※本記事は、株式会社NATTY SWANKYホールディングス の有価証券報告書(第24期、自 2024年2月1日 至 2025年1月31日、2025年4月28日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. NATTY SWANKYホールディングスってどんな会社?
「肉汁餃子のダンダダン」ブランドの居酒屋を直営およびフランチャイズで全国展開する外食企業です。
■(1) 会社概要
2001年に有限会社ナッティースワンキーとして設立され、2011年に東京都調布市にて「肉汁餃子のダンダダン」1号店を開店しました。2019年に東京証券取引所マザーズへ上場を果たし、2022年には持株会社体制への移行に伴い現商号へ変更しています。現在は株式会社ダンダダン等の子会社を通じて事業を展開しています。
2025年1月31日時点の従業員数は連結279名、単体9名です。筆頭株主は代表取締役社長の井石裕二氏、第2位は取締役会長の田中竜也氏で、創業者が大株主となっています。第3位は井石氏の資産管理会社である株式会社BORAです。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| 井石 裕二 | 19.33% |
| 田中 竜也 | 16.38% |
| BORA | 9.80% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性7名、女性0名の計7名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は井石裕二氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 井石 裕二 | 代表取締役社長 | 2001年同社取締役就任。2018年1月より現職。2021年より株式会社ダンダダン代表取締役社長を兼任。 |
| 田中 竜也 | 取締役会長 | 2001年同社取締役就任。2024年2月より現職。株式会社GRIP FACTORY代表取締役社長を兼任。 |
| 金子 正輝 | 専務取締役 | エリアリンク株式会社取締役等を経て、2016年同社入社。2024年2月より現職。 |
社外取締役は、杉本佳英(あんしんパートナーズ法律事務所代表弁護士)です。
2. 事業内容
同社グループは、「飲食事業」の単一セグメントで事業を展開しています。
■(1) 飲食事業(肉汁餃子のダンダダン)
同社グループは、「餃子とビールを日本の文化」にすることを目指し、「肉汁餃子のダンダダン」ブランドの店舗を展開しています。流行り廃りのない餃子をメイン食材とし、性別・世代を問わず日常的に利用できる「餃子居酒屋」として、直営店およびフランチャイズ店を運営しています。
収益は、直営店においては一般顧客からの飲食代金、フランチャイズ店においては加盟店からの加盟金、ロイヤリティ、食材等の卸売による売上が主な源泉です。店舗運営は主に連結子会社の株式会社ダンダダンが行っています。また、株式会社GRIP FACTORYが製造工場を運営しています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
直近3期間の業績を見ると、売上高は店舗数の増加に伴い拡大傾向にありますが、利益面では変動が見られます。2023年1月期は赤字でしたが、翌期は黒字化しました。しかし、直近の2025年1月期は再び損失を計上しています。
| 項目 | 2023年1月期 | 2024年1月期 | 2025年1月期 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 58.5億円 | 70.6億円 | 72.0億円 |
| 経常利益 | -1.3億円 | 4.1億円 | -0.1億円 |
| 利益率(%) | -2.2% | 5.9% | -0.2% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | -3.8億円 | 2.5億円 | -2.7億円 |
■(2) 損益計算書
売上高は前期比で微増となりましたが、営業利益は大幅に減少しました。売上総利益率が低下したことに加え、販売費及び一般管理費が増加したことが主な要因です。特に人件費や地代家賃の負担が重く、利益を圧迫する構造となっています。
| 項目 | 2024年1月期 | 2025年1月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 70.6億円 | 72.0億円 |
| 売上総利益 | 52.0億円 | 51.7億円 |
| 売上総利益率(%) | 73.7% | 71.8% |
| 営業利益 | 4.4億円 | 0.0億円 |
| 営業利益率(%) | 6.2% | 0.0% |
販売費及び一般管理費のうち、雑給が11億円(構成比21.5%)、給料及び手当が10億円(同19.7%)と人件費関連が高い割合を占めています。次いで地代家賃が10億円(同19.1%)となっています。
■(3) セグメント収益
直営店売上は微増、製品卸売上は大きく伸長しましたが、利益面に関する開示はありません。全体としては増収を維持していますが、成長率は緩やかになっています。
| 区分 | 売上(2024年1月期) | 売上(2025年1月期) |
|---|---|---|
| 直営店売上 | 67.2億円 | 67.9億円 |
| 製品卸売上 | 1.3億円 | 1.8億円 |
| FC売上 | 1.5億円 | 1.5億円 |
| その他 | 0.6億円 | 0.8億円 |
| 連結(合計) | 70.6億円 | 72.0億円 |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
本業・投資・財務いずれもマイナスで資金繰りが危機的な「末期型」です。
| 項目 | 2024年1月期 | 2025年1月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 8.6億円 | -2.1億円 |
| 投資CF | -1.9億円 | -7.1億円 |
| 財務CF | 4.4億円 | -0.7億円 |
企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は-11.1%で市場平均を下回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は55.3%で市場平均を上回っています。
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社グループは創業以来、「街に永く愛される、粋で鯔背な店づくり~期待以上が当り前、それが我等の心意気~」を経営理念としています。一人でも多くの街の人々に末永く愛され続ける店舗を目指し、「餃子とビールを日本の文化」にすべく邁進しています。
■(2) 企業文化
同社は「NATTY SWANKY 5つの心」として、「向上心(現状に満足せず成長する意思)」「好奇心(新しい事を発見する)」「探究心(目の前のものを突き詰める)」「自立心(自分に責任があると思う)」「忠誠心(感謝し、忠誠を尽くし、恩返しをする)」を行動指針に掲げています。
■(3) 経営計画・目標
同社グループは、企業価値を継続的に向上させるためには利益の確保が重要であると考え、営業利益率を最も重要な経営指標として採用しています。具体的には以下の数値を目標として掲げています。
* 営業利益率:10%
■(4) 成長戦略と重点施策
同社は、肉汁餃子のダンダダン業態に経営資源を集中し、商品クオリティや接客サービスの向上により他社との差別化を図ります。直営店は首都圏・関西圏を中心に、それ以外の地域ではフランチャイズ制度を活用して新規出店を推進します。また、人材の採用・育成や食の安全・安心の提供、経営管理体制の強化にも取り組みます。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
成長のために優秀な人材の確保が重要であると考え、中途採用に加え新卒採用やアルバイトからの正社員登用を積極的に行っています。育成面では、各種研修プログラムのほか、各店舗の成果発表イベント「ダンダダンAWARD」や選抜メンバーによる営業「最強店舗」の企画など、組織の活性化を図る施策に取り組んでいます。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はグロース市場の平均を大きく下回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2025年1月期 | 33.8歳 | 4.7年 | 3,465,000円 |
※平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
■(3) 人的資本開示
同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 13.0% |
| 男性育児休業取得率 | 50.0% |
| 男女賃金差異(全労働者) | 59.3% |
| 男女賃金差異(正規雇用) | 83.5% |
| 男女賃金差異(非正規雇用) | 86.6% |
※上記数値は連結子会社である株式会社ダンダダンのものです。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 市場環境について
外食業界は市場が成熟しており、中食市場の成長や競合他社との競争激化により厳しい環境にあります。また、若年層のアルコール離れや少子高齢化の影響もあり、市場環境が悪化した場合、同社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
■(2) 単一ブランドについて
同社グループは「肉汁餃子のダンダダン」の単一ブランドで事業展開を行っています。当該ブランド自体が陳腐化した場合には成長が減速する可能性があり、売上の減少等により同社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
■(3) 新規出店計画について
同社グループは積極的に新規出店を行っていますが、希望通りの物件確保や工事工程の遅延等により計画通りに進まない可能性があります。これにより、同社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
■(4) 食品の安全性について
異物混入や食中毒等の食の安全性に関する問題が生じた場合、社会的信用の低下等により、同社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。同社グループは衛生管理の指導・教育や外部機関によるチェックを実施し、安全な食品提供に努めています。



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