※本記事は、株式会社OSGコーポレーションの有価証券報告書(第56期、自 2025年2月1日 至 2026年1月31日、2026年4月24日提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準はJapan GAAPです。
1. OSGコーポレーションってどんな会社?
OSGコーポレーションは、電解水素水生成器などの環境・健康関連機器の製造販売や水宅配を展開する企業です。
■(1) 会社概要
1970年に大阪三愛として設立され、家庭用浄水器の販売等を開始しました。1998年にオーエスジー・コーポレーションへ商号変更し、2001年に株式を店頭登録(現スタンダード市場)しました。2006年には水宅配事業を開始、2018年には銀座仁志川を設立し食パン専門店を展開するなど事業を多角化しています。
同社グループは連結で366名、単体で201名の従業員を擁しています。筆頭株主は不動産賃貸等を行う三愛コスモスで、第2位はOSG社員持株会、第3位は創業者の湯川剛氏となっています。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| 三愛コスモス | 38.31% |
| OSG社員持株会 | 4.66% |
| 湯川 剛 | 2.39% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性7名、女性1名の計8名で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役会長(CEO)は湯川剛氏、代表取締役社長は山田啓輔氏が務めています。社外取締役は8名中2名です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 湯川 剛 | 取締役会長(代表取締役.CEO) | 1970年大阪三愛(現同社)設立、代表取締役社長就任。2007年同社代表取締役会長・CEO就任。2020年より銀座仁志川代表取締役会長。 |
| 山田 啓輔 | 取締役社長(代表取締役) | 1994年同社入社。西日本担当営業本部長、ウォーターネット代表取締役社長等を経て、2021年同社代表取締役社長に就任。 |
| 溝端 雅敏 | 取締役 | 1986年同社入社。同社代表取締役社長、ウォーターネット取締役等を経て、2021年OSGウォーターテック代表取締役社長。2023年同社取締役に就任。 |
| 大垣 雅宏 | 取締役(営業本部長) | 1994年同社入社。東日本担当営業本部長等を経て、2021年同社営業本部長および取締役に就任。 |
| 安岡 正彦 | 取締役(管理部長) | 1987年同社入社。業務部長、経理部長、財務部長を経て、2020年同社取締役管理部長に就任。 |
| 佐藤 八枝子 | 取締役(監査等委員) | 1974年三菱金属(現三菱マテリアル)入社。OSGウォーターテック代表取締役社長等を経て、2023年同社取締役(監査等委員・常勤)に就任。 |
社外取締役は、山口克隆氏(監査法人トーマツ出身)、岡村英祐氏(太陽法律事務所共同経営者)です。
2. 事業内容
同社グループは、「水関連機器事業」「メンテナンス事業」「HOD(水宅配)事業」「FOOD事業」を展開しています。
■水関連機器事業
電解水素水生成器、浄水器、衛生管理機器などの環境・健康関連機器の製造および販売を行っています。家庭用だけでなく、産業用や業務用の市場も開拓しており、一般消費者から企業、自治体まで幅広い顧客に製品を提供しています。
収益源は製品の販売代金です。主に同社が国内の販売店を通じて販売を行い、製造および海外代理店を通じた海外への販売は子会社のOSGウォーターテックが担当しています。
■メンテナンス事業
電解水素水生成器や浄水器などの交換用カートリッジ、衛生管理機器用添加液などの製造・販売および定期的なメンテナンスサービスを提供しています。既存顧客への継続的なフォローを通じ、安定した収益基盤を構築しています。
収益源は交換用消耗品の販売代金やメンテナンスのサービス料です。国内での販売およびサービス提供は主に同社が行い、製造および海外市場への販売はOSGウォーターテックが担当しています。
■HOD(水宅配)事業
冷温水サーバーを消費者や企業へ貸与し、ボトルドウォーターを宅配する事業です。熱中症対策の義務化などを背景に、オフィスやスポーツイベント会場などでの需要が拡大しています。
収益源はボトルドウォーターの販売代金やサーバーのレンタル料、加盟店からのロイヤルティなどです。エリアライセンスチェーン形式で全国展開しており、運営は主にウォーターネットが行っています。
■FOOD事業
ベーカリー部門では高級食パン専門店「銀座に志かわ」などの運営およびフランチャイズ展開を国内外で行っています。また、中華総菜部門では中華総菜の製造、卸販売、店舗販売を手掛けています。
収益源は直営店での食パンや中華総菜の販売代金のほか、フランチャイズ加盟店への食材・厨房機器の販売代金、加盟金やロイヤルティです。ベーカリー部門は主に銀座仁志川が、中華総菜部門はD&Dが運営しています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
直近4期間の業績を見ると、売上高は79億円から81億円の間で推移しています。経常利益は2025年1月期にかけて一時減少したものの、2026年1月期には回復傾向にあります。
| 項目 | 2023年1月期 | 2024年1月期 | 2025年1月期 | 2026年1月期 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 81.3億円 | 79.0億円 | 79.3億円 | 81.9億円 |
| 経常利益 | 4.5億円 | 3.5億円 | 1.3億円 | 2.2億円 |
| 利益率(%) | 5.5% | 4.4% | 1.6% | 2.6% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 1.8億円 | -1.4億円 | 0.3億円 | 0.9億円 |
■(2) 損益計算書
売上高は前期比で増加し、売上総利益率も安定した水準を維持しています。これに伴い、営業利益も前期から改善しています。
| 項目 | 2025年1月期 | 2026年1月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 79.3億円 | 81.9億円 |
| 売上総利益 | 46.6億円 | 48.1億円 |
| 売上総利益率(%) | 58.7% | 58.8% |
| 営業利益 | 1.3億円 | 2.1億円 |
| 営業利益率(%) | 1.7% | 2.5% |
販売費及び一般管理費のうち、給料手当が18億円(構成比39%)、旅費交通費が3億円(同7%)を占めています。
■(3) セグメント収益
全てのセグメントで前期比増収となっています。特にFOOD事業は新業態の出店や新工場稼働により売上を牽引しており、HOD(水宅配)事業も熱中症対策需要の高まりから順調に成長しています。
| 区分 | 売上(2025年1月期) | 売上(2026年1月期) |
|---|---|---|
| 水関連機器事業 | 22.0億円 | 22.2億円 |
| メンテナンス事業 | 20.1億円 | 20.7億円 |
| HOD(水宅配)事業 | 13.0億円 | 14.0億円 |
| FOOD事業 | 24.2億円 | 24.9億円 |
| 連結(合計) | 79.3億円 | 81.9億円 |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
OSGコーポレーションは、事業活動を通じて資金を生み出し、設備投資や財務活動に充当しています。
営業活動によるキャッシュ・フローは、主に減価償却費や税金等調整前当期純利益の計上により増加しました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が主な要因で減少しました。財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入が主な要因で増加しました。
| 項目 | 2025年1月期 | 2026年1月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | -0.0億円 | 0.9億円 |
| 投資CF | 4.0億円 | -4.2億円 |
| 財務CF | -2.3億円 | 1.2億円 |
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社は企業の存在意義として「環境負荷低減」や「水や食の安全・安心」への対応を掲げています。廃プラスチック問題や熱中症対策といった社会的課題の解決を事業の中核に据え、社会に貢献しながら持続的成長を目指す方針を持っています。
■(2) 企業文化
同社グループには「明るさの磁場経営」「LMPノート」といった独自の企業文化があります。これらを醸成し広く伝えていくことで、従業員一人ひとりの「ウェルビーイング」を高め、その輪を広げていくことを重視しています。
■(3) 経営計画・目標
同社は「100年企業」を目指した長期ビジョンを掲げています。「ステハジ(使い捨ては恥ずかしい、サステナブルはじめよう)」プロジェクトを推進し、2030年までの目標として以下の数値を設定しています。
* ペットボトル削減:50億本
* 給水スポット:10万ヶ所
■(4) 成長戦略と重点施策
主力の家庭用市場に加え、産業用・業務用市場の開拓を推進しています。また、海外展開として中国市場での販売強化やインド等アジア諸国への市場拡大を図ります。FOOD事業では、新規出店やフランチャイズ展開を加速し、新たな食分野での収益構造の確立を目指します。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
事業戦略に沿った人材育成が持続的成長に不可欠であると考え、価値創造の源泉となる人材の育成に注力しています。また、効率の良い拠点展開に伴い、担当従業員の配置と人材の確保・育成を重要課題と位置付けています。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均をやや下回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2026年1月期 | 40.5歳 | 13.9年 | 5,205,000円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 17.9% |
| 男性育児休業取得率 | 100.0% |
| 男女賃金差異(全労働者) | - |
| 男女賃金差異(正規雇用労働者) | - |
| 男女賃金差異(非正規雇用労働者) | - |
※男女賃金差異については、公表義務の対象ではないため有報には記載がありません。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 個人情報の漏洩リスク
事業の特性上、消耗品交換業務などで多数の個人情報を保有しています。管理には万全を期していますが、不測の事態により漏洩が発生した場合、損害賠償の発生や社会的信用の低下を招く可能性があります。
■(2) 医療機器販売に関する法的規制
電解水素水生成器などの製造・販売は医薬品医療機器等法の規制を受けており、各都道府県の許可が必要です。法令の改正等により活動が制限された場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
■(3) 訪問販売に関する特定商取引法の適用
メンテナンス事業において、消耗品交換と併せて商品を販売する場合、訪問販売としてクーリングオフ制度の適用を受けます。コンプライアンス遵守に努めていますが、違反があった場合は営業活動が制限されるリスクがあります。
■(4) 海外市場における事業環境の変化
中国をはじめとする海外市場において、法律や規制の変更、インフラ整備の遅れ、社会的混乱などが発生した場合、販売が困難になりグループの業績に影響を与える可能性があります。



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