※本記事は、トミタ電機株式会社 の有価証券報告書(2026年1月期、2025年2月1日 ~ 2026年1月31日、2026年4月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
トミタ電機は、電子部品材料であるフェライトコアやコイル・トランスの製造・販売を主な事業としています。また、国内不動産の賃貸事業も展開しています。
単体従業員数は34名、連結従業員数は271名です。セグメントは電子部品材料事業、不動産賃貸事業の2つです。
主な国内グループ会社は、フェライトコア、製造、賃貸店舗などです。
国内においてはトミタ電機が生産・販売を一手に担い、海外2社の連結子会社を通じてグローバルに事業を展開しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
トミタ電機は電子部品材料事業を主軸とする企業であり、その事業特性に応じた働き方が見られます。従業員の平均勤続年数や年齢構成からは、長期的なキャリア形成が可能な安定した環境であることがうかがえます。また、人材育成や多様性への取り組みも進められており、従業員が安心して働き続けられる職場環境の整備に注力していることが示されています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高めであることから、長期的なキャリア形成が可能な環境であることがうかがえます。安定して働き続けられる職場環境が整っている傾向にあると言えるでしょう。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 3,877,074円 |
| 平均勤続年数 | 23.8年 |
| 平均年齢 | 48.7歳 |
| 単体従業員数 | 34人 |
| 連結従業員数 | 271人 |
| 単体のグループ内比率 | 12.5% |
同社は、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を採用しています。これらの制度は、国内の同社および在外連結子会社の一部に適用されています。
退職一時金制度があり、勤務期間に基づいた一時金が支給されます。積立型の退職給付債務は1.9億円、年金資産は1.9億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社の人事考課制度は、性別、年齢、国籍等の属性によらない評価基準に基づいています。個人の一定期間の業績成果や行動・プロセスを評価し、能力開発の適正化を図ることを目的としています。これにより、人事管理の公正かつ民主的運営を促進し、社員の労働意欲の高揚と経営能率の向上を目指しています。
人材育成については、職位・職責に応じた教育機会を設けており、部門および社員のニーズに合わせた教育機会を提供しています。多様性の確保にも取り組んでおり、女性、外国人、中途採用者の管理職への登用において特に制限は設けていません。
育児休業規程や積立有給休暇取扱規程により育児に関する福利厚生を規定し、各種研修への女性の参加も推進しています。今後、女性の活躍・登用により女性比率の向上を目指しており、目標とする登用比率は20%として多様性確保を推進していく方針です。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社は、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示データは記載を省略しています。
多様性・登用
現時点における女性管理職の人数と目標登用比率を示します。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職 | 1名 |
| 女性管理職登用目標比率 | 20% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
トミタ電機は、電子部品材料の製造・販売と不動産賃貸事業を主軸とする企業です。同社グループは、高性能・高品質な製品の安定供給と国内不動産の有効活用を通じて収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、電子部品材料事業と不動産賃貸事業の2つの報告セグメントで構成されています。主力である電子部品材料事業では、フェライトコアやコイル・トランスといった電子部品材料の製造と販売を手掛けています。不動産賃貸事業は、国内不動産の賃貸を通じて安定的な収益を確保しています。
電子部品材料事業
この事業は、フェライトコア(磁性材料)とコイル・トランスの製造販売を行っています。収益は、これらの電子部品材料の顧客への販売から得ています。当連結会計年度の売上高は前期比で増加しており、特に中国市場におけるEV需要の堅調さや、日本市場での顧客在庫調整の改善が寄与しました。
不動産賃貸事業
この事業は、国内不動産の賃貸を行っています。収益は、保有する不動産の賃貸収入から得ています。当連結会計年度の売上高は前期比で増加しており、安定した収益源となっています。
同社グループの売上高は、日本、アジア、その他の地域に分散しており、特にアジア地域からの収益が大きな割合を占めています。アジア地域の中でも中国市場が主要な顧客所在地となっています。
| セグメント | 売上高(2025年1月期) | 売上高(2026年1月期) |
|---|---|---|
| 電子部品材料事業 | 13.6億円 | 15.4億円 |
| 不動産賃貸事業 | 65百万円 | 67百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は変動が見られます。当連結会計年度の売上高は前期から増加に転じました。経常利益は直近2期連続で損失を計上していますが、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前期の損失から黒字に転換しました。これは、当期第1四半期に発生した特別利益が主な要因となっています。
| 項目 | 2022年1月期 | 2023年1月期 | 2024年1月期 | 2025年1月期 | 2026年1月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 18.3億円 | 20.0億円 | 14.9億円 | 14.2億円 | 16.0億円 |
| 経常利益 | 1.4億円 | 1.4億円 | △24百万円 | △1.7億円 | △28百万円 |
| 経常利益率 | 7.6% | 6.9% | △1.6% | △11.8% | △1.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1.1億円 | 95百万円 | △34百万円 | △1.7億円 | 1.2億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 161.83 | 144.74 | △47.47 | △220.67 | 151.82 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、当連結会計年度において前期から増加しました。これは、売上高の増加と従業員数の微増が影響していると考えられます。一方、従業員1人あたり営業利益(連結)は、当連結会計年度も損失を示していますが、前期と比較すると損失幅は縮小しています。
| 指標 | 2025年1月期 | 2026年1月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 5.3百万円 | 5.9百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | △0.6百万円 | △0.2百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、自己資本比率が高く安定した基盤を持つ一方で、資金の流れには課題が見られます。本業での資金創出力と投資活動のバランスが今後の焦点となっています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率が非常に高い水準にあります。これは、外部からの借入に依存せず、安定した経営基盤を築いていることを示しています。プライム市場上場製造業の平均自己資本比率46.8%と比較しても、その堅牢さがうかがえます。
一方で、ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均の9.4%を下回っており、資本を効率的に活用して利益を生み出す点には改善の余地があると言えます。手元資金は一定の厚みがあり、不測の事態への耐性も備えている状況です。
| 指標 | 2025年1月期(前期) | 2026年1月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 38.5億円 | 39.8億円 |
| 自己資本比率 | 80.4% | 85.4% |
| ROE(自己資本利益率) | -4.5% | 3.2% |
| 現金及び預金 | 12.5億円 | 11.1億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、当期は営業活動によるキャッシュフローが減少となりました。これは主に役員退職慰労金の支払額の増加によるものです。投資活動によるキャッシュフローも減少となり、有形固定資産の取得による支出が主な要因となっています。
財務活動によるキャッシュフローは増加となりましたが、これは自己株式の処分による収入が主な要因です。結果として、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローはマイナスとなっています。本業での資金創出力が課題であり、投資も抑制的な状況が続いています。このような資金の流れは、今後の事業展開や雇用・給与の安定性に影響を与える可能性があるため、動向を注視していくことが重要です。
| 項目 | 2025年1月期(前期) | 2026年1月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △109百万円 | △117百万円 |
| 投資CF | △118百万円 | △27百万円 |
| 財務CF | 78百万円 | 15百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △227百万円 | △144百万円 |
※フリーCF(フリーキャッシュ・フロー)とは、会社が事業活動と投資活動を通じて自由に使える余剰資金のこと。
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、電子部品業界における激しい価格競争に直面しています。先進技術の成果を反映させ、製造コストを低減する努力を続けていますが、対抗しがたい事態が生じる可能性があります。また、主な生産場所が中国の子会社及び委託先であるため、中国政府の法律や税制、最低賃金の改定などが財政状態や経営成績に影響を及ぼすリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
トミタ電機は、テクノロジーを活用して価値ある製品を市場に提供し、グローバルな貢献を目指しています。顧客満足と利益還元を重視し、持続可能な社会への貢献も追求する企業風土があります。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、テクノロジーを活用して価値ある製品を市場に提供し、顧客の満足を得ることを経営の基本方針としています。適正に得られた利益を株主と従業員に還元し、グローバル化の推進と企業価値を高める経営を継続することで、全世界の人々に貢献することを目指しています。また、安定的経営を重視し、企業体質強化のための内部留保充実と経営基盤強化を図ることも方針の一つです。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、サステナビリティへの取り組みとして、環境国際規格ISO14001を認証取得し、環境マネジメントシステムを構築・維持しています。環境目標として汚染防止、廃棄物の低減、地球環境負荷の軽減を掲げ、継続的な環境改善活動を行っています。
職場環境の保全に向け「安全衛生委員会」を設け、定期的な社内パトロールを実施しています。人権の尊重や従業員の健康・労働環境への配慮、公正かつ適切な処遇などを通じて、CSRを配慮しながら持続可能な社会への貢献を図っています。人事考課制度は性別、年齢、国籍等によらない評価基準に基づき、能力開発の適正化と人事管理の公正・民主的運営を促進し、社員の労働意欲高揚と経営能率向上を目指しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、国際政治情勢の不安定化や世界経済の先行き不透明感、中国市場の低迷、グローバル競争の激化といった事業環境の課題に直面しています。このような状況下で、海外生産工場の継続的な品質改善や経費削減に向けた取り組みを推進し、利益重視の体制を強化しています。
重点課題として、原価低減に向けた品質改善と製造設備刷新、省力化、自動化、DXの推進に取り組んでいます。また、高信頼性、高効率化、小型・高周波化を目的とした材質開発の推進も行っています。
サステナビリティに関しては、経営戦略・経営課題との整合性を意識した情報開示に取り組むとともに、中長期的な人材育成方針と社内環境整備方針の検討を進めています。女性・外国人・中途採用者の管理職への登用等、多様性の確保にも取り組む方針です。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
トミタ電機は監査等委員会設置会社であり、取締役会は業務執行を行う取締役と監査等委員である取締役で構成されています。監査等委員である取締役には社外取締役が含まれており、経営の監視・監督機能の強化を図っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
トミタ電機の株主構成を見ると、筆頭株主はプラニングカミヤであり、その次に個人の神谷哲郎氏が名を連ねています。創業家やその関連会社が上位株主として同社を支えている資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| プラニングカミヤ | 15.84% |
| 神谷 哲郎 | 9.16% |
| 大和コネクト証券 | 8.25% |
なお、神谷哲郎氏が保有していた同社の株式は、遺産分割協議により神谷陽一郎氏が相続することとなっておりますが、名義変更手続きは未完了となっています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は5名(男性5名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長兼管理本部長は神谷陽一郎氏が務めています。社外取締役比率は0.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 神谷 陽一郎 | 代表取締役社長兼管理本部長 | 2006年University of DallasでMBA取得後、Disco Hi-Tech America,Inc、スター精密に入社。2011年4月同社常勤監査役、2013年4月取締役、2016年9月取締役管理本部長を経て、2025年3月代表取締役社長兼管理本部長に就任より現職。 |
| 白間 広章 | 取締役総合技術部長 | 1985年4月同社入社。2009年3月同社総合技術部次長、2009年4月取締役総合技術部次長を経て、2011年4月取締役総合技術部長に就任より現職。 |
社外取締役は、西尾愼一氏(元鳥取大丸取締役・常勤監査等委員)、大田原俊輔氏(弁護士法人やわらぎ代表社員弁護士・監査等委員)、山本庄英氏(アピオン代表取締役・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役が取締役会の監視・監督機能を強化する体制をとっています。社外取締役3名が経営の意思決定と業務執行に対し、客観的かつ中立な立場から監視・監督を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、基本報酬と退職慰労金によって構成されています。基本報酬は月例の固定報酬としており、業績連動型の報酬制度は採用していません。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 32百万円 | 10.6百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 7百万円 | 2.2百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。また、総額には期中に退任した役員の報酬が含まれます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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