※本記事は、株式会社あさくま の有価証券報告書(2026年1月期、2025年2月1日 ~ 2026年1月31日、2026年4月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
あさくまは、飲食店の経営を主な事業としています。1962年創業の「ステーキのあさくま」を主軸に、郊外型ステーキレストランを展開。その他、もつ焼き居酒屋やインドネシア料理店、カレー専門店など多様な業態も手掛けています。
単体従業員数は156名です。同社は単一セグメントで事業を展開しています。
あさくまは、「ステーキのあさくま」を主業態とするレストラン事業を展開し、ステーキやハンバーグ、新鮮なサラダバーを提供しています。直営店74店舗、FC加盟店4店舗の計78店舗を運営しています。
2025年1月末に株式会社あさくまサクセッションを吸収合併し、消滅しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
同社は、飲食業を営む企業として、お客様第一の精神を掲げ、安心・安全な商品提供に努めています。ここでは、同社で働く上での給与水準や働き方の特徴についてご紹介します。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社の従業員は、平均年齢が30代後半であり、比較的幅広い年齢層の従業員が活躍している傾向が見られます。平均勤続年数は3年台後半となっており、一定の期間にわたって経験を積むことができる環境であると言えます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,020,000円 |
| 平均勤続年数 | 3.7年 |
| 平均年齢 | 38.1歳 |
| 単体従業員数 | 156人 |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、人材の育成と社内環境の整備を重要な方針として掲げています。店長に対しては、店舗運営に必要なスキル習得をサポートする体制を構築しており、未達の場合でも支援を行っています。
性別や国籍に関わらず適切な人員配置ができるよう、上長が人材育成を推進しています。また、飲食業に携わる企業として、食品廃棄ロスを重要な課題と認識し、その削減に向けた対応策を策定しています。
サステナビリティに関連するリスク管理については、代表取締役社長をはじめとする幹部社員が中心となり、特に環境面での食品廃棄物削減に取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。各指標は、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律および育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の規定に基づき算出されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 0.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 0.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 74.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 70.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者) | 119.8% |
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率(2029年度目標) | 30.0%以上 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
あさくまは、飲食店の経営を主な事業としています。同社は、主力業態である「ステーキのあさくま」を中心に、お客様が車で気軽に立ち寄れる郊外型のレストランを展開してきました。メインのステーキやハンバーグに加え、新鮮なサラダバーを提供し、品質と鮮度にこだわった食材を追求しています。
また、もつ焼き居酒屋「エビス参」やインドネシア風居酒屋「ワヤンバリ」、カレー専門店「カレーのあさくま」など、多様な業態の店舗も展開しています。お客様参加型の「カンタレス経営」を実践し、サラダバーのメニュー開発や店内イベントを通じて、来店動機の強化と顧客体験の向上に努めています。
同社は、特定技能外国人の採用・育成を積極的に進め、今後の出店拡大を支える体制づくりを強化しています。直近では「ステーキのあさくま」の小型店舗や新業態の店舗をオープンし、大阪市内への初出店も実現しました。
収益は、これらの店舗での飲食サービスの提供から得ています。国内市場に特化しており、海外からの収益はありません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の業績は、過去3期間において変動が見られます。売上高は、2022年3月期から2023年3月期にかけて増加しましたが、2024年1月期にはわずかに減少しました。経常利益は、2022年3月期に高い水準を示した後、2023年3月期に大きく減少しましたが、2024年1月期には回復傾向にあります。
親会社株主に帰属する当期純利益は、2023年3月期に損失を計上しましたが、2022年3月期と2024年1月期には利益を確保しています。直近の当事業年度においては、売上高が大きく増加し、28年ぶりに100億円を突破したことが報告されています。
| 項目 | 2022年1月期 | 2023年1月期 | 2024年1月期 | 2025年1月期 | 2026年1月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 52.5億円 | 62.0億円 | 61.0億円 | - | - |
| 経常利益 | 4.5億円 | 46百万円 | 1.8億円 | - | - |
| 経常利益率 | 8.6% | 0.7% | 3.0% | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 60百万円 | △12百万円 | 1.3億円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益(円) | 11.29 | △2.29 | 24.56 | - | - |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
あさくまは、本業で安定した資金を生み出し、将来に向けた投資も行いながら、財務基盤を堅固にしています。これにより、事業の持続的な成長と安定した経営を目指していることがうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
あさくまの財務基盤は、自己資本比率が高く、手元資金も増加傾向にあることから、安定した状態にあることが示されています。自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準にあります。これは、事業運営におけるリスク耐性の高さを示しており、長期的な視点での雇用や給与の安定性にもつながる要素です。
| 指標 | 2025年1月期(前期) | 2026年1月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 30.7億円 | 34.0億円 |
| 自己資本比率 | 70.5% | 68.6% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び現金同等物 | 20.6億円 | 24.4億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
あさくまのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出し、その資金を事業の成長に投資しつつも、手元に余剰資金を確保している状況を示しています。営業活動によるキャッシュフローは増加しており、本業が堅調に推移していることがうかがえます。
投資活動によるキャッシュフローはマイナスですが、これは主に有形固定資産の取得や差入保証金の差入によるものであり、将来に向けた事業拡大のための投資が行われていることを示しています。財務活動によるキャッシュフローはマイナスとなっており、長期借入金の返済が進んでいることがわかります。
フリーキャッシュフローはプラスであり、本業で得た資金が投資を上回っているため、事業の安定性と成長性を両立していると言えます。この資金の流れは、従業員の雇用や給与の安定性、そして会社の持続的な成長を支える基盤となっていることがうかがえます。
| 項目 | 2025年1月期(前期) | 2026年1月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 4.9億円 | 8.8億円 |
| 投資CF | △2.9億円 | △4.2億円 |
| 財務CF | 3百万円 | △81百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 2.0億円 | 4.6億円 |
※フリーCF(フリーキャッシュ・フロー)とは、会社が事業活動と投資活動を通じて自由に使える余剰資金のこと。
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
外食産業は成熟した市場であり、企業間の価格競争や中食市場の成長により、厳しい市場環境が続いています。新規参入企業も多く、競合状態が激しいことがリスクとして挙げられています。
また、為替相場の大幅な変動や国内外の需要増大により、牛肉をはじめとする原材料の仕入価格が高騰する可能性があります。これにより、仕入コストが増加し、経営成績や財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
新規の店舗展開や既存店の運営、内部管理体制の強化には優秀な人材の確保が必要とされています。計画に基づいた人材の確保と育成が未達成となった場合、新規出店も未達成となり、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
株式会社あさくまは、食を通じて社会に貢献し、従業員の自己実現も重視する企業です。お客様と従業員双方にとって価値ある場を提供することを目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
あさくまは、食を通じてコミュニティの場を提供することを使命としています。同時に、従業員にとっての自己実現の場を提供することも重視しています。市場の需要に対応し、競争力を確保しながら、社会から信用される企業を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は、「誇りのある職場づくり」を志し、クオリティの高いサービスと商品を提供できる店舗づくりを日々心掛けています。徹底したコスト管理と品質の高いサービスの提供に取り組むことを経営の基本方針としています。
また、お客様第一を掲げ、「いつも安心」で「いつも安全」な品質の商品提供を重視しています。スタッフとお客様との境界線を排除する「カンタレス経営」(お客様と従業員との間にあるカウンターをなくす「カウンターレス」を意味する造語)を独自に展開しており、お客様と共同でサラダバーメニューの開発も行っています。
人材育成においては、性別や国籍に関わらず適切な人員配置ができるよう、上長が育成を担う方針です。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、QSCや生産性向上のための人材教育と仕組みづくりを重要な課題としています。優秀な人材の確保と社内での人材教育を推進するため、専門部署を設け、積極的に勉強会を実施しています。外国人採用にも力を入れ、即戦力となる人材の活躍を支援しています。
また、商品施策としてサラダバーの充実と衛生管理の向上に取り組んでいます。季節商品の投入や、ノロウイルス等食中毒への細心の注意を払った対応を徹底しています。
さらに、食品廃棄ロス(フードロス)の削減を重要な課題と認識し、売れ残りや食べ残しの削減に向けた対応策を策定しています。人材の育成と社内環境整備に関する方針も掲げており、性別・国籍に関わらず適切な人員配置ができるよう、上長が育成を担っています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
あさくまは監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会を中心に企業統治体制を構築しています。社外役員が経営の監督・監査機能を担う体制となっています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
あさくまの筆頭株主は事業会社であるテンポスホールディングスであり、発行済株式の過半数を保有しています。この資本構成は、特定の株主が同社の経営に強い影響力を持つ傾向を示しています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| テンポスホールディングス | 62.15% |
| 有限会社あさしお | 6.45% |
| 近藤 裕貴 | 2.79% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長は廣田陽一氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 廣田 陽一 | 代表取締役社長 | 2008年株式会社テンポスバスターズ入社、エリアマネージャーや営業部長を歴任。株式会社ドリームダイニング取締役社長を経て、2022年6月より同社代表取締役社長。 |
| 清水 一成 | 代表取締役会長 | 1991年株式会社ブレス(現プロントコーポレーション)入社、営業部長などを歴任。イートアンド株式会社執行役員、株式会社アールベイカー代表取締役などを経て、2025年4月より同社代表取締役会長。 |
| 森下 篤史 | 取締役 | 1971年東京電気株式会社(現東芝テック)入社。1992年株式会社矍鑠(現テンポスホールディングス)設立取締役、代表取締役。テンポスホールディングス代表取締役社長などを経て、2023年6月より同社取締役。 |
社外取締役は、平間律子氏(ベースシステム代表取締役社長)、藤田和久氏(グランエンジニアズ代表取締役社長)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会を設置しています。社外取締役2名が取締役会における意見表明を通じて経営の監督機能を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
あさくまの役員報酬は、基本報酬の安定性を重視する方針です。取締役の基本報酬は月額固定で、役位や職責、在任年数に応じて決定されます。業績連動報酬は支給されず、非金銭報酬としてストックオプションや譲渡制限付株式が付与される場合があります。監査役の報酬は、株主総会で決議された範囲内で監査役会の協議により決定されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 25百万円 | 6.4百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 3百万円 | 3.0百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 4百万円 | 0.8百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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