※本記事は、株式会社ツインバード の有価証券報告書(2026年2月期、2025年3月1日 ~ 2026年2月28日、2026年5月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ツインバードは、家電製品の製造販売を主力事業としています。また、新冷却技術FPSC(フリー・ピストン・スターリング・クーラー)とその応用製品の製造・販売も手掛けており、幅広い製品ラインナップを展開しています。
単体従業員数は256名です。セグメントは家電製品事業、FPSC事業の2つです。
ツインバードは、主力である家電製品の製造販売に加え、新冷却技術FPSCとその応用製品の製造・販売を自社で行っています。
直近では、収益性の悪化に伴い家庭用冷蔵庫・洗濯機事業の縮小を決定し、収益性の高い商品や販売チャネルへの転換を推進する事業構造改革を進めています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ツインバードは、家電製品事業とFPSC事業を展開しており、従業員の平均年齢や勤続年数から、長期的なキャリア形成が可能な環境がうかがえます。また、多様な働き方を支援する取り組みにも力を入れていることが特徴です。給与水準や具体的な働き方については、以下の詳細をご確認ください。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均年齢と平均勤続年数から、長期にわたってキャリアを築いている方が多い傾向が見られます。これは、安定した環境で専門性を深めながら働ける可能性を示唆していると言えるでしょう。従業員が長く働き続けられるような職場環境が整っていることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,438,000円 |
| 平均勤続年数 | 23.1年 |
| 平均年齢 | 48.4歳 |
| 単体従業員数 | 256人 |
| 連結従業員数 | - |
| 単体のグループ内比率 | - |
同社は、確定給付型の退職給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度)を設けています。この制度は同社単体で適用されており、確定給付企業年金制度として運用されています。また、退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、退職給付債務は9.7億円、年金資産は12.1億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、持続的な企業価値向上のため、社員一人ひとりの成長を最重要視しています。社員が働きがいを高め、キャリアを通じて幸福を実現することを人事の基本理念として掲げています。人材ビジョンとして「お客様満足No.1を実現する感動メーカー」を、人事ポリシーとして「目指す道を、後押しする」を策定し、これらに基づく組織体制の整備や人事制度の再構築を進めています。
社員が自発的に学べる教育制度「TWINBIRDアカデミー」の運用も行っています。また、多様な人材が能力を発揮できるよう、女性管理職のさらなる登用、障がい者雇用、グローバル人材の登用によるダイバーシティの推進を重点テーマとしています。働きがい向上のため、ワークライフバランスを重視した有給休暇取得推進や育児・介護両立支援制度の整備、定年65歳制の採用、障がい者雇用の積極的な推進に取り組んでいます。毎年実施される社員アンケートの結果は、経営層と人事部門が確認し、職場環境の改善に活かされています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
管理職に占める女性労働者の割合と労働者の男女の賃金の差異は女性活躍推進法に基づき、男性労働者の育児休業取得率は育児介護休業法に基づき算出されています。提出会社単体のデータを示します。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 14.3% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 79.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 84.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 52.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ツインバードは、家電製品の製造販売を主力事業としています。また、新冷却技術であるFPSC(フリー・ピストン・スターリング・クーラー)とその応用製品の製造・販売も手掛けています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、主に家電製品の製造販売と、独自の冷却技術FPSCを活用した製品の製造・販売を通じて収益を得ています。国内市場における消費者の節約志向や市場競争の激化といった環境変化に対応しながら、新製品の開発や販売チャネルの開拓を進めています。海外展開も積極的に行っており、国内で好評を得ている製品を韓国市場へ投入するなど、グローバルな事業拡大も図っています。
家電製品事業
家電製品事業では、ツインバードブランドの家電製品を製造・販売しています。特に「匠プレミアム」ブランドラインから、匠ブランジェトースターPLUSや匠クラフトドライヤーといった新製品を投入し、美容室ルートなどの新たな販路も開拓しています。業務用小型冷凍庫のODM製品や大手家電量販店向けのオリジナル製品も手掛けており、収益はこれらの製品の販売から得ています。当事業は同社事業の中で最も規模が大きいですが、前期と比較すると売上高は減少しています。
FPSC事業
FPSC事業では、独自のフリー・ピストン・スターリング・クーラー技術とその応用製品の製造・販売を行っています。国内外の展示会への出展を通じて製品の認知度向上に努めており、収益は主にこの冷却技術を用いた製品の販売から得ています。当事業の売上高は前期と比較して減少しています。
| セグメント | 売上高(2025年2月期) | 売上高(2026年2月期) |
|---|---|---|
| 家電製品事業 | 96.3億円 | 86.1億円 |
| FPSC事業 | 4.2億円 | 3.9億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の連結業績は、2022年2月期から2023年2月期にかけて、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも減少傾向を示しています。特に、親会社株主に帰属する当期純利益は大幅な減少となりました。なお、2024年2月期以降の連結経営指標は開示されていません。
| 項目 | 2022年2月期 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 129億円 | 109億円 | - | - | - |
| 経常利益 | 6.1億円 | 1.4億円 | - | - | - |
| 経常利益率 | 4.7% | 1.3% | - | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 4.2億円 | 70百万円 | - | - | - |
| 1株当たり当期純利益(円) | 39.64 | 6.58 | - | - | - |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は当期に営業損失を計上し、事業構造改革を進めています。一方で、本業で資金を生み出す営業キャッシュフローはプラスとなっており、手元資金も増加しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤を見ると、自己資本比率はプライム市場の製造業平均と比較して高い水準にあります。手元資金である現金及び預金は前期から増加しており、一定の資金を確保している状況です。
| 指標 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 7,743百万円 | 6,567百万円 |
| 自己資本比率 | 71.2% | 66.1% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金等 | 256百万円 | 697百万円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社の当期のキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュフローがプラスとなっています。これは本業で資金を生み出していることを示しています。投資活動によるキャッシュフローはマイナスであり、主に有形固定資産の取得による支出が発生しています。
財務活動によるキャッシュフローもマイナスとなっており、長期借入金の返済や配当金の支払いが行われています。これらの結果、フリーキャッシュフローはプラスとなっており、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金がある状態です。
| 項目 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | 738百万円 |
| 投資CF | - | △226百万円 |
| 財務CF | - | △70百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | 512百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、国内家電市場における競争激化により、家庭用冷蔵庫及び洗濯機の販売が急激に減少しました。これに伴い、収益性の目途が立たない同事業の縮小を決定しています。
また、海外の製造委託会社からの製品や部材の輸入において、為替相場の変動リスクに晒されています。予測を超えて為替相場が急激に変動した場合、同社の業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
同社は当事業年度において、事業構造改革に伴う費用として、製品・部材の廃棄費用60百万円、棚卸資産の評価損356百万円を計上しています。この費用は事業再編・拠点統廃合・人員削減等に伴うものであり、転職先を検討する際に留意すべき情報です。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ツインバードは、お客様に感動と快適さを提供することを目指し、持続可能な幸せを追求する企業です。
燕三条発のイノベーションを通じて、世界中の人々に価値を提供することを目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ツインバードは、「感動と快適さを提供する商品の開発」「相互信頼を通じた豊かな関係づくり」「快活な職場づくりへの参画と社会の発展への寄与」「自己の成長と豊かな生活の実現」を経営理念として掲げています。
2030年に向けた長期ビジョン「VISION2030」では、「お客様満足№1」のその先へ、燕三条発のイノベーションで世界中の人々に持続可能な幸せを提供するブランドになることを目指しています。
ステークホルダーの期待に応え続けるため、中長期的な事業成長に向けた新たな取り組みや戦略的投資を継続していく方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ツインバードは、感動と快適さの提供を通じて人々の「持続可能な幸せ」を創造することをパーパス(存在意義)としています。
燕三条地域の特性を活かした付加価値創造と、グローバル視点での社会課題解決も重視しています。
同社は、社員一人ひとりが働きがいを高め、キャリアを通じた幸福を実現することを人事の基本理念としています。
「お客様満足No.1を実現する感動メーカー」という人材ビジョンを掲げ、「目指す道を、後押しする」という人事ポリシーのもと、多様な人材が能力を最大限発揮できる環境づくりに取り組んでいます。
女性管理職の登用、障がい者雇用の推進、グローバル人材の登用によるダイバーシティの進展、ワークライフバランスを重視した働き方改革を進めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
ツインバードは、2期連続の最終損失を計上したことを受け、2027年2月期を収益性重視の事業構造への転換を図る重要な一年と位置付けています。
抜本的な構造改革として、生産性の向上とローコストオペレーションの徹底を推進しています。
具体的には、新基幹システムの活用やAIの導入を通じて社員一人当たりの付加価値向上を図り、省人化やペーパーレス化、組織・人員配置の最適化を進めています。
また、前事業年度に発生した財務報告に係る内部統制の不備を解消するため、新基幹システムの原価計算機能の本番稼働や、経理部門の人的リソース強化、決算チェックリストの整備による管理体制強化を実施しました。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ツインバードは、構成員の過半数を社外取締役とする監査等委員会を設置し、取締役会の監督機能強化を図っています。会社業務に精通した業務執行取締役によるスピーディな経営体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ツインバードの筆頭株主は事業会社である㈱双栄であり、従業員持株会や創業家とみられる個人株主も上位に名を連ねる資本構成となっています。㈱双栄は、同社の代表取締役社長が代表を務める会社です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| ㈱双栄 | 13.38% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 3.92% |
| ツインバード従業員持株会 | 2.71% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は11名(男性11名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は野水重明氏が務めています。社外取締役比率は45.5%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 野水 重明 | 取締役社長(代表取締役) | 1989年3月同社入社、2007年6月同社取締役営業本部副本部長、2011年6月同社代表取締役社長より現職。 |
| 佐藤 勉 | 専務取締役 生産本部本部長 兼 品質改革本部本部長 | 1979年3月同社入社、2008年6月同社取締役開発・生産本部副本部長、2023年3月同社専務取締役生産本部本部長 兼 品質改革本部本部長より現職。 |
| 河村 吉章 | 常務取締役 開発本部本部長 | 2019年5月同社入社 執行役員、2022年5月同社取締役開発本部本部長、2024年5月同社常務取締役開発本部本部長より現職。 |
| 浅見 孝幸 | 常務取締役 営業本部本部長 兼 東京支社支社長 | 2019年2月同社入社 執行役員、2022年5月同社取締役マーケティング本部本部長 兼 東京支社支社長 兼 営業本部管掌役員、2025年5月同社常務取締役営業本部本部長 兼 東京支社支社長より現職。 |
| 渡邉 桂三 | 取締役 企画管理本部本部長 | 2021年12月同社入社 執行役員管理本部本部長、2023年5月同社取締役企画管理本部本部長より現職。 |
| 渡邉 英一 | 取締役 開発本部副本部長 | 1990年4月同社入社、2013年6月同社執行役員開発本部副本部長、2025年5月同社取締役開発本部副本部長より現職。 |
社外取締役は、田中通泰氏(亀田製菓特別顧問)、高橋泰行氏(ピエトロ代表取締役)、加藤善孝氏(ProC.A代表取締役・監査等委員)、大田陸介氏(北辰法律事務所代表社員・監査等委員)、小村隆氏(小村法律事務所所長・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、構成員の過半数を社外取締役とすることで、取締役会の監督機能強化を図っています。監査等委員会は社外取締役3名で構成され、監査機能の強化と経営の透明性向上に努めています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ツインバードの取締役(社外取締役及び監査等委員である取締役を除く)の報酬は、基本報酬、業績連動報酬としての金銭報酬、そして譲渡制限付株式報酬制度と業績連動型譲渡制限付株式報酬制度の二つの株式報酬制度から構成されています。社外取締役及び監査等委員である取締役の報酬は、業務執行から独立した立場で経営の監督・助言を行う役割のため、職責や他社の動向を反映させた固定報酬となっています。報酬の決定は、独立社外取締役を過半数とする任意の指名・報酬委員会に諮問し、監査等委員会の同意を得て、取締役会にて決定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 6名 | 100百万円 | 16.6百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 9百万円 | 8.7百万円 |
| 社外役員 | 6名 | 19百万円 | 3.2百万円 |
なお、2021年5月25日開催の第59期定時株主総会において、対象取締役2名に対して、上記年額報酬とは別枠で譲渡制限付株式報酬として年額42百万円以内と決議されています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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