※本記事は、株式会社ユークス の有価証券報告書(2026年1月期、2025年2月1日 ~ 2026年1月31日、2026年4月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
同社グループは、家庭用ゲーム機、業務用ゲーム機、モバイル向けコンテンツの企画・開発・制作・販売を手掛けています。また、音楽・映像コンテンツの原盤制作・販売、パチンコ・パチスロの画像開発、コンサート・イベントの企画・制作・運営も展開しています。
単体従業員数は214名、連結従業員数は333名です。セグメントはデジタルコンテンツ事業の1つです。
主な国内グループ会社は、ファイン(デジタルコンテンツ事業)、ユークスミュージック(同)、アクアプラス(同)、フィックスレコード(同)などです。
同社グループは、2025年8月に株式会社アクアプラスを完全子会社化し、自社開発機能とIP保有の拡大を図りました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ユークスは、ゲームソフトの企画・開発における創造性と技術力を競争力の源泉とし、人材への投資を最重要課題と位置付けています。世界最高品質のコンテンツを生み出すため、優秀な開発人材の確保・育成・定着に注力していることが特徴です。
また、多様な人材の確保を通じて新たな表現力や企画力を獲得し、グローバル市場での競争力強化を目指す方針が示されています。従業員が安心して働き、自身のキャリアを築けるよう、働きやすい環境づくりにも取り組んでいます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、従業員が長期的に活躍できる環境を提供している傾向が見られます。平均勤続年数や平均年齢から、一定の経験を積んだ人材が定着している様子がうかがえます。
また、グループ全体で従業員数が増加しており、事業規模の拡大が進んでいることが示されています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,510,415円 |
| 平均勤続年数 | 11年5ヶ月 |
| 平均年齢 | 38歳9ヶ月 |
| 単体従業員数 | 214人 |
| 連結従業員数 | 333人 |
| 単体のグループ内比率 | 64.3% |
同社グループは、確定給付型の制度として退職一時金制度を採用しています。確定給付型とは、給与や勤続年数に応じて将来の給付額が決まる制度です。この制度は国内および海外のグループ会社に適用されています。
退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
なお、退職給付債務は2.5億円、年金資産は99百万円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、世界最高品質のコンテンツを生み出すために人材への投資が不可欠であると認識しており、人的資本への取り組みをサステナビリティにおける最重要課題と位置付けています。ゲームソフトの企画・開発における創造性および技術力が競争力の源泉であることから、優秀な開発人材の確保・育成および定着が中長期的な企業価値向上に直結すると考えています。
従業員の成長やモチベーション向上を促進するため、給与水準、人事評価項目、評価・処遇制度について、事業環境や人材市場の変化を踏まえ、適宜見直しおよび改定を行っています。これにより、従業員のエンゲージメント向上および離職率の低減を図っています。
人材の確保においては、積極的な新卒採用およびキャリア採用を継続的に実施しています。特に、人材の多様性の確保が国際競争力の強化につながるとの考えのもと、女性および外国人の採用ならびに活躍推進に注力しており、開発チームにおける多様な視点の融合を促進しています。
人材育成では、次世代を担う人材の育成および従業員一人ひとりの能力開発を目的として、管理職を対象としたマネジメント・リーダーシップ力向上研修をはじめ、階層別研修およびテーマ別研修を実施しています。また、宗教、性別、年齢、性的指向、性自認・性表現、障がい、国籍等による差別やハラスメントのない職場環境の整備に取り組んでいます。従業員が安心して働き、自身の描くキャリアを築きながら最大限の能力を発揮できるよう、やりがいの醸成、福利厚生の充実、テレワーク勤務の導入など、仕事と生活の調和の支援を行っています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男女賃金差異に関する数値は本記事では取得できていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 2.5% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ユークスは、デジタルコンテンツ事業を主軸に、幅広いエンターテインメントコンテンツの企画・開発・制作・販売を手掛けています。家庭用ゲーム機からモバイル、さらにはXR分野や遊技機まで多岐にわたる領域で事業を展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
ユークスグループは、デジタルコンテンツ事業の単一セグメントで事業を展開しています。家庭用ゲーム機、業務用ゲーム機、モバイル向けのコンテンツ企画・開発・制作・販売を主力としています。また、音楽・映像コンテンツの原盤企画・制作・販売、パチンコ・パチスロの画像開発、コンサート・イベントの企画・制作・運営も手掛けています。
同社グループは、受託開発事業の安定化と自社IPの拡充を重要な経営戦略としています。2025年8月には株式会社アクアプラスを完全子会社化し、自社開発機能の獲得とIP保有の拡大を図ることで事業基盤を強化しました。
受託開発事業では、ゲーム分野において「ゼンシンマシンガール」や「ダブルドラゴン リヴァイヴ」などの開発を担当しました。XR分野では、リアルタイム演出技術「ALiS ZERO」を活用したリアルタイムライブ制作やモーションキャプチャー収録、CG制作などを行っています。遊技機分野では開発案件の増加により売上高が増加し、開発効率も向上しています。
自社開発(パブリッシング)事業では、株式会社アクアプラスの子会社化により連結売上高が増加しました。今後は、アクアプラスが保有するIPを活用し、グループ全体でのシナジー創出と収益力向上を目指しています。新規事業アイディアの社内公募制度も開始し、新たなコンテンツ創出にも取り組んでいます。
同社グループの収益は、主に顧客との契約から生じるもので、一時点で移転される財またはサービスと、一定期間にわたり移転される財またはサービスの両方から得ています。当連結会計年度においては、株式会社セガへの売上高が全体の16.7%を占めています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
ユークスグループの過去5期間の業績は、売上高が変動しながらも直近で増加傾向にあります。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、過去には高水準で推移した時期もありましたが、直近2期間は比較的落ち着いた水準で推移しています。
第32期には親会社株主に帰属する当期純損失を計上しましたが、その後は黒字に転換しています。当連結会計年度は、売上高と営業利益が大きく増加した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益は減少しました。これは、前期に計上された保有株式売却益の反動減が主な要因となっています。
| 項目 | 2022年1月期 | 2023年1月期 | 2024年1月期 | 2025年1月期 | 2026年1月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 36.3億円 | 43.0億円 | 40.9億円 | 32.6億円 | 42.9億円 |
| 経常利益 | 9.7億円 | 10.9億円 | 2.8億円 | 1.6億円 | 1.8億円 |
| 経常利益率 | 26.7% | 25.4% | 6.9% | 5.0% | 4.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 9.2億円 | 8.8億円 | △13.5億円 | 2.0億円 | 1.8億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 106.46 | 103.40 | △160.68 | 23.59 | 20.99 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
ユークスグループの従業員1人あたりの売上高は、前期から当期にかけて増加しています。これは、売上高の増加と連結従業員数の増加が影響していると考えられます。従業員1人あたりの営業利益も前期から当期にかけて増加しており、生産性が向上している傾向が見られます。
| 指標 | 2025年1月期 | 2026年1月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 12.3百万円 | 12.9百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.3百万円 | 0.5百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、本業で資金を生み出しつつ、将来に向けた投資を積極的に行っている段階を示しています。手元資金の状況やキャッシュフローの動きから、現在の経営状態を把握することができます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率が高く、安定した状態を維持しています。当期の自己資本比率は63.0%であり、プライム市場の製造業平均や非製造業平均と比較しても高い水準を示しています。これは、外部からの借入に過度に依存せず、自社の資本で事業を運営していることを意味し、経営の安定性につながります。
一方、ROE(自己資本利益率)は7.1%で、プライム市場平均と比較するとやや低い水準となっています。手元資金である現金及び預金は12.6億円となっており、前期から減少傾向にあります。これらの財務状況は、同社グループが堅実な経営を行いつつも、収益性の改善や資金効率の向上に取り組む余地があることを示しており、長期的な雇用や給与の安定性を考える上で重要な要素となります。
| 指標 | 2025年1月期(前期) | 2026年1月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 25.2億円 | 26.3億円 |
| 自己資本比率 | 77.7% | 63.0% |
| ROE(自己資本利益率) | 8.3% | 7.1% |
| 現金及び預金 | 16.9億円 | 12.6億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業で資金を生み出しつつ、将来に向けた投資を積極的に行っている状況を示しています。営業活動によるキャッシュフローは1.5億円の獲得となりましたが、前期と比較すると減少しています。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上や売上債権の減少があった一方で、棚卸資産の増加があったことによるものです。
投資活動によるキャッシュフローは△9.6億円の使用となり、前期の獲得から使用に転じています。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が大きく影響しています。その結果、フリーキャッシュフローは△8.1億円の使用となり、本業で得た資金を上回る投資を行っている成長投資フェーズにあることがわかります。
財務活動によるキャッシュフローは3.9億円の獲得となり、短期借入金の増加が主な要因です。このキャッシュフローの状況は、同社グループが事業拡大のための戦略的な投資を積極的に進めていることを示しており、今後の事業成長とそれに伴う雇用や給与の安定性につながる可能性があります。
| 項目 | 2025年1月期(前期) | 2026年1月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 7.9億円 | 1.5億円 |
| 投資CF | 0.9億円 | △9.6億円 |
| 財務CF | △3.8億円 | 3.9億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 8.9億円 | △8.1億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、グローバルな開発・販売活動を展開しており、外貨建取引が為替相場の変動による影響を受ける可能性があります。また、家庭用ゲーム機器の高性能化に伴う開発期間の長期化や費用高騰、新型ゲーム機への技術対応の遅れや市場浸透の遅れが業績に影響を与える可能性を認識しています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、ゲーム業界の急速な技術革新に対応するため、優秀で経験豊富な技術者の確保や新卒者の育成を重要視しています。求める人材の確保ができない場合や育成効果が十分に引き出せない場合、業績に影響を与える可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ユークスは、エンタテインメントを通じて世界中の人々に笑顔と感動を届けることを目指しています。唯一無二の価値創造を追求し、多様な感性を尊重する企業文化を育んでいます。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「より高い表現力と新しい発想で、世界中の多くの人々に楽しい遊びと大きな夢と深い感動を」という企業理念を掲げています。経営の基本方針として、唯一無二の価値を創造し、驚きと感動のエンタテインメントで世界中を笑顔にすることを目標としています。
この目標実現のため、既存技術の向上と新技術の研究開発に重点を置き、常に表現力の向上と新しい遊びの提供を目指しています。また、海外における販売や開発に強みを持つ会社と連携することで、日本人の趣味嗜好にとらわれず、世界中のより多くの人に楽しんでもらえる商品を提供する環境を構築しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、知りたいという衝動から新しい世界を拡げる好奇心、変化や失敗を恐れず挑み可能性を切り拓く挑戦心、自ら考え行動し夢をつかむ主体性といった感性を磨き抜くことを重視しています。コンプライアンスを遵守し社会の信頼を築く誠実さ、価値観を認め合い幸せの形を進化させる多様性も大切にしています。
人的資本への取り組みをサステナビリティに係る最重要課題と位置づけ、世界最高品質のコンテンツを生み出すために人材への投資が不可欠であると考えています。従業員が安心して働き、自身の描くキャリアを築きながら最大限の能力を発揮できるよう、やりがいの醸成、福利厚生の充実、テレワーク勤務の導入など、仕事と生活の調和の支援を行っています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
受託開発事業のゲーム・XR分野では、売上規模に対する収益性が低下傾向にあるため、新規クライアントの開拓と既存クライアントとの関係強化に取り組んでいます。遊技機分野においては、外注管理および品質管理の徹底により収益性の向上を図るとともに、安定的に利益を創出できる開発体制の構築に取り組んでいます。
自社開発事業においては、完全子会社化した株式会社アクアプラスの保有するIPを活用し、同社との協業体制を構築することで、グループ全体でシナジー創出および収益力の向上を図っています。すべての事業に共通することとして、案件毎に綿密な計画を立て、開発進捗状況のモニタリングおよび予実管理の徹底を行い、ソフトウェア品質を担保するために品質保証の強化を行い、リスクを極小化できるように進めています。
同社グループでは従業員の安全を最優先とし、安全衛生委員会を設置し、従業員の健康管理の徹底に努めています。また、柔軟な働き方に対応するため、テレワーク勤務を導入しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ユークスは、取締役会と監査役会を設置し、社外役員を登用することで、経営の透明性と効率性を高めるガバナンス体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ユークスの筆頭株主は株式会社トラッドであり、同社代表取締役社長である谷口行規氏も個人として上位株主に名を連ねています。また、ユークス従業員持株会も上位株主の一角を占めており、特定の株主グループが経営に一定の影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| トラッド | 37.12% |
| 谷口 行規 | 8.95% |
| ユークス従業員持株会 | 2.89% |
| 橋木 孝志 | 2.34% |
| GMOクリック証券 | 1.38% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長は谷口行規氏が務めています。社外取締役比率は20.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 谷口 行規 | 代表取締役 社長 | 1993年2月ユークス有限会社代表取締役社長、1996年6月同社代表取締役社長に就任。1999年11月株式会社ファイン代表取締役会長、2025年10月株式会社アクアプラス代表取締役会長に就任し現職。 |
| 橋木 孝志 | 取締役 開発本部 本部長 | 1991年4月株式会社CSK(現SCSK株式会社)入社。1997年1月同社入社、1997年2月同社取締役に就任。2024年10月同社取締役開発本部本部長に就任し現職。 |
| 宮地 大輔 | 取締役 | 1996年7月TOY’S FACTORYプロデューサー契約。2013年9月株式会社DICE設立代表取締役。2022年4月同社取締役に就任し現職。 |
| 吉原 謙太 | 取締役 コーポレート本部 本部長 | 1999年10月Deloitte&Touche LLP入社。2005年5月フェニックス・キャピタル株式会社入社。2025年4月同社取締役に就任し現職。 |
社外取締役は、五島洋氏(弁護士法人飛翔法律事務所代表社員)です。
ユークスは監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会が経営の監督・監視機能を担っています。社外取締役1名、社外監査役2名が独立した立場から経営に助言を行い、客観性や中立性を確保しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ユークスの役員報酬は、基本報酬である月例の固定報酬と、譲渡制限付株式およびストック・オプションによる非金銭報酬で構成されています。個々の役員の役位、職責、在任年数、業績などを総合的に考慮して決定される仕組みです。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 82百万円 | 20.5百万円 |
| 監査役(社外除く) | 3名 | 17百万円 | 5.6百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 10百万円 | 3.2百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。非金銭報酬等の内容は、譲渡制限付株式報酬および同社のストック・オプションとしての新株予約権であります。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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