※本記事は、北雄ラッキー株式会社 の有価証券報告書(第55期、自 2024年3月1日 至 2025年2月28日、2025年5月27日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. 北雄ラッキーってどんな会社?
北海道を地盤に「ラッキー」「シティ」等の屋号でスーパーマーケットを展開し、食料品や衣料品を販売しています。
■(1) 会社概要
1971年に株式会社オレンジチェーンとして設立され、1974年に株式会社山の手ストアーへ商号変更しチェーン展開を開始しました。1982年に株式会社まるせんと合併し、現社名の北雄ラッキーとなりました。その後、道内各地へ店舗網を拡大し、2010年には関連子会社を吸収合併して経営効率化を図っています。2022年の市場区分見直しに伴い、東証スタンダード市場へ移行しました。
同社(単体)の従業員数は402名です。筆頭株主は同社社長が代表を務める資産管理会社の桐生興産で、第2位は個人大株主の横山清氏、第3位は主要取引銀行の北洋銀行です。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| 桐生興産 | 22.96% |
| 横山清 | 5.83% |
| 北洋銀行 | 4.90% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性9名、女性0名の計9名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は桐生宇優氏が務めています。社外取締役比率は11.1%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 桐生宇優 | 代表取締役社長 | 山一證券を経て同社入社。営業本部長、管理本部長等を歴任し、2015年より現職。 |
| 田中寛密 | 取締役専務執行役員営業本部長 | 同社入社後、経営企画室長、営業本部長、常務執行役員等を経て2023年より現職。 |
| 髙橋徹 | 取締役常務執行役員管理本部長 | 同社入社後、生鮮部長、販売部長、開発部長、管理本部長等を経て2023年より現職。 |
| 吉田武生 | 取締役執行役員経営企画室長 | 同社入社後、店長、販売部長、販売統括部長等を経て2023年より現職。 |
社外取締役は、吉田周史(公認会計士)です。
2. 事業内容
同社グループは、「スーパーマーケット事業部門」を展開しています。
■スーパーマーケット事業部門
食料品を主力とするスーパーマーケット小売業を行っており、生鮮食料品、一般食料品、ファミリー衣料品などを一般消費者向けに販売しています。北海道内において、地域密着型の店舗運営を行っています。
収益は、来店客への商品販売代金として得ています。運営は主に北雄ラッキーが行っています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
直近5期間の業績を見ると、売上高は300億円台後半で推移していますが、第55期は前期比で減少しました。経常利益は数億円規模で推移しており、利益率は1%前後と低い水準にあります。第55期は減収に伴い利益も縮小し、当期純利益も減少しました。
| 項目 | 2021年2月期 | 2022年2月期 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | 2025年2月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 398億円 | 390億円 | 377億円 | 379億円 | 369億円 |
| 経常利益 | 4.8億円 | 3.9億円 | 4.2億円 | 5.4億円 | 2.1億円 |
| 利益率(%) | 1.2% | 1.0% | 1.1% | 1.4% | 0.6% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 1.9億円 | 2.4億円 | 1.3億円 | 3.1億円 | 1.4億円 |
■(2) 損益計算書
直近2期間を比較すると、売上高の減少に伴い売上総利益が減少し、利益率も若干低下しています。販売費及び一般管理費も削減を進めましたが、利益の減少幅をカバーするには至らず、営業利益は前期の約半分となりました。
| 項目 | 2024年2月期 | 2025年2月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 379億円 | 369億円 |
| 売上総利益 | 107億円 | 102億円 |
| 売上総利益率(%) | 28.3% | 27.5% |
| 営業利益 | 5.1億円 | 2.4億円 |
| 営業利益率(%) | 1.3% | 0.7% |
販売費及び一般管理費のうち、雑給が23億円(構成比23%)、給料及び手当が20億円(同20%)を占めています。
■(3) セグメント収益
同社はスーパーマーケット事業の単一セグメントです。物価上昇に伴う消費者の節約志向や競合激化の影響により、売上高は前期を下回りました。利益面でも、減収の影響やコスト増により大幅な減益となりました。
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
作成中。
| 項目 | 2024年2月期 | 2025年2月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 5.8億円 | 2.3億円 |
| 投資CF | 0.7百万円 | △3.6億円 |
| 財務CF | △6.6億円 | 72百万円 |
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社は「日本一質の高いスーパーマーケットをめざします」を企業理念として掲げています。多様化する消費者ニーズにきめ細かく対応することで、顧客満足度を引き上げることを目指しています。
■(2) 企業文化
「よりおいしくより豊かに」「健康と安心」を不変のこだわりとし、失敗を恐れずに挑戦を続ける姿勢を重視しています。独自の商品政策である「6MD」(テイスティラッキーMD、ナチュラルラッキーMD等)を推進し、おいしさと安心の提供を営業の生命線と捉えています。
■(3) 経営計画・目標
安定的な成長維持のため、2024年2月期から2026年2月期までの3か年の中期経営計画を策定しています。経営指標として経常利益を最も重視し、その他、自己資本比率や総資産利益率(ROA)、投下資本利益率(ROIC)などを重点指標として設定しています。
■(4) 成長戦略と重点施策
「チャレンジャー」をテーマに、差別化戦略としての「6MD」の深化や、フードコーディネート部を中心とした提案型商品開発によるファミリー顧客層の拡大に取り組んでいます。また、生鮮・デリカセンターの活用による商品供給拡大とコスト削減、セルフレジ導入等の業務効率化によるローコスト運営を推進しています。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
「感動を与えるサービス」と「仕事に対する向上心」を柱とし、人的資本の充実を図っています。従業員への研修制度の拡充や、毎年の育成面接を通じた課題の明確化を行い、中期経営計画に基づいた組織構成の見通しと人材育成の見える化を推進しています。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均(598万円)をやや下回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2025年2月期 | 46.7歳 | 20.8年 | 5,429,261円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | -% |
| 男性育児休業取得率 | 100.0% |
| 男女賃金差異(全労働者) | 43.4% |
| 男女賃金差異(正規雇用) | 78.6% |
| 男女賃金差異(非正規) | 97.4% |
※女性管理職比率については、有価証券報告書に数値の記載がありません(目標値のみ記載)。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 出店及び改装に関する法的規制
店舗の新規出店や増床は「大規模小売店舗立地法」の規制を受けます。周辺住民への生活環境への影響審査が必要であり、審査状況や規制変更により計画通りの出店・改装ができなくなった場合、業績に影響を与える可能性があります。
■(2) 競合等の影響
北海道内はスーパーマーケットがオーバーストア状態にあり、ドラッグストアやネット通販など異業態との競争も激化しています。同社は独自の商品政策等で差別化を図っていますが、商圏内に新規競合店が出店した場合などには、業績に影響が及ぶ可能性があります。
■(3) 食品の安全性
輸入食品の安全性や産地偽装、家畜伝染病などの問題が発生した場合、消費者の信頼低下や仕入ルートの変更、価格変動のリスクがあります。商品調達難や相場高騰による売上不振を招き、業績に影響を与える可能性があります。
■(4) 感染症等に関するリスク
新たな感染症の大規模流行により、店舗の営業短縮や休業、客数減少、商品供給への支障が生じた場合、業績に影響を与える可能性があります。同社は感染対策マニュアルの策定や衛生管理の徹底によりリスク低減に努めています。



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