※本記事は、株式会社ジャストプランニングの有価証券報告書(第32期、自 2025年2月1日 至 2026年1月31日、2026年4月24日提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. ジャストプランニングってどんな会社?
外食産業向けASP事業やシステムソリューション事業を中心に展開するIT企業です。
■(1) 会社概要
同社は1994年、外食業界向けソフトウエアの受託開発および販売支援業務を目的として設立されました。1999年には主力となるASP事業へ本格進出し、2001年に店頭市場(現 東証スタンダード)へ上場を果たしました。その後も2005年に物流ソリューション事業を手掛けるサクセスウェイを子会社化、2013年には太陽光発電事業を展開するJPパワーを設立するなど、事業領域の拡大を続けています。
同社グループの従業員数は連結で69名、単体で55名となっています。大株主については、筆頭株主がMYホールディングスであり、第2位は資本業務提携先である事業会社のオージス総研となっています。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| MYホールディングス | 37.21% |
| オージス総研 | 10.86% |
| 鈴木崇宏 | 3.14% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性8名、女性1名の計9名で構成され、女性役員比率は11.0%です。代表取締役社長は村井芸典氏が務めています。社外取締役比率は16.7%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 村井芸典 | 代表取締役社長 | アスカティースリー代表取締役などを経て2018年入社。取締役副社長などを歴任し2026年より現職。 |
| 酒井敬 | 取締役エンタープライズ事業本部担当 | 2003年入社。お客様センター事業部長、代表取締役社長などを経て2026年より現職。 |
| 佐久間宏 | 取締役 | 日本電気、アーサーアンダーセン等を経て1998年公認会計士事務所開所。2000年取締役就任。2024年より現職。 |
| 牛﨑晋一 | 取締役プラットフォーム事業本部担当 | アスキーを経て2000年入社。情報システム事業部長などを歴任し2026年より現職。 |
| 神崎真由美 | 取締役管理本部担当マーケティング本部担当マーケティング部部長 | 毎日コミュニケーションズ等を経て2009年入社。JPパワー代表取締役社長などを兼任し2026年より現職。 |
社外取締役は、前中匡史(オージス総研取締役常務執行役員)です。
2. 事業内容
同社グループは、「ASP事業」「システムソリューション事業」「物流ソリューション事業」「太陽光発電事業」および「その他」事業を展開しています。
■(1) ASP事業
外食企業向けに、インターネット通信インフラを利用したアプリケーションソフトウエアの提供やシステムメンテナンス業務などのアウトソーシング業務を行っています。代表的なサービスとして「まかせてネット」や「まかせてタッチ」、テイクアウト業態向けアプリ「iToGo」などを展開しています。
顧客からシステム導入時の支援費用や、毎月のシステム継続利用料金を受領することで収益を得ています。本事業の運営は主にジャストプランニングが行っています。
■(2) システムソリューション事業
外食産業向けの本部管理システムや店舗システム、分析システムなどのアプリケーションソフトウエアの企画、開発、販売を行っています。また、POSシステムやオーダーエントリーシステムなどのソリューション提供および業務コンサルティングも手掛けています。
アプリケーションソフトウエアの受託開発費や、POSシステム関連機器の販売費などが主な収益源です。本事業の運営は主にジャストプランニングが行っています。
■(3) 物流ソリューション事業
外食チェーン企業などに対して、企業の流通機能全般を一括して請け負う物流ソリューションやマーチャンダイズソリューションを提供しています。また、本部業務代行などのソリューションサービスも展開しています。
顧客へのサービス提供期間にわたり、ソリューション業務に応じた利用料を収益として一定額で計上しています。本事業の運営はサクセスウェイが行っています。
■(4) 太陽光発電事業
自社で保有する太陽光発電設備を活用し、太陽光発電による電力会社への売電事業を行っています。栃木県や宮城県などの拠点で発電設備を運営し、安定した電力供給に努めています。
発電した電力を電力会社へ売電することにより、期間に応じた売電収入を得ています。本事業の運営はJPパワーが行っています。
■(5) その他事業
直営の外食店舗を従業員などにより運営し、店舗運営ノウハウの社員研修や情報システムの開発、新システムのテストマーケティングなどに活用しています。
外食店舗を利用する一般顧客に飲食サービスを提供し、その対価として売上を得る収益モデルです。本事業の運営はJPパワーが行っています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
売上高は直近で25億円台まで順調に拡大しています。経常利益も右肩上がりで推移しており、利益率も20%台前半という高い水準を安定して維持しています。収益性の向上と事業規模の拡大が両立している堅調な状況です。
| 項目 | 2022年1月期 | 2023年1月期 | 2024年1月期 | 2025年1月期 | 2026年1月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 21億円 | 20億円 | 21億円 | 22億円 | 25億円 |
| 経常利益 | 4億円 | 4億円 | 5億円 | 5億円 | 6億円 |
| 利益率(%) | 16.8% | 20.1% | 24.0% | 22.5% | 24.3% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 2億円 | 2億円 | 3億円 | 3億円 | 3億円 |
■(2) 損益計算書
売上高と売上総利益がともに増加しており、継続的な事業成長が確認できます。売上総利益率も50%前後の水準をキープしており、営業利益率も20%台を保つなど、高利益率な構造を維持しながら着実な増収増益を達成しています。
| 項目 | 2025年1月期 | 2026年1月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 22億円 | 25億円 |
| 売上総利益 | 11億円 | 13億円 |
| 売上総利益率(%) | 51.0% | 49.6% |
| 営業利益 | 5億円 | 6億円 |
| 営業利益率(%) | 22.3% | 24.0% |
販売費及び一般管理費のうち、給与手当が1.9億円(構成比29.6%)、役員報酬が0.8億円(同13.0%)を占めています。
■(3) セグメント収益
主力のASP事業と物流ソリューション事業が売上増を牽引しています。外食産業におけるITソリューション需要の拡大や新規顧客の獲得が寄与し、全体として増収基調が続いています。一方で、その他事業は厳しい市況により売上が減少しています。
| 区分 | 売上(2025年1月期) | 売上(2026年1月期) |
|---|---|---|
| ASP事業 | 11億円 | 12億円 |
| システムソリューション事業 | 0.6億円 | 0.8億円 |
| 物流ソリューション事業 | 8億円 | 10億円 |
| 太陽光発電事業 | 0.8億円 | 1.0億円 |
| その他 | 1.5億円 | 1.3億円 |
| 連結(合計) | 22億円 | 25億円 |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
ジャストプランニングは、営業活動により多くの資金を生み出し、事業基盤を強化しています。投資活動では、将来の成長に向けた設備投資等を行いました。財務活動では、株主還元や自己株式の取得を通じて、資本構成の最適化を図っています。これらの活動の結果、同社の資金は増加し、安定した財務基盤を維持しています。
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社グループは、外食産業を中心に情報基幹システムとしてのアプリケーションソフトウエアを提供するのみならず、ユーザー側のシステム作業も運用サービスとして行うことにより、安定した情報システムの稼動とユーザー側のシステム活用に関する問題の解決をサポートすることを方針としています。アウトソーシング業務により顧客の信頼感を高めるサービスを行っています。
■(2) 企業文化
従業員一人ひとりが持つ個性や才能を重視し、事業や業務の特性に応じた多様化を促進する文化があります。一人ひとりに合わせた柔軟なキャリアパスを実現するための採用や適材適所の配置、公正な評価制度、教育制度の充実など、個人の成長につながる環境整備を大切にしています。
■(3) 経営計画・目標
同社グループでは、経営指標として、営業利益および売上高営業利益率を重視した事業運営を行っています。また、新たな投資事業に対しては、投下資本利益率を指標として事業展開を行うなど、効率的な経営を目標として掲げています。
■(4) 成長戦略と重点施策
国内外食産業では人口減少による市場縮小が続く中、顧客確保が最重点とされています。リピート客確保のためのCRM、新規顧客獲得に向けたセールスプロモーションの情報システム構築、経営効率化による食材ロス削減への対応などが求められています。同社グループは、こうした外食産業の経営課題に対し、ITソリューションをASP事業として提供することを優先的に対処すべき課題として戦略を推し進めています。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
働き方において、リモートかつフレキシブルな開発体制の構築を進めています。社内の業務ワークフローのDX化に取り組み、生産性の向上に努めています。経験や意欲に応じてキャリア機会を創出し、公正な評価を実施するとともに、多様な人材が健康に働くための環境整備を方針として掲げています。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均をやや下回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2026年1月期 | 39.5歳 | 9.1年 | 5,390,000円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社は公表義務に基づく公表項目として選択しておらず公表義務の対象ではないため、有報には本稿の記載がありません。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 技術変化への対応力
インターネット関連業界における技術革新のスピードは速く、新技術や新サービスの普及が急激に進んでいます。同社は新技術の積極的な投入を行っていますが、技術変化への対応力が成功の鍵となっており、適切な対応が遅れた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
■(2) 情報管理分野の特有のリスク
ASP事業「まかせてネット」は、ソフトウェアやハードウェアの欠陥、コンピューター・ウイルス等によりサービスの提供が困難になるリスクがあります。ファイアウォールの構築等の予防策を講じていますが、問題が発生した場合はシステムへの信頼性低下や損害賠償請求が生じる可能性があります。
■(3) 個人情報保護
アウトソーシング業務として顧客企業の従業員の勤怠管理等の個人情報を取り扱っています。万が一個人情報の漏洩等の事態が発生した場合、損害賠償や信用失墜といった有形無形の損害を被る可能性があります。
■(4) 市場構造の変化への対応
物流ソリューション事業においては、AIやビッグデータ等の活用による最適化など、市場構造が急速に変化しています。この変化に適合した物流総合管理システムを提供する必要があり、対応が遅れた場合は事業展開に影響を及ぼすリスクがあります。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。