※本記事は、株式会社IDOM の有価証券報告書(2026年2月期、2025年3月1日 ~ 2026年2月28日、2026年5月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
IDOMは、子会社16社で構成される同社グループとして、一般消費者向けに中古車販売事業を主たる業務としています。中古車販売事業では新車販売も手掛けています。
単体従業員数は4,010名、連結従業員数は4,260名です。セグメントは日本、その他の2つです。
主な国内グループ会社は、東京マイカー販売(中古車の売買)、IDOM CaaS Technology、IDOMビジネスサポート(事務処理等の業務の受託)などです。
2025年6月23日には、人材紹介事業を行うIDOM Career Connectionsを設立し、連結の範囲に含めています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社IDOMは、中古車流通ビジネスをコア事業とする企業です。同社グループでは、従業員が能力を最大限に発揮し、自己成長を追求できる環境づくりに注力しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、比較的若い年齢層の従業員が多く活躍しており、平均勤続年数も一定の期間を示しています。これは、新しい人材が継続的に加わりながらも、経験を積んだ従業員が在籍している状況を表しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,635,000円 |
| 平均勤続年数 | 6.3年 |
| 平均年齢 | 34.3歳 |
| 単体従業員数 | 4,010人 |
| 連結従業員数 | 4,260人 |
| 単体のグループ内比率 | 94.1% |
同社は2009年9月より、確定拠出型年金制度を採用しています。確定拠出型とは、会社が拠出した資金を従業員が自ら運用する制度です。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は「Growing Together」という企業理念に基づき、従業員を重要なステークホルダーと位置付けています。性別、国籍、年齢、勤続年数、障害の有無などの属性に関わらず、従業員それぞれの能力を十分に発揮し、活躍できる環境を構築しています。
従業員の自己成長や自己研鑽を支援するため、様々な制度や研修を設けています。今後も従業員の人権を尊重しつつ、従業員が多様な挑戦ができる仕組みを積極的に創造していく方針です。
多様性の確保は、環境整備や人材育成に注力することによって自然と達成されるものと考えており、現時点では多様性確保のための数値目標は定めていません。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、記載を省略しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 0.6% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 22.6% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 51.6% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 68.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 96.4% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
IDOMグループは、中古車販売を主軸に、これに付帯する様々な事業を展開しています。一般消費者への小売を主要な販路とし、新車販売も行っています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループの事業は、主に「日本」と「その他」の2つのセグメントで構成されています。中古車販売を核としつつ、関連する多様なサービスを提供することで収益を上げています。
日本
日本セグメントでは、中古車販売事業およびこれらに付帯する事業を主に行っています。具体的には、自動車のリースやレンタル事業、事務処理等の業務受託、ソフトウェア等の開発、人材紹介事業なども手掛けています。収益は、車両の小売・卸売、整備、手数料など多岐にわたる源泉から得ています。前期から売上高、セグメント利益ともに増加しています。運営は、IDOM、東京マイカー販売、IDOM CaaS Technology、IDOMビジネスサポート、IDOM Digital Drive、IDOM Career Connectionsなどが行っています。
その他
その他セグメントは、米国国内における中古車の売買を主な事業としています。前期から売上高が大きく増加し、セグメント利益も黒字に転換しています。運営は、Gulliver USA, Inc.、Gulliver EAST, Inc.などが行っています。
同社グループの収益は、株式会社ユー・エス・エスへの売上が一定の割合を占める傾向があります。
| セグメント | 売上高(2025年2月期) | 売上高(2026年2月期) |
|---|---|---|
| 日本 | 4,929億円 | 5,537億円 |
| その他事業 | 37.8億円 | 90.3億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、過去5年間で増加傾向にあります。特に直近の会計年度では、売上高が大きく伸びています。一方で、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、増減を繰り返しながら推移しており、直近では減少しています。売上高の増加は、国内直営店の小売台数増加や粗利の高水準維持によるものです。販売費及び一般管理費の増加が利益に影響を与えています。
| 項目 | 2022年2月期 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 4,595億円 | 4,165億円 | 4,199億円 | 4,967億円 | 5,628億円 |
| 経常利益 | 176億円 | 181億円 | 158億円 | 191億円 | 186億円 |
| 経常利益率 | 3.8% | 4.4% | 3.8% | 3.8% | 3.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 108億円 | 142億円 | 114億円 | 134億円 | 119億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 107.51 | 141.48 | 113.96 | 133.93 | 118.66 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は前期から増加しており、生産性が向上している傾向が見られます。一方で、従業員1人あたり営業利益(連結)は前期からやや減少しています。これは、売上高の増加に対して販売費及び一般管理費が増加したことが影響していると考えられます。
| 指標 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 123.5百万円 | 132.1百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 4.9百万円 | 4.7百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況を見ると、事業活動で得た資金を将来への投資に充てている状況がうかがえます。これは、事業拡大に向けた積極的な投資フェーズにあることを示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤を見ると、自己資本比率は当期で33.4%となっており、プライム市場の非製造業平均と比較して高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)も当期14.2%と、プライム市場平均を上回る水準です。手元資金である現金及び預金は当期末で275億円に増加しており、事業運営に必要な資金を確保している状況がうかがえます。これらの指標は、同社グループが安定した財務体質を維持していることを示しています。
| 指標 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 808億円 | 897億円 |
| 自己資本比率 | 36.1% | 33.4% |
| ROE(自己資本利益率) | 18.1% | 14.2% |
| 現金及び預金 | 154億円 | 275億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、当期に110.6億円の収入となりました。これは、税金等調整前当期純利益や仕入債務の増加などが主な増加要因となっています。一方、投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出が増加したため、115.1億円の支出となりました。その結果、フリーキャッシュフローは4.5億円のマイナスとなっています。これは、本業で得た資金を将来の成長に向けた投資に充てている状況を示しており、事業拡大への意欲がうかがえます。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入れによる収入があり、125.0億円の収入となっています。
| 項目 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △200.4億円 | 110.6億円 |
| 投資CF | △87.6億円 | △115.1億円 |
| 財務CF | 136.3億円 | 125.0億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △288.0億円 | △4.5億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、オートオークション相場の変動により、適正な粗利が確保できなくなる可能性をリスクとして挙げています。また、競合他社との競争が激化し、販売価格が低下することで適正な利益を確保できなくなる可能性も指摘されています。これらの要因は、同社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、人材確保が困難になることで、事業運営に必要な人員が不足し、業績及び財政状態に影響を与える可能性をリスクとして認識しています。人材獲得競争の激化や採用コストの増加が、同社グループの業績に影響を与える可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
株式会社IDOMは、「Growing Together」を企業理念に掲げ、ステークホルダーとの共存共栄を目指しています。創業以来、「自動車の流通革命」をビジョンとして、業界の変革を志向する企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
株式会社IDOMは、「Growing Together」を企業理念として掲げています。これは、共存共栄の思想を原点に、株主、お客様、社員、パートナー、社会といったステークホルダーと共に成長し続けることを目指すものです。
また、同社グループは1994年の創業以来、「自動車の流通革命」を起こすことを経営ビジョンとしています。自動車流通という循環型経済の一端を担うことを社会的な存在価値と認識し、日本および海外で事業を拡大しながら、ビジョンの実現に向けて取り組んでいます。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
株式会社IDOMは、企業理念「Growing Together」に基づき、中古車流通ビジネスを通じて「持続可能な社会の実現に貢献」することを存在価値としています。気候変動問題はグループ全体の重要課題と位置づけ、社長直轄のサステナビリティ委員会で対策を検討しています。
同社グループは、車の資源活用と所有の循環を担う「循環型ビジネス」を推進し、EVやハイブリッド車の市場比率を高めることで社会に貢献しています。
また、ダイバーシティを重視し、性別、国籍、年齢、勤続年数、障害の有無に関わらず、従業員が能力を発揮し活躍できる環境を構築しています。自己成長や様々な挑戦ができる仕組みを積極的に創造していく考えです。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、事業拡大に対応するため、人材教育の強化、サービス開発力の進化、専門性のある人材の採用、IT投資を積極的に行い、事業拡大を支える方針です。
自動車業界の変化への対応として、EV化などの新技術が市場に浸透する上で中古車の循環が重要であると認識しています。これらの変化を事業のリスクと機会として捉え、経営判断を行っていく方針です。
社会貢献の取り組みでは、2011年の東北大震災以降継続して活動し、ステークホルダーへの貢献を重要な取り組みと位置づけています。
また、事業拡大や環境変化に対応するため、実効性の高い経営体制や業務執行体制、経営意思決定プロセスを構築し、コーポレート・ガバナンスの強化を図っています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
IDOMは、取締役会及び監査役会制度を採用しており、迅速かつ高度な経営判断と透明性の確保を目指しています。取締役会は主に成長戦略やサステナビリティ課題などの中長期的な経営課題について議論し、業務執行の決定と監督を担っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
IDOMの株主構成を見ると、筆頭株主は株式会社フォワードであり、同社グループの創業家や関連会社が上位株主として名を連ねています。これにより、特定の株主グループが経営に一定の影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| フォワード | 27.89% |
| 羽鳥 由宇介 | 5.85% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 5.80% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性6名・女性2名)で構成され、女性役員比率は25.0%です。代表取締役社長は羽鳥 由宇介氏と羽鳥 貴夫氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 羽鳥 由宇介 | 取締役社長 (代表取締役社長) | 1995年7月同社取締役、2008年6月同社代表取締役社長より現職。 |
| 羽鳥 貴夫 | 取締役社長 (代表取締役社長) | 1995年7月同社取締役、1996年1月フォワード設立代表取締役、2008年6月同社代表取締役社長より現職。 |
| 西端 亮 | 取締役 (取締役CFO) | 1982年4月東亜燃料工業株式会社(現ENEOS株式会社)入社、2020年3月同社入社CFO、2023年5月同社取締役CFOより現職。 |
社外取締役は、野田 公一氏(元ウォルマート・ジャパン・ホールディングス最高人財責任者・指名・報酬委員会委員長)、伊藤 聡子氏(事業創造大学院大学客員教授・指名・報酬委員会委員)です。社外監査役は、木村 忠昭氏(アドライト代表取締役)、島田 明恵氏(東北大学特任客員教授)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会は社外取締役2名を含む5名で構成されています。これにより、経営の意思決定と業務執行の監督が多角的な視点から行われる体制となっています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
IDOMの取締役(社外取締役を除く)の報酬は、月額基本報酬と半期ごとの賞与で構成されています。社外取締役の報酬は、独立した立場からの監督役割を考慮し、月額基本報酬のみで構成されています。監査役の報酬は、固定額の金銭報酬のみとなっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 1.4億円 | 47.7百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 9百万円 | 9.0百万円 |
| 社外役員 | 6名 | 28百万円 | 4.7百万円 |
役員報酬等の総額が1億円以上の役員は存在しないため、個人別の報酬開示は行われていません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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