※本記事は、シー・ヴイ・エス・ベイエリアの有価証券報告書(第46期、自 2025年3月1日 至 2026年2月28日、2026年5月26日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. シー・ヴイ・エス・ベイエリアってどんな会社?
同社はホテル事業やマンションフロントサービス事業を中心に、コンビニエンス・ストアの運営なども展開する企業です。
■(1) 会社概要
同社は1981年に設立され、コンビニエンス・ストア事業を中核として成長しました。2000年に大阪証券取引所ナスダック・ジャパン市場に上場を果たし、その後2009年にアスクを子会社化してマンションフロントサービス事業に本格参入しました。同年にはビジネスホテルを開業し、ホテル事業への展開も進めています。
同社グループの従業員数は連結で184名、単体で62名となっています。主要な株主構成は以下の通りです。筆頭株主は創業者関連の事業会社で、第2位および第3位には創業家の役員が名を連ねています。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| ユネイシア | 27.25% |
| 泉澤 豊 | 14.70% |
| 泉澤 摩利雄 | 4.40% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性7名、女性0名の計7名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は泉澤摩利雄氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 泉澤 豊 | 代表取締役会長 | 片倉工業入社後、ユネイシア設立を経て1981年に同社代表取締役社長に就任。2012年より現職。 |
| 泉澤 摩利雄 | 代表取締役社長 | 同社入社後、営業部長や経理部長などの要職を歴任し、2021年より現職。 |
| 坂内 太一 | 取締役サービス事業本部長 | 同社入社後、コンビニ事業本部長などを経て、2021年より現職。 |
| 土井 章博 | 取締役事業推進本部長兼リトリートステイ事業本部長 | セック入社後、同社開発部長やホテル事業本部長などを歴任し、2026年より現職。 |
社外取締役は、山下徳実(元京葉銀行支店長)、廣島武(インベストメントブリッジ代表取締役)、仲内光広(クレアシオン・アセットマネジメント取締役)です。
2. 事業内容
同社グループは、「ホテル事業」「マンションフロントサービス事業」「クリーニング事業」「コンビニエンス・ストア事業」および「その他事業」を展開しています。
■ホテル事業
ビジネスホテルやユニット型ホテルのほか、アウトドアリゾート施設を運営し、ビジネス層やレジャー層を対象に宿泊サービスを提供しています。
顧客から宿泊料金を受け取る収益モデルとなっており、施設の運営は同社が行っています。
■マンションフロントサービス事業
マンションにおけるコンシェルジュサービスや生活支援サービス、およびDX総合支援ツールの提供を行っています。
マンションの管理組合などから業務委託料を受け取るモデルとなっており、運営は主にアスクおよび地域運営会社が行っています。
■クリーニング事業
マンション居住者向けの衣類クリーニングやハウスクリーニングのほか、法人向けのリネンサプライなどを提供しています。
個人や法人の顧客からクリーニング代金などを受け取る収益モデルで、運営はエフ.エイ.二四が行っています。
■コンビニエンス・ストア事業
ローソンブランドによるコンビニエンス・ストアの店舗を運営し、各種商品やサービスを提供しています。
来店客への商品の販売やサービスの提供を通じて代金を受け取る仕組みであり、運営は同社が行っています。
■その他事業
保有する不動産の賃貸管理やヘアカット店舗の運営、既存事業のリブランド支援などを行っています。
顧客から賃貸料やサービス料金を受け取るモデルとなっており、運営は同社が行っています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
売上高は堅調に推移しており、継続的な増収傾向にあります。一方で、利益面では2024年2月期および2025年2月期に黒字を確保したものの、直近の2026年2月期には投資事業組合運用損や固定資産の減損損失の計上などにより、経常利益および当期利益が赤字に転落しています。
| 項目 | 2022年2月期 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 72億円 | 69億円 | 75億円 | 78億円 | 79億円 |
| 経常利益 | -3.6億円 | 0.5億円 | 4.2億円 | 3.9億円 | -0.6億円 |
| 利益率(%) | -5.0% | 0.7% | 5.6% | 5.0% | -0.8% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | -8.3億円 | -0.1億円 | 7.0億円 | 11.2億円 | -11.4億円 |
■(2) 損益計算書
売上高は微増したものの、営業利益は前期と比較して減少しています。売上総利益は増加傾向にある一方で、販売費及び一般管理費の増加が営業利益の圧迫要因となっています。
| 項目 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 78億円 | 79億円 |
| 売上総利益 | 36億円 | 38億円 |
| 売上総利益率(%) | 46.6% | 48.0% |
| 営業利益 | 4.2億円 | 1.3億円 |
| 営業利益率(%) | 5.4% | 1.6% |
販売費及び一般管理費のうち、役員報酬及び給料手当が11億円(構成比29.5%)、減価償却費が3.0億円(同8.2%)、賃借料が3.0億円(同8.2%)を占めています。
■(3) セグメント収益
ホテル事業は売上高が増加したものの、アウトドアリゾート施設の稼働低迷などにより減益となりました。マンションフロントサービス事業も、不採算物件からの撤退やコスト増の影響で減収減益となっています。一方で、クリーニング事業やコンビニエンス・ストア事業は増益を達成しています。
| 区分 | 売上(2025年2月期) | 売上(2026年2月期) | 利益(2025年2月期) | 利益(2026年2月期) | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| ホテル事業 | 20億円 | 22億円 | 4.6億円 | 2.1億円 | 9.4% |
| マンションフロントサービス事業 | 42億円 | 40億円 | 3.8億円 | 3.1億円 | 7.9% |
| クリーニング事業 | 1.7億円 | 1.7億円 | 0.4億円 | 0.7億円 | 43.5% |
| コンビニエンス・ストア事業 | 14億円 | 15億円 | 1.1億円 | 1.3億円 | 9.1% |
| その他事業 | 0.8億円 | 0.8億円 | 0.1億円 | 0.3億円 | 34.6% |
| 連結(合計) | 78億円 | 79億円 | 4.2億円 | 1.3億円 | 1.6% |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
営業で利益を出し、借入によって積極投資を行う状態です。
| 項目 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 4.1億円 | 2.9億円 |
| 投資CF | -3.8億円 | -5.0億円 |
| 財務CF | -1.3億円 | 3.1億円 |
財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は30.1%で市場平均を下回っています。なお、企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)については、当期が純損失となったためデータはありません。
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社グループは、「生活のなかで彩りを感じて頂く、新しいサービスを発見し、創造し、提供する」という経営理念を掲げています。お客様と近い距離で直接的にコミュニケーションを取り、業界の概念や通説にとらわれない新しいサービスの開発と提供を目指しています。
■(2) 企業文化
「人と社会に感動を、誠実なる挑戦を」という企業パーパスを定めています。お客様・従業員・社会の「よりよき明日の実現」に貢献することを基本方針とし、顧客のニーズや潜在的需要の把握に努めながら、新たな価値を創造する企業集団としての成長を志向する文化を持っています。
■(3) 経営計画・目標
グループ中期経営計画(2026年2月期~2028年2月期)を策定し、中長期的グループ戦略としてビジネスモデルの変革や人材投資の強化を推進しています。2028年2月期に向けて以下の数値目標を掲げています。
* 売上高(連結) 95億円
* 営業利益(連結) 10億円
* 売上高(単体) 55億円
* 営業利益(単体) 7億円
■(4) 成長戦略と重点施策
「持続的な成長を実現するための礎を築く」という方針のもと、ガバナンス体制の強化や効率性を加速させる業務改革を推進しています。また、新たな分野に進むための専門人材の確保といった高度人材の補完に加え、有名コンテンツ等とのコラボレーションを通じたコーポレートブランディングによる認知度の向上に注力しています。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
性別や国籍等を理由とした形式的な採用や登用は行わず、個人のポテンシャルを考慮しながら能力や適性に基づき公正かつ適切に評価しています。また、すべての職位に社内外の研修体制を設け、入社後の能力開発に力点を置いています。次世代人材や専門知見を持つ高度人材の確保に努め、安心してキャリアアップできる環境整備を進めています。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均を大きく下回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2026年2月期 | 43.2歳 | 7.8年 | 3,723,000円 |
※平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社および連結子会社は関連法令による公表義務の対象ではないため、有報には本稿の記載がありません。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 固定資産の減損リスク
ホテル事業の運営に必要な施設や投資不動産などの固定資産を保有しています。自社所有の施設について多額の設備投資を行っているため、計画した収益が確保できない場合には固定資産の減損処理が必要となり、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
■(2) 人手不足による労務リスク
接客を伴うサービス業を主としているため、人材育成や環境整備による人材確保に注力しています。しかし、社会的な人手不足の深刻化によって必要人材の確保に遅れが生じ、サービス提供の縮小を余儀なくされる場合は、収益の確保に影響を与えるおそれがあります。
■(3) マンションフロントサービス事業の環境変化
新規マンション建設戸数の減少や、建設コストの高止まりなどにより、同事業を取り巻く環境は厳しい状況にあります。全国的な人手不足を背景としたフロント人材の確保難や管理組合の収支悪化が進むと、事業の維持や拡大が困難になるリスクが存在します。
■(4) クリーニング事業の需要減少
在宅勤務の拡大やファストファッションの普及により、一般衣類を対象とするクリーニング需要は減少傾向にあります。加えて、エネルギーコストや資材価格の高騰により産業全体が縮小しており、新規サービスの拡販等が計画通りに進まない場合、業績に影響を与える可能性があります。



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