※本記事は、株式会社大和 の有価証券報告書(2026年2月期、2025年3月1日 ~ 2026年2月28日、2026年5月29日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
大和グループは、百貨店業を主軸に、金沢市と富山市で2店舗の百貨店を運営しています。また、印刷業、出版業、飲食業、ホテル業、人材サービス業など多角的な事業を展開しています。
単体従業員数は388名、連結従業員数は694名です。同社グループの報告セグメントは、百貨店業、ホテル業、出版業、印刷業、人材サービス業、その他事業の6つです。
主な国内グループ会社は、大和印刷社(印刷業)、勁草書房(出版業)、レストランダイワ(飲食業)、大和カーネーションサークル(百貨店業)、大和マネージメントサービス(その他事業)などです。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社大和は、地域に根ざした百貨店業を主軸に、ホテルや人材サービスなど多角的な事業を展開しています。同社グループは、創業以来の理念に基づき、顧客や社会への貢献を重視する企業文化を育んできました。従業員の長期的な成長と働きやすさを支援する姿勢が、給与水準や働き方にも反映されていると考えられます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均年齢が高く、勤続年数も長い傾向が見られます。これは、長期的なキャリア形成を支援し、安定して働き続けられる環境が整っていることを示唆しています。従業員が長く働き続けることができる職場環境が特徴です。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,020,000円 |
| 平均勤続年数 | 18.4年 |
| 平均年齢 | 46.9歳 |
| 単体従業員数 | 388人 |
| 連結従業員数 | 694人 |
| 単体のグループ内比率 | 55.9% |
同社グループは、確定給付型の制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度)を採用しています。国内の当社および連結子会社において退職一時金制度を設けています。退職一時金制度がありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。退職給付債務は11.2億円です。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、企業の永続的発展に向けて、『社員と会社が「仕事/成果」を通じて「貢献/処遇」し、ともに「成長する」』を基本理念としています。一人ひとりが会社の経営目標達成のために「何をすべきか」を考え、「自らの成長のために努力し続ける人」を支援する方針です。また、「創造や変革に挑戦し、高い成果を上げた人」を公正に評価・処遇することを人材育成方針としています。
この方針を実現するため、各階層に必要な知識やスキルの向上を図る層別研修を実施しています。多様な能力やスキルアップにつながる外部教育セミナーへの支援・参加、専門的知識の習得や職務能力向上を目指した勉強会の実施、資格取得への支援体制の構築・推進にも努めています。職場環境については、仕事と育児・介護の両立支援に向けた支援制度や有給休暇取得の向上をはじめとした働き方改革を通じて、社員一人ひとりが働きやすい環境・風土づくりを進めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 9.8% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 33.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 65.6% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 67.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 78.5% |
多様性・登用
事業内容が異なる連結グループ全体での設定が困難なため、当社単体での目標を設定しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| マネジメントラインに占める女性割合 | 25.0%以上(目標) |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社大和は、百貨店業を主軸に、ホテル業、出版業、印刷業、人材サービス業など多岐にわたる事業を展開している同社グループです。地域に根差した事業活動を通じて、顧客の多様なニーズに応えるサービスを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、百貨店事業を中核に据え、地域社会の生活を豊かにする様々なサービスを提供することで収益を上げています。国内の景気や消費動向、市場競争が経営に影響を与える可能性がありますが、店舗の魅力向上やデジタル戦略の推進を通じて、収益力の回復と安定的な収益基盤の確立を目指しています。海外での売上高や有形固定資産はなく、特定の主要顧客への収益集中も見られません。
百貨店業
同社は、金沢市と富山市で百貨店2店舗を運営しています。重点顧客層の深掘りや次世代顧客層の獲得に向け、「新しい商品と企画」の開発強化に取り組んでいます。
収益は、高級輸入時計や化粧品などの雑貨販売、食品物産催事など、百貨店での商品販売から得ています。運営は、大和、大和カーネーションサークルが行っています。
ホテル業
ホテル事業では、顧客に快適な宿泊体験を提供しています。
収益は、宿泊サービスや付帯施設からの収入が主な源泉です。運営は、金沢ニューグランドホテルが行っています。
出版業
出版事業では、書籍の企画・編集・発行を通じて、文化・学術の発展に貢献しています。
収益は、書籍の販売から得ています。運営は、勁草書房が行っています。
その他の事業セグメント
その他の事業セグメントには、飲食業などが含まれています。
収益は、飲食サービスの提供などから得ています。
印刷業
印刷事業では、様々な印刷物の制作を通じて、顧客のビジネスをサポートしています。
収益は、印刷物の受注・制作から得ています。運営は、大和印刷社が行っています。
人材サービス業
人材サービス事業では、企業と求職者のマッチングを支援しています。
収益は、人材紹介や派遣サービスの手数料から得ています。運営は、大和マネージメントサービスが行っています。
| セグメント | 売上高(2025年2月期) | 売上高(2026年2月期) |
|---|---|---|
| 百貨店業 | 140億円 | 134億円 |
| ホテル業 | 11.5億円 | 11.5億円 |
| 出版業 | 7.1億円 | 7.6億円 |
| その他の事業セグメント | 3.4億円 | 3.5億円 |
| 印刷業 | 2.2億円 | 2.1億円 |
| 人材サービス業 | 30百万円 | 64百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、直近5年間で変動が見られます。2022年2月期に大きく減少した後、2023年2月期から2025年2月期にかけては比較的安定して推移しましたが、当期である2026年2月期は前期から減少しました。経常利益は、2022年2月期に損失を計上したものの、その後は黒字を維持し、当期は前期から増加しています。一方で、親会社株主に帰属する当期純利益は、2026年2月期に大幅な損失を計上しました。これは、連結子会社の固定資産に対する減損損失が主な要因となっています。しかし、営業活動によるキャッシュ・フローは当期に増加しており、本業によるキャッシュ創出力は堅調に推移していることが示されています。
| 項目 | 2022年2月期 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 377億円 | 159億円 | 165億円 | 164億円 | 160億円 |
| 経常利益 | △2.8億円 | 1.4億円 | 2.8億円 | 1.4億円 | 1.8億円 |
| 経常利益率 | △0.8% | 0.9% | 1.7% | 0.9% | 1.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △3.0億円 | 71百万円 | 6.5億円 | 1.9億円 | △11.3億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △54.06 | 12.64 | 116.30 | 34.33 | △201.91 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期から当期にかけて減少しています。これは、売上高が減少した一方で、連結従業員数が増加したことによるものです。一方、従業員1人あたり営業利益は前期から横ばいとなっています。当期は親会社株主に帰属する当期純損失を計上しましたが、これは減損損失という一時的な要因が大きく影響しており、本業の収益性を示す営業利益は維持されている状況です。
| 指標 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 24.1百万円 | 23.0百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.3百万円 | 0.3百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、事業活動で安定的に資金を生み出し、投資活動も行いながら手元資金を確保している状況です。これにより、経営の安定性が見られます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤を見ると、自己資本比率は前期からわずかに増加し、19.7%となっています。これはプライム市場の非製造業平均と比較すると低い水準です。ROE(自己資本利益率)は当期にマイナスに転じており、収益性には課題が見られます。手元資金である現金及び預金は増加傾向にあり、不測の事態への耐性を高めている状況です。
| 指標 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 53.3億円 | 54.4億円 |
| 自己資本比率 | 19.4% | 19.7% |
| ROE(自己資本利益率) | 3.9% | -21.0% |
| 現金及び預金 | 19.0億円 | 25.6億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、売掛債権の減少などにより前期から増加し、10.9億円のプラスとなっています。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出などにより、△1.8億円のマイナスとなりましたが、前期と比較してマイナス幅は縮小しています。これにより、事業活動で得た資金が投資を上回るフリーキャッシュフローは9.2億円のプラスとなっており、前期から増加しています。
財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の返済による支出などにより△2.5億円のマイナスとなり、前期と比較してマイナス幅は縮小しました。これらの資金の流れから、同社グループは本業で安定的に資金を生み出し、投資も行いながら手元資金を確保している状況であり、雇用や給与の安定性につながる財務基盤が維持されていると言えます。
| 項目 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 6.7億円 | 10.9億円 |
| 投資CF | △2.7億円 | △1.8億円 |
| 財務CF | △8.0億円 | △2.5億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 4.0億円 | 9.2億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの主要なセグメントである百貨店業は、国内の景気や消費動向、競合他社との市場競争の激化、顧客ニーズの多様化といった事業環境の変化による影響を受ける可能性があります。これらの状況は、同社グループの財政状態や経営成績、キャッシュフローに影響を及ぼす可能性があるとされています。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクについて、タグブロックに具体的な記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
大和グループは、地域に根ざした百貨店事業を核とし、顧客や社会への貢献を重視する企業です。ここでは、同社グループがどのような価値観を持ち、どのような組織を目指しているのかをご紹介します。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
大和グループは、百貨店事業を中核に「地域の交流拠点として賑わいを創出し、市場顧客の生活文化向上に寄与する」ことを経営理念としています。地域に根ざす百貨店として、石川・富山地区で同社グループにしかできない商品品揃えと魅力ある営業企画の推進により、地域顧客の期待に応えることを経営方針としています。
グループ各社が自立的に経営効率向上と利益創出を目指し、コンプライアンス徹底とサスティナビリティ経営を推進することで、社会貢献を通じた企業グループの発展を目指しています。中長期的には、地域の生活文化発展に寄与すべく、質の高い商品と魅力ある企画の提案を強化し、お客様の暮らしに役立つ情報を発信していく方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
大和は、店祖遺訓「正しきを履んで恐れず真剣たれ」と社是「感謝に明けて奉仕に暮れる」を企業活動の信条および従業員の行動指針としています。顧客、株主、取引先、従業員、そして社会公共に対する使命を果たすことを重視しています。
同社グループは、コンプライアンスの徹底とサスティナビリティ経営の推進を通じて、社会への貢献と企業グループの発展を目指しています。企業の永続的発展に向けた基本理念として、「社員と会社が『仕事/成果』を通じて『貢献/処遇』し、ともに『成長する』」を掲げています。一人ひとりが会社の経営目標達成のために自ら考え、成長のために努力し続けることを支援し、創造や変革に挑戦し高い成果を上げた人を公正に評価・処遇する方針です。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
大和グループは、収益構造の改善に向けて複数の経営課題に取り組んでいます。その一つに従業員エンゲージメントの向上を掲げており、従業員が働きやすい職場環境の整備を進めています。
また、自律的なキャリア支援と現場実務力の強化にも注力しています。さらに、コンプライアンス・サスティナビリティ経営の推進も重要なテーマです。具体的には、法令遵守とサスティナビリティ経営の推進、および情報セキュリティ強化への取り組みを進めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
大和は監査等委員会設置会社として、取締役会の監督機能を強化し、コーポレート・ガバナンスの充実を図っています。取締役会は、業務執行の決定と監督を担う取締役と、独立した立場で監査を行う監査等委員である取締役で構成されています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
大和の株主構成を見ると、個人株主や事業会社、財団などが上位に名を連ねています。筆頭株主は宮二朗氏であり、同社を支える主要な株主の一人となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 宮 二朗 | 9.35% |
| 倉敷紡績 | 5.22% |
| 伍嶋 憲一 | 3.58% |
| 一般財団法人大和文化財団 | 3.57% |
| 東京海上日動火災保険 | 3.39% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は11名(男性11名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は宮二朗氏が務めています。社外取締役比率は27.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 宮 二朗 | 取締役社長 (代表取締役) | 1981年10月同社入社、1987年5月同社取締役、1993年5月同社専務取締役、1999年5月同社代表取締役社長より現職。 |
| 寺口 時弘 | 専務取締役 (代表取締役) | 1978年4月同社入社、2007年5月同社取締役、2011年5月同社常務取締役、2015年5月同社代表取締役・専務取締役より現職。 |
| 坂本 哲治 | 取締役 業務本部長 | 1988年4月同社入社、2018年2月同社業務本部長、2018年5月同社取締役より現職。 |
| 藪内 信昭 | 取締役 経営戦略本部長 | 1984年4月同社入社、2020年3月同社経営戦略本部長、2020年5月同社取締役より現職。 |
| 中嶋 智 | 取締役 香林坊店長 | 1989年4月同社入社、2024年2月同社香林坊店長、2024年5月同社取締役より現職。 |
| 吉澤 勉 | 取締役 富山店長 | 1987年4月同社入社、2024年2月同社富山店長、2024年5月同社取締役より現職。 |
| 近藤 寛純 | 取締役 営業本部長 | 1995年4月同社入社、2025年11月同社営業本部長、2026年5月同社取締役より現職。 |
社外取締役は、中村太郎氏(中村酒造代表取締役社長)、浅田英郎氏(北陸興業代表取締役社長)、菊澤智彦氏(CCイノベーション代表取締役社長)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役が取締役会での議決権を持つことで、監査・監督機能の強化を図っています。独立性の高い社外取締役を選任し、経営の意思決定に対する妥当性の監督と助言を受けています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
大和の取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬は、短期的な利益に左右されず、企業の永続的な発展を持続させるため、固定報酬としての基本報酬(金銭報酬)を基本としています。業績連動報酬や株式報酬は導入していませんが、今後検討していく方針を示しています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 社外役員 | 3名 | 5百万円 | 1.7百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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