※本記事は、株式会社シー・ヴイ・エス・ベイエリア の有価証券報告書(第45期、自 2024年3月1日 至 2025年2月28日、2025年5月28日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. シー・ヴイ・エス・ベイエリアってどんな会社?
ホテル運営、マンションフロントサービス、コンビニ運営などを手掛ける複合サービス企業です。
■(1) 会社概要
1981年にコンビニエンス・ストア経営を目的に設立され、1997年にエリア・フランチャイズ本部事業を開始しました。2000年にナスダック・ジャパンへ上場し、2006年には東証一部へ上場を果たしています。その後、2009年にホテル事業へ参入し自社ブランドホテルを開業、2012年にはローソンとのフランチャイズ契約を締結するなど、事業の多角化を進めてきました。
現在の従業員数は連結189名、単体54名です。大株主構成を見ると、筆頭株主は同社代表取締役会長が代表を務める資産管理会社、第2位は代表取締役会長の泉澤豊氏、第3位は代表取締役社長の泉澤摩利雄氏となっており、創業家およびその関連会社が上位を占めています。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| 株式会社ユネイシア | 27.25% |
| 泉澤豊 | 14.70% |
| 泉澤摩利雄 | 4.40% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性7名、女性0名の計7名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は泉澤摩利雄氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 泉澤摩利雄 | 代表取締役社長 | 1998年同社入社。営業部長、開発部次長、取締役経理部長などを歴任し、2012年より現職。エフ.エイ.二四代表取締役専務等を兼務。 |
| 泉澤豊 | 代表取締役会長 | 1981年同社設立と共に代表取締役社長に就任。2012年より現職。アスク代表取締役会長兼社長等を兼務。 |
| 土井章博 | 取締役事業推進本部長 | 1997年同社入社。開発部長、営業本部長、CRE戦略本部長などを経て、2021年より現職。 |
| 坂内太一 | 取締役サービス事業本部長 | 2001年同社入社。営業部ディストリクトマネージャー、コンビニ事業本部長などを経て、2021年より現職。 |
社外取締役は、山下徳実(元京葉銀行本町支店長)、廣島武(インベストメントブリッジ代表取締役)、仲内光広(クレアシオン・キャピタルディレクター)です。
2. 事業内容
同社グループは、「ホテル事業」「マンションフロントサービス事業」「クリーニング事業」「コンビニエンス・ストア事業」および「その他」事業を展開しています。
■(1) ホテル事業
千葉県内および東京都心において、ビジネスホテルやユニット型宿泊施設を運営しています。主なブランドは「BAY HOTEL」で、自社保有物件を含む複数施設を展開するほか、2025年3月にはアウトドアリゾート施設も開業しています。
宿泊客からの宿泊料等を主な収益源としています。運営は主にシー・ヴイ・エス・ベイエリアが行っています。
■(2) マンションフロントサービス事業
マンションにおけるフロント(コンシェルジュ)サービスの受託を核とし、居住者向けの生活支援サービスや、DX支援ツール「OICOS」の開発・提供を行っています。また、シェアオフィスや公共施設での受付業務も手掛けています。
マンション管理組合や管理会社からの業務受託料、居住者からのサービス利用料等を収益源としています。運営は主に子会社のアスクおよび地域運営会社が行っています。
■(3) クリーニング事業
マンション居住者向けのクリーニング取次サービスを中心に、法人向けリネンサプライサービスやハウスクリーニング、衣類保管サービスなどを提供しています。
個人顧客からのクリーニング代金や法人顧客からのサービス料を収益源としています。運営は主に子会社のエフ.エイ.二四が行っています。
■(4) コンビニエンス・ストア事業
株式会社ローソンとフランチャイズ契約を締結し、千葉県内および東京都内で「ローソン」ブランドの店舗を運営しています。ホテル併設店や特殊立地での展開を行っています。
一般消費者への商品販売による売上を収益源としています。運営はシー・ヴイ・エス・ベイエリアが行っています。
■(5) その他事業
保有する不動産の賃貸事業やヘアカット店舗の運営事業、新規事業の開発などを行っています。
テナントからの賃貸料やサービス利用料を収益源としています。運営は主にシー・ヴイ・エス・ベイエリアが行っています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
直近5期間の業績を見ると、売上高(営業総収入)はコロナ禍の影響を受けた時期を経て回復基調にあり、2025年2月期には78億円に達しています。経常利益は2021年2月期、2022年2月期と赤字が続きましたが、2023年2月期以降は黒字化し、安定した利益を確保しています。当期純利益についても黒字転換後、2025年2月期には固定資産売却等の影響もあり大きく伸長しました。
| 項目 | 2021年2月期 | 2022年2月期 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | 2025年2月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 73億円 | 72億円 | 69億円 | 75億円 | 78億円 |
| 経常利益 | -5.5億円 | -3.6億円 | 0.5億円 | 4.2億円 | 3.9億円 |
| 利益率(%) | -7.5% | -5.0% | 0.7% | 5.6% | 4.9% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | -11.6億円 | -8.3億円 | -0.1億円 | 7.0億円 | 11.2億円 |
■(2) 損益計算書
売上高は前期比で増加しましたが、売上原価および販売費及び一般管理費も増加したため、営業利益は減少しました。売上総利益率は約46.6%と高い水準を維持しています。当期は特別利益として固定資産売却益を計上した影響が大きく、最終的な当期純利益の増加に寄与しています。
| 項目 | 2024年2月期 | 2025年2月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 75億円 | 78億円 |
| 売上総利益 | 34億円 | 36億円 |
| 売上総利益率(%) | 45.1% | 46.6% |
| 営業利益 | 4.9億円 | 4.2億円 |
| 営業利益率(%) | 6.5% | 5.4% |
販売費及び一般管理費のうち、その他が12億円(構成比39%)、役員報酬及び給料手当が11億円(同33%)を占めています。売上原価は売上高に対して約53%を占めています。
■(3) セグメント収益
ホテル事業はレジャー需要の取り込みや単価調整により増収増益となりました。マンションフロントサービス事業は微減収ながら増益を確保しました。コンビニエンス・ストア事業は人流回復により増収増益となりました。一方、その他事業は事業用不動産の売却等により減収減益となりました。
| 区分 | 売上(2024年2月期) | 売上(2025年2月期) | 利益(2024年2月期) | 利益(2025年2月期) | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| ホテル事業 | 17億円 | 20億円 | 4.4億円 | 4.6億円 | 23.3% |
| マンションフロントサービス事業 | 42億円 | 42億円 | 3.8億円 | 3.8億円 | 9.1% |
| クリーニング事業 | 1.8億円 | 1.7億円 | 0.4億円 | 0.4億円 | 22.3% |
| コンビニエンス・ストア事業 | 13億円 | 14億円 | 0.9億円 | 1.1億円 | 7.9% |
| その他事業 | 1.0億円 | 0.8億円 | 0.2億円 | 0.1億円 | 14.2% |
| 連結(合計) | 75億円 | 78億円 | 4.9億円 | 4.2億円 | 5.4% |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
同社グループは、事業運営に必要な資金の流動性と源泉を安定的に確保することを基本方針としています。主な資金需要は、人件費や販売費及び一般管理費等の営業活動費、そして設備投資等によるものです。これらの資金は原則として営業活動によるキャッシュ・フローで賄いますが、状況に応じて直接金融や間接金融も利用します。固定資産の譲渡に伴い、キャンプ場事業は2024年5月27日をもって閉業しました。
| 項目 | 2024年2月期 | 2025年2月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 4.8億円 | 4.1億円 |
| 投資CF | -10.8億円 | -3.8億円 |
| 財務CF | 7.1億円 | -1.3億円 |
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社グループは、経営理念として「生活のなかで彩りを感じて頂く、新しいサービスを発見し、創造し、提供する」を掲げています。また、企業パーパスを「人と社会に感動を、誠実なる挑戦を」と定め、顧客・従業員・社会のより良い明日の実現に貢献することを目指しています。
■(2) 企業文化
創業以来、顧客と近い距離での直接的なコミュニケーションを重視するスタイルを貫いています。顧客のニーズや潜在的需要を把握し、業界の概念や通説にとらわれない新しいサービスの開発・提供を軸とした事業展開を行う文化があります。
■(3) 経営計画・目標
2026年2月期からのスタートに向け、「グループ中期経営計画(2026年2月期~2028年2月期)」を策定しています。最終年度である2028年2月期における数値目標として、以下を掲げています。
* 連結売上高:95億円
* 連結営業利益:10億円
■(4) 成長戦略と重点施策
中長期的な成長に向け、ホテル事業では「リトリートステイ事業」、マンションフロント事業では「ウェルビーライフ事業」としての確立を目指しています。具体的には、ビジネスモデルの変革、人材投資・人材活躍、業務改革・DXの推進、ガバナンス強化等を重点施策として推進し、持続的な成長基盤の構築に取り組みます。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
企業規模の拡大と成長促進のため、高度人材の補完を掲げています。企業理念やガバナンスへの理解に加え、業界知見に優れ、新たな分野に進むためのアイデアを持つ専門人材の確保を強化するとともに、次世代幹部の採用・育成にも注力する方針です。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均をやや下回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2025年2月期 | 42.0歳 | 8.7年 | 4,846,000円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社および連結子会社は公表義務の対象ではないため、有報には本項の記載がありません。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 自然災害の発生
大規模な地震や台風等の自然災害により、建物設備の損壊やライフラインの断絶、交通網の麻痺が発生した場合、事業拠点の機能が停止する恐れがあります。また、直接的な被害がなくとも、消費意欲の減退や客数減少により収益に影響が生じる可能性があります。これに対し、BCPの策定や訓練の実施等で対策を進めています。
■(2) 感染症の発生、まん延
新型インフルエンザ等の感染症拡大により、入国規制や外出自粛が生じた場合、経済活動の停滞が予想されます。特にホテル事業においては、施設近隣の集客施設の休園や規制が、利用者の減少に直結するリスクがあります。これに対し、多様な顧客ニーズへの対応や顧客層の分散を図り、リスク軽減に努めています。
■(3) 固定資産の減損及び保有有価証券の価値毀損
ホテル施設やアウトドアリゾート施設等の固定資産を保有しており、収益性が低下した場合は減損処理が必要となる可能性があります。また、投資事業有限責任組合を通じた未上場会社への投資も行っており、投資先の成長が計画通り進まない場合、資産価値の毀損により業績に影響を与える可能性があります。
■(4) 労務リスク
サービス業を主体とするため、人材確保が重要課題です。最低賃金の上昇や労働環境整備に伴う人件費等の増加、また深刻な人手不足により必要人材の確保が遅れ、サービス提供に支障が生じた場合、収益確保に影響を与える可能性があります。これに対し、従業員ケアの充実や多様な雇用形態の活用により、安定的な人材確保に努めています。



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