※本記事は、株式会社丸千代山岡家 の有価証券報告書(2026年1月期、2025年2月1日 ~ 2026年1月31日、2026年4月30日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
丸千代山岡家は、直営のラーメン専門店「ラーメン山岡家」を運営するラーメン事業を主軸としています。2026年1月31日現在、北海道、関東、東北、東海地区の主要幹線道路沿いを中心に195店舗を展開し、全店舗で24時間営業を基本としています。
単体従業員数は776名です。
同社は、直営店を基本とした多店舗展開を推進しており、一定の品質・サービス・清潔さの水準を全店で維持・管理しています。店舗のスクラップ・アンド・ビルドも実施しながら、事業の拡大に取り組む方針です。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
丸千代山岡家は、飲食事業を展開する企業として、従業員の成長と働きやすい環境の整備を重視しています。食を通じて社会に貢献するという経営理念のもと、人材育成や多様な働き方を支援する取り組みを進めていることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
丸千代山岡家では、従業員の平均年齢と平均勤続年数から、比較的安定した人材構成と定着傾向が見られます。キャリアアッププログラムや福利厚生施策を通じて、従業員が長く働き続けられる環境づくりに注力していることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,359,419円 |
| 平均勤続年数 | 7.1年 |
| 平均年齢 | 40.9歳 |
| 単体従業員数 | 776人 |
丸千代山岡家は、確定拠出年金制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)を採用しています。この制度は国内の従業員を対象としています。なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
丸千代山岡家は、「食を通じて、人と地域社会をつなぐ企業へ 全てのお客様に喜んでもらい、「お客様」「社会」「社員」に必要とされる企業であり続ける」という経営理念を実践できる人材の育成を重視しています。持続的な成長のためには、店舗運営を担う従業員の成長と働きやすい環境の整備が重要課題であると認識し、人的資本への継続的な投資を行っています。
具体的には、キャリアアッププログラム「Y-CUP」を策定し、1stから5stまでのラインを設けています。各ラインをクリアすることで店長や管理監督者などのタイトルにチャレンジできる制度となっており、体系的なトレーニングを通じて従業員の目指す方向性を明確化しています。
また、トレーニングセンターの運営や様々な福利厚生施策、特定技能実習生の受け入れも行い、店舗オペレーション技術やマネジメント力の向上、研修機会を通じたコミュニケーションの実施など、より長く働ける環境整備に努めています。今後は、性別や年齢、国籍、言語などの多様性を尊重し、従業員の能力が十分に発揮できる環境を整備していく方針です。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。管理職比率など男女間に差異があることで1名あたり賃金に差が出ていますが、人事体系、報酬制度、評価制度、人材育成などにおいて性別による処遇差はありません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 0.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 15.4% |
| 労働者の男女の賃金差異(全労働者) | 77.1% |
| 労働者の男女の賃金差異(正規雇用労働者) | 82.6% |
| 労働者の男女の賃金差異(パート・有期労働者) | 114.0% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
丸千代山岡家は、ラーメン専門店「ラーメン山岡家」の運営を主軸とするラーメン事業を展開しています。同社は、全店舗直営、店内調理、24時間営業を基本とした営業スタイルを特徴としています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、ラーメン専門店「ラーメン山岡家」を北海道、関東、東北、東海地区の主要幹線道路沿いを中心に展開しています。直営店を基本とすることで、一定の品質、サービス、清潔さの水準を全店で維持・管理し、事業の拡大に取り組む方針です。
収益は、主にラーメン事業における店舗での販売から得ています。公式アプリ会員への継続的なクーポン配信や来店ポイント付与、季節や食材にこだわった期間限定商品の販売、SNSや動画配信を通じた情報発信などにより、リピーターや新規顧客の獲得に努めています。海外の外部顧客への売上高はないため、国内事業に特化しています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも前期から増加し、過去最高を更新する結果となりました。既存店売上高も継続して前年を上回る状況が続いています。次期においても、売上高、経常利益、当期純利益の増加を見込む計画を立てています。
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
財務の安定性から、丸千代山岡家の現在の状況を端的に示します。同社は本業で安定的に資金を生み出し、成長のための投資も進めている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
丸千代山岡家の自己資本比率は、当期に55.4%となり、前期の46.1%から増加しています。これはプライム市場の非製造業平均と比較しても高い水準にあります。
現金及び預金は当期に61.9億円となり、前期の39.6億円から増加しました。手元資金が潤沢に確保されている状況です。財務基盤が安定していることは、事業継続の安定性や将来的な成長投資の余力につながります。
| 指標 | 2025年1月期(前期) | 2026年1月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産額 | 66.7億円 | 101.3億円 |
| 自己資本比率 | 46.1% | 55.4% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金 | 39.6億円 | 61.9億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
丸千代山岡家の当期のキャッシュフローは、営業活動による資金が51.4億円のプラスとなっています。これは主に税引前当期純利益や減価償却費、その他流動負債の増減によるものです。投資活動による資金は20.0億円のマイナスとなっており、店舗開設等による有形固定資産取得への支出が主な要因です。
財務活動による資金は9.5億円のマイナスとなっており、長期借入金の返済や社債の償還による支出が主な要因です。その結果、フリーキャッシュフローは31.4億円のプラスとなっています。同社は本業で安定的に資金を生み出し、成長のための投資を行いながらも、資金の余剰を確保している状況です。
| 項目 | 2025年1月期(前期) | 2026年1月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 29.7億円 | 51.4億円 |
| 投資CF | △13.2億円 | △20.0億円 |
| 財務CF | △5.0億円 | △9.5億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 16.5億円 | 31.4億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社はラーメン事業がほぼ唯一のセグメントであるため、国内景気の悪化や同社固有の問題発生が業績に影響を及ぼす可能性があります。また、出店条件に合致する物件が見つからず計画通りに出店できない場合や、競合他社との競争激化も業績に影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は直営店の出店を推進しており、スーパーバイザーや店舗の人材確保および育成が重要であると認識しています。人材確保や育成が計画通りに進まない場合、サービスの質の維持や計画通りの店舗展開が困難となり、業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
丸千代山岡家は、「食」を通じてお客様、社会、社員に必要とされる企業であり続けることを経営理念に掲げています。地域社会とのつながりを重視し、持続的な成長を目指す企業風土が特徴です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社の経営理念は、「食を通じて、人と地域社会をつなぐ企業へ 全てのお客様に喜んでもらい、「お客様」「社会」「社員」に必要とされる企業であり続ける」です。これまで「ラーメンでお客様に喜んでもらう」を事業理念としてきましたが、今後は『食』に関わる企業として発展していくことを目指しています。
『食』を通じて「地域貢献」を掲げ、納税や雇用の創出など様々な形で地域社会の発展に貢献し、地域に必要とされる企業を目指しています。日本全国の幹線道路沿いや繁華街に、ラーメン業態を始めとした同社の店舗が必ず存在するような事業の拡大を実現し、企業価値の拡大を図る方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は経営理念を実現するために、「行動指針」と「8つの使命」を策定しており、これらを従業員が自ら行動する上での指針や使命としています。安心・安全な食材の調達や地域社会への貢献など、経営理念の実現に向けた取り組みを進めています。
従業員の成長と働きやすい環境の整備を重要課題と認識し、人的資本への継続的な投資を行っています。キャリアアッププログラム「Y-CUP」を策定し、体系的なトレーニングプログラムを通じて従業員のキャリアアップを支援する制度を設けています。
性別や年齢、国籍や言語などの多様性を認め尊重しあい、より働きやすく従業員の能力が十分に発揮できる環境を整備することを目指しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、QSC(品質・サービス・清潔)の向上に取り組んでおり、スーパーバイザーの増員やウェイティング対応の標準化、挨拶・商品提供の徹底を実施しています。人材の採用・育成の強化を重要課題とし、中途社員の計画的な採用やパート・アルバイトからの社員登用、特定技能外国人材の採用を積極的に進めています。
労務環境の整備として、職責に応じた給与水準の引き上げや、健康経営の実現に向けた従業員の健康状態の把握、人間ドック受診費用の無料化などを進めています。企業規模拡大に向けて、本部機能の強化も進めており、管理体制の強化や本部社員の拡充、業務効率化のためのシステム導入を行っています。
農業事業の強化も重点テーマの一つであり、農地の拡大と管理する人材確保・育成を通じて、長ネギの収穫量アップと品質安定を目指しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
丸千代山岡家は監査等委員会設置会社であり、取締役会は社内取締役と社外取締役、監査等委員で構成されています。経営の透明性と健全性を重視し、企業価値の向上を目指すガバナンス体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
丸千代山岡家の株主構成を見ると、筆頭株主は個人である山岡正氏であり、その次に株式会社MYコーポレーションが続きます。創業家やその関連会社が上位に名を連ねており、同社の資本構成において重要な位置を占めていることがうかがえます。特定の株主グループが経営に影響力を持つ体制となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 山岡 正 | 17.77% |
| MYコーポレーション | 13.45% |
| エヌジーシー | 3.63% |
| 若杉 精三郎 | 2.66% |
| 山岡 江利子 | 2.56% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は一由聡氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 一由 聡 | 代表取締役社長 | 1994年3月株式会社丸千代商事入社、2002年2月同社取締役営業部長、2013年2月同社専務取締役営業本部長兼第一営業部長、2023年2月同社代表取締役社長より現職。 |
| 荒谷 健一 | 取締役営業本部長 | 2004年4月同社入社、2017年4月同社取締役管理本部長兼人材開発部部長、2023年2月同社取締役営業本部長より現職。 |
| 大島 正一 | 取締役経営企画室長 | 2002年10月同社入社、2017年4月同社経営企画室長、2024年4月同社取締役経営企画室長より現職。 |
| 吉村 薫 | 取締役北海道営業部部長 | 2005年3月同社入社、2024年2月同社北海道営業部部長、2026年4月同社取締役北海道営業部部長より現職。 |
社外取締役は、南畑泰道氏(長野県信用組合チーフエキスパート)、坂本尚幸氏(SCCコンサルティング代表取締役・監査等委員会委員長)、斉藤世司典氏(オーバルマネジメント代表取締役・オーバル税理士法人代表社員・監査等委員会委員)、渡辺剛氏(NTS総合司法書士法人社員・株式会社TRUSTA社外監査役・監査等委員会委員)です。
丸千代山岡家は監査等委員会設置会社です。監査等委員である取締役は全員が社外取締役であり、経営の監視機能の強化を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
丸千代山岡家の役員報酬は、企業価値の持続的な向上を促すインセンティブとして、株主利益と連動した報酬体系を採用しています。取締役の基本報酬は固定報酬であり、役位や職責に応じて決定されます。また、中長期的な業績向上への貢献を目的として、経常利益の達成度合いに連動する業績連動型株式報酬制度を導入しています。監査等委員である取締役の報酬は、その職責を考慮し基本報酬のみで構成されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 5名 | 96百万円 | 19.3百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 18百万円 | 4.5百万円 |
なお、取締役(監査等委員及び社外取締役を除く)に対する非金銭報酬には、業績連動報酬1,360千円が含まれています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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