行転籍、2019年4月みずほ信託銀行㈱転籍、2022年11月同社取締役兼承継支援部長より現職。


社外取締役は、志賀俊之氏(ダイナミックマッププラットフォーム㈱社外取締役)、沖田美恵子氏(島田法律事務所弁護士)、楢原英治氏(税理士法人優和社員税理士)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会による監督と監査役による適法性監査の二重のチェック機能を持つ体制を採用しています。社外取締役は、企業経営に関する豊富な経験に基づき、経営戦略上の有用な意見や助言を行っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


株式会社技術承継機構の役員報酬は、固定報酬のみで構成されており、業績連動報酬は採用していません。取締役の報酬限度額は年額100百万円以内、監査役の報酬総額は年額25百万円以内と株主総会で決議されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 2名 23百万円 11.5百万円
監査役(社外除く) 1名 7百万円 7.0百万円
社外取締役 1名 2百万円 2.0百万円
社外監査役 4名 8百万円 2.0百万円


なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した監査役2名が含まれています。

報酬等の総額が1億円以上の役員は存在しないため、個人別の開示はありません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。