※本記事は、株式会社 光・彩の有価証券報告書(第59期、自 2025年2月1日 至 2026年1月31日、2026年4月22日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. 光・彩ってどんな会社?
光・彩は、独自技術を活かしたジュエリー製品やパーツの製造・販売を手掛ける貴金属装身具メーカーです。
■(1) 会社概要
同社は1967年に光彩工芸として設立され、1985年に貴金属材料の加工を100%内製化しました。1995年に株式を店頭登録し、2017年に現在の光・彩へ社名を変更しています。直近では2024年に名古屋証券取引所メイン市場への重複上場を果たしました。
現在の従業員数は単体で97名です。筆頭株主は健康食品販売業を行う親会社のエスティオで、第2位は代表取締役社長である深沢栄二氏となっています。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| エスティオ | 54.45% |
| 深沢 栄二 | 6.74% |
| ABN AMRO CLEARING BANK N.V., SINGAPORE BRANCH | 2.88% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性5名、女性0名の計5名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長の深沢栄二氏がトップを務めています。社外取締役比率は80.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 深沢 栄二 | 代表取締役社長 | 1989年4月野村総合研究所入社。1993年11月同社入社。開発部マネージャー、営業部マネージャー、取締役などを経て、1999年4月より現職。 |
社外取締役は、加藤雄一(元アドバネクス代表取締役会長)、鈴木真(真法律会計事務所開設)、金井公克(元ウイルバーエリス代表取締役社長)、柴山聡(丸山公夫法律事務所入所)です。
2. 事業内容
同社グループは、「ジュエリー事業」の単一セグメントを展開しています。
■ジュエリー事業
金・プラチナ・宝石等を主要な原材料とした、貴金属装身具の製造加工販売を行っています。主にリングやペンダント等のジュエリー製品と、イヤリングパーツやクラスプ等のジュエリーパーツ製品の2つの商品群を全方位の得意先に向けて提供しています。
顧客へのジュエリー製品およびジュエリーパーツの販売による収益を主な収入源としています。事業の運営は同社が主体となって行っています。また、親会社であるエスティオが健康食品の販売事業を展開しています。
3. 業績・財務状況
同社の業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
直近5年間の業績は、売上高が継続して増加しており、安定した成長を見せています。利益面でも、生産性の向上や高付加価値商品の開発、価格改定の効果が寄与し、経常利益および当期純利益ともに増加傾向にあります。利益率も段階的に改善しており、着実な収益構造の強化が伺えます。
| 項目 | 2022年1月期 | 2023年1月期 | 2024年1月期 | 2025年1月期 | 2026年1月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 30億円 | 34億円 | 35億円 | 39億円 | 42億円 |
| 経常利益 | 0.2億円 | 0.3億円 | 1.2億円 | 1.5億円 | 1.7億円 |
| 利益率(%) | 0.6% | 1.0% | 3.3% | 3.7% | 4.1% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 0.3億円 | 0.3億円 | 0.9億円 | 0.9億円 | 1.1億円 |
■(2) 損益計算書
売上高の成長に伴い、売上総利益および営業利益も順調に拡大しています。製造原価の低減や生産体制の強化により、売上総利益率は安定して推移しており、営業利益率も着実に改善傾向にあります。
| 項目 | 2025年1月期 | 2026年1月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 39億円 | 42億円 |
| 売上総利益 | 7.2億円 | 7.8億円 |
| 売上総利益率(%) | 18.3% | 18.4% |
| 営業利益 | 1.5億円 | 1.8億円 |
| 営業利益率(%) | 3.8% | 4.2% |
販売費及び一般管理費のうち、給料手当が1.7億円(構成比29%)、支払手数料が0.9億円(同15%)を占めています。売上原価の多くは材料費であり、売上原価合計の81%を占めています。
■(3) セグメント収益
同社はジュエリー事業の単一セグメントであるため、事業全体の売上高を記載しています。製品の付加価値向上や生産性の改善が奏功し、売上高は増加しています。
| 区分 | 売上(2025年1月期) | 売上(2026年1月期) |
|---|---|---|
| ジュエリー事業 | 39億円 | 42億円 |
| 連結(合計) | 39億円 | 42億円 |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
光・彩は、ジュエリー事業を展開しており、当事業年度は営業活動で資金を使用しました。これは、主に税引前当期純利益の増加、売上債権や棚卸資産の増加が要因です。投資活動では、有形固定資産の取得のために支出がありました。財務活動では、短期借入金の増加により資金を獲得しました。
| 項目 | 2025年1月期 | 2026年1月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 1.4億円 | -1.3億円 |
| 投資CF | -1.0億円 | -0.8億円 |
| 財務CF | 1.7億円 | 0.4億円 |
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
「Quality × Qualiaのものづくりを通じて、顧客、社会、子孫、地球環境へ貢献するとともに、全社員の「やりがい」と「しあわせ」を追求します。」を経営理念として掲げています。また、ミッションとして「安心と信頼、そして喜びと感動を大切なお客様に贈ります。」と定めています。
■(2) 企業文化
フェアなものづくりを大切にする文化を重視しています。ユーザーや取引先、従業員だけでなく、子孫や地球環境にとってもフェアであることを意識し、人と地球環境の双方に配慮した事業運営に取り組んでいます。技術とテクノロジーを融合させたサステナブルな製品づくりを通じ、付加価値を高める姿勢を持っています。
■(3) 経営計画・目標
株主価値重視と効率的経営の観点から、自己資本当期純利益率(ROE)や総資産経常利益率(ROA)の向上に努めています。また、特に営業活動によるキャッシュ・フローを意識し、健全な経営状態を継続することを経営上の目標としています。資本効率の改善と持続的なキャッシュ創出に重きを置いた経営を推進しています。
■(4) 成長戦略と重点施策
ジュエリーパーツについては、ピアスパーツ等の特許商品を中心に全てのファッションジュエリーの標準パーツとなることを目指しています。ジュエリー製品では、独自技術である鍛造技術に特化したブライダル商品で世界に認められるブランドを目指します。安定した品質とコスト競争力を備えた商品を提供しつつ事業拡大を図ります。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
人材の多様性を尊重し、すべての社員に合った柔軟な働き方や働きやすい環境を整備する方針を掲げています。また、従業員に対しては生産性向上とともに、経営やSDGsを中心とした生涯教育に取り組んでおり、教育機会の継続的提供によって知識やスキル、仕事への意欲を高めることを目指しています。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均を大きく下回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2026年1月期 | 34.7歳 | 6.5年 | 4,436,927円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 0.0% |
| 男性育児休業取得率 | 100.0% |
| 男女賃金差異(全労働者) | - |
| 男女賃金差異(正規雇用) | - |
| 男女賃金差異(非正規雇用) | - |
同社は常用労働者数が300人以下のため労働者の男女の賃金の差異については公表項目として選択しておらず、有報には本稿の記載がありません。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 不良債権の発生
同社はジュエリーの受注生産やパーツ生産を主としており、販売先の倒産などにより不良債権が発生する可能性があります。取引先ごとに与信限度額を設けるなど管理体制の強化に努めていますが、万一発生した場合は業績に影響を及ぼすリスクがあります。
■(2) 製品の品質管理
同社は徹底した品質管理に努めていますが、特異な要因によって不良が発生する可能性は完全には否定できません。製品にかかる回収責任等が生じた場合、業績に悪影響を与えるリスクとして認識されています。
■(3) 地金価格の変動
主要な原材料である金やプラチナ等の地金について、安定的な購買に努めています。しかし、急激な地金相場の変動などが発生した場合、売上総利益率などに直接的な影響を受けるリスクがあります。
■(4) 人材の確保および育成
優れた人材の確保および育成を重要な経営課題と位置づけ、積極的な採用活動や社員研修を実施しています。これらの施策が十分に効果を発揮せず、必要な人材を確保・育成できない場合は、事業運営に影響を及ぼす可能性があります。



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