※本記事は、株式会社メディアリンクス の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
メディアリンクスは、放送用ネットワークのインフラを形成する機器・システムを開発・販売するファブレスメーカーです。テレビ放送の高品位映像素材をIPネットワークで伝送する機器やシステムを提供し、ソフトウェアや保守サービスを含むシステム構築も手掛けています。
単体従業員数は32名、連結従業員数は61名です。
メディアリンクスは、主に機器やシステムを通信事業者またはテレビ放送局に直接販売しています。通信事業者への販売を通じて、同社の機器やシステムがテレビ放送局への映像伝送サービスに活用されています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
メディアリンクスは、放送・通信インフラ分野における技術革新に対応する専門性を重視する企業です。従業員の能力を最大限に引き出し、柔軟な働き方を支援する環境整備にも取り組んでいます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
メディアリンクスでは、平均勤続年数が比較的長く、従業員が安定してキャリアを築いている傾向が見られます。平均年齢も高めであることから、経験豊富な人材が中心となって事業を推進していることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,847,000円 |
| 平均勤続年数 | 13.1年 |
| 平均年齢 | 44.1歳 |
| 単体従業員数 | 32人 |
| 連結従業員数 | 61人 |
| 単体のグループ内比率 | 52.5% |
同社グループは、勤労者退職金共済機構・中小企業退職金共済事業本部の共済制度に加入しており、一部の連結子会社は確定拠出型年金制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する制度)を設けています。なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
メディアリンクスは、放送・通信インフラ分野における技術革新と顧客ニーズの高度化に対応するため、人材を重要な経営資本と位置付けています。高度な専門性を持つ人材の育成と確保、多様な人材が能力を最大限発揮できる職場環境の整備を推進しています。
同社グループの人事制度は、責任と成果・業績貢献度に対して報酬を支払うジョブグレード制度による職務給型です。職務・役割・能力・成果等を総合的に勘案した人事評価と報酬制度を運用しており、給与水準は外部環境や市場動向、同社グループの業績等を踏まえ、各従業員の職務内容、能力及び成果等を反映して設定されています。評価基準の明確化や評価者等を通じて、公平性及び透明性の向上に努めています。
人材育成においては、OJTを基本とし、階層別研修や専門教育支援を必要に応じて実施しています。自律的な学習機会の提供や次世代管理職の育成を通じて、事業環境の変化に対応できる人材の育成に取り組んでいます。また、「育児休業規程」及び「介護休業規程」を整備し、リモートワーク等の柔軟な働き方を推進することで、仕事と家庭の両立支援に努めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社メディアリンクスは、放送用ネットワークのインフラを形成するための機器・システムを開発・販売するファブレスメーカーです。テレビ放送で使用される高品位映像素材を、放送事業者の拠点間や拠点内部の部署間をIPで結ぶネットワークを実現するための機器やシステムなどを提供しています。
同社グループの収益モデルは、機器単独の販売だけでなく、ソフトウエア、設置工事、保守サービスなどを組み合わせたシステム構築事業も展開しています。主に通信事業者やテレビ放送局に対して機器やシステムを販売しており、製品販売に係る収益は製品の引き渡し時点、保守サービスに係る収益は一定期間にわたり履行義務を充足する進捗度に応じて認識しています。
同社グループの事業は、ハードウエア製品、メンテナンス・サポート、その他に区分されます。ハードウエア製品が収益の大部分を占めていますが、当連結会計年度は前期に比べて減少しました。メンテナンス・サポートは前期からわずかに減少しています。その他区分は前期から大幅に減少しました。
海外売上高比率は前期から増加しており、海外市場での事業展開を強化している傾向が見られます。また、特定の通信事業者が主要な顧客となっており、収益の一部が集中している状況です。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| ハードウエア製品 | 1兆7,596億円 | 1兆5,075億円 |
| メンテナンス・サポ-ト | 6,306億円 | 6,119億円 |
| その他 | 3,995億円 | 2,177億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
過去5期間の売上高は変動しながらも減少傾向にあり、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は継続して損失を計上しています。特に当連結会計年度は、親会社株主に帰属する当期純損失が大幅に拡大しました。これは、モデルチェンジによる旧型製品の販売終了の決定に伴う棚卸資産評価損を特別損失に計上したことが主な要因となっています。営業活動によるキャッシュ・フローは減少が続いているものの、当連結会計年度は減少幅が縮小しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 25.0億円 | 25.2億円 | 31.1億円 | 27.9億円 | 23.4億円 |
| 経常利益 | △7.3億円 | △2.3億円 | △1.9億円 | △5.2億円 | △8.9億円 |
| 経常利益率 | △29.1% | △9.0% | △6.0% | △18.7% | △38.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △7.6億円 | △2.5億円 | △2.4億円 | △5.6億円 | △14.5億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △134.13 | △13.13 | △7.90 | △12.06 | △21.57 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は前期から減少しており、生産性が低下している傾向が見られます。また、従業員1人あたり営業利益も前期に引き続き損失を計上しており、当期は損失幅が拡大しています。これは、旧型製品の販売終了に伴う棚卸資産評価損の計上など、一時的な要因も影響していると考えられます。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 42.9百万円 | 38.3百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | △8.0百万円 | △14.4百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの経営状況は、継続的な損失計上により、財務の安定性に重要な課題を抱えている状況です。資金の流れにおいても、事業活動や投資活動による資金の減少が見られます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤を見ると、自己資本比率は前期から上昇し、プライム市場の平均と比較しても高い水準にあります。一方で、ROE(自己資本利益率)はマイナスとなっており、収益性には課題が見られます。手元資金である現金及び預金は前期から増加しており、一定の流動性は確保されています。これらの状況は、今後の事業展開や雇用・給与の安定性に影響を与える可能性があります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 24.4億円 | 25.2億円 |
| 自己資本比率 | 65.5% | 80.5% |
| ROE(自己資本利益率) | - | △58.6% |
| 現金及び預金 | 3.6億円 | 7.7億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、税金等調整前当期純損失の計上や棚卸資産評価損の計上などにより、当期も資金が減少しています。投資活動によるキャッシュフローも、定期預金の預入による支出が主な要因となり、資金が減少しました。その結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローはマイナスとなっています。
財務活動によるキャッシュフローは、株式の発行による収入や社債の発行による収入により、資金が増加しました。この資金は、事業活動や投資活動で減少した資金を補填している状況です。このような資金の流れは、同社グループが継続企業の前提に重要な疑義を生じさせている状況と合わせて、今後の事業運営や雇用・給与の安定性を検討する上で重要な情報となります。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △7.6億円 | △4.3億円 |
| 投資CF | △0.9億円 | △2.2億円 |
| 財務CF | 2.7億円 | 8.7億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △8.5億円 | △6.5億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
同社グループは、当連結会計年度において7期連続で営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しています。これにより、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しており、取引金融機関からは新たな融資の検討が困難であるという見解が示されています。同社グループは収益力の向上、販売費及び一般管理費の削減、研究開発費の効率化、資本政策等の対応策を実施しています。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの売上高は特定の顧客への依存度が高い水準で推移しており、その顧客の設備投資方針や購買方針の変更により売上高が大幅に減少する可能性があります。また、提供する機器やシステムは一度導入されると次回の更新まで大きな需要が発生しないため、安定的な業績達成には常に新規の設備導入および更新需要の発生するユーザーを継続的に確保する必要があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、製品開発や海外展開の軸となる十分な知識、技術、語学力とノウハウを有する人材の確保・育成を最重要課題の一つと捉えています。将来、優秀な技術者が退職したり、優秀な人材を確保できなかったりした場合、同社グループの業務に支障が生じる可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
メディアリンクスは、技術革新を追求し、IPによるメディアサービス配信技術を通じて世界中の生活基盤を支えることを目指しています。グローバルな視点と顧客志向を大切にする企業文化が特徴です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「技術革新のリーダーとして、高い信頼性が要求されるメディアサービスをIPにより配信する技術を提供し、世界中のお客様の生活基盤を支える」ことを経営の基本方針としています。IPによる映像伝送領域を基本市場と定め、高度な技術に支えられた付加価値の高い商品・サービスを提供しています。
また、「お客様のニーズに合わせて独創的な技術で開発したより高度なソリューションを顧客に提供する」というビジョンを掲げ、事業を展開しています。グローバルで一本化された機能別組織を整備し、迅速な意思決定により社会貢献を継続していくことを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、組織ごとに責任と権限を明確化し、適切な権限委譲を推進することで業務のスピード化を図っています。グローバルに広がる各組織と従業員間の情報共有と連携の基盤を作り、スムーズな意思疎通を通じて自律的な改善活動を展開できる組織作りを重視しています。
人事制度は、責任と成果、業績貢献度に対して報酬を支払うジョブグレード制度による職務給型を採用しています。これにより、社員に求める行動や責任、成果を明確にすることで人材育成を図っています。また、グローバル展開においては、本社内の日本人従業員全員に共通言語である英語の習得を求めており、グループ全体の円滑なコミュニケーションを推進しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、特定顧客への依存度を低減するため、営業力の強化に加え、販売代理店やシステムインテグレーターとの協業による新規顧客獲得に取り組んでいます。また、既存顧客への拡販と新規顧客の獲得を目指し、新製品の開発・販売や北米での営業力強化、その他の地域での販売地域拡大を進めています。
ソフトウエア開発力の強化も重点テーマの一つであり、機能をハードウエアから切り離し、ソフトウエアとして提供する割合を増やすことを目指しています。グローバルな販売チャネル網の構築に向けては、各国の業界事情に精通し、技術力を持った信頼できる販売代理店の獲得と、きめ細かなチャネルサポートの提供が課題です。
さらに、技術力を維持し続けるため、競争力のある新製品開発への投資を継続しています。保守・サポート体制の充実を図り、システムインテグレーションや技術支援などのプロフェッショナルサービスを提供することで収益機会の増大を目指しています。組織・人事面では、組織ごとの責任と権限の明確化、管理職のレベルアップ、グローバルな情報共有と連携の強化を推進しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
メディアリンクスは監査役会設置会社であり、取締役会が業務執行の決定と監督を担い、監査役会が取締役の職務執行を監査する体制をとっています。社外取締役と社外監査役が経営の客観的な監視機能を果たしています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
メディアリンクスの株主構成を見ると、機関投資家や個人株主が上位に名を連ねています。特定の株主が過半数を占める状況ではなく、多様な株主によって支えられていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 楽天証券 | 3.70% |
| 前田 喜美子 | 3.57% |
| 杉山 善一 | 2.15% |
| 野村證券 | 1.34% |
| SBI証券 | 1.17% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は菅原司氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 菅原 司 | 代表取締役社長 | 1998年4月同社入社。2014年6月同社取締役設計開発本部長。2020年4月同社代表取締役社長より現職。 |
| ジョン デイル | 取締役CMO | 2005年11月MEDIA LINKS,INC.入社。2014年6月同社取締役Marketing & Business Development担当。2020年4月同社取締役CMOより現職。 |
| 長谷川 渉 | 取締役 管理本部長 | 1982年4月住友電気工業㈱入社。2016年2月同社入社管理本部副本部長。2016年6月同社取締役管理本部長より現職。 |
社外取締役は、石井洋一氏(エムイーアイ㈱取締役)、石田正氏(カルビー㈱監査役)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役による監督と社外監査役による業務監査、会計監査人による会計監査を通じて、経営の監視機能が客観的に機能する体制をとっています。東京証券取引所の独立性に関する判断基準に従い、独立役員として社外取締役2名に加えて社外監査役1名を選任しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社取締役の報酬は、金銭による固定報酬、短期インセンティブとしての業績連動報酬、そして株式報酬型ストック・オプションによる長期インセンティブで構成されています。短期インセンティブは会社業績、事業部業績、個人業績の各部分からなり、売上高および営業利益の目標達成率に基づいて算定されます。長期インセンティブは企業価値の持続的な向上を目指し、業績連動報酬と株価連動報酬で構成されています。監査役の報酬は、独立性を考慮し固定額の基本報酬のみとなっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 52百万円 | 17.5百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 24百万円 | 4.9百万円 |
なお、社外役員5名は、社外監査役3名と社外取締役2名で構成されています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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