※本記事は、株式会社魚喜 の有価証券報告書(2026年2月期、2025年3月1日 ~ 2026年2月28日、2026年5月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
同社グループは、鮮魚販売、飲食店(回転寿司店等)の経営、不動産賃貸管理を主たる業務としています。魚喜本体が鮮魚販売と飲食店経営を、連結子会社が不動産賃貸管理を担い、多様な事業を展開しています。
単体従業員数は279名、連結従業員数は290名です。セグメントは鮮魚事業、飲食事業、不動産事業の3つです。
主な国内グループ会社は、ビッグパワー(不動産事業)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
魚喜は、鮮魚事業を主軸に飲食事業や不動産事業も展開する企業です。同社グループの給与水準や働き方には、事業特性に応じた特徴が見られます。従業員の定着や多様な人材の活躍を重視する姿勢がうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均勤続年数が比較的長く、安定したキャリア形成が期待できる環境にあると考えられます。平均年齢も日本の平均と比較して中堅層が中心となっており、経験豊富な人材が活躍している傾向が見られます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,350,000円 |
| 平均勤続年数 | 15年10ヶ月 |
| 平均年齢 | 44.0歳 |
| 単体従業員数 | 279人 |
| 連結従業員数 | 290人 |
| 単体のグループ内比率 | 96.2% |
同社は2017年1月より確定拠出年金制度に加入しています。この制度は、会社が拠出した資金を従業員が自ら運用する仕組みです。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「自然の恵みに感謝すると共に、より高品質の食材とサービスをお客様に提供することを喜びとし、良き企業市民として社会の発展に貢献します。」という経営理念を掲げています。この理念に基づき、従業員の成長と会社の成長をともに目指す人事方針を掲げ、人事制度を改定しました。
人材戦略としては、企業理念の浸透、人財育成と人事制度の改革を通じ、労働生産性の向上と多様な人材の活躍を推進しています。中期経営計画「魚喜ビジョン2025」においても、「人財育成・制度改革」をサステナビリティに関する目標の一つとして設定しています。
具体的には、従業員の挑戦機会を拡げるため、主体的に行動し、課題を解決し、成果を出す人を評価する制度を整備しています。また、期待する役割を明確化し、より公平な評価制度の整備に取り組んでいます。社内環境整備としては、人財の多様性と従業員満足の推進として、子育て世代女性のキャリアアップを促進するため、育児短時間勤務の対象範囲を拡大しました。さらに、従業員の成長を促すためe-learning制度を導入しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。労働者の男女の賃金差異(全労働者)、労働者の男女の賃金差異(正規雇用労働者)、労働者の男女の賃金差異(パート・有期労働者)は、女性活躍推進法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 2.9% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 80.0% |
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性役職者率 | 25.4% |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 労働生産性 | 10.1%向上 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
魚喜グループは、鮮魚販売、飲食店経営、不動産賃貸管理を主たる業務としています。これらの事業を通じて、顧客に多様なサービスを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
魚喜グループは、鮮魚販売、飲食店経営、不動産賃貸管理の3つの事業を主軸としています。同社グループの事業は国内に限定されており、海外での売上高はありません。また、特定の顧客への収益集中もありません。
鮮魚事業
同社グループの主力事業であり、鮮魚、寿司、惣菜の小売販売を行っています。収益は、これらの商品の販売から得ています。運営は魚喜が行っています。
飲食事業
回転寿司店などの飲食店を経営しています。収益は、店舗での飲食サービスの提供から得ています。運営は魚喜が行っています。
不動産事業
スーパーマーケットの管理運営を行い、テナントに賃貸する業務を行っています。収益は、不動産の賃貸管理から得ています。運営は連結子会社のビッグパワーが行っています。
| セグメント | 売上高(2025年2月期) | 売上高(2026年2月期) |
|---|---|---|
| 鮮魚事業 | 87.0億円 | 82.0億円 |
| 飲食事業 | 8.6億円 | 8.9億円 |
| 不動産事業 | 3.7億円 | 4.0億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
魚喜グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は変動しながらも直近の連結会計年度では減少しています。経常利益は大幅な減少後に回復傾向を見せましたが、当連結会計年度では再び減少しました。親会社株主に帰属する当期純利益も同様に推移しており、当連結会計年度では減損損失の計上が影響しています。一方で、営業活動によるキャッシュ・フローは大きく増加し、資金を獲得しています。
| 項目 | 2022年2月期 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 110億円 | 99.1億円 | 98.6億円 | 99.3億円 | 94.9億円 |
| 経常利益 | 3.4億円 | 45百万円 | 75百万円 | 1.1億円 | 90百万円 |
| 経常利益率 | 3.1% | 0.5% | 0.8% | 1.1% | 0.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2.2億円 | 7百万円 | 42百万円 | 31百万円 | 31百万円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 85.56 | 2.57 | 16.46 | 12.23 | 12.16 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
魚喜グループの従業員1人あたり売上高は前期から増加しており、従業員あたりの収益創出能力が向上している傾向が見られます。一方で、従業員1人あたり営業利益は前期と同水準で推移しています。これらの指標は、同社グループの収益体質や組織の効率性を測る上で参考となる情報です。
| 指標 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 31.2百万円 | 32.7百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.3百万円 | 0.3百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
株式会社魚喜の財務状況を見ると、本業で安定した資金を稼ぎ出し、投資活動も賄えている状況です。これにより、事業の継続性と成長に向けた基盤が整っていることがうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
株式会社魚喜の財務基盤を見ると、純資産は前期から増加し、手元資金である現金及び預金も増加傾向にあります。自己資本比率は前期から減少していますが、プライム市場の非製造業平均と比較すると高い水準を維持しています。ROE(自己資本利益率)は前期からわずかに減少しており、プライム市場平均を下回っています。これらの状況は、同社グループが一定の財務安定性を保ちつつ、今後の事業展開に向けた資金を確保していることを示しています。
| 指標 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 8.7億円 | 9.0億円 |
| 自己資本比率 | 37.9% | 29.7% |
| ROE(自己資本利益率) | 3.6% | 3.5% |
| 現金及び預金 | 7.0億円 | 9.9億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
株式会社魚喜のキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは前期から大幅に増加し、421百万円のプラスとなっています。これは同社グループが事業活動を通じて安定的に資金を生み出していることを示しています。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出が増加したことなどにより、△343百万円のマイナスとなっていますが、前期と比較して使用した資金は減少しています。財務活動によるキャッシュフローは、短期借入金の純増減額による収入などにより、前期から増加し214百万円のプラスとなっています。これらの結果、フリーキャッシュフローは前期のマイナスからプラスに転換し、78百万円となりました。本業で得た資金で投資を賄い、余剰資金を生み出していることから、同社グループは安定した事業運営と将来に向けた投資を両立できる財務状況にあると言えます。
| 項目 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 89百万円 | 421百万円 |
| 投資CF | △351百万円 | △343百万円 |
| 財務CF | 202百万円 | 214百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △261百万円 | 78百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、一般消費者を対象とする鮮魚小売業及び飲食業を営んでおり、国内景気や消費動向、競合他社との店舗間競争が業績に影響を与える可能性があります。また、一般消費者の生鮮魚介類の購入額が減少傾向にあることや、魚食文化の後退、人口減少による生鮮魚介類購入額の減少が加速する可能性も、事業構造・収益性に関するリスクとして挙げられています。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
魚喜は、食の安全と品質を追求しながら、持続可能な社会の実現に貢献することを目指す企業です。お客様への感謝と従業員の成長を大切にする企業文化を育んでいます。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
魚喜グループは、「私達は、自然の恵みに感謝すると共に、より高品質の食材とサービスをお客様に提供することを喜びとし、良き企業市民として社会の発展に貢献します。」という経営理念を掲げています。国連が提唱する「持続可能な開発目標(SDGs)」に賛同し、積極的な取り組みを通じて持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。
同社グループは、新規デベロッパー開拓を積極的に進め、事業の拡大及び収益性の向上を図る方針です。地域に根ざした店舗運営と新たな収益基盤の拡大を通じて、持続的な成長を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、企業理念の浸透、人財育成と人事制度の改革を通じて、労働生産性の向上と多様な人材の活躍を重視する企業風土を育んでいます。サステナビリティに関する取り組みでは、「自然の恵みへの感謝・環境への配慮」「高品質の商品とサービス・お客様満足」「社会貢献・地域貢献」「クリーンエネルギー・環境資源への配慮」「多様性・従業員満足」を明確な価値観として掲げています。
従業員の成長と会社の成長をともに目指す人事方針のもと、主体的に行動し、課題を解決し、成果を出す人を評価する公平な評価制度の整備に取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
魚喜グループは、第42期(2027年2月期)において、人財の確保と育成を重点課題の一つとしています。人事制度改革タスクフォースチームを編成し、ITの活用による労働環境の一層の整備や、モチベーション向上の施策、教育・研修制度の強化、福利厚生制度の充実を進めています。
また、魅力ある人事制度改革による女性社員の活躍の場の提供や、雇用年限の75歳への引上げによる高齢者の活用など、多様な人財が活躍できる環境構築を継続的に進めていく方針です。食の安全・安心を確保するため、専門部署である食品衛生部によるHACCPに沿った衛生管理の徹底と店舗への巡回指導も重要なテーマとしています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
魚喜は監査等委員会設置会社であり、経営の監督機能と業務執行の効率性を両立させたガバナンス体制を構築しています。社外取締役を含む監査等委員会が、客観的な立場から取締役の業務執行を監督しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
魚喜の株主構成を見ると、創業家や関連会社が上位に名を連ねていることが特徴です。筆頭株主は有吉和枝氏であり、有限会社フォー・エムや有吉美和氏も上位株主として名を連ねています。これらの株主が同社の経営を支える主要な存在となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 有吉 和枝 | 15.56% |
| 有限会社フォー・エム | 13.54% |
| 有吉 美和 | 4.82% |
なお、前事業年度末現在主要株主である筆頭株主であった有限会社フォー・エムは、当事業年度末では主要株主である筆頭株主ではなくなり、有吉和枝が新たに主要株主である筆頭株主となりました。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性3名・女性3名)で構成され、女性役員比率は50.0%です。代表取締役社長執行役員は有吉美和氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 有吉 美和 | 代表取締役社長執行役員 東日本営業本部長 | 2015年4月株式会社ビッグパワー入社、2016年3月同社取締役。2016年3月同社入社、2018年3月同社代表取締役社長執行役員。2023年5月同社代表取締役社長執行役員東日本営業本部長より現職。 |
| 島谷 勝司 | 取締役執行役員西日本営業本部長 | 1997年12月同社入社、2016年3月同社執行役員。2017年5月同社取締役執行役員営業担当兼関西統括部長。2023年3月同社取締役執行役員西日本営業本部長より現職。 |
| 中里 瑛 | 取締役相談役 | 1969年4月三菱商事株式会社入社、2009年9月同社専務執行役員。2012年5月同社相談役。2020年5月同社取締役。2023年5月同社取締役相談役より現職。 |
社外取締役は、粕谷まり子氏(粕谷公認会計士事務所代表・監査等委員)、鈴木みき氏(光和総合法律事務所パートナー・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役6名のうち2名が社外取締役である監査等委員として選任されています。監査等委員会は社外取締役2名を含む3名で構成されており、独立した機関として取締役の業務執行を監督しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
魚喜の役員報酬は固定報酬のみで構成されています。取締役(監査等委員である取締役を除く)の個人別の報酬は、株主総会で承認された報酬限度額の範囲内で、代表取締役が業績や担当職務、貢献度合いなどを総合的に勘案して決定しています。監査等委員の報酬は、株主総会で決議された総額の範囲内で、監査等委員の協議により決定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 42百万円 | 14.0百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 6百万円 | 6.0百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 7百万円 | 2.3百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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