【平均年収645万円】トラース・オン・プロダクト 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年1月期)

【平均年収645万円】トラース・オン・プロダクト 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年1月期)

トラース・オン・プロダクトは、IoTソリューションとSaaSサービスをBtoB市場向けに提供し、モノの価値をサービス価値として捉える事業を展開しています。直近の業績は、売上高は一定規模となりましたが、半導体供給逼迫や戦略見直しが影響し、利益は損失となりました。


目次

※本記事は、株式会社トラース・オン・プロダクト の有価証券報告書(2026年1月期、2025年2月1日 ~ 2026年1月31日、2026年4月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


トラース・オン・プロダクトグループは、「モノづくりを通じVirtualとRealを融合し、最適化した新しい社会の礎を創造する」を経営理念としています。IoTソリューションとSaaSサービスをBtoB市場向けに提供し、モノの価値をサービス価値として捉える事業を展開しています。

単体従業員数は25名、連結従業員数は25名です。セグメントはTRaaS事業、受注型Product事業、テクニカルサービス事業の3つです。

主な国内グループ会社は、アクスト東日本などです。

トラース・オン・プロダクトグループは、2025年8月に株式会社アクスト東日本を完全子会社化しました。これにより、グループ全体の売上高が増加しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


トラース・オン・プロダクトは、従業員数が比較的少ない規模の企業であり、個々の社員の貢献が事業に直結しやすい環境が特徴です。給与水準や働き方については、同社グループの事業特性や成長フェーズを反映した方針が示されています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、平均勤続年数が比較的長く、平均年齢も安定していることから、社員が長期的にキャリアを築きやすい環境にあると考えられます。個々の社員が専門性を高めながら、会社とともに成長していく傾向が見られます。

項目 数値
平均年間給与 6,448,000円
平均勤続年数 8.6年
平均年齢 42.8歳
単体従業員数 25人
連結従業員数 25人
単体のグループ内比率 100.0%


退職給付制度に関する記載はありません。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、今後のさらなる成長を目指す上で、優秀な人材の確保と能力を最大限に引き出す人事制度の構築、最適な組織設計を重視しています。経営理念に沿った行動指針を構築し、成長フェーズに合った評価制度や人材育成制度、福利厚生の充実に努めています。

具体的には、スライドワーク制度の導入や産前産後休業・育児休業の取得促進を通じて、ワークライフバランスの向上を図っています。国籍、人種、年齢、性別等に関わらず、全社員が活躍できる雇用環境の整備に力を入れています。また、組織設計においては、役員及び従業員の自律性を高め、階層の少ない透明性の高い組織を目指す方針です。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


同社は、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律および育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の規定による公表義務の対象ではないため、提出会社単体の法定開示データは開示されていません。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


トラース・オン・プロダクトは、モノづくりを通じてバーチャルとリアルを融合させ、最適化された新しい社会の基盤を創造することを経営理念としています。お客様への真の価値提供を第一に、IoTソリューションとSaaSサービスを主力事業として展開しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、BtoB市場向けにモノづくりを基盤としたSaaS月額課金型サービスへの事業転換を進めています。本当に求められる製品をゼロから組み上げ、今後の社会が待ち望んでいるサービス価値を提供することを目指しています。

TRaaS事業

BtoB市場向けに、お客様の価値を最大化させるための適切なIoTソリューションと最適なモノの選定を行い、そのモノを起点としたSaaSサービスを提供しています。モノはファブレス型で自社設計開発し、海外ネットワークを選定することで価格競争力のある製品となっています。
収益は、AI電力削減ソリューション「AIrux8」、流通小売店舗向けDX製品「店舗の星」、デジタルサイネージプラットフォーム「CELDIS」といったSaaS月額課金型サービスを中心に得ています。特に「CELDIS」は大手携帯キャリアショップへの設置が完了し、月額収益の積み上げが本格化しています。

受注型Product事業

IoT技術を用いた製品・ソリューションの企画、設計、製造から運用・保守サポートまで完全垂直統合で提供しています。VAR(付加価値再販パートナー)と協業し、事業拡大を図っています。
収益は、ホテルや飲食店向けのSTB開発納品案件や、ウェアラブル端末、コードレス呼び出しチャイムなどの製品販売から得ています。株式会社アクスト東日本が完全子会社として同社グループに合流したことで、顧客ネットワークを活用したクロスセルやソリューション展開が可能となっています。

テクニカルサービス事業

基幹業務システム等のアプリケーションソフトウエアの受託開発、システム運用に必要なパソコンやサーバー等の提供及びメンテナンス、開発したソフトウエア及びシステムのメンテナンスや常駐型保守に向けたエンジニア派遣サービスを提供しています。
収益は、システム受託開発やエンジニア派遣サービスから得ています。前期に継続していた大型システム開発案件が終了したことによる反動減はありましたが、エンジニア派遣事業は安定した収益を確保し、堅調に推移しています。

同社グループの売上高は、主に国内の外部顧客からの収益が大部分を占めています。特定の顧客への収益集中については、加賀電子株式会社、クロスバリュー株式会社、株式会社dinos、株式会社ジーエーピーといった複数の主要顧客から、それぞれ一定の割合で収益を得ています。

セグメント 売上高(2025年1月期) 売上高(2026年1月期)
受注型Product事業 - 2.2億円
TraaS事業 - 1.4億円
テクニカルサービス事業 - 1.2億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、それ以前の期間との比較は行われていません。当連結会計年度の売上高は4.9億円となりました。営業損失は△0.4億円、経常損失は△0.4億円、親会社株主に帰属する当期純損失は△0.6億円となっています。

利益面では、世界的な半導体供給逼迫に伴う受注型Product事業の一部大型案件の来期への期ずれや、AI電力削減ソリューション「AIrux8」の戦略見直しに伴うプロジェクト進行の長期化、テクニカルサービス事業における前期大型開発案件の反動減が影響しました。営業活動によるキャッシュ・フローは△0.3億円の支出となりましたが、これは減価償却費や減損損失の計上、税金等調整前当期純損失、売上債権の増加などが主な要因です。

項目 2022年1月期 2023年1月期 2024年1月期 2025年1月期 2026年1月期
売上高 - - - - 4.9億円
経常利益 - - - - △35百万円
経常利益率 - - - - △7.3%
親会社株主に帰属する当期純利益 - - - - △62百万円
1株当たり当期純利益(円) - - - - △12.77

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの連結財務諸表は当連結会計年度から作成されているため、前期との比較はできません。当連結会計年度における従業員1人あたりの売上高は19.4百万円となっています。また、従業員1人あたりの営業利益は△1.4百万円となりました。

これらの数値は、同社グループがSaaS月額課金型サービスへの事業転換を進めている段階での生産性を示しています。事業転換期における投資や戦略見直し、案件の期ずれなどが、一時的に1人あたりの利益に影響を与えている状況です。

指標 2026年1月期
従業員1人あたり売上高(連結) 19.4百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) △1.4百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、事業転換を進める中で、財務基盤の強化と資金の効率的な活用に取り組んでいます。現在の資金の流れからは、成長に向けた投資フェーズにあることがうかがえます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤を見ると、2026年1月期末の自己資本比率は62.0%となっています。これはプライム市場の製造業平均46.8%、非製造業平均24.2%と比較して高い水準を示しています。一方で、ROE(自己資本利益率)は△17.6%となっており、プライム市場平均9.4%を下回っています。手元資金である現金及び預金は2.8億円で、前期の3.1億円から減少しています。これらの状況は、同社グループが事業転換を進める中で、財務の安定性を維持しつつも収益性の改善が課題であることを示しており、入社後の雇用や給与の安定性を考える上で注目すべき点です。

指標 2025年1月期(前期) 2026年1月期(当期)
純資産 4.1億円 3.5億円
自己資本比率 - 62.0%
ROE(自己資本利益率) - △17.6%
現金及び預金 3.1億円 2.8億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの2026年1月期におけるキャッシュフローを見ると、営業活動によるキャッシュフローは△30百万円の支出となりました。これは主に税金等調整前当期純損失の計上や売上債権の増加によるものです。投資活動によるキャッシュフローは△98百万円の支出となっており、子会社株式の取得や無形固定資産の取得に資金を投じていることがわかります。その結果、本業の稼ぎと投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは△128百万円の支出となっています。財務活動によるキャッシュフローは92百万円の収入で、長期借入による資金調達を行っています。これらの資金の流れは、同社グループが事業転換を進める中で、事業活動で資金を創出しきれておらず、成長に向けた投資を借入金で賄っている状況を示しています。この資金状況は、今後の事業の成長性と合わせて、入社後の安定性を判断する上で重要な要素となります。

項目 2025年1月期(前期) 2026年1月期(当期)
営業CF - △30百万円
投資CF - △98百万円
財務CF - 92百万円
フリーCF(営業CF+投資CF) - △128百万円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク


同社グループは、IoTソリューション関連市場、デジタルサイネージ市場、SaaSサービス市場の動向や技術革新の影響を受けるリスクを認識しています。また、売上規模が大きい案件の計上時期の偏りにより、期間ごとの業績が大きく変動する可能性があります。さらに、IoT製品の生産を主に中国の複数企業に委託しており、仕入比率が63.1%と特定地域への依存度が高い状態です。これらのリスクは、同社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク


同社グループの事業は高い技術力を必要とするため、優秀な技術者の確保と育成が極めて重要であると認識しています。適切な人材を十分に確保できなかった場合や、技術者の退職者が一時的に多数発生した場合には、事業拡大が制約を受け、同社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


トラース・オン・プロダクトは、中長期的な成長と企業価値の最大化を目指し、顧客満足度と品質の向上、そして人材の育成を重視する企業です。多様な人材が活躍できる環境を整備し、持続的な成長を追求しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、中長期的に継続した成長を実現し、企業価値の最大化を図ることを重要な経営課題としています。この目標達成のため、販路の拡大と収益の最大化、顧客満足度及び品質の向上を目指しています。

また、研究開発の強化を通じて製品・サービスの価値を高め、優秀な人材の確保と生産性の最大化、そして内部統制及びガバナンスの強化にも取り組んでいます。これらを通じて、持続的な企業成長を目指す方針です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、今後のさらなる成長に向けて、優秀な人材の確保と、人材の能力を最大限に引き出す人事制度の構築、最適な組織設計が重要であると認識しています。経営理念に沿った行動指針を構築し、成長フェーズに合った評価制度や人材育成制度、福利厚生、働きやすい社内環境整備に取り組んでいます。

具体的には、スライドワーク制度の導入や産休育休の取得促進により、ワークタイムバランスの向上を図っています。国籍、人種、年齢、性別等によらず、全社員が活躍できる雇用環境の整備に努めており、役員及び従業員の自律性を高め、より階層の少ない透明性の高い組織設計を行っていく方針です。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、顧客満足度及び品質の向上を重要な経営課題としています。これには、優秀な人材の確保と社内教育の拡充、製品の製造コスト削減、そしてISO9000シリーズやISO27000シリーズの認証維持・取得を通じて品質向上を図ることが含まれます。

また、優秀な人材の確保と生産性の最大化も重点テーマです。開発部門及び営業部門を中心に人材育成を進め、既存社員の能力及びスキルの底上げ、定着を図るために社内教育の拡充や人事評価制度、報酬制度の見直しを行っています。さらに、内部統制及びガバナンスの強化も不可欠であるとし、内部監査室の設置や意思決定の迅速化にも取り組んでいます。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


トラース・オン・プロダクトは、取締役会と監査等委員会を設置し、コーポレート・ガバナンスの強化に努めています。独立性の高い社外取締役が監査等委員を務め、経営の健全性・効率性及び透明性の確保を目指しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社の筆頭株主は藤吉英彦氏であり、関連会社と合わせて上位に名を連ねています。

株主名 持株比率
藤吉 英彦 17.09%
WORLD F PTE. LTD. 9.11%
寺山 隆一 3.27%
前川 昌之 3.21%
久幾田 守弘 3.15%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は6名(男性6名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は藤吉英彦氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。

氏名 役職 主な経歴
藤吉 英彦 代表取締役社長 1995年1月 有限会社アイ・ディー・ディー(現同社)設立 代表取締役社長に就任。2013年8月 株式会社さんぽ路取締役、2016年2月 WORLD F PTE. LTE.設立取締役、2017年2月 TRANZAS Asia Pacific Pte.Ltd. Director、2025年8月 株式会社アクスト東日本代表取締役社長に就任し、現職。
青栁 貴士 取締役CFO 2004年9月 アイ・ティー・シーネットワーク株式会社(現コネクシオ株式会社)入社。2007年11月 ヤフー株式会社(現LINEヤフー株式会社)入社。2014年12月 株式会社ニュース・サービス・センター取締役。2020年4月 同社取締役CFOに就任し、現職。
鈴江 泰仁 取締役 1998年9月 株式会社東陽入社。2005年9月 Precision Tools Service Czech s.r.o. Vice President。2013年2月 株式会社JSP取締役。2022年4月 同社取締役、2025年8月 株式会社アクスト東日本取締役を兼任し、現職。


社外取締役は、岡安俊英氏(岡安総合会計事務所所長・監査等委員)、佐々木豊氏(株式会社ビザライト代表取締役・監査等委員)、原口昌之氏(英和法律事務所所長・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社です。監査等委員である取締役3名全員が独立性の高い社外取締役であり、経営の監督とチェック機能を果たしています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社は、役員報酬の決定において、企業価値の持続的な向上に資することを基本方針としています。報酬は、固定報酬としての基本報酬と業績に連動する業績連動報酬を主軸とし、必要に応じて有償新株予約権などの非金銭報酬も支給する体系です。

基本報酬は役位や職責、在任年数などを総合的に勘案して決定されます。業績連動報酬は、各事業年度の営業利益の一定割合を原資とし、役位や業績貢献度に応じて個別の報酬額が決定される仕組みです。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 3名 64百万円 21.4百万円
社外取締役 3名 8百万円 2.8百万円


同社グループの役員報酬総額は72.5百万円であり、対象となる役員は6名です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。