※本記事は、株式会社property technologies の有価証券報告書(2025年11月期、2024年12月1日 ~ 2025年11月30日、2026年2月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
property technologiesは純粋持株会社であり、単体従業員数は28名、グループ連結従業員数は340名です。
同社グループは、「リアル(住まい)×テクノロジー」をコンセプトに、顧客のライフサイクルやニーズに合わせた住まい・サービスを提供しています。連結子会社8社で構成されており、中古住宅再生や戸建住宅の供給、不動産賃貸等のサービスを展開しています。
主な国内グループ会社は、ホームネット(中古マンション再生・事業)、カイトリー、ファーストホーム(戸建住宅事業)、ファーストコーポレーション、ホームネットパートナーズ(経営指導等の事業)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
同社グループは純粋持株会社として、人材を「資本」と捉え、その価値を最大限に引き出す企業文化と体制づくりを重視しています。多様な価値観を尊重し、従業員一人ひとりがプロフェッショナルとして能力を発揮できる職場環境の整備に積極的に取り組んでいます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は比較的若い年齢層の従業員が多く、平均勤続年数は短めの傾向にあります。これは、新たな人材の積極的な採用や、キャリア形成における流動性を示している可能性があります。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,247,000円 |
| 平均勤続年数 | 2.5年 |
| 平均年齢 | 36.1歳 |
| 単体従業員数 | 28人 |
| 連結従業員数 | 340人 |
| 単体のグループ内比率 | 8.2% |
同社グループは、確定拠出年金制度を導入しており、一部の連結子会社は非積立型の確定給付制度を採用しています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、人材を今後の事業構想において最も大切な「資本」と位置づけています。その価値を最大限に引き出し、従業員が存分に活躍できる企業文化や体制を整えることで、持続的な成長と企業価値の向上を図る方針です。
安定した新卒採用を継続し、OJTに加え、新卒から管理職までの幅広い階層、全国17都道府県に展開する拠点や職種の垣根を越えた総合的な研修、トップマネジメント研修等を通じて人材育成を進めています。また、多様な価値観を最大限発揮できるよう、人事制度の不断の見直しや従業員の健康促進にも配慮し、健全な組織風土の創造に取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男女の賃金の差異は、賃金制度・体系において性別による差異はなく、主に男女間の管理職比率等によるものです。正規雇用労働者およびパート・有期労働者の男女賃金差異は該当者が存在しないため開示されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 27.3% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 60.0% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ 株式会社ホームネット
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 4.4% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 33.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 59.8% |
女性活躍、管理職人材の育成
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性従業員比率(当社) | 44.8% |
多様性と多様な価値観を生み出す組織風土創りの推進
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 育児休業復帰率(当社) | 100.0% |
| 有給取得率(当社) | 67.3% |
| 障がい者雇用(当社) | 0人 |
| 健康診断受検率(当社) | 100.0% |
| ストレスチェック受検率(当社) | 92.9% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
property technologiesは、「リアル(住まい)×テクノロジー」をコンセプトに、顧客の住まいに関する多様なニーズに応えるサービスを提供する持株会社です。同社グループは、不動産取引をより身近なものにすることを目指し、事業を展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループの主力商品はリノベーション済中古区分所有マンションであり、株式会社ホームネットが全国の主要都市部で販売しています。また、秋田県と山口県では株式会社サンコーホームと株式会社ファーストホームが新築戸建住宅の請負を行っています。住宅リフォーム・リノベーションや不動産賃貸などのサービスも提供しており、ファミリー実需向け、特に30代から40代の一次取得者を主なターゲットとしています。
収益モデルの特徴として、中古住宅再生事業では主に仲介会社を経由して物件を仕入れ、リノベーション後に販売しています。さらに、ポータルサイト『KAITRY(カイトリー)』を通じて一般顧客から直接物件を買い取るiBuyer機能も提供しています。業務支援システムは有償サービスとしても展開されており、金融機関向けの『KAITRY finance』は複数の銀行や信用金庫、信用保証会社に導入実績があります。同社グループは、不動産情報のデータベース、AI査定、物件管理システム、業務支援システムといったテクノロジーを駆使し、効率的な事業運営と差別化を図っています。
同社グループはKAITRY事業の単一セグメントで事業を展開しています。サービス別では中古住宅再生が収益の大部分を占めており、当連結会計年度の売上高は同社グループ全体の約8割を占めています。海外での事業展開はなく、本邦以外の外部顧客への売上高や有形固定資産はありません。また、特定の外部顧客への売上高が連結損益計算書の10%以上を占めることはありません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、過去5期にわたり増加傾向にあります。特に当連結会計年度は、前連結会計年度と比較して売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも大きく増加しました。これは、中古住宅再生事業の堅調な推移と、高価格帯マンションの販売本格化が主な要因となっています。
| 項目 | 2021年11月期 | 2022年11月期 | 2023年11月期 | 2024年11月期 | 2025年11月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 295億円 | 388億円 | 370億円 | 416億円 | 509億円 |
| 経常利益 | 15.9億円 | 22.0億円 | 10.6億円 | 10.2億円 | 16.8億円 |
| 経常利益率 | 5.4% | 5.7% | 2.9% | 2.4% | 3.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 10.3億円 | 13.9億円 | 6.6億円 | 6.4億円 | 10.8億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 98.79 | 130.28 | 53.36 | 51.80 | 87.83 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期と比較して増加しています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から増加しており、従業員一人ひとりの稼ぐ力が向上している傾向が見られます。これは、事業規模の拡大と効率的なプラットフォーム運用が生産性向上に寄与していることを示唆しています。
| 指標 | 2024年11月期 | 2025年11月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 119.6百万円 | 149.7百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 3.9百万円 | 6.0百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、事業拡大に向けた投資を継続しており、資金調達を伴う成長フェーズにあることがうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は前期から増加し、当期は19.3%となっています。これはプライム市場の非製造業平均24.2%を下回る水準です。ROE(自己資本利益率)は前期から大きく上昇し、当期は13.6%となり、プライム市場平均の9.4%を上回る水準を示しています。
現金及び預金は前期からわずかに減少しましたが、当期末で49.0億円を確保しています。これらの財務指標は、同社グループが事業活動を通じて収益性を高めつつ、手元資金を維持している状況を示しています。
| 指標 | 2024年11月期(前期) | 2025年11月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 74.8億円 | 83.9億円 |
| 自己資本比率 | 18.3% | 19.3% |
| ROE(自己資本利益率) | 8.7% | 13.6% |
| 現金及び預金 | 49.6億円 | 49.0億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、事業活動による資金の流出が継続している一方で、投資活動による資金の流出も増加しています。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュフローは△9.1億円の支出となりました。これは主に販売用不動産の増加による資金減少があったものの、営業投資有価証券の減少や税金等調整前当期純利益の計上により、前期に比べて支出が減少しています。投資活動によるキャッシュフローは△2.0億円の支出となり、投資事業有限責任組合への出資や有形固定資産の取得により、前期から支出が増加する結果となりました。
この結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは△11.1億円の支出となっています。財務活動によるキャッシュフローは10.5億円の収入となり、短期借入金の純増額や長期借入による収入があった一方で、長期借入金の返済や社債の償還により、前期から収入が減少しました。これらの資金の流れは、同社グループが事業拡大のための投資を継続しており、その資金を借入金等で調達している状況を示しています。
| 項目 | 2024年11月期(前期) | 2025年11月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △29.5億円 | △9.1億円 |
| 投資CF | △0.6億円 | △2.0億円 |
| 財務CF | 22.0億円 | 10.5億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △30.1億円 | △11.1億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループが属する不動産業界は、景気変動、経済情勢、金利動向、地価の動向等の影響を受けやすい特性があります。これらの変動が購入層の購買動機に影響し、業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、中古住宅市場や地方都市の戸建住宅市場において、競合他社の参入や価格競争が激化する可能性があります。これにより物件の仕入れや販売数が減少し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループでは、業容拡大に向けた人材確保と育成が課題となっています。人材の確保・育成が計画通りに進まない場合や、既存の人材が社外流出等により業務に就くことが困難になった場合には、事業活動に支障が生じ、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
同社グループは、「リアル(住まい)×テクノロジー」を融合させ、不動産取引をより身近なものにすることを目指しています。人々のライフスタイルの変化に応じた住み替えを可能にし、豊かな社会の構築に貢献する企業文化を育んでいます。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「誰もが」「いつでも」「何度でも」「気軽に」住み替えることができる未来を創造することを基本方針としています。この理念は、多くの人にとって一生に一度の買い物とされてきた住宅を、ライフスタイルの変化に応じて柔軟に住まいを変える存在に変えることで、人々の可能性を広げたいという想いに基づいています。テクノロジーを活用し、住まいを通じた豊かな社会の構築に貢献し、企業価値を高めることを確信しています。リアルとテクノロジー、その両方の高度化を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、不動産取引の現状を変えるために、先端テクノロジーの活用と不動産取引の実態(リアル)への精通を不可欠と考えています。人材を「資本」と捉え、その価値を最大限に引き出し、存分に活躍できる企業文化と体制を整えることを重視しています。多様性と多様な価値観を強みとし、人種、性別、年齢、宗教、信条、経歴や価値観などにかかわらず、個を尊重し認め合う組織風土を創ることに取り組んでいます。社員一人ひとりがプロフェッショナルとして能力を最大限に発揮できるよう、健全な組織風土を創っていくことを目指しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、デジタルトランスフォーメーション(DX)の促進を重要な課題としています。社内DXを推進し、対外的には仲介会社向けの営業支援や金融機関、士業向けのサービス提供を広げることで、不動産に関わる様々なニーズに応えることを目指しています。品質管理の拡充も重点テーマであり、お客様が安心して暮らせる住宅を提供するため、独自の検査・保証を行うことに取り組んでいます。内部管理体制の強化も課題としており、コンプライアンス体制の充実と内部牽制機能の強化を通じて、不正やミスの起こらない組織作りを推進しています。人材の確保と育成も重要なテーマであり、社内教育制度の拡充や管理職層の育成強化を通じて、組織体制の整備を進めています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
プロパティテクノロジーズグループは、持株会社体制のもと、取締役会と監査役会によるコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。経営の透明性と機動的な意思決定を重視し、企業価値の向上を目指しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
プロパティテクノロジーズの株主構成を見ると、筆頭株主はグランドールキャピタルであり、代表取締役である濱中雄大氏が株式を保有する資産管理会社です。濱中雄大氏個人も第2位の大株主として名を連ねており、同氏およびその関連会社が同社の経営に強い影響力を持っていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| グランドールキャピタル | 36.26% |
| 濱中 雄大 | 31.77% |
| 由岐 洋輔 | 0.85% |
| MSIP CLIENT SECURITIES | 0.83% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 0.78% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長社長執行役員は濱中雄大氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 濱中 雄大 | 取締役社長(代表取締役) 社長執行役員 | 1988年4月 株式会社ミヤマ(現:株式会社レオパレス21)入社、2000年12月 株式会社ホームネット設立 代表取締役社長、2020年11月 同社設立 代表取締役社長、2024年5月 同社 代表取締役社長 社長執行役員より現職。 |
| 岩尾 英志 | 専務取締役専務執行役員 グループ戦略本部長 | 1988年4月 株式会社富士銀行(現:株式会社みずほ銀行)入行、2005年4月 株式会社リロケーション・ジャパン 代表取締役、2020年11月 同社 専務取締役グループ戦略室長、2024年5月 同社 専務取締役 専務執行役員 グループ戦略本部長より現職。 |
| 松岡 耕平 | 取締役執行役員コーポレート本部長 | 1992年4月 株式会社富士銀行(現:株式会社みずほ銀行)入行、2019年12月 株式会社ホームネット 管理本部部長兼人事総務部長、2020年11月 同社 取締役管理本部長、2024年5月 同社 取締役執行役員 コーポレート本部長より現職。 |
社外取締役は、髙橋理人氏(楽天グループ常務執行役員・アディッシュ社外取締役)、志賀秀啓氏(元ヒューリック代表取締役副社長)、江川敏郎氏(みずほフィナンシャルグループ常務執行役員・大城組代表取締役社長)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役3名を含む取締役会が経営の意思決定と監督を担っています。独立社外取締役は、経営の独立性・客観性の確保とガバナンス強化に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
プロパティテクノロジーズの役員報酬は、持続的な成長へのインセンティブとして機能する体系を基本方針としています。基本報酬を中心とし、営業管掌の業務執行取締役には業績連動報酬を導入しています。非金銭報酬は導入していません。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役 | 9名 | 77百万円 | 8.6百万円 |
| うち社外取締役 | 3名 | 13百万円 | 4.4百万円 |
| 監査役 | 3名 | 13百万円 | 4.2百万円 |
| うち社外監査役 | 2名 | 9百万円 | 4.5百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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