※本記事は、株式会社ナイガイ の有価証券報告書(2026年1月期、2025年2月1日 ~ 2026年1月31日、2026年4月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ナイガイは、靴下をはじめとする繊維製品の製造・販売および輸出入を手掛ける企業グループです。自社ブランドやライセンスブランドの製品を国内外で展開し、卸売りと小売り事業を主軸としています。
単体従業員数は96名、連結従業員数は164名です。事業セグメントは卸売り事業と小売り事業の2つです。
主な国内グループ会社は、インテクスト(卸売り事業)、センティーレワン(小売り事業)などです。
同社グループは、第6次中期経営計画に基づき事業ポートフォリオの再構築を進めています。不採算店舗の撤退やEC販路の拡大、新規ブランド「Champion」の取り扱い開始など、成長領域への戦略的投資を推進しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社ナイガイは、従業員の専門性向上と働きやすい環境整備に力を入れている企業です。給与水準や在籍傾向、そして多様な働き方を支える制度について、具体的なデータからその特徴を見ていきましょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均勤続年数が比較的長く、従業員が安定してキャリアを築いている傾向が見られます。平均年齢も日本の労働人口全体と比較して中堅層が厚く、経験豊富な人材が活躍していることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,631,000円 |
| 平均勤続年数 | 13.7年 |
| 平均年齢 | 45.8歳 |
| 単体従業員数 | 96人 |
| 連結従業員数 | 164人 |
| 単体のグループ内比率 | 58.5% |
同社および一部の子会社は、退職一時金制度と確定拠出年金制度を設けています。退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、第6次中期経営計画に基づき、高付加価値商品の開発とブランド価値向上を重要戦略としています。この実現のため、商品開発・品質管理・マーケティング等の専門人材の育成と確保を推進し、サステナブル素材や新たな顧客ニーズに対応した商品・サービスの創出を目指しています。
従業員一人ひとりの専門性および付加価値創出力の向上を目的とした人材育成を推進しており、全社員のユニバーサルマナー検定3級取得を奨励しています。また、靴下ソムリエ資格や繊維製品品質管理士(TES)資格の取得支援、外部研修への参加推進を通じて、商品知識や品質管理、マーチャンダイジング力の強化に取り組んでいます。
多様な人材が安心して能力を発揮できる職場環境の整備も重要課題と認識しており、雇用の安定とキャリア形成支援のため、契約社員を対象とした年1回の正社員登用試験制度を設けています。仕事と家庭の両立支援としては、育児休業制度の取得促進、育児短時間勤務制度の運用、育児・介護を理由とした在宅勤務制度を整備しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男性労働者の育児休業取得率は、配偶者が出産した男性労働者数に対する育児休業等を取得した男性労働者数で算出されており、前事業年度以前に出産した男性労働者も含まれるため高い数値となっています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 17.9% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 50.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 86.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 53.5% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ ㈱インテクスト
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 0.0% |
▼ センティーレワン㈱
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 33.3% |
人材育成方針の取組
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| ユニバーサルマナー検定 | 85名 |
| 靴下ソムリエ | 75名 |
| TES(繊維製品品質管理士) | 7名 |
社内環境整備方針の取組
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 正社員登用人数 | 7名 |
| 男性育児休業取得率 | 100.0% |
| 女性育児休業取得率 | 100.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ナイガイは、靴下をはじめとする繊維製品の企画、製造、販売、輸出入を手掛ける企業です。卸売りと小売りという二つの事業セグメントを通じて、多様な販路で顧客に商品を提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
ナイガイグループは、主に靴下等の繊維製品の製造・販売及び輸出入を行っています。自社ブランドやライセンスブランドの商品を国内外の協力メーカーに生産委託し、百貨店や量販店、専門店等への卸売りと、直営店運営やインターネット通販による直販事業を展開しています。
同社グループの収益は、卸売り事業と小売り事業の二つの報告セグメントから得られています。直近の業績では、卸売り事業が同社グループの売上高の大部分を占めています。
卸売り事業
卸売り事業では、自社ブランドやライセンスブランドの靴下、エプロン、パジャマなどを国内外の協力メーカーに生産委託し、仕入れた商品を国内の百貨店、量販店、専門店等に卸売りしています。一部の商品は海外にも輸出されています。
収益は、これらの繊維製品の卸売りから得ています。運営は、RONDEX(Thailand)CO.,LTD.が靴下等に使用するゴム糸の製造・販売を、インテクストが物流業務を担っています。
小売り事業
小売り事業では、靴下を品揃えの中心とした直営店の運営と、靴下等繊維製品のインターネット通販及びカタログ通販による直販事業を行っています。革製品等のインターネット通販も手掛けています。
収益は、直営店での販売やインターネット通販、カタログ通販による直販から得ています。運営は、センティーレワンが革製品等のインターネット通販を行っています。
同社グループは、第6次中期経営計画「N-Challenge 2027」の初年度として、事業ポートフォリオの再構築と成長領域への資源配分を推進しました。百貨店販路の卸売りは厳しい状況が続きましたが、EC販路、量販店販路、国内外のOEM販売は順調に拡大しています。販管費は新規増員や定期昇給、賞与の充実、モール型EC販路拡大に伴う販売手数料やマーケティング費用の増加により増加しましたが、これは成長領域への戦略的投資が中心となっています。
| セグメント | 売上高(2025年1月期) | 売上高(2026年1月期) |
|---|---|---|
| 卸売り事業 | 109億円 | 108億円 |
| 小売り事業 | 22.4億円 | 25.2億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
ナイガイグループの直近5期間の業績を見ると、売上高は概ね横ばいから微増の傾向にあります。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、期間中に損失を計上した期もありましたが、直近では黒字を確保しています。
当期は売上高が増加した一方で、営業利益と経常利益は損失に転じ、親会社株主に帰属する当期純利益は減少となりました。これは、成長領域への戦略的投資に伴う販管費の増加が影響しています。
| 項目 | 2022年1月期 | 2023年1月期 | 2024年1月期 | 2025年1月期 | 2026年1月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 135億円 | 127億円 | 130億円 | 132億円 | 134億円 |
| 経常利益 | △26百万円 | △11.8億円 | 1.7億円 | 1.5億円 | △54百万円 |
| 経常利益率 | △0.2% | △9.3% | 1.3% | 1.1% | △0.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1.2億円 | △15.5億円 | 1.1億円 | 1.0億円 | 50百万円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 15.13 | △189.56 | 13.80 | 12.33 | 6.41 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
ナイガイグループの従業員1人あたりの売上高は、前期と比較して減少しています。また、従業員1人あたりの営業利益は、前期は黒字でしたが当期は損失に転じています。これは、当期に営業損失を計上したことによるものです。
これらの指標は、同社グループが事業ポートフォリオの再構築と成長領域への戦略的投資を進める中で、一時的に生産性指標に影響が出ている状況を示しています。
| 指標 | 2025年1月期 | 2026年1月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 84.4百万円 | 81.4百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.4百万円 | △0.8百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、事業ポートフォリオの再構築と成長領域への資源配分を推進しており、財務面では成長に向けた投資が先行している状況です。ここでは、同社グループの財務基盤と資金の流れ、そして事業を取り巻くリスクについて見ていきます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率はプライム市場の平均と比較して高い水準にあり、財務基盤の安定性を示しています。純資産も増加傾向にあります。一方で、ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回っており、収益性の改善が今後の課題となっています。手元資金は確保されており、事業活動を推進する上での流動性は維持されています。
| 指標 | 2025年1月期(前期) | 2026年1月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 65.6億円 | 68.7億円 |
| 自己資本比率 | 55.2% | 55.6% |
| ROE(自己資本利益率) | 1.6% | 0.8% |
| 現金及び預金 | 35.4億円 | 29.8億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権や棚卸資産の増加を主な要因として、前期に引き続き資金を使用する状況となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得や固定資産の取得により資金を使用しています。前期は投資有価証券の売却により資金を獲得していましたが、当期は使用に転じています。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済や自己株式の取得により、前期よりも資金の使用額が増加しています。これらの結果、フリーキャッシュ・フローは当期もマイナスとなっており、事業再構築と成長投資のフェーズにあることがうかがえます。資金繰りについては手元資金が確保されていると説明されており、今後の収益改善に向けた取り組みが雇用安定性や給与安定性に影響を与える可能性があります。
| 項目 | 2025年1月期(前期) | 2026年1月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △35百万円 | △283百万円 |
| 投資CF | 205百万円 | △60百万円 |
| 財務CF | △75百万円 | △224百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 170百万円 | △343百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
同社グループは、当連結会計年度に営業損失を計上し、営業キャッシュ・フローも継続してマイナスであることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象が存在すると認識しています。これに対し、第6次中期経営計画「N-Challenge 2027」を着実に実行し、事業ポートフォリオの最適化と収益構造の転換を推進しています。資金面では手元資金が十分確保されており、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断されています。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの売上高の約60%は百貨店や量販店への売上であり、これらの業態の経営方針や業績変動が同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、売上全体の80%近くをライセンスブランドが占めているため、ライセンス契約が継続できない場合、経営に影響を与えるリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループの「事業等のリスク」には、優秀な人材の獲得・維持や組織文化・労働環境に関する直接的なリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ナイガイは、創業の精神を大切にし、消費者起点の発想で常に新しい価値創造に挑戦する企業です。持続可能な社会の実現と企業価値向上を目指し、サステナビリティ経営やガバナンス強化にも積極的に取り組んでいます。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は「最高の技術で最高の商品を創り、常に消費者に信頼され選ばれる企業であり続ける」という創業の精神を経営の基本方針としています。
全ての人が心身ともに健康的で快適な生活を実現できるよう、消費者起点の発想で新しい市場・技術・商品の開発に挑戦し、最高の商品とサービスを提供することを目指しています。
中長期的な経営戦略として、エッセンシャルウェアによる「パーソナル・ソリューションカンパニー」としての地位確立を掲げ、2030年ビジョンの実現に向けて取り組んでいます。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、創業の精神である「最高の技術で最高の商品を創り、常に消費者に信頼され選ばれる企業であり続ける」ことを大切にしています。
消費者起点の発想で新しい市場・技術・商品の開発に挑戦する文化があり、社会の課題解決と企業成長の両立を目指す「共有価値の創造(CSV)」の考え方のもと、サステナビリティ経営を推進しています。
コンプライアンス遵守とコーポレート・ガバナンス強化を重視し、健全で効率的な企業運営と透明性の高い経営体制の構築を図るとともに、専門人材の育成・確保や多様性理解の醸成、働きやすい職場環境の構築にも取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、厳しい経営環境の変化への耐性を高め、安定的な利益体質を再構築し、成長による企業価値向上を実現することを最重要経営課題と認識しています。
2030年ビジョンである「パーソナル・ソリューションカンパニー」の実現に向け、事業ポートフォリオ戦略の推進による収益構造の転換を進めています。
サステナビリティ経営への取り組み、コンプライアンス遵守、コーポレート・ガバナンス強化も重要な経営課題として位置づけ、持続可能な社会の実現と企業価値向上を目指しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ナイガイは監査等委員会設置会社であり、取締役会を通じて経営の意思決定と業務執行の監督を行っています。社外取締役が取締役会の約3分の1を占める構成となっています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ナイガイの株主構成を見ると、筆頭株主はタビオであり、同社はナイガイの資本業務提携先でもあります。また、2位にはMNインターファッションが名を連ねています。上位株主には事業会社や金融機関の顧客口座などが含まれており、多様な主体によって支えられていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| タビオ | 11.74% |
| MNインターファッション | 10.41% |
| THE HONGKONG AND SHANGHAI BANKING CORPORATION LIMITED-HONG KONG PRIVATE BANKING DIVISION CLIENT A/C 8028-394841 | 7.06% |
なお、2026年3月24日現在、重田光時氏が618,300株(株券等保有割合7.52%)を所有している旨が大量保有報告書に記載されています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.0%です。代表取締役社長執行役員は今泉賢治氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 今泉 賢治 | 代表取締役 社長執行役員 | 1987年4月同社入社、靴下事業部商品第一部長、執行役員を経て、2015年10月より同社代表取締役社長、2019年2月より現職。 |
| 市原 聡 | 取締役 常務執行役員 | 1982年4月同社入社、SPA事業部長、ナイガイアパレル執行役員、経営企画室統括部長などを経て、2019年2月より現職。 |
| 髙原 聡 | 取締役 常務執行役員 | 1993年4月同社入社、営業第一部長、商品部長、執行役員などを経て、2024年4月より同社取締役常務執行役員、タビオ社外取締役も現任。 |
社外取締役は、荻原正俊氏(タビオ相談役)、野口光夫氏(東京シティ合同事務所代表・監査等委員)、松居智子氏(長野国助法律事務所パートナー弁護士・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、議決権を持つ監査等委員である取締役を置くことで、取締役会の監査・監督機能の強化を図っています。社外取締役が取締役会の約3分の1を占め、経営の透明性と公正性の向上に努めています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ナイガイの役員報酬は、企業価値の持続的な向上と株主利益に連動する体系を基本方針としています。取締役(監査等委員を除く)の報酬は、月額固定報酬と譲渡制限付株式報酬で構成されており、譲渡制限付株式報酬はTSR(株主総利回り)評価係数や業績評価係数に基づいて算定されます。監査等委員である取締役には、その職責を考慮し基本報酬のみが支払われる仕組みです。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 59百万円 | 19.7百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 12百万円 | 12.0百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 18百万円 | 6.0百万円 |
2021年4月28日開催の定時株主総会において、取締役(監査等委員を除く)に対する譲渡制限付株式報酬制度を含む報酬枠の改定が承認されています。また、取締役(監査等委員及び社外を除く)に対する非金銭報酬の総額の内訳は、譲渡制限付株式報酬6百万円です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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