※本記事は、株式会社ハウテレビジョン の有価証券報告書(2026年1月期、2025年2月1日 ~ 2026年1月31日、2026年4月28日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ハウテレビジョンは、「全人類の能力を全面開花させ、世界を変える」をミッションに掲げ、学生や社会人の潜在能力を引き出すプラットフォーム事業を展開しています。キャリアサービス「外資就活ドットコム」「外資就活ネクスト」や採用代行(RPO)サービス、新型質問箱サービス「mond」を提供しています。
単体従業員数は78名、連結従業員数は78名です。セグメントはプラットフォーム事業の1つです。
主な国内グループ会社は、Liiga(プラットフォーム事業)、ログリオ(同)などです。
同社グループは、事業ポートフォリオの多様化として新型質問箱サービス「mond」のプロダクト開発と収益化を加速しており、2025年2月には米国にmond, Inc.を設立し、英語圏へのサービス展開に着手しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社ハウテレビジョンは、プラットフォーム事業を展開する企業です。従業員数は比較的コンパクトな規模であり、若手から中堅層が中心となって事業を推進している傾向が見られます。給与水準や働き方については、具体的なデータからその特徴を把握できます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均年齢が30代半ばであり、平均勤続年数は比較的短めとなっています。これは、活発な人材の流動性や、成長フェーズにある企業の特徴を示している可能性があります。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 8,506,000円 |
| 平均勤続年数 | 3.3年 |
| 平均年齢 | 35.5歳 |
| 単体従業員数 | 78人 |
| 連結従業員数 | 78人 |
| 単体のグループ内比率 | 100.0% |
同社グループは、従業員の退職給付に充てるため、2022年9月1日より確定拠出年金制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)を設けています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは「全人類の能力を全面開花させ、世界を変える」をミッションに掲げ、企業の持続的な成長と中長期的な企業価値創出を目指しています。このミッションに基づき、特に大切にしている「5つの価値観」を定義し、役職員が個々の力を発揮できる場を提供することに努めています。
人的資本を重要な資本と認識し、人材の多様性の確保と育成、従業員エンゲージメント、労働慣行および従業員の健康と安全を重視しています。人材採用及び育成を事業戦略上の重要な経営課題と位置づけ、採用担当部署の強化やリスキリングを含む人材育成、実務能力向上のための社内研修充実に注力しています。
また、従業員エンゲージメント向上のため、在職者にはミッション・バリューへの共感や職務満足度などに関する定期的なサーベイを実施しています。退職者に対してはエグジット・サーベイを行い、施策改善に役立てています。柔軟な働き方の導入、時間外労働時間の低減、手厚い医療保険制度、法定健診や産業医による健康管理、ストレスチェックの導入などにより、従業員が健康で安全に働き続けられるよう支援しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
女性管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率、および労働者の男女の賃金の差異は、法定開示義務の対象ではないため、公表されていません。提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
育児・介護支援
当社及び当社の連結子会社は、いずれも従業員数が300人以下のため、当連結会計年度に育児休業等制度の利用者がいない場合には、当連結会計年度開始前3年間の実績を用いることが特例として認められています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男性育児休業等取得率 | 83% |
| 女性育児休業等取得率 | 100% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ハウテレビジョンは、「全人類の能力を全面開花させ、世界を変える」をミッションステートメントに掲げ、学生や社会人の潜在能力を引き出すキャリアサービスと知見共有サービスを展開しています。プラットフォーム事業を単一セグメントとしており、主に二つの領域で収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、キャリアサービス「外資就活ドットコム」「外資就活ネクスト」および採用代行(RPO)サービスからなるLIFEプラットフォームと、新型質問箱サービス「mond」を通じた知見共有プラットフォームを展開しています。
LIFEプラットフォームの中核である「外資就活ドットコム」は、国内外の難関大学に所属するプロフェッショナル志向の学生を対象とした新卒学生向けプラットフォームです。厳選された外資系企業や入社難易度の高い企業の採用情報を提供し、登録会員は求人情報やコンテンツの閲覧、コミュニティ・イベントへの参加が可能です。同社グループは、採用企業からの企業情報掲載料や登録会員へのアプローチ権限の提供により収益を得ています。
若手社会人向けプラットフォーム「外資就活ネクスト」は、若手ハイクラス層のスキルアップやキャリア観構築をサポートし、転職サービスとしての機能も備えています。優良エージェントからのスカウトや求人機能、エージェントの口コミ評価などを提供しており、収益は採用企業からのシステム基本利用料や転職成功報酬、人材エージェントからの転職成功報酬が主な源泉です。RPOサービスは、顧客のエンジニア採用領域において、ダイレクト・リクルーティングの戦略設計やスカウト代行などのコンサルティングサービスを提供しています。
知見共有プラットフォームである新型質問箱サービス「mond」は、クリエイターや専門家、インフルエンサーなどがフォロワーや知人から匿名で質問を受け取ったり、メッセージを送ったりできるCtoCサービスです。画像・音声・動画付きメッセージ、応援ギフト、スーパーレター、月額メンバーシップといった機能を活用し、ユーザー自身が収益化を図ることが可能です。2025年2月には米国にmond, Inc.を設立し、英語圏へのサービス展開も進めています。
同社グループの売上高は、本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の大部分を占めています。また、特定の顧客への売上高が全体の10%以上を占める相手先はありません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの直近の業績は、売上高が増加傾向にある一方で、利益は減少しています。売上高は前期から増加しましたが、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも前期から減少する結果となりました。特に親会社株主に帰属する当期純利益の減少には、のれんの一部減損損失の計上が影響しています。
| 項目 | 2022年1月期 | 2023年1月期 | 2024年1月期 | 2025年1月期 | 2026年1月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | - | - | 21.7億円 | 25.6億円 |
| 経常利益 | - | - | - | 4.0億円 | 2.5億円 |
| 経常利益率 | - | - | - | 18.5% | 9.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | - | 2.4億円 | 97百万円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | - | 89.36 | 35.51 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は前期から増加しており、事業規模の拡大に貢献しています。一方で、従業員1人あたり営業利益は前期から減少する傾向を示しています。これは、新規事業への投資などが影響していると考えられます。
| 指標 | 2025年1月期 | 2026年1月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 26.8百万円 | 32.8百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 5.0百万円 | 3.2百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
株式会社ハウテレビジョンは、堅実な財務基盤を維持しながら、将来に向けた投資も進めている状況です。本業で得た資金を元手に、事業拡大のための投資を行っています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率が52.3%と、プライム市場の非製造業平均と比較して高い水準を維持しています。これにより、外部環境の変化にも対応できる安定性があることを示しています。ROE(自己資本利益率)は7.1%となっており、前期の20.6%からは減少していますが、株主資本を効率的に活用して利益を生み出す力が一定程度あることを示しています。手元資金である現金及び預金は15.2億円あり、事業運営に必要な流動性を確保している状況です。これらの財務状況は、従業員の雇用や給与の安定性にもつながる要素と考えられます。
| 指標 | 2025年1月期(前期) | 2026年1月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 13.1億円 | 14.3億円 |
| 自己資本比率 | 55.8% | 52.3% |
| ROE(自己資本利益率) | 20.6% | 7.1% |
| 現金及び預金 | 16.0億円 | 15.2億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の営業活動では3.4億円の資金を得ています。これは税金等調整前当期純利益や減価償却費、契約負債の増加などが主な収入要因となっています。前期の4.2億円の収入と比較すると減少していますが、引き続き事業活動で安定的に資金を生み出している状況です。
投資活動では、敷金及び保証金の差入や無形固定資産の取得により2.1億円の資金を使用しています。これは将来の事業拡大に向けた投資を継続していることを示しています。財務活動では、長期借入金の返済により2.2億円の資金を使用しており、借入金の返済を進めていることがわかります。
営業活動で得た資金から投資活動による支出を差し引いたフリーキャッシュフローは1.3億円のプラスとなっており、本業で稼いだ資金が投資を上回っている状態です。これは、同社グループが事業の成長に必要な投資を行いながらも、手元に余剰資金を確保できていることを示しており、雇用や給与の安定性、そして今後の成長性にもつながる健全な資金の流れであると言えます。
| 項目 | 2025年1月期(前期) | 2026年1月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 4.2億円 | 3.4億円 |
| 投資CF | △2.6億円 | △2.1億円 |
| 財務CF | 15百万円 | △2.2億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 1.6億円 | 1.3億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、プラットフォーム事業において「外資就活ドットコム」に大きく依存した事業構造となっています。競合激化や差別化不足が生じた場合、事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。また、日本国内の少子高齢化により、ターゲット層である学生・若手社会人の数が減少傾向にあることも、事業展開や業績に影響を与えるリスクとして認識されています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、事業の継続的な成長のために優秀な人材の確保、育成、定着を経営上の重要な課題としています。必要な人材の採用が想定どおりに進まない場合や、育成した役職員が退職した場合には、事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ハウテレビジョンは、「全人類の能力を全面開花させ、世界を変える」という明確なミッションステートメントを掲げ、その実現に向けて事業を展開しています。このセクションでは、同社グループがどのような価値観や文化を大切にし、どのような組織を目指しているのかを解説します。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ハウテレビジョンは、「全人類の能力を全面開花させ、世界を変える」ことをミッションステートメント(経営理念)として掲げています。このミッションのもと、プラットフォーム事業を展開しています。
同社グループは、継続的な事業拡大と企業価値向上を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ハウテレビジョンでは、同社グループが大切にしている「5つの価値観(five values)」を定義し、役職員全員が共有して日々の業務に取り組んでいます。ミッションに共感し、このバリューを体現する人材の獲得と育成が、持続的な成長に不可欠であると考えています。
多様な人材を確保するため、内集団バイアスを排除し、生物学的・社会的・地理的な多様性を維持するよう努めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、今後の事業拡大に向けて、優秀な人材の確保と育成を重要な課題としています。特にシステムの開発部門や営業部門における人材確保に注力し、ミッションステートメントに共感する人材の中途採用活動を継続しています。
採用した人材のモチベーション向上を図る人事諸制度の構築や、最適な人員配置による組織体制の強化も進めています。
また、組織規模の拡大に対応するため、社内管理体制の強化・充実も不可欠であると認識しています。管理部門の補強やシステムの強化を継続的に実施しています。
さらに、急速な技術革新に対応するため、最新の技術動向のフォローや役職員への教育を通じて、会員ニーズに合致したサービス開発を継続していく方針です。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ハウテレビジョンは、取締役会と監査等委員会を設置し、社外取締役を多く含む体制で経営の意思決定と監督を行っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ハウテレビジョンの株主構成を見ると、代表取締役社長である音成洋介氏が筆頭株主として名を連ねています。また、同氏の親族も上位株主として存在しており、創業家が経営の基盤を支えている資本構成となっています。その他、事業会社や金融機関も上位株主として同社を支えています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 音成 洋介 | 49.31% |
| 音成 恵里 | 9.86% |
| くふうカンパニーホールディングス | 5.00% |
| SBI証券 | 4.75% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 3.39% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性6名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は音成洋介氏が務めています。社外取締役比率は66.7%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 音成 洋介 | 代表取締役社長 | バークレイズ・キャピタル証券会社東京支店、アドバンテッジパートナーズ有限責任事業組合を経て、2010年2月に同社を設立し代表取締役社長に就任。2025年2月よりmond, Inc.代表より現職。 |
| 清水 伸太郎 | 取締役 | ゴールドマン・サックス・ジャパン・ホールディングス有限会社、UBS証券東京支店、ピムコジャパンリミテッド、アーディアン・ジャパン株式会社を経て、2020年5月に同社入社。2021年4月より同社取締役より現職。 |
社外取締役は、赤池敦史氏(シーヴィーシー・アジア・パシフィック・ジャパン代表取締役日本共同代表マネージングパートナー)、奥谷直也氏(元株式会社ティーガイア常勤監査役・常勤監査等委員)、森下俊光氏(公認会計士・監査等委員)、小栗久典氏(弁護士法人内田・鮫島法律事務所パートナー・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員会は3名全員が社外取締役で構成されています。これにより、社外の視点から経営の意思決定と職務執行の監督を強化する体制となっています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ハウテレビジョンの役員報酬は、固定報酬を基本とし、譲渡制限付株式報酬やストック・オプション報酬をインセンティブとして導入しています。業績連動報酬は設けておらず、監査等委員である取締役には経営からの独立性を重視し、固定報酬のみを支給する方針です。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 1.3億円 | 44.4百万円 |
| 社外取締役 | 4名 | 11百万円 | 2.8百万円 |
| 社外監査役 | 3名 | 3百万円 | 0.9百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。また、総額には期中に退任した役員の報酬が含まれます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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