※本記事は、スバル興業株式会社 の有価証券報告書(2026年1月期、2025年2月1日 ~ 2026年1月31日、2026年4月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
スバル興業グループは、道路関連事業を主軸に、レジャー事業、不動産事業を展開しています。高速道路事業者や官公庁からの道路維持管理業務、土木工事、清掃業務を受注し、グループ各社とともに事業を行っています。
単体従業員数は213名、連結従業員数は704名です。セグメントは道路関連事業、レジャー事業、不動産事業の3つです。
主な国内グループ会社は、ビルメン総業(不動産事業)、スバルラインサポート(レジャー事業)、トーハイクリーン(道路関連事業)などです。
レジャー事業においては、東京夢の島マリーナの管理運営業務が2024年3月31日をもって終了しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
スバル興業は、道路関連事業を主軸に、レジャー事業や不動産事業も展開する企業グループです。同社グループでは、従業員の安定的な定着を重視し、長期的なキャリア形成を支援する働き方を推進している傾向が見られます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
スバル興業では、従業員の平均年齢と平均勤続年数から、比較的長期にわたって勤務する従業員が多い傾向がうかがえます。これは、安定した環境でキャリアを築きたいと考える方にとって、一つの目安となるでしょう。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,829,000円 |
| 平均勤続年数 | 13.2年 |
| 平均年齢 | 43.1歳 |
| 単体従業員数 | 213人 |
| 連結従業員数 | 704人 |
| 単体のグループ内比率 | 30.3% |
同社グループは、確定給付型の退職給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度)を設けています。この制度は、同社および連結子会社に適用されます。
退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、退職給付債務は10.4億円、年金資産は6.9億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
スバル興業グループは、「社会に奉仕する」という企業理念のもと、事業活動を通じて持続的な成長を支えるサステナビリティテーマを策定しています。人材不足の解消とダイバーシティ推進を重要な課題と捉え、国籍や性別を問わず新卒・中途採用を積極的に行い、雇用促進を図っています。
社員一人ひとりの能力開発やチームビルディング強化のため、自律的なキャリア形成支援に力を入れています。内定時から管理職昇格時まで各段階で階層別研修を実施し、資格取得奨励制度やeラーニングによるリスキリングも推進しています。また、コンプライアンス・リスク研修や情報セキュリティセミナーなど、テーマ別の教育・啓発機会も提供し、信頼性の高い業務遂行力を養っています。
従業員のモチベーション向上を図るため、永年勤続表彰や個人特別表彰、優秀事業所表彰といった社内表彰制度を運用しています。さらに、グループ全体で安全・衛生・安心に関する創意工夫や改善提案を募集し、優れた提案を表彰する「スバル興業グループ安全・衛生・安心プロジェクト(AEAP)」も開催しています。社内環境整備としては、アクティビティ・ベースド・ワーキングの導入や健康管理の充実により、働きやすい環境づくりに取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社及び連結子会社は、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表を行っていないため、法定開示データは記載を省略しています。
人材育成・エンゲージメント
本指標に関する目標および実績は、提出会社単体のものです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 年間有給休暇平均取得日数 | 10.3日 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
スバル興業グループは、道路関連事業を主軸に、レジャー事業、不動産事業を展開しています。社会インフラの維持管理から人々の生活を豊かにするサービスまで、多岐にわたる分野で収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、スバル興業と16の子会社で構成されています。主力は道路関連事業であり、次いでレジャー事業、不動産事業が続きます。収益は主に各事業におけるサービス提供や賃貸から得られています。
道路関連事業
道路の維持管理業務、道路土木工事、道路清掃業務を高速道路事業者や官公庁から受注しています。また、太陽光発電事業も行っています。収益は、これらの工事や業務の受注、太陽光発電事業から得ています。運営は、名古屋道路サービス、トーハイクリーン、環境清美、京阪道路サービス、協立道路サービス、北日本ハイウエイ、アイ・エス・エス、アイ・エス・エス・アールズ、東京ハイウエイ、ハイウエイ開発、テス東北などが行っています。
当連結会計年度の売上高は前期から減少しています。公共投資は底堅いものの、建設技能者不足や労務費・資機材価格の上昇が事業環境に影響を与えています。
レジャー事業
飲食事業とマリーナ事業を展開しています。飲食事業では売店商品の物品販売や飲食店等の運営管理を、マリーナ事業では浦安マリーナの管理運営を行っています。収益は、飲食店の運営やマリーナの係留料、渡船・観光船事業などから得ています。運営は、東京ハイウエイ、ハイウエイ開発、スバルラインサポートなどが行っています。
当連結会計年度の売上高は前期から増加しています。飲食事業では顧客単価の向上やサービス品質の改善に努め、マリーナ事業では年間契約の船舶係留数が高水準で推移しました。
不動産事業
吉祥寺スバルビルをはじめとする所有不動産の賃貸を行っています。駐車場事業も展開しています。収益は、不動産の賃貸収入から得ています。運営は、ビルメン総業などが行っています。
当連結会計年度の売上高は前期から増加しています。新規事業用地の取得や既存物件の賃料改定、物件の堅調な稼働が収益に貢献しています。
同社グループは本邦以外の外部顧客への売上高がなく、海外に所在する有形固定資産もないため、海外比率はなく、為替リスクは低い状況です。道路関連事業においては、阪神高速技術株式会社と中日本ハイウェイ・メンテナンス東名株式会社が主要な顧客となっています。
| セグメント | 売上高(2025年1月期) | 売上高(2026年1月期) |
|---|---|---|
| 道路関連事業 | 281億円 | 272億円 |
| レジャー事業 | 12.4億円 | 13.2億円 |
| 不動産事業 | 9.8億円 | 10.5億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、直近5年間で概ね横ばいから微減の傾向にあります。経常利益は変動が見られるものの、安定した水準を維持しています。親会社株主に帰属する当期純利益は、当期において独占禁止法関連損失を計上したことにより、前期から減少となりました。
| 項目 | 2022年1月期 | 2023年1月期 | 2024年1月期 | 2025年1月期 | 2026年1月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 290億円 | 289億円 | 292億円 | 303億円 | 296億円 |
| 経常利益 | 44.5億円 | 52.1億円 | 49.5億円 | 48.7億円 | 49.6億円 |
| 経常利益率 | 15.4% | 18.0% | 16.9% | 16.1% | 16.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 30.0億円 | 35.2億円 | 32.8億円 | 32.4億円 | 24.2億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 233.33 | 273.34 | 254.95 | 251.23 | 187.89 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期から当期にかけてわずかに減少しています。一方で、従業員1人あたり営業利益は前期から当期にかけて増加しており、組織全体の収益性が向上している傾向が見られます。これらの指標は、同社グループの事業運営における効率性を示すものとなります。
| 指標 | 2025年1月期 | 2026年1月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 42.9百万円 | 42.1百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 6.8百万円 | 6.9百万円
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
スバル興業グループは、強固な財務基盤と安定したキャッシュフローを維持しています。これにより、事業の継続性と将来への投資余力を確保している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率と潤沢な手元資金によって支えられています。自己資本比率はプライム市場平均を大きく上回る水準で推移しており、強固な経営基盤を示しています。また、手元資金も増加傾向にあり、不測の事態への耐性も高いと言えます。このような安定した財務状況は、従業員の雇用や給与の安定性にも寄与する要素となります。
| 指標 | 2025年1月期(前期) | 2026年1月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 356億円 | 370億円 |
| 自己資本比率 | 87.0% | 84.3% |
| ROE(自己資本利益率) | 9.4% | 6.7% |
| 現金及び預金 | 121億円 | 135億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出し、将来への投資も着実に実行している状況を示しています。営業活動によるキャッシュフローは増加しており、税金等調整前当期純利益や減価償却費が主な増加要因となっています。投資活動によるキャッシュフローは、事業用土地の取得など固定資産への投資により減少していますが、その減少幅は前期に比べて縮小しました。財務活動によるキャッシュフローは、主に配当金の支払いにより減少しています。これらの結果、フリーキャッシュフローは増加しており、本業で得た資金で投資を賄い、さらに余剰資金を生み出している優良な状態です。この安定した資金の流れは、同社グループの持続的な成長と従業員の安定した働きがいを支える基盤となります。
| 項目 | 2025年1月期(前期) | 2026年1月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 35.0億円 | 37.8億円 |
| 投資CF | △23.3億円 | △13.5億円 |
| 財務CF | △13.4億円 | △10.4億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 11.6億円 | 24.3億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは売上高に占める公共事業の割合が非常に高く、国や地方自治体の財政事情、入札競争の激化が業績に影響を及ぼす可能性があります。また、法的規制に関するリスクとして、独占禁止法違反の疑いで公正取引委員会の立入検査を受け、排除措置命令及び課徴金納付命令を受けています。これにより、社会的信用や受注機会の減少につながる可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、高齢化社会の進行に伴う労働人口の減少により、技術者をはじめとする労働人員不足のリスクを認識しています。これにより、受注の確保や円滑な業務遂行に支障をきたす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
スバル興業は、社会貢献を企業理念に掲げ、道路インフラの整備を通じて豊かな生活の提供を目指しています。持続可能な社会に貢献し続ける企業でありたいというビジョンを掲げ、事業活動を進めています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
スバル興業グループは創業以来、「社会に奉仕すること」を企業理念としています。同社グループのパーパス(目的)は「道路インフラの整備を通して豊かな生活の提供」であり、ビジョン(将来像)として「持続可能な社会に貢献できる企業であり続けること」を掲げています。また、モットー(信条)も「社会に奉仕すること」であり、道路の維持管理や飲食店経営を通じて社会の発展に貢献することを基本的な考え方として事業活動を進めています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
スバル興業グループは、「サステナブルな社会づくりへの貢献」や「人材の充実と新しい働き方の推進」を中期経営計画の基本方針としています。同社グループは「社会に奉仕する」という企業理念のもと、地域社会への貢献、働き方の多様性の尊重、環境への取組をサステナビリティテーマとして掲げています。
「スバル興業グループ行動憲章」に基づき、社員一人ひとりの能力開発やチームビルディングの強化に努め、安全で働きやすい環境を確保しています。永年勤続表彰や個人特別表彰、優秀事業所表彰といった社内表彰制度を運用し、従業員のモチベーション向上を図っています。
「スバル興業グループ安全・衛生・安心プロジェクト(AEAP)」を通じて、安全・衛生・安心に関する創意工夫や改善提案をグループ全体で共有しています。コンプライアンス体制および内部統制の強化を経営の最重要課題と位置づけ、信頼回復に努めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
スバル興業グループは、道路関連事業において技術者の採用・育成を重要な経営課題と捉え、多様な人材の確保と専門性の向上に取り組んでいます。長年培った技術力を活かした道路・橋梁の異常箇所の早期発見や、大規模更新・修繕工事の受注拡大を図っています。
環境・社会投資として、汚濁水浄化製品の販売や太陽光発電所の運営を通じて地球温暖化対策に貢献し、災害協定の締結による道路インフラの安全確保にも取り組んでいます。PFI/PPP事業への新規参入やDXの活用による技術力向上も重点テーマです。
レジャー事業では飲食事業の店舗数拡大と付加価値創出、マリーナ事業の船舶係留数維持・拡大を目指しています。不動産事業では所有物件の付加価値向上に取り組んでいます。
同社は、公正取引委員会からの命令を受け、コンプライアンス体制および内部統制の強化を経営の最重要課題と位置づけ、信頼回復に努めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
スバル興業は、透明性と効率性を重視した公正な経営の実現に努めています。監査等委員会設置会社として、取締役会による迅速な意思決定と社外取締役による監督・監査機能の強化を図る体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
スバル興業の株主構成を見ると、筆頭株主は事業会社である東宝です。その他、信託銀行やファンドなどが上位株主として名を連ねています。特定の事業会社が主要な株主として同社グループを支えている資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 東宝 | 52.74% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 4.85% |
| SIMPLEX OYAKO FUND | 3.99% |
| NORTHERN TRUST CO.(AVFC) RE IEDP AIF CLIENTS NON TREATY ACCOUNT | 3.25% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 1.56% |
(注)株式数は千株未満、所有株式数の割合は小数点第2未満を切り捨てて表示しております。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性7名・女性2名)で構成され、女性役員比率は22.2%です。代表取締役社長 社長執行役員は永田泉治氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 永田 泉治 | 代表取締役社長 社長執行役員 | 1983年4月同社入社。2012年4月同社取締役、関西支社技術部長。2018年4月同社代表取締役社長。2022年4月より同社代表取締役社長 社長執行役員。 |
| 小林 憲治 | 代表取締役会長 | 1977年4月同社入社。1998年4月同社取締役。2004年4月同社代表取締役社長。2018年4月より同社代表取締役会長。 |
| 今沢 宏之 | 取締役 専務執行役員 道路関連事業本部長 兼同本部技術部長 | 1985年4月同社入社。2012年4月同社取締役。2018年4月同社道路関連事業本部長。2023年4月より同社取締役 専務執行役員。 |
| 上野 俊明 | 取締役 執行役員 管理本部長 | 1993年4月同社入社。2019年4月同社取締役。2022年4月同社執行役員、管理本部長。2023年4月より同社取締役。 |
| 太古 伸幸 | 取締役 | 1988年4月東宝株式会社入社。2008年5月同社取締役。2014年4月より同社取締役。2021年5月より東宝株式会社取締役 副社長執行役員。 |
社外取締役は、宮家邦彦氏(株式会社外交政策研究所代表取締役)、野元三夏氏(弁護士・監査等委員)、上村多恵子氏(京南倉庫株式会社代表取締役・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会における独立社外取締役の比率は3分の1以上となっています。これにより、迅速な意思決定と経営の透明性・公正性の確保、監督機能の強化を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
スバル興業の役員報酬は、社内取締役に対して基本報酬、業績連動賞与、株式報酬を組み合わせた体系を採用しています。一方、社外取締役および監査等委員である取締役には、その職務の性質を考慮し、基本報酬のみを支給する方針です。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 5名 | 1.7億円 | 34.8百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 13百万円 | 13.4百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 21百万円 | 5.3百万円 |
なお、当事業年度は特別損失計上を考慮し、業績連動賞与は不支給となっています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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