【平均年収433万円】アンドエスティHD(旧会社名 アダストリア) 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年2月期)

【平均年収433万円】アンドエスティHD(旧会社名 アダストリア) 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年2月期)

アンドエスティHDは、アダストリア、ゼットンなどを傘下に持つ持株会社です。アパレル・雑貨関連と飲食事業を国内外で幅広く展開し、直近の業績は増収減益となりました。


目次

※本記事は、株式会社アンドエスティHD(旧会社名 株式会社アダストリア) の有価証券報告書(2026年2月期、2025年3月1日 ~ 2026年2月28日、2026年5月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


アンドエスティHD(旧会社名 アダストリア)は持株会社であり、単体従業員数は506名、グループ連結従業員数は6,936名です。

同社グループは、連結子会社20社で構成され、主にアパレル・雑貨関連事業と飲食事業を展開しています。国内では「グローバルワーク」や「ニコアンド」などのカジュアルファッション・ライフスタイルブランドを全国に展開し、EC専業ブランドや大人向けファッションも手掛けています。海外でもアジアを中心にブランドを展開しており、飲食事業では「アロハテーブル」などのブランドを擁しています。

主な国内グループ会社は、アダストリア(アパレル・雑貨関連)、ゼットン(その他(飲食事業))などです。

アンドエスティHDは、2025年9月1日付で会社分割により持株会社体制へ移行し、商号を「アダストリア」から「アンドエスティHD」へ変更しました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


アンドエスティHDグループは、持株会社体制のもと、ファッション事業を中心に多様なビジネスを展開しています。同社グループでは、従業員一人ひとりの成長と活躍を重視し、多様な働き方を支援する環境づくりに注力しています。人材を重要な経営資源と位置付け、持続的な企業価値向上を目指しています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


アンドエスティHDは持株会社としてグループ全体の経営を担っており、従業員の平均勤続年数と平均年齢からは、比較的安定したキャリアを築ける環境であることがうかがえます。同社グループは、従業員の成長を支援し、多様な個性が能力を発揮できる組織づくりを目指しています。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。

項目 数値
平均年間給与 4,331,636円
平均勤続年数 10.7年
平均年齢 38.4歳
単体従業員数 506人
連結従業員数 6,936人
単体のグループ内比率 7.3%


アンドエスティHDグループは、前払退職金制度および確定拠出型年金制度を採用しています。これらの制度は、同社および一部の連結子会社に適用されます。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


アンドエスティHDグループは、「アンドエスティHDグループで働くすべての人が、新しい価値 Play fashion!を創出する」を人的資本経営の基本方針に掲げています。変化するマーケットに対応するため、人材と組織を最も重要な経営資源と位置付け、成長戦略の達成と企業価値向上を目指しています。
同社グループは、社員一人ひとりの強みや専門性を活かし、多様な個性を集約・成長支援することで、個人と組織の力を最大化する人材育成方針を掲げています。また、年齢・性別・世代に関わらず、多様な人材が能力を発揮できるよう、役割期待を明確にした環境整備を進めています。
現場起点・現場力を重視し、店頭スタッフの声を事業運営に反映する仕組みや、地域連携による店舗運営、部門横断プロジェクトによる課題解決を強みとしています。DX推進体制の強化、グローバル人材の育成、高度専門スキル人材の採用強化、経営人材の計画的な育成にも取り組んでいます。
「スタッフボード」やキャリア拡大支援プロジェクト「キャリカク」を通じて、従業員が自律的にキャリアを形成し、活躍の場を広げられるよう支援しています。女性の活躍支援や育児休業の取得促進、健康経営の推進にも力を入れ、多様な人材が心身ともに健康で、自分らしく輝ける組織づくりを目指しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社及び常時雇用する労働者が101名以上の主な国内子会社を対象に、2026年2月28日を基準に集計した数値です。男性労働者の育児休業取得率は、2025年3月1日から2026年2月28日の期間で集計しています。労働者の男女の賃金の差異は、同期間で集計した数値です。パート・有期労働者の男女賃金差異は、対象者がなく差異が算出できないため記載されていません。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 34.5%
男性労働者の育児休業取得率 80.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 62.9%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 64.0%

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ 株式会社アダストリア

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 37.2%
男性労働者の育児休業取得率 92.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 68.1%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 72.6%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 110.6%


▼ 株式会社BUZZWIT

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 52.9%
男性労働者の育児休業取得率 0.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 67.9%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 69.4%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 77.9%


▼ 株式会社エレメントルール

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 62.5%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 67.0%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 65.4%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 107.4%

多様性・登用


女性活躍に関するデータは、株式会社ゼットンを含む国内グループ会社全体の値です(カリマーインターナショナル株式会社を除く)。

指標 2024年2月 2025年2月 2026年2月
上級管理職比率 18.7% 19.5% 20.0%
管理職比率 33.7% 34.4% 35.5%

育児・介護支援


育児休業に関するデータは、株式会社ゼットンを含む国内グループ会社全体の値です(カリマーインターナショナル株式会社を除く)。

指標 2024年2月 2025年2月 2026年2月
男性取得者数 40人 26人 36人
男性取得率 78.4% 72.2% 85.7%
男性平均取得日数 32日間 32日間 57日間
女性取得者数 179人 207人 213人
女性取得率 98.8% 98.6% 101.4%
女性平均取得日数 418日間 432日間 421日間
女性取得者復帰率 94.5% 95.0% 86.3%

健康・安全


健康経営推進に関するデータは、株式会社ゼットンを含む国内グループ会社全体の値です(カリマーインターナショナル株式会社を除く)。“からだ”の健康の受診率の値は、事業年度末日時点での健診予約者分を含んでいます。

指標 2024年2月 2025年2月 2026年2月
ストレスチェック受検率 90.5% 92.5% 87.9%
高ストレス者率 8.3% 8.7% 10.1%
健康診断受診率 92.8% 95.0% 94.7%
乳がん検診(20歳以上) 51.2% 56.7% 59.7%
子宮頚がん検診(20歳以上) 48.8% 49.0% 53.5%
休職率 2.2% 2.3% 3.0%

人材育成・エンゲージメント


従業員満足度に関するデータは、株式会社ゼットンを含む国内グループ会社全体の値です(カリマーインターナショナル株式会社を除く)。本調査は、非正規労働者(月80時間以上の勤務者)を含む従業員を対象に実施しています。

指標 2019年2月期(初年) 2025年2月 2026年2月
スタッフボード参加人数 449人 4,485人 4,674人
総フォロワー数 48万人 1,322万人 1,550万人
スタッフボード経由の売上比率 4.6% 29.4% 29.7%

指標 2024年2月 2025年2月 2026年2月
館リーダー 8人 9人 7人
地域販促 5人 4人 5人
商品提案 2人 0人 0人
SSC認定講師 12人 8人 6人
スタッフボード地域担当 1人 2人 1人
子育て社員アドバイザー - 7人 4人
計 28人 30人 23人

指標 2024年2月 2025年2月 2026年2月
総合満足度 4.02 4.02 3.89
仕事 4.02 4.02 3.94
職場 4.07 4.06 3.96
上司 4.13 4.13 4.01
労働環境・コンプライアンス 4.43 4.40 4.28
制度 3.60 3.62 3.46
会社 4.12 4.11 3.90

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


アンドエスティHDは、アパレル・雑貨関連事業を主軸に、飲食事業も展開する持株会社です。国内外で多様なブランドと店舗、ECサイトを通じて、顧客にファッションとライフスタイルを提案しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、主にアパレル・雑貨関連事業とその他(飲食事業)の二つのセグメントで事業を展開しています。持株会社体制のもと、各事業会社がそれぞれの領域で専門性を発揮しています。収益は、主に商品の販売や飲食サービスの提供から得られています。

アパレル・雑貨関連事業

この事業では、カジュアルファッションブランドからライフスタイル提案型ブランド、EC専業ブランド、洗練された大人向けファッションまで、幅広いブランドを展開しています。国内では、アダストリア、BUZZWIT、エレメントルール、アンドエスティなどが商品販売を担っています。アジア地域では、愛徳利亜(上海)商貿有限公司、你可安(上海)商貿有限公司、Adastria Asia Co.,Ltd.、愛德利亞台灣股份有限公司、Adastria (Thailand) Co., Ltd.、ADASTRIA PHILIPPINES INC.などが「ニコアンド」や「グローバルワーク」といったブランドを展開しています。同社グループは、オリジナル素材開発から商品企画、生産・物流管理までを一貫して行い、国内外で合計1,601店舗(WEBストア含む)を展開しています。

その他(飲食事業)

この事業は、主にゼットンが飲食店の運営を行っています。「アロハテーブル」などのブランドを擁し、国内外で合計73店舗を展開しています。魅力あるコンテンツを通じて街の活性化を目指す店づくりを進めています。

同社グループの売上高は、アパレル・雑貨関連事業が全体の大部分を占めており、その他(飲食事業)がそれに続く構成となっています。当連結会計年度においては、アパレル・雑貨関連事業の売上高は前期から増加しました。その他(飲食事業)の売上高も前期から増加しています。海外売上高は、中国大陸、香港、台湾で増加しましたが、米国事業の撤退により全体では前期から減少しました。

セグメント 売上高(2025年2月期) 売上高(2026年2月期)
アパレル・雑貨関連事業 2,786億円 2,897億円
その他の事業セグメント 145億円 147億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの連結業績は、過去5年間で売上高が継続的に増加傾向にあります。経常利益も変動はあったものの、全体としては増加傾向を示しています。親会社株主に帰属する当期純利益は、直近の当連結会計年度で前期から減少となりました。この純利益の減少は、主にのれんや無形固定資産等の減損損失、店舗の減損損失、関係会社株式売却損といった特別損失の計上が影響しています。

項目 2022年2月期 2023年2月期 2024年2月期 2025年2月期 2026年2月期
売上高 2,016億円 2,426億円 2,756億円 2,931億円 3,044億円
経常利益 81.7億円 120億円 184億円 160億円 168億円
経常利益率 4.1% 5.0% 6.7% 5.4% 5.5%
親会社株主に帰属する当期純利益 49.2億円 75.4億円 135億円 96.1億円 95.0億円
1株当たり当期純利益(円) 108.72 166.37 297.75 208.93 205.86

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から増加しています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から増加しており、従業員一人ひとりの生産性が向上している傾向が見られます。これらの指標の改善は、同社グループが事業規模の拡大とともに、組織全体の効率化を進めていることを示唆しています。

指標 2025年2月期 2026年2月期
従業員1人あたり売上高(連結) 42.2百万円 43.9百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 2.2百万円 2.4百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、安定した財務基盤を維持しつつ、本業で生み出した資金を成長投資に充てています。資金の余力も確保されており、事業運営の安定性が見られます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率はプライム市場の非製造業平均を上回る水準で推移しており、財務基盤の安定性を示しています。ROEもプライム市場平均を上回っており、効率的な経営が行われていることがうかがえます。手元資金である現金及び預金も増加しており、事業運営の安定性につながる要素です。

指標 2025年2月期(前期) 2026年2月期(当期)
純資産 772億円 818億円
自己資本比率 57.9% 58.3%
ROE(自己資本利益率) 13.1% 12.0%
現金及び預金 211億円 249億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの当期の営業活動によるキャッシュ・フローは206億円のプラスとなりました。これは主に、税金等調整前当期純利益や減価償却費があった一方で、法人税等の支払額があったことによるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは△95.2億円となり、有形固定資産や無形固定資産の取得による支出が主な要因となっています。その結果、フリーキャッシュ・フローは111億円のプラスとなり、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金がある状態を示しています。財務活動によるキャッシュ・フローは△74.3億円で、配当金の支払額やリース債務の返済による支出が主な要因です。同社グループは本業で安定的に資金を生み出し、成長投資を行いながらも、資金の余力がある状況であり、これは入社後の雇用や給与の安定性につながる基盤であると言えます。

項目 2025年2月期(前期) 2026年2月期(当期)
営業CF 214億円 206億円
投資CF △170億円 △95.2億円
財務CF △71.1億円 △74.3億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 44.0億円 111億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは事業の約9割を国内で展開しており、少子高齢化による国内アパレル市場の縮小が業績に影響を及ぼす可能性があります。また、カジュアル衣料小売市場は流行や嗜好の変化が激しく、国内外の競合企業との競争も厳しいため、商品企画の失敗やブランド価値の陳腐化が経営成績に影響を与えるリスクがあります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、経営陣の突然の離脱や、国内における労働人口の減少、世界的な賃金上昇に対応できず十分な人材を確保できない場合、事業に影響を及ぼす可能性があります。これにより、店舗運営の制限や労務関連コストの上昇、従業員のパフォーマンス低下、休職や離職の増加につながるリスクがあります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


アンドエスティHDグループは、ファッションを通じて人々の心を豊かにし、社会や業界の課題解決に貢献することを目指しています。持続可能な成長を追求し、お客様の毎日をより楽しくする選択肢を提供していくことを大切にしています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


アンドエスティHDグループは、「なくてはならぬ人となれ なくてはならぬ企業であれ」を企業理念に掲げています。そして、「Play fashion!」をミッションとし、ファッションを通じて人々の心を豊かに、幸せにすることを使命としています。

いつの時代も変わらぬこのミッションのもと、持続可能な成長を目指し、お客様一人ひとりの毎日を今よりもっと楽しくする選択肢を提供することで、事業を通じた社会・業界の課題解決への貢献を果たしていく方針です。2030年2月期に向けた「中期経営計画2030」では、自社ECである「and ST」を「Play fashion!プラットフォーマー」へと進化させることを目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


アンドエスティHDグループは、企業理念である「なくてはならぬ人となれ なくてはならぬ企業であれ」のもと、ミッション「Play fashion!」の実現を目指しています。同社グループの組織の強みはチームワークにあり、仲間が集まって経験や知識、考えを共有し、新しい価値を生み出すことを重視しています。

従業員一人ひとりが成長を実感できる環境を整備し、働きがいとパフォーマンスの向上に努めています。失敗を恐れず挑戦を続け、変化を楽しむ姿勢が求められています。現場起点・現場力を重視し、店頭のスタッフが捉えたお客様のライフスタイルやファッションの変化を事業運営に反映する仕組みを構築しています。

多様な価値観や専門性をチームで融合し、スピーディーな情報連携と柔軟な部門横断プロジェクトを通じて課題解決を進めるカルチャーがあります。マネジメントと従業員の双方向の対話機会を大切にし、「タウンミーティング」などで経営層が直接社員と対話する場を設けています。従業員の家族も巻き込んだ「A KIDSラボ」や「ウェルネスデイ」の開催を通じて、ファミリー感と風通しの良い企業風土を育んでいます。

従業員全員からのアイデアを募集する「アイデアポスト」の設置や、お客様からのお褒めやご指摘などの意見を全社で即時に共有する取り組みも行われています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


アンドエスティHDグループは、物価や金利の上昇、人件費の上昇や労働力不足、円安の進行、地政学リスクの増大といった事業環境への懸念が続いていると認識しています。国内アパレル市場が少子高齢化により構造的に縮小する一方、顧客のライフスタイルや嗜好の変化、EC市場の拡大、SNS経由の購買増加といった変化への対応を課題としています。

同社グループは、これらの経営環境に迅速に対応し事業構造を変革するため、「中期経営計画2030」を策定し、プラットフォーム事業、グローバル事業、ブランドリテール事業の3つの事業を成長戦略の柱としています。プラットフォーム事業では、既存の業界や業態の壁を越えた新たな成長領域の育成を進め、リアル店舗とEC双方でシームレスなサービス・体験を提供することを目指しています。

グローバル事業では、国内市場の縮小に対応し、市場拡大が続くアジア圏への事業展開を不可欠と捉え、東南アジアへの投資加速やグレーターチャイナでのマルチブランド戦略強化を進めています。ブランドリテール事業では、国内市場の変化に対応するため、マルチブランド戦略を軸としたポートフォリオ経営を強化し、マルチカンパニー体制への移行を進めています。

また、サステナブル経営の推進を重要な課題と位置づけ、「ファッションのワクワクを、未来まで。」をポリシーに掲げ、「環境を守る」「人を輝かせる」「地域と成長する」の3つのテーマを経営戦略と一体で推進しています。具体的には、衣料品在庫の焼却処分ゼロの継続、サステナブル原料への切り替え、衣料品回収やサーキュラー事業の拡大、サプライチェーンでの人権・環境への配慮、女性活躍を含むダイバーシティの推進や働き方改革に取り組んでいます。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


アンドエスティHDは、取締役会が経営の意思決定と監督を担い、監査等委員会が監査機能を果たす体制を構築しています。社外取締役が多数を占めることで、客観的な視点を取り入れたガバナンスを目指しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


アンドエスティHDの株主構成を見ると、創業家関連の会社が筆頭株主として経営を支えていることがわかります。また、信託銀行や事業会社も上位株主として名を連ねています。

株主名 持株比率
フクゾウ 36.62%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 6.71%
豊島 4.27%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は10名(男性7名・女性3名)で構成され、女性役員比率は30.0%です。代表取締役社長は福田泰生氏が務めています。社外取締役比率は60.0%です。

氏名 役職 主な経歴
福田 泰生 代表取締役社長 2004年3月株式会社イムズ入社、2005年4月株式会社ポイント(現 同社)入社、2014年3月株式会社アダストリアホールディングス(現 同社)海外事業本部部長、2017年5月同社取締役経営企画本部長、2022年2月Velvet,LLCマネジメントボード、2024年5月株式会社アダストリア(現 同社)専務取締役、2026年3月当社代表取締役社長より現職。
福田 三千男 取締役会長 1971年5月株式会社福田屋洋服店(現 同社)入社、1993年3月株式会社ポイント(現 同社)代表取締役社長、2013年9月株式会社アダストリアホールディングス(現 同社)代表取締役会長、2021年5月株式会社アダストリア(現 同社)代表取締役会長、2026年3月当社取締役会長より現職。
木村 治 取締役 2011年9月株式会社トリニティアーツ(現 同社)代表取締役社長、2013年9月株式会社アダストリアホールディングス(現 同社)取締役、2016年6月株式会社アダストリア(現 同社)常務取締役、2022年5月同社代表取締役社長、2026年3月当社取締役より現職。


社外取締役は、水留浩一氏(元スシローグローバルホールディングス代表取締役社長CEO)、松岡竜大氏(ライズ・コンサルティング・グループ代表取締役社長COO)、シェイクスピア悦子氏(EG Globe Partners合同会社代表社員)、リュウシーチャウ氏(サニーサイドアップ代表取締役社長)、海老原和彦氏(元ゴールドマン・サックス証券会社入社)、茂木香子氏(サウスゲイト法律事務所・外国法共同事業入所)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、社外取締役が取締役の過半数を占めることで、経営の透明性と公正性を高める体制をとっています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


アンドエスティHDの役員報酬は、基本報酬、業績連動報酬、業績連動型株式報酬によって構成されています。社外取締役および監査等委員である取締役の報酬は、その役割と独立性の観点から基本報酬のみとなっています。役位が高くなるほど業績連動型報酬の割合が高くなるように設定されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 4名 4.2億円 1.04億円
監査等委員(社外除く) 1名 23百万円 23.0百万円
社外役員 8名 84百万円 10.5百万円


個人別報酬が開示されている役員は、福田三千男氏(1.32億円)、木村治氏(1.46億円)です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。