※本記事は、ピープル株式会社 の有価証券報告書(2026年1月期、2025年1月21日 ~ 2026年1月20日、2026年4月15日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ピープルは幼児玩具の企画・開発及び販売を主要業務としています。商品の製造はすべて委託生産で行い、乳児・知育・構成玩具、メイキングトイ、遊具・乗り物・育児などの幅広い商品カテゴリーを展開しています。
単体従業員数は40名です。同社は玩具及び乗り物類の企画・販売事業の単一セグメントで事業を展開しています。
ピープルは幼児玩具の企画・開発及び販売を主要業務としています。商品の製造はすべて委託生産で行うことで、閑散期の稼働率低下によるロスを回避しています。
前事業年度においてピープルはバンダイナムコホールディングスの持分法適用関連会社でしたが、2025年3月19日付で同社が保有する議決権が3.9%となったため、関係会社ではなくなりました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ピープルは、玩具や乗り物類の企画・販売を手がける企業です。少数精鋭の組織体制でありながら、従業員の定着率が高く、経験豊富な人材が長く活躍できる環境が特徴です。多様な働き方を支援する制度も積極的に導入しており、個々のライフスタイルに合わせた柔軟な働き方が期待できます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、従業員数が40名と少数精鋭の体制でありながら、平均勤続年数が長く、従業員の定着傾向が見られます。平均年齢も40代前半であり、経験豊富な人材が活躍している環境と言えるでしょう。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,002,892円 |
| 平均勤続年数 | 14年7ヶ月 |
| 平均年齢 | 42歳4ヶ月 |
| 単体従業員数 | 40人 |
| 連結従業員数 | - |
同社は確定拠出年金制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する制度)を採用しています。この制度は、同社の従業員および執行役を対象としています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、サステナビリティに係る基本方針は定めていないものの、人的資本の価値向上に向けた取り組みを経営上重要であると認識しています。人材育成においては、従業員のモチベーション向上を目指し、組織をフラット型へ移行し、人事評価と査定の仕組みを年功序列型から成果主義型へと変更しました。また、新商品開発の意思決定を迅速化するため、各プロジェクトリーダーに権限を移譲する「予算申告制度」を策定・実行しています。
多様な人材が能力を発揮できる環境整備を重視しており、特に女性社員や外国人社員の活躍を積極的に推進しています。子育てと仕事の両立支援にも力を入れ、多様なライフスタイルに対応した働き方を支援しています。育児・介護に関する休業や短時間勤務制度を導入し、全社フレックスタイム制やハイブリッドワーク制(オフィスとテレワークの組み合わせ)を採用しています。さらに、育児短時間勤務の対象となる子どもの年齢制限を撤廃し、創業以来定年制を設けていないことも特徴です。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男性労働者の育児休業取得率は、該当者がいないため記載されていません。男女賃金差異は、役職・等級別の人数構成および短時間勤務者によるものであり、性別による人事制度上の差は設けていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 86.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 112.6% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 112.6% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
ピープルは、幼児玩具の企画・開発および販売を主要業務としています。商品の製造はすべて委託生産で行い、閑散期の稼働率低下によるロスを回避する事業モデルです。商品カテゴリーとしては、乳児・知育・構成玩具、メイキングトイ、その他(遊具・乗り物・育児等)、海外販売・ロイヤリティ収入があります。
同社は中長期的な成長を見据え、子どもの好奇心という普遍的な価値を軸とした「好奇心事業」を中核とする事業構造への転換を推進しています。具体的には、2025年5月に「1curiosity(ワンキュリオシティ)」シリーズをローンチし、遊びの過程そのものに発見や試行錯誤の要素を取り入れた設計を特長としています。また、10月には幼児向けのデジタル知育サービス「さわるTECH」をローンチし、子どもの自発的な関心や操作を起点とした体験を重視した新たな取り組みを進めています。これらの新事業は、当期においてはコンセプト浸透や基礎づくり、サービス内容の検証段階にあり、売上への寄与は限定的となっています。既存事業では、定番商品「ピタゴラス」シリーズを中心に安定した流通評価を維持しています。
海外では、前期の米国取引先との契約変更に伴い売上高は縮小しましたが、当期は新商品「1curiosity」シリーズが英国を中心としたEC販売でヨーロッパ圏へ進出しました。アジア地域では、ベビーシリーズやピタゴラスシリーズなどが引き続き底堅い動きを見せています。
カテゴリー別の販売状況を見ると、乳児・知育・構成玩具、メイキングトイ、その他(遊具・乗り物・育児等)、海外販売・ロイヤリティ収入のいずれも前期から販売高が減少しています。特にメイキングトイとその他カテゴリーは大きく縮小しました。同社の販売実績では、複数の主要な取引先への販売が集中している傾向があります。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の売上高は直近5期で減少傾向にあり、営業利益、経常利益、当期純利益は直近2期で損失を計上しています。当期は、事業構造転換の移行段階として新事業・新商品の育成や将来に向けた基盤整備に注力した期間であり、新商品のPR費用や新事業開発費用が発生しました。
また、保有する投資有価証券の一部売却による特別利益を計上した一方で、固定資産の減損処理による特別損失も計上しています。営業活動によるキャッシュ・フローは当期も支出となりました。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は、本業の資金繰りにおいて支出が上回る状況ですが、投資活動による収入もあり、自由に使える資金は確保されています。事業構造転換の途上にあり、新たな成長に向けた基盤整備を進めている段階です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤は、高い自己資本比率を維持している状況です。当期の自己資本比率は92.8%となっており、プライム市場の平均と比較しても非常に高い水準を示しています。一方で、ROE(自己資本利益率)は当期、前期ともに純損失を計上しているため、マイナスとなっています。手元資金として、当期末の現金及び預金は11億55百万円を確保しており、不況時の耐性も一定程度あると考えられます。これらの状況から、同社は安定した財務体質を保ちつつも、収益性の改善が今後の課題であると言えます。
| 指標 | 2025年1月期(前期) | 2026年1月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | 92.5% | 92.8% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金等 | 14億40百万円 | 11億55百万円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュフローは、当期において営業活動によるキャッシュフローが△1億56百万円の支出となりました。これは主に税引前当期純損失の計上、投資有価証券売却益の計上、棚卸資産の増加が影響しています。投資活動によるキャッシュフローは、投資有価証券の売却により1億73百万円の収入を確保しています。財務活動によるキャッシュフローは、自己株式の取得により△3億4百万円の支出となっています。これらの結果、自由に使える資金を示すフリーキャッシュフローは17百万円のプラスとなりました。本業での資金創出が課題であるものの、投資活動による収入で補填し、資金繰りは維持されている状況です。この資金の流れは、同社が事業構造転換の途上にあり、収益性改善と新たな成長に向けた基盤整備を進めている段階であることを示しています。雇用や給与の安定性については、本業の収益改善が今後の重要な要素となるでしょう。
| 項目 | 2025年1月期(前期) | 2026年1月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △93百万円 | △1億56百万円 |
| 投資CF | △81百万円 | 1億73百万円 |
| 財務CF | △2億9百万円 | △3億4百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △1億74百万円 | 17百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社はOEM生産委託商品の約7割を中国での生産および材料調達に依存しており、中国情勢等の影響を受けるリスクがあります。また、国内の取引先3社で国内売上高の約6割を占めることから、販路の偏りのリスクを抱えています。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ピープルは「子どもの好奇心が、はじける瞬間をつくりたい!」というパーパスを掲げ、その実現に向けて事業を展開しています。
中長期的な視点での企業価値向上と持続的な成長を目指し、柔軟な行動変容を重視する企業風土が特徴です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ピープルは「子どもの好奇心が、はじける瞬間をつくりたい!」というパーパスを経営の基本方針としています。
このパーパスに基づき、子どもの関心を見逃さず、本音を聴き、表に出ない欲求を探り、好奇心がはじける瞬間を実現し、未来を想像することを大切にしています。
先の予測が難しい環境において、柔軟に行動変容することが重要であると考えています。
同社は、このパーパスに沿って行動する日々の様子を「ピートラ(ピープルトランスフォーメーションの略)」として発信しています。
2022年からは、中長期的な視点に基づいた企業価値の向上と持続的な成長を図るため、経営指標を「ROE(自己資本利益率)」へと変更しました。
好奇心を中心概念とした独自カテゴリーの確立を目指し、ブランド完成度を高める成長フェーズへと進む方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ピープルは、パーパス実現に向けた従業員のモチベーション向上を重視し、社内の仕組みをフラット型組織へと変革しています。
人事評価と査定の仕組みは「年功序列型」から「成果主義型」へと変更されました。
新商品プロジェクトの進行を加速するため、新商品開発にかかる権限を各プロジェクトリーダーに移譲する「予算申告制度」を策定し実行しています。
同社は、多様な人材が能力を生かせる環境整備にも力を入れています。
育児・介護に関する休業や短時間勤務等の制度を導入し、全社フレックスタイム制やハイブリッドワーク制を採用しています。
育児短時間勤務の対象となる子どもの年齢制限を撤廃し、創業より定年制が存在しないことも特徴です。
一人ひとりの価値観やキャリア志向、能力に徹底的に向き合い、最大限の能力が発揮できる環境づくりを目指しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
ピープルは、2019年より進めてきた事業構造改革を計画通り完了させ、採算性および将来性の観点から商品群の整理を終えました。
現在、同社の商品群はパーパスである「子どもの好奇心」に基づくラインアップへと再構築されています。
今後の成長は、好奇心を軸とした新シリーズ群が担う方針です。
同社は、サステナビリティに係る基本方針は定めていませんが、人的資本の価値向上に向けた取り組みは経営上重要であると認識しています。
経営計画の策定においては、サステナビリティへの取り組みや人的資本、知的財産への投資について、経営戦略・経営課題との整合性を意識して検討し、積極的に情報開示を進める方針です。
リスク管理チームを設置し、各種リスク評価とコントロールを行う体制を整えています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ピープルでは、取締役会の構成とガバナンス体制が特徴的です。同社は指名委員会等設置会社であり、経営の意思決定・監督機能と業務執行機能が分離されています。取締役会は執行役兼務の社内取締役1名と社外取締役3名で構成されています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ピープルの株主構成を見ると、筆頭株主は個人であり、複数の個人株主が上位に名を連ねています。特定の事業会社も主要株主として名を連ねていますが、前事業年度から主要株主ではなくなった企業もあります。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 桐渕 真人 | 7.85% |
| 萩原 雄二 | 5.19% |
| バンダイナムコホールディングス | 3.92% |
| SBI証券 | 3.74% |
| 阪田 和弘 | 3.24% |
なお、前事業年度において主要株主であったバンダイナムコホールディングスは、当事業年度において主要株主ではなくなりました。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性4名・女性3名)で構成され、女性役員比率は43.0%です。代表執行役は桐渕真人氏が務めています。社外取締役比率は75.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 桐渕 真人 | 取締役兼代表執行役 | 2005年3月に同社に入社し、2016年1月には自転車事業部長に就任しました。その後、2016年4月に執行役、2017年4月に取締役兼執行役を経て、2019年4月より取締役兼代表執行役として現職です。 |
社外取締役は、森本美成氏(エグゼクティブ・パートナーズ理事・報酬委員長・監査委員・指名委員)、伊藤拓氏(弁護士法人御堂筋法律事務所社員・指名委員長・報酬委員・監査委員)、藤本明徳氏(JEK合同会社代表社員・監査委員長・指名委員・報酬委員)です。
同社は指名委員会等設置会社であり、経営の監督機能と業務執行機能の分離を徹底しています。社外取締役が過半数を占める指名委員会、報酬委員会、監査委員会を設置し、独立した立場からの監督体制を強化しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ピープルでは、役員報酬の決定に関する方針を報酬委員会が定めています。社外取締役の報酬は固定金額のみで、業績連動型ではありません。執行役を兼務する社内取締役には執行役としての報酬が支払われ、取締役としての固定報酬は支給されません。執行役の報酬は固定金額に加えて業績連動報酬が加算される体系ですが、当事業年度は業績連動報酬の支給は行われませんでした。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 執行役 | 4名 | 54百万円 | 13.4百万円 |
| 社外取締役 | 3名 | 11百万円 | 3.6百万円 |
なお、執行役を兼務する取締役の報酬は執行役の欄に記載されており、取締役としての報酬は支給されておりません。また、執行役の小田桐裕子氏は休職に伴い報酬の支給を停止していましたが、当事業年度においては復職まで報酬の支給を停止しています。
個人別報酬が開示されている役員は、桐渕真人氏(0.20億円)、森本美成氏(0.04億円)、伊藤拓氏(0.04億円)、藤本明徳氏(0.04億円)、小田桐裕子氏(0.08億円)、中北かとり氏(0.13億円)、飛田留美子氏(0.13億円)です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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