【平均年収385万円】井筒屋 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年2月期)

【平均年収385万円】井筒屋 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年2月期)

井筒屋は、百貨店業を主軸に、友の会事業や関連事業をグループ各社とともに展開しています。連結従業員数は651名で、直近期は減収減益となりました。


目次

※本記事は、株式会社井筒屋 の有価証券報告書(2026年2月期、2025年3月1日 ~ 2026年2月28日、2026年5月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


井筒屋グループは、百貨店業を主軸に、友の会事業やその他関連事業を展開しています。百貨店業では、井筒屋および連結子会社が商品の供給や営業提携を通じて事業を展開し、レストラン経営やギフト販売、清掃などもグループ会社が担っています。

単体従業員数は548名、連結従業員数は651名です。セグメントは百貨店業、友の会事業、その他の3つです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


井筒屋グループは、百貨店業を主軸とし、顧客サービスを重視する文化を持つ企業です。従業員の定着を促し、長期的なキャリア形成を支援する環境が整えられています。人財育成と働きやすい環境整備に力を入れ、従業員一人ひとりの成長を重視する姿勢が見られます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、平均勤続年数が長く、平均年齢も高めであることから、従業員が長期的に就業する傾向にあることがうかがえます。経験豊富な人材が多く、安定した環境でキャリアを築きたいと考える方にとって、魅力的な職場である可能性があります。

項目 数値
平均年間給与 3,848,550円
平均勤続年数 19.2年
平均年齢 51.4歳
単体従業員数 548人
連結従業員数 651人
単体のグループ内比率 84.2%


同社グループは、従業員の退職給付に充てるため、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の制度を採用しています。これらの制度は、同社および連結子会社に適用されます。

退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。確定給付制度における退職給付債務は4.6億円です。確定拠出制度への要拠出額は39百万円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


井筒屋グループは、経営理念である「秩序の上に立つ創造的繁栄」を実現するため、「人」を最も重要な要素と捉え、人的資本への投資を通じて従業員を育み、成長と共に発展していく企業を目指しています。百貨店としての「人財力」、すなわちお客様のニーズを見据えた企画・提案力や質の高い接客力の強化を重視しています。

同社グループは、人財力の強化に向けて「人財活性化」「人財育成」「働きやすい環境整備」の3つの方針を掲げています。具体的には、女性活躍推進として女性管理職比率の向上を目指し、若手社員のプロジェクト参画や早期役職者登用を推進しています。また、シニア社員の経験・技術伝承や新たなビジネスモデル形成への活用、部門を超えた異動配置やグループ会社への出向による流動的な人財ポートフォリオ形成にも取り組んでいます。

人財育成においては、次世代幹部社員の育成のための社内外研修、百貨店売場人財の接客・接遇レベル維持のためのサービス接遇研修を実施しています。さらに、通信教育やe-ラーニングの奨励、各種資格取得支援制度を設け、従業員が自主的に学べる環境を提供しています。デジタル知識の習得支援を通じて、DXによる効率化とリアル店舗の融合も図っています。

働きやすい環境整備としては、総労働時間の見直しや年次有給休暇の取得促進により、仕事とプライベートの調和を推進しています。健康診断受診率100%維持、ストレスチェックによるメンタルヘルス対策、産業医との連携による健康管理支援など、健康管理体制の強化にも注力しています。従業員施設の見直しを通じて、快適な職場環境の整備にも努めています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。出向者は出向先の従業員として集計されています。同一労働の賃金に制度上の差はなく、等級別人数構成の差が主な要因です。男性育児休業取得率については、育児休業等取得の対象となる男性従業員がいないことを示しています。

指標 数値
女性管理職比率 26.3%
男性育児休業取得率 -
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 68.7%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 71.6%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 61.2%

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ ㈱山口井筒屋

指標 数値
女性管理職の割合 33.3%
男性育児休業取得率 -
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 67.0%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 64.0%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 69.0%

ダイバーシティ&インクルージョン


実績および目標数値は、会社規程等が異なり、連結グループにおける把握が困難なため、主要な井筒屋(本社)における記載です。

指標 数値
女性管理職比率 26.3%
障がい者雇用比率 2.8%

人材育成


実績および目標数値は、会社規程等が異なり、連結グループにおける把握が困難なため、主要な井筒屋(本社)における記載です。

指標 数値
監督職(係長)に占める30代以下の割合 8.6%

働きやすい環境整備


実績および目標数値は、会社規程等が異なり、連結グループにおける把握が困難なため、主要な井筒屋(本社)における記載です。

指標 数値
1人当たり年間総労働時間 1968時間
健康診断受診率・再受診率 99.4%

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしているか?


井筒屋グループは、百貨店業を主軸に事業を展開しています。これに付随して、友の会事業も手掛けており、地域に根ざしたサービスを提供しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、百貨店業を主要な事業としており、衣料品、身回品、雑貨、家庭用品、食料品などの販売、および食堂・喫茶の経営を行っています。収益は、これらの商品販売やサービス提供から得ています。

運営は、井筒屋本体のほか、連結子会社の山口井筒屋が百貨店事業を展開しています。また、連結子会社のレストラン井筒屋が店舗内のレストラン部門を、連結子会社の井筒屋商事が慶弔ギフトの販売や卸売を、非連結子会社の井筒屋サービスが店舗内の清掃をそれぞれ担当しています。

友の会事業

友の会事業では、前払式の商品販売の取次を行っています。収益は、主に百貨店からの手数料として認識されています。運営は、連結子会社の井筒屋友の会が行っています。

同社グループの事業セグメントごとの売上高は以下の通りです。

セグメント 売上高(2025年2月期) 売上高(2026年2月期)
百貨店業 221億円 212億円
友の会事業 35百万円 35百万円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期の業績を見ると、売上高は第127期から第128期にかけて大きく減少した後、緩やかな減少傾向で推移しています。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も、同様に減少傾向を示しています。

特に当期においては、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも前期から減少となりました。

項目 2022年2月期 2023年2月期 2024年2月期 2025年2月期 2026年2月期
売上高 531億円 226億円 225億円 222億円 213億円
経常利益 10.5億円 10.8億円 9.5億円 7.4億円 4.7億円
経常利益率 2.0% 4.8% 4.2% 3.3% 2.2%
親会社株主に帰属する当期純利益 11.7億円 10.2億円 9.7億円 10.0億円 4.9億円
1株当たり当期純利益(円) 102.21 88.95 84.97 88.40 44.02

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期から減少しており、従業員1人あたりの営業利益も前期から減少しています。これらの指標は、組織全体の効率性や収益体質を示すものとなります。

指標 2025年2月期 2026年2月期
従業員1人あたり売上高(連結) 33.1百万円 32.7百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 1.6百万円 0.9百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


井筒屋グループの財務状況を見ると、本業で安定した資金を生み出し、投資活動も行いながら、手元に資金を残していることがうかがえます。これにより、事業の継続性や将来への投資余力が確保されている状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


井筒屋グループの自己資本比率は、前期から増加し、当期は28.2%となっています。これはプライム市場の非製造業平均24.2%と比較してやや高い水準です。ROE(自己資本利益率)は当期4.1%で、前期の8.7%から減少しました。プライム市場平均9.4%と比較すると低い水準となっています。

手元資金である現金及び預金は、当期末で前期から減少しています。これらの財務指標は、同社グループの事業運営の安定性を示すものとなっています。

指標 2025年2月期(前期) 2026年2月期(当期)
純資産 119億円 122億円
自己資本比率 26.8% 28.2%
ROE(自己資本利益率) 8.7% 4.1%
現金及び預金 27.7億円 26.5億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


井筒屋グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、当期に資金収入が増加し、前期を上回っています。これは主に税金等調整前当期純利益や減価償却費等の計上によるものです。

投資活動によるキャッシュフローは、当期に資金支出が減少しており、前期よりも支出が抑えられています。これは主に有形固定資産の取得等によるものです。

その結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは、当期にプラスとなっています。財務活動によるキャッシュフローは、当期に資金支出が増加しており、主に借入金の返済によるものです。

同社グループは本業で安定的に資金を生み出し、投資を賄いつつも資金余力を確保している状況です。これは、雇用や給与の安定性につながる財務基盤を示していると言えます。

項目 2025年2月期(前期) 2026年2月期(当期)
営業CF 13.7億円 18.3億円
投資CF △4.2億円 △3.0億円
財務CF △15.8億円 △16.6億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 9.5億円 15.3億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

井筒屋グループは北部九州、山口地域を中心として活動しており、その業績は地域の気候状況、景気動向、消費動向、および同業・異業種の小売業他社との競争状況等の影響を受ける可能性があります。

また、金融市場の混乱や景気低迷、金融機関の融資姿勢の変化により、借入や借換えが困難になるリスクも存在します。市場金利の急速な上昇等に伴い支払利息が増加し、収益や資金繰りの悪化により業績および財政状態に影響を及ぼす可能性もあります。

③ 人材・組織に関するリスク

人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


井筒屋グループは、「秩序のうえに立つ創造的繁栄」を経営理念に掲げ、日々の業務においては「奉仕こそ繁栄の基」という精神を大切にしています。地域に根ざした百貨店として、お客様への奉仕を通じて社会に貢献することを目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


井筒屋グループは、「秩序のうえに立つ創造的繁栄」を経営理念とし、日々の実践的心構えとして「奉仕こそ繁栄の基」という精神を掲げています。
同社グループのビジョンは「地域小売業のリーディングカンパニーとして発展していく」ことです。
創業100周年を迎える2035年には、「地域唯一の百貨店として、地域経済・社会の発展に貢献する」ことを目指しています。
この目標達成のため、「井筒屋グループ中期3ヵ年経営計画(2025年度~2027年度)」を推進し、同社が90年かけて築いてきた「店舗、顧客基盤、井筒屋ブランド、人的資本」の価値向上に取り組んでいます。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


井筒屋グループは、経営理念である「秩序の上に立つ創造的繁栄」をすべての従業員の活動の基本としています。
「百貨店らしさの追求」を不変のテーマと捉え、その実現には「人」が最も重要な要素であると考えています。
サステナビリティ経営においてもCSR活動を重要課題と位置づけ、ESGを推進することで持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。
同社グループが求める「人財力」とは、お客様のニーズを見据えた企画・提案力や、感動と共に商品を提供できる質の高い接客力です。
従業員が働きがいや幸福を感じ、安心して働き続けられる職場環境を整えることに注力し、人的資本への投資を行っています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


井筒屋グループは、新たに策定した中期経営計画に基づき、いくつかの重点課題に取り組んでいます。
「百貨店らしさの追求」として、好調なカテゴリーの強化や幅広い世代のお客様に喜ばれる売場の構築を進め、店舗価値の向上と売場の活性化を図っています。
また、「デジタルを基軸とした営業施策の強化」として、井筒屋アプリの会員拡大や効果的な情報配信、ネットショッピング事業の強化、SNSを活用した新規顧客獲得に努めています。
さらに、地域と連携した事業展開や新規事業の検討を通じて、将来的に安定した収益基盤の確保を目指しています。
経営基盤の強化では、人的資本への投資による生産性向上やサステナビリティ経営の推進に取り組んでいます。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


井筒屋グループは、ステークホルダーからの負託に応え、持続的な成長と企業価値の向上を目指しています。経営監督機能と業務執行機能の分離を図り、透明・公正かつ迅速な意思決定を行うことを基本的な考えとしています。

執行役員制度を導入し、経営の意思決定と業務執行の分離を通じて、効率的な経営・執行体制の確立を図っています。独立社外取締役や複数名の社外監査役を選任することで、実効性の高い監督体制を構築しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


井筒屋の株主構成を見ると、個人株主が筆頭株主として名を連ねています。また、事業会社や従業員持株会も上位株主として同社を支えています。

株主名 持株比率
青柳 和洋 13.50%
西日本鉄道 9.30%
井筒屋共栄持株会 8.80%
ガバナンス・パートナーズ投資事業有限責任組合 8.00%
川食 2.70%


なお、2026年3月26日付の臨時報告書にて、当事業年度末において主要株主であった青柳 和洋氏は、主要株主および主要株主である筆頭株主ではなくなった旨が発表されています。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は10名(男性9名・女性1名)で構成され、女性役員比率は10.0%です。代表取締役社長執行役員は松本圭氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。

氏名 役職 主な経歴
松本 圭 代表取締役 社長執行役員 営業本部長 1991年4月同社入社、2020年5月同社執行役員、2021年5月同社取締役執行役員、2025年5月同社代表取締役社長執行役員(営業本部長)より現職。
影山 英雄 取締役 会長執行役員 1975年4月同社入社、2010年5月同社代表取締役社長執行役員(営業本部長)、2025年5月同社取締役会長執行役員より現職。
吉田 功 取締役 常務執行役員 営業副本部長 (株)井筒屋商事 代表取締役社長 2003年4月同社入社、2019年9月同社執行役員、2020年5月同社取締役執行役員、2023年3月同社取締役常務執行役員(営業副本部長 株式会社井筒屋商事代表取締役社長)より現職。
大森 俊介 取締役 執行役員 管理本部長 兼内部統制室長 1988年4月同社入社、2020年5月同社執行役員、2025年5月同社取締役執行役員(管理本部長兼内部統制室長)より現職。


社外取締役は、窪田弥生氏(清和法律事務所所長弁護士)、吉田透氏(西鉄バス北九州代表取締役社長)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会は経営戦略や経営計画の策定、重要な業務執行の決定、経営陣の監督を担っています。社外取締役は客観的かつ専門的な見地から助言・提言を行い、企業価値向上に貢献しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


井筒屋では、役員の報酬額は基本報酬と業績連動報酬(株式報酬)で構成されています。基本報酬を50%以上とし、同社の業績や役位、職責などを総合的に考慮して決定しています。社外取締役に対しては、客観的な立場からの監督機能への期待から、全額基本報酬として支給することを基本としています。

また、業績連動型株式報酬制度「株式給付信託(BBT)」を導入しています。これは、役員報酬と同社の業績および株式価値との連動性を高め、中長期的な企業価値増大への貢献意識を高めることを目的としています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 73百万円 18.2百万円
社外取締役 3名 5百万円 1.7百万円
監査役(社外除く) 2名 17百万円 8.5百万円
社外監査役 3名 5百万円 1.7百万円


なお、当事業年度における業績連動報酬等は、目標未達のため支給はありません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。