タカショー 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

タカショー 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

東証スタンダード市場に上場しており、庭空間を構成する各種庭園資材の製造販売を主要事業としています。直近の連結業績は、プロユース事業や海外事業の一部が伸長し増収となりましたが、営業損失および経常減益となりました。最終損益は黒字に転換しています。


※本記事は、株式会社タカショー の有価証券報告書(第45期、自 2024年1月21日 至 2025年1月20日、2025年4月14日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. タカショーってどんな会社?


タカショーは、ガーデニング・エクステリア用品の製造販売を行う企業です。「やすらぎのある空間づくり」を掲げ、プロユースから家庭用まで幅広く展開しています。

(1) 会社概要


1980年に和歌山県で設立され、造園および庭園資材の販売を開始しました。1998年に日本証券業協会に株式を店頭登録し、2017年の東証二部を経て2018年に東証一部へ指定されました。その後、2023年にスタンダード市場へ移行しています。海外展開も積極的で、中国での製造拠点設立や欧米での販売子会社設立を行っています。

連結従業員数は901名、単体では351名です。筆頭株主は信託業務を行う日本マスタートラスト信託銀行(10.69%)で、第2位は資産管理会社とみられるタカオカ興産(9.19%)、第3位は創業者で社長の高岡伸夫氏(6.41%)となっています。

氏名 持株比率
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 10.69%
株式会社タカオカ興産 9.19%
高岡 伸夫 6.41%

(2) 経営陣


同社の役員は男性7名、女性1名の計8名で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長は高岡伸夫氏です。社外取締役比率は37.5%です。

氏名 役職 主な経歴
高岡 伸夫 代表取締役社長 1980年同社専務取締役就任。1989年より現職。グループ各社の代表を歴任し、タカショーデジテック会長等を兼務。
寒川 浩 取締役経営管理本部長 1988年同社入社。総務部長、管理本部長等を経て2022年より現職。


社外取締役は、百瀬伸夫(テンポロジー未来コンソーシアム代表取締役)、宝田めぐみ(宝田グローバルアドバイザーズ代表取締役)、有江敬寛(ケーティーコンサルティング専務取締役)です。

2. 事業内容


同社グループは、「日本」「欧州」「中国」「韓国」「米国」および「その他」事業を展開しています。

(1) 日本


庭園資材の製造販売、照明機器の製造販売、造園工事、WEBサイト運営、出版などを行っています。住宅メーカーやホームセンター向けの販売が中心です。

収益は、各販売ルートへの製品販売による対価が主な源泉です。運営は同社のほか、ガーデンクリエイト(製造)、タカショーデジテック(照明)、トーコー資材(販売・工事)、3and garden(WEB)、グリーン情報(出版)、GLD-LAB.(DXデザイン)などの子会社が行っています。

(2) 欧州


イギリスやドイツを拠点に、庭園資材の販売を行っています。現地の市場ニーズに合わせた商品を展開しています。

収益は、現地の顧客への製品販売により得ています。運営は、VegTrug Limited(イギリス)およびVegTrug Europe GmbH(ドイツ)が行っています。

(3) 中国


庭園資材や照明機器の製造および販売を行っています。グループの主要な生産拠点としての機能も担っています。

収益は、製品の販売およびグループ会社への製品供給により得ています。運営は、佛山市南方高秀電子科技有限公司、江西高秀進出口貿易有限公司、浙江正特高秀園芸建材有限公司、九江高秀園芸製品有限公司などが行っています。

(4) 韓国


庭園資材の販売を行っています。現地市場に向けたエクステリア商品の提供を主としています。

収益は、現地顧客への製品販売から得ています。運営は、同社の韓国支店等が担当しているものと推測されます(詳細は有報に記載なし)。

(5) 米国


北米市場において庭園資材の販売を行っています。ガーデンセンターやホームセンターなどが主な販路です。

収益は、現地顧客への製品販売により得ています。運営は、VegTrug USA Inc.が行っています。

(6) その他


オーストラリアやインド等における庭園資材の販売、フィリピンでのデザイン制作などを行っています。

収益は、製品販売およびデザイン制作サービスの対価です。運営は、Takasho Australasia Pty. Ltd.(オーストラリア)、Takasho Garden Living India Private Limited(インド)、Takasho Garden Life Design Lab Phil Corp.(フィリピン)が行っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


直近5期間の業績を見ると、売上高は200億円前後で推移しています。利益面では、経常利益率が低下傾向にあり、直近2期は低水準となっています。当期は売上が回復基調にあるものの、利益率は0.4%に留まっています。

項目 2021年1月期 2022年1月期 2023年1月期 2024年1月期 2025年1月期
売上高 185億円 208億円 204億円 194億円 199億円
経常利益 12億円 15億円 10億円 3億円 1億円
利益率(%) 6.2% 7.4% 4.8% 1.3% 0.4%
当期利益(親会社所有者帰属) 4億円 5億円 3億円 -4億円 0.3億円

(2) 損益計算書


売上高は前期比で増加しましたが、売上原価および販売費及び一般管理費が増加したため、営業損失が拡大しました。売上総利益率はほぼ横ばいで推移しています。

項目 2024年1月期 2025年1月期
売上高 194億円 199億円
売上総利益 83億円 84億円
売上総利益率(%) 43.0% 42.2%
営業利益 -1億円 -2億円
営業利益率(%) -0.6% -0.8%


販売費及び一般管理費のうち、給料手当及び賞与が25億円(構成比29.1%)、運搬費が11億円(同13.0%)を占めています。

(3) セグメント収益


日本セグメントは売上高が横ばいながら増益を確保しました。一方、欧州、米国、その他セグメントは増収となりましたが、損失を計上しています。中国は増収となりましたが、原材料高騰の影響等で赤字に転落しました。韓国は減収により損失幅が拡大しています。

区分 売上(2024年1月期) 売上(2025年1月期) 利益(2024年1月期) 利益(2025年1月期) 利益率
日本 173億円 173億円 5億円 5億円 3.2%
欧州 4億円 7億円 -5億円 -3億円 -48.4%
中国 9億円 9億円 0.6億円 -1億円 -14.6%
韓国 2億円 2億円 -0.2億円 -0.6億円 -28.9%
米国 4億円 5億円 -2億円 -3億円 -47.1%
その他 2億円 3億円 -0.5億円 -0.4億円 -17.2%
調整額 -27億円 -27億円 1億円 1億円 -
連結(合計) 194億円 199億円 -1億円 -2億円 -0.8%

(4) キャッシュ・フローと財務指標


本業の営業キャッシュ・フローがマイナスとなる中、投資活動による支出を借入等の財務活動で補っており、将来の成長に向けた投資や運転資金の確保を行っている「勝負型」の状況です。

項目 2024年1月期 2025年1月期
営業CF 11億円 -3億円
投資CF -6億円 -9億円
財務CF -7億円 6億円


企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は0.5%で市場平均を下回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は53.0%で市場平均を下回っています。

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


同社グループは、基本コンセプト「やすらぎのある空間づくり」に基づき、住まいの庭空間を構成する各種庭園資材を提供し、その結果として安定した業績と適正な利益を確保することを経営の基本としています。

(2) 企業文化


同社は「環境との共生」や「風、光、水、緑」をコンセプトとし、「心で感動する」をテーマに掲げています。常に変化を先取りして新たな価値を創造し、日本発のグローバルなトータルエクステリア企業として、都市環境庭文化づくりを実践する姿勢を重視しています。

(3) 経営計画・目標


同社は目標とする経営数値を定めていませんが、企業の成長性を判断する際の売上高と、収益力を判断する際の売上総利益率および経常利益率を重要な指標と位置付け、これらの継続的な向上を目標としています。

(4) 成長戦略と重点施策


中長期的には、現場に合わせて製造・提供する「マスカスタマイゼーション」による販売力強化や、WEBプラットフォーム『GARDEN STORY』によるプラットフォームビジネスの強化を図ります。また、デザイン・品質・省エネをテーマとした商品開発や、DX推進による顧客サービス向上、グローバル市場への展開と成長基盤の強化に取り組んでいきます。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


同社は「人が成長することにより会社が成長する人材型企業」の理念のもと、多様な人材が個性を生かして働ける環境構築を目指しています。優秀な人材確保のため、成功報酬型給与の導入やジョブ・ローテーション、インターネットでの採用強化を進めるほか、DX人材の育成や多様な働き方の推進にも取り組んでいます。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均をやや下回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2025年1月期 41.1歳 13.1年 4,907,721円


※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
女性管理職比率 8.0%
男性育児休業取得率 75.0%
男女賃金差異(全労働者) 57.1%
男女賃金差異(正規雇用) 71.6%
男女賃金差異(非正規雇用) 60.7%


また、同社は「サステナビリティ」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、有給取得率(57.24%)、障がい者雇用率(3.05%)などです。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 売上債権に関するリスク


同社グループは国内外の取引先に対して販売を行っていますが、これらの販売先が予測し得ない財務上の問題に直面した場合、業務および財政状態ならびに経営成績に影響を与える可能性があります。

(2) 外国為替相場の変動によるリスク


商品の約50%を海外から輸入しているため、仕入原価等は為替レートの影響を受けます。為替予約等で対策を行っていますが、予測を超えた変動が生じた場合、財政状態および経営成績に影響を与える可能性があります。

(3) 原材料・資材などの価格変動のリスク


アルミニウム地金や鋼材など、市況により価格が変動する原材料を使用しています。価格高騰時にはコストダウンや価格転嫁に努めますが、すべて吸収できない場合、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 商品の長期滞留および評価減等に伴う影響


多種多様な商品を在庫として保有しており、天候不順等で売上が予想を下回った場合、在庫の長期滞留や評価減が発生し、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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