※本記事は、株式会社イムラ の有価証券報告書(2026年1月期、2025年2月1日 ~ 2026年1月31日、2026年4月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
イムラグループは、各種封筒の製造販売事業とダイレクトメール等の発送代行事業をコア事業としています。通販市場の成長を捉え、パッケージソリューション事業では包材・商品パッケージ分野への商材投入を積極的に推進し、事業基盤の強化を図っています。
単体従業員数は639名、連結従業員数は973名です。セグメントはパッケージソリューション事業、メーリング&デジタルソリューション事業、その他の3つです。
主な国内グループ会社は、東杏印刷(その他)、イムラプリンティング(パッケージソリューション事業)などです。
同社グループは、当連結会計年度において封入機製造販売子会社の株式譲渡により連結対象外とした一方、前連結会計年度に取得した海外子会社の売上が通期で計上されています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
イムラは、従業員の長期的な成長と働きがいを重視し、多様な人材が活躍できる環境づくりに力を入れています。給与水準や福利厚生、人材育成への取り組みを通じて、安定性とキャリア形成の機会を提供している点が特徴です。デジタル技術を活用した働き方改革も推進し、柔軟な働き方を実現しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の定着率が高く、平均勤続年数が長い傾向にあります。これは、長期的なキャリア形成を支援する社内環境が整っていることを示唆しています。平均年齢も比較的落ち着いており、経験豊富な人材が多数在籍していることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,531,000円 |
| 平均勤続年数 | 19.5年 |
| 平均年齢 | 43.0歳 |
| 単体従業員数 | 639人 |
| 連結従業員数 | 973人 |
| 単体のグループ内比率 | 65.7% |
同社は確定給付型企業年金制度と確定拠出年金制度を採用しており、連結子会社では退職一時金制度を設けています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。
退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
確定給付制度における退職給付債務は27.4億円、年金資産は49.9億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、経営理念である「IMURA PHILOSOPHY STRUCTURE(IPS)」を軸に、持続可能な企業運営を目指し、人材育成、社内環境整備、環境マネジメントに注力しています。従業員一人ひとりのパフォーマンスを最大限に引き出すため、コミュニケーションの深化を重視しています。
人材育成においては、「IPSと人的資本経営の融合による社員エンゲージメントの向上」を掲げ、体系的な教育プログラムの構築と自己啓発支援を実施しています。階層別・専門研修に加え、通信教育制度を活用した学びの機会を拡充することで、継続的な成長を支援しています。将来の労働力不足を見据え、人材の多様性(ダイバーシティ)の確保も重要な課題と認識し、女性社員が能力を高めつつ継続就業できる社内環境の整備に取り組んでいます。
社内環境整備では、全社員が安心して働ける職場づくりを多角的にサポートするため、ハラスメント防止委員会や相談窓口を設置しています。経営層と従業員との双方向のコミュニケーションを深めることを目的としたタウンホールミーティングや階層別研修も企画しています。さらに、DXによる働き方改革を推進し、デジタル技術を活用した業務効率化と柔軟な働き方の実現に取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 9.6% |
| 男性育児休業取得率 | 100.0% |
| 男女賃金差異(全労働者) | 69.1% |
| 男女賃金差異(正規雇用) | 69.7% |
| 男女賃金差異(非正規雇用) | 86.5% |
多様性・登用
連結グループにおける記載が困難であるため、同社における目標及び実績を記載しております。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率の向上 | 9.6% |
| 女性役員比率 | 33.3% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
イムラは、各種封筒の製造販売とダイレクトメール等の発送代行をコア事業とし、多岐にわたるソリューションを提供する企業です。同社グループは、パッケージソリューション事業とメーリング&デジタルソリューション事業を主軸に事業を展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、各種封筒の製造販売事業とダイレクトメール等の発送代行事業を中核とし、子会社による諸事業も展開しています。通販市場の成長をビジネスチャンスと捉え、新たな領域への商材投入や生産体制の強化を進めています。社会のデジタル化や郵便料金改定による紙媒体の需要減少といった不透明な環境下でも、国勢調査や選挙関連といった官公庁需要を着実に取り込むことで事業基盤を強化しています。
パッケージソリューション事業
一般事務用、株主総会招集通知用、企業からの各種請求用、官公庁等の諸通知用、投票所入場券発送用など、幅広い用途で使用される各種封筒の製造販売を行っています。また、ポストイン対応包装資材、紙製緩衝材付包装資材、紙製商品パッケージ、不織布製の封筒、造園資材、各種印刷物等の製造販売、運送・倉庫業も手掛けています。
収益は、これらの製品やサービスの製造販売、運送・倉庫業から得ています。運営は、イムラ、イムラプリンティング、ロジテックが行っています。
メーリング&デジタルソリューション事業
ダイレクトメールの企画、製作、発送代行、冊子類や販売促進用商品等の封入・梱包およびその発送代行、顧客リストの管理業務、データプリントサービス、メディアマッチング業務、キャンペーン事務局、ロジスティックサービス業務などを提供しています。オフィスコンピュータ、パーソナルコンピュータおよび周辺機器類の販売、ソフトウエアの開発業務等のサービスも行っています。
収益は、これらの企画・製作・代行サービスや、機器・ソフトウエアの販売・開発から得ています。運営は、イムラが行っています。
その他の事業セグメント
医療機関用印刷物および医療機関用諸物品の販売、紙器・段ボール箱および包装用品の製造販売を行っています。
収益は、これらの製品の販売から得ています。運営は、東杏印刷、SONGLAM TRADING AND PACKAGING PRODUCTION JOINT STOCK COMPANYが行っています。
| セグメント | 売上高(2025年1月期) | 売上高(2026年1月期) |
|---|---|---|
| パッケージソリューション事業 | 150億円 | 151億円 |
| メーリング&デジタルソリューション事業 | 40.3億円 | 45.5億円 |
| その他の事業セグメント | 18.6億円 | 21.8億円 |
同社グループの売上高に占める本邦以外の割合は小さく、事業は主に国内市場に集中しています。また、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める特定の顧客は存在せず、顧客基盤は分散している状況です。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、直近5年間で増加傾向にあります。一方で、経常利益は変動があり、直近の期では減少しています。親会社株主に帰属する当期純利益は、直近の期で増加に転じています。
直近の期では、売上高は増加したものの、原価率の上昇により売上総利益率が低下し、営業利益および経常利益は減少しました。しかし、退職給付制度改定益の計上もあり、親会社株主に帰属する当期純利益は増加しています。
| 項目 | 2022年1月期 | 2023年1月期 | 2024年1月期 | 2025年1月期 | 2026年1月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 202億円 | 217億円 | 209億円 | 209億円 | 218億円 |
| 経常利益 | 12.7億円 | 15.6億円 | 14.1億円 | 13.4億円 | 11.8億円 |
| 経常利益率 | 6.3% | 7.2% | 6.8% | 6.4% | 5.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 9.9億円 | 10.2億円 | 9.5億円 | 7.7億円 | 9.5億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 99.14 | 101.56 | 94.85 | 77.23 | 95.60 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期と比較して増加しています。これは、従業員一人あたりの売上創出能力が向上している傾向を示しています。
一方で、従業員1人あたり営業利益(連結)は前期から減少しています。これは、売上高の増加に対して、原価率の上昇などが影響し、利益率が低下したことが要因として考えられます。
| 指標 | 2025年1月期 | 2026年1月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 21.0百万円 | 22.4百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.3百万円 | 1.2百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、本業で資金を生み出しつつ、将来に向けた投資を積極的に行っている段階を示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
イムラの財務基盤は、高い自己資本比率を維持しており、安定した経営状態を示しています。これは、事業環境の変化に対する耐性があることを意味します。一方で、ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回っており、資本を効率的に活用して利益を生み出す点には改善の余地があると言えます。手元資金は前期から減少していますが、一定の現預金残高を確保しており、短期的な資金繰りには問題がない状況です。
| 指標 | 2025年1月期(前期) | 2026年1月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 168億円 | 180億円 |
| 自己資本比率 | 70.9% | 63.4% |
| ROE(自己資本利益率) | 4.7% | 5.5% |
| 現金及び預金 | 28.2億円 | 26.7億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
イムラグループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは当期に10.3億円の収入となりました。これは税金等調整前当期純利益や減価償却費の増加が主な要因です。
一方で、投資活動によるキャッシュフローは有形固定資産の取得による支出が大きく、35.3億円の支出となっています。その結果、フリーキャッシュフローは24.9億円のマイナスとなり、本業で得た資金を上回る投資を行っている状況です。
財務活動によるキャッシュフローは短期借入金の純増額や長期借入れによる収入により23.7億円の収入となっており、投資資金を外部からの調達で賄っていることが示されています。同社グループは成長に向けた積極的な投資フェーズにあると言え、将来的な事業拡大が期待される一方で、短期的な資金流出が続いている状況です。
| 項目 | 2025年1月期(前期) | 2026年1月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 17.1億円 | 10.3億円 |
| 投資CF | △30.3億円 | △35.3億円 |
| 財務CF | 10.5億円 | 23.7億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △13.2億円 | △24.9億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、デジタル化の進展による紙媒体の構造的な需要減少や郵便料金の改定に伴う封筒発送需要の減少リスクを認識しています。また、ベトナムに連結子会社を有しているため、為替レートの変動が同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
イムラは、創業100年を越え、次の100年を見据えた「第二の創業」を目指し、社会と人生に潤いを創造する企業として進化を続けています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
イムラは、創業100年を機に「第二の創業」を目指し、2030年を見据えた長期ビジョン「IMURA VISION 2030」を掲げています。同社グループは、2022年2月に「PURPOSE」「SPIRIT」「PROMISE」の3層からなる新しい経営理念『IMURA PHILOSOPHY STRUCTURE』を制定しました。このうち「PURPOSE」では「潤創 社会と人生に潤いを創造する」を掲げ、持続可能な社会の建設に向けた基本精神としています。また、「SPIRIT」では「Give&Give&Give 全ての人に最高の付加価値を届け続ける」を企業の使命とし、お客様、社員、家族への貢献を通じて「幸せ」を共有する価値観を大切にしています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
イムラでは、経営理念『IMURA PHILOSOPHY STRUCTURE』の「PROMISE」を行動指針としています。具体的には、「品格と尊重 ~人として正しく行動する~」「貢献と奉仕 ~社会とお客さまのために~」「変革と挑戦 ~枠を超える~」「対話と協働 ~組織力を発揮する~」「執念と完遂 ~やり遂げる~」の5項目を掲げています。これらは、一人ひとりが会社や社会への約束事として心に持ちながら行動していく指針とされています。同社グループは、この経営理念を軸に、持続可能な社会の実現への貢献を目指し、コーポレート・ガバナンス体制の強化を重視しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
イムラグループは、長期ビジョン「IMURA VISION 2030」の実現に向け、中期経営計画「IMURA VISION 2030 StageⅡ」を推進しています。この計画では、「変革とイノベーションの更なる加速により強固な事業基盤を構築し、持続的成長軌道の確立と企業価値の一層の向上を図る」ことを基本方針としています。特に、新システム等による業務改革や、紙とデジタルの融合による新領域のサービス拡大に取り組んでいます。
また、サステナビリティ戦略として、人材育成、社内環境整備、環境マネジメントに注力しています。人材育成では、社員エンゲージメント向上を目指し、体系的な教育プログラムや自己啓発支援を実施し、ダイバーシティの確保にも取り組んでいます。社内環境整備では、ハラスメント防止やコミュニケーション深化の取り組み、DXによる働き方改革を推進しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
イムラは、取締役会と監査役会を設置し、経営の効率性と監視機能を両立させています。また、指名・報酬委員会を設置し、役員報酬や候補者指名の透明性を高める取り組みを行っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
イムラの株主構成を見ると、筆頭株主はイムラ社員持株会であり、従業員による株式保有が進んでいます。また、代表取締役社長である井村優氏をはじめ、井村姓の個人株主が上位に複数名を占めており、創業家が経営に一定の影響力を持っていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| イムラ社員持株会 | 5.35% |
| 井村 優 | 4.63% |
| 有限会社ケイ・アンド・アイコーポレーション | 3.85% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性6名・女性3名)で構成され、女性役員比率は33.3%です。代表取締役社長最高経営責任者(CEO)は井村優氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 井村 優 | 代表取締役社長 最高経営責任者(CEO) | 1987年日興證券株式会社入社、1993年同社入社、2013年同社代表取締役社長、2019年同社代表取締役社長・最高経営責任者(CEO)より現職。 |
| 吉川 伸昭 | 取締役 専務執行役員 製造本部長 | 1981年同社入社、2013年同社取締役製造本部長、2019年同社取締役専務執行役員製造本部長より現職。 |
| 和田 寿一 | 取締役 常務執行役員 営業本部長 | 1986年株式会社三和銀行入行、2014年エムエスティ保険サービス株式会社常務執行役員、2019年三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社常務執行役員、2025年同社取締役常務執行役員営業本部長より現職。 |
| 松本 哲明 | 取締役執行役員 管理本部長 | 1990年株式会社第一勧業銀行入行、2020年同社入社、2025年同社取締役執行役員管理本部長より現職。 |
社外取締役は、田中公子氏(株式会社チャーム・ケア・コーポレーション社外取締役・指名・報酬委員会委員)、安井祐子氏(オペララボ代表)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会による経営の意思決定と監査役会による監査機能を両立させています。社外取締役は取締役会や業務執行役員会に出席し、客観的な立場から経営への助言・監督を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
イムラでは、企業価値向上への貢献意欲を高めることを目的として役員報酬制度を設計しています。取締役(社外取締役を除く)の報酬は、金銭報酬と譲渡制限付株式報酬で構成されており、金銭報酬は固定報酬として毎月支給され、業績連動報酬は支給されていません。社外取締役の報酬は、独立性を確保するため固定報酬のみが支給されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 6名 | 1.6億円 | 25.8百万円 |
| 社外役員 | 7名 | 45百万円 | 6.4百万円 |
役員報酬の総額は200百万円であり、報酬の支給対象となった役員の総数は13名です。
なお、総額及び人数には、2025年4月24日開催の第75期定時株主総会終結の時をもって退任した取締役4名の在任中の報酬等が含まれています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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